大キレットのはずが....(上高地→槍ヶ岳→北穂高岳→上高地)
- GPS
- 27:19
- 距離
- 54.3km
- 登り
- 3,405m
- 下り
- 3,406m
コースタイム
5:21 上高地BT
5:28 河童橋
6:10 明神
6:58 徳沢 7:08
7:58 横尾 8:03
8:40 一の俣
8:52 二の俣
9:17 槍沢ロッジ 9:25
9:52 ババ平
10:15 槍沢大曲
11:13 天狗原分岐
11:32 水沢
12:02 ヒュッテ大槍分岐
12:17 小屋まであと1,000m標識
12:25 殺生分岐
13:04 槍ヶ岳山荘 13:07
13:30 槍ヶ岳 13:40
14:05 槍ヶ岳山荘
2日目
4:58 槍ヶ岳山荘
5:16 殺生分岐
5:34 ロッジ大槍分岐
6:36 大曲
7:13 槍沢ロッジ
8:16 横尾
9:13 本谷橋
10:38 涸沢ヒュッテ
13:10 北穂高岳南稜下
13:18 北穂高岳北稜
3日目
6:30 北穂高岳山頂
9:38 涸沢ヒュッテ 10:16
11:38 本谷橋 12:02
12:46 横尾 13:10
13:56 徳沢 14:36
15:10 明神 15:16
16:02 河童橋 16:07
16:15 上高地BT
天候 | 1日目:曇り一時雨 2日目:雨 3日目:曇り一時雨 のち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
沢渡⇔上高地 (タクシー:協定料金4,000円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは上高地BTにあり ババ平⇔大曲の間に崩落箇所あり(別ルートが作られているが行き違い困難) 大曲⇔水沢に比較的長い雪渓が残っている 水沢の上部にも2ヶ所短い雪渓あり Sガレ⇔涸沢間に雪渓2ヶ所 北穂の登山道には雪渓はない ハシゴ&クサリ 1箇所 クサリ 他に1箇所 |
写真
感想
天候に恵まれない3日間でした。
念願の槍ヶ岳→奥穂高→前穂高縦走のはずでしたが.....。
縦走を計画していることを親に話すと
「私も行きたい」。
おいおい、80歳にもなる母親をそんなところに連れていけるわけないじゃないか。
そこで、妹にも手伝ってもらうことになり、
母親を連れた妹と妹の長男は1泊目は涸沢にして、2日目に北穂高小屋までアタック。一方、私は単独で槍ヶ岳に登り、槍ヶ岳→北穂高
を大キレット経由で縦走し、北穂高小屋にて落ち合うというプランでした。
1日目は、上高地→横尾まで4人一緒に。足をなるべく使わないように心がけたので
2時間半とちょうどよいペース。ここで、母親ら3人と別れ、単独で槍沢コースを進みました。長い単調な登りでしたが、翌日以降の縦走に備え、足をためる作戦。それでも、13時過ぎには槍ヶ岳山荘に到着。道中一時雨にも降られ、どこが槍なのかわからないほどガスに覆われていました。しかしながら、山荘の100mくらい手前でガスガ一瞬切れてようやく穂先が眼前に現われました。
横尾と水場で短い休憩を入れたほかは、ほぼ7時間30分歩きづめで登ってきて、槍ヶ岳山荘の目の前では疲れもピークに。しかし、一瞬のガスの切れ目を逃しては大変と、宿の手続きを後回しにして、自身に鞭打って穂先にアタックです。
ペンキを手掛かりに進みます。自分も含めてはじめての人が多いせいでしょうか、かなりの人がコースを間違えています。先行した4人のあとを追いかけましたが、4人は左手に上がるペンキを見落として、下りのコースへ侵入。コースが間違っていることを先行者に伝えた後、先に登らせてもらいました。そこを上がって裏側に出ると、今度は1つ目の梯子を下って来る登山者に遭遇。
「いちばん上は、上りと下りが分かれているが、下は共用なのでまずは下らせてほしい。」
確かに私も初めてなのでよくわからずに、彼の言葉を信じて先に降ろしましたが、進んでみると、下りの別コースがあるではないですか....。深いガスの中を登ったために、下りのコースを確認できなかったのかもしれませんが、事故防止のためにコースを分けているはずなので、もう少し注意深くルートを選んでもらいたものです。
ガスが切れ始めてすぐに取り付いたせいか、山頂までの渋滞はわずかで20分ちょっとで山頂を踏むことができました。ただし、360°ガスの中で全く展望には恵まれまぜんでした。証拠写真を撮影してもらい、すぐに下山。急斜面なこともあり、かなり疲れました。
その後は少しずつガスが切れる時間帯が長くなり、テラスで大阪から来たグループと歓談して、1日目を楽しく過ごすことができました。
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槍ヶ岳山荘は、前日の土曜日は大混雑のようでした。
登っている途中に、降りてきた男性に訊きましたが
「暑くて眠れなかった。多くの人がロビーまで布団を移動して寝てましたよ。」
さすがに天気がいまいちの日曜日でしたので、布団一枚に一人程度でした。でもかなりの人の多さで、ほぼ寝床は埋まっていたようです。人いきれで暑いというのはこの日も同じで、布団をかけて寝るのはむずかしい状態でした。
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ロビーにはネットにつながったPCが置いてあり、翌日と翌々日の予報がホワイトボードに転記されていました。
「8/5 霧またはくもり 一時雨か雷雨」
「8/6 霧またはくもり 一時雨」
明日も明後日も天候には恵まれないようです。
母親たちに連絡して、北穂をあきらめて下山しようかとも思いましたが、肝心の携帯電話がつながりません。やはりdocomoでなければだめなようで、あのでたらめCMを見るたびにsoftbankには腹が立ちます。
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寝床で隣になった男性から、あしたのコースについて訊かれました。
「大キレットを通って北穂に行こうと思ってるんですが...。」
「私と同じルートですね。でも天気が悪そうなのでどうしようか迷っているんです。2回ほどキレットは通ったことがあるんですが、雨が降ると岩が滑って危ないnです。1回霧雨のときに通ったときはずいぶん恐い思いをしたんです。明日は南岳まで行ってから考えようかな?でもそれだと結局行っちゃいそうだし...。初めてなら明日は無理しないほうがいいんじゃない?」
北鎌尾根から今日は来ようかとも考えていたというベテランさんから、こう言われちゃうと、もともと技術的に自信がなく、高所恐怖症も克服していないので、パニックになったら.......。だいたいこの人ヘルメットもちゃんと持っているし、そういうひとからのアドバイスだし。子供もまだ小さいし。
とにかく明日の天気を見てからの判断ですが、雨なら横尾まで戻り登り直したほうが無難か。
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あいにく翌朝は小雨。
こうなったら横尾まで戻ることを決意し、早めに朝食を済まして出発です。
幸い5:00からとなっていた朝食でしたが、4:30から朝食が食べられるようになったので、いそいで朝食を済ませ5:00ちょうどに槍ヶ岳山荘を出発することができました。
4時間ほどを見ていた横尾を8:20ぐらいに通過し、10:50には北穂高岳登山道に取り付くことができました。ここまでは休憩なしできました。さすがに急峻な北穂の登山道で、100mごとに休憩をとりながら登ることにしました。この間ずっと雨は降り続き、去年は水のないない沢を登っていた覚えがあるのに、今回は水がずっと流れ続けていました。
さすがに昨年登った登山道ですので、核心部のくさり、くさり、ハシゴの部分は難なくクリアしました。しかし、槍ヶ岳山荘への道とは異なり一つ一つの段差が大きく、足に堪えます。それでもゆっくりとのぼることにこころがけ、昨年よりは疲労度が低い状況で登頂完了。横尾からの累積時間も雨中にもかかわらず、めいっぱいの勢いで登った昨年より15分ほど短縮できました。
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山頂で涸沢から4時間で登ってきた母親一行と無事再開を果たしました。
北穂高小屋は定員80名ほどの小さな小屋ですが、3106mの北穂高岳山頂から石段を十数段下った場所にあり、天気さえよければ槍ヶ岳、常念、前穂高岳、奥穂高岳、笠ヶ岳と360°の大パノラマがたのしめるロケーションにあります。富士山にある小屋を除くと、最も標高の高い小屋で、多くのファンがいるようです。
この日はあいにくの天気で登ってくる人が少ないせいか、一人あたり布団一枚以上のスペースを確保できました。食事も有名な生姜焼き定食で、とっても美味しくいただきました。昨年もヤマレコに書いたのですが、この小屋の方は非常に親切で、消灯直前にもかかわらず一旦閉めたドリンクコーナーをわざわざ開けて、一杯の生ビールを届けてくれました。笑顔の素敵な若い娘さんでした。
この小屋が気に入った理由はまだまだたくさんありますが、なんと行っても多くの先輩(登山歴3年なのでほとんどの人が自分にとっては先輩ですが.....)から、勉強になる話を聞けるのも理由の一つです。というのも、この小屋に来るには涸沢から登るか、南岳から大キレットを越えてくるか、はたまた涸沢岳から涸沢槍を越えてくるしかありません。日本アルプス・ルートガイドでは、涸沢→北穂で難易度4、大キレットは難易度未公表、涸沢岳→北穂で難易度7といった具合で、クサリやハシゴ、岩登りをこなさないと、この小屋に泊まることはできません。時には、西穂からジャンダルムを越えてきた人の話などを訊くこともできるようです。
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夜中も強い雨が屋根を叩き、小屋からの絶景もなかば諦めていたのですが、翌朝5:00過ぎに一瞬雲が切れ、槍ヶ岳、常念、前穂高岳、奥穂高岳、笠ヶ岳を望むことができました。詳しくは写真を見てください。昨年は、常念の肩から登るご来光を拝めたのですが、今年はあと少しで日が差す直前まで行きましたが、残念ながら再びガスがたちこめて、お日様を拝むことはかないませんでした。
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帰りは小雨のぱらつく中、慎重に岩下りをこなし、頑固な母親をなんとかクサリ、ハシゴの連続する核心部を下ろし、涸沢へ。3日間でもっとも移動距離の短い下山日でしたが、10時間以上かけて上高地へ下山しました。コースタイムで各チェックポイントに休憩が含まれているのは、先行・待機を繰り返していたためです。
大キレットは次回の宿題ということで、上高地を後にしました。
すごい!!健脚
北アルプスはなかなか梅雨明けせず、今週に入ってやっと安定してきたみたいですね。
キレット残念でしたね。
でも行かずに正解ですよ。
危ないのもあるけど、展望が無いのに行ってもつまらないですもん。
今度快晴の日に行ってみてください。
見事な大展望の中歩けます。
ルートは、クサリやステップがしっかりついているので思ったより難易度低いです。
落石にさえ注意すれば大丈夫です。
ご家族で、ステキな山登りをされているんですね
ご無沙汰しております。
貴女のレコ楽しく拝見させていただいております。
とくに赤湯温泉の巻きは最高でした...(笑)。
親子3代の山行きでしたので、80歳の母親を降ろすのには大変でした。なかなか言うことを聞いてもらえないので、はらはらドキドキ。クサリを降りるのに、突然片手を離したりするので.....。
キレットを歩いてきた人の話は訊きました。
「何も見えないので、恐怖感はなかったけど、つまらなかった。」
天気がいいと、もっと怖いのでしょうか?
まあ、ご進講の通り、晴れの日に再挑戦することは可能だと思っています。それまでは精進ですね。
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