沖ビリ沢・樅ノ木沢・世附の森へ!
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 09:52
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,363m
- 下り
- 1,355m
コースタイム
高指山 7:45
水ノ木分岐 8:45
沖ビリ沢入渓準備 9:04-9:18
金山林道 10:14
樅ノ木沢入渓 10:40
昼食 12:08-12:45
甲相国境尾根 14:16-14:29
雷雨で待機 14:36-15:29
水ノ木分岐 16:07
高指山 16:52
吉政付近 17:08
GPSデータ 距離18.0K 累積標高1485m
天候 | 晴れのち雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【沖ビリ沢】 水ノ木分岐を西丸方面へ最初の鞍部を下降するとヤブ漕ぎ無しで入れます。 ナメやナメ滝が多く非常にきれいな沢なので楽しめます。 5mを超える滝二か所にはそれぞれ左岸側にトラロープがあります。 ただ、一般登山靴では滑りやすいのでそれなりの装備は必要です。 【樅ノ木沢】 入渓点のナメ滝からミニ両門滝までは単調な河原歩きが続きます。 途中、核心部とも言えるCS状の滝がありますが、滝の落ち口付近で斜面がかぶり気味で登攀は難しいです。 右側斜面を巻いた方がいいと思います。 奥ノ二俣を過ぎて右沢は5m7mと滝が続きます。 ともにホールド、スタンスが外傾して細かくぬめっており難しいです。 巻き道は右側のルンゼを上がり笹ヤブを漕いで降ります。 詰め上げは浮石が多く落石に注意です。最後はヤブ漕ぎで稜線(標高1265m付近)に出ます。 ※今回のルートはsouldoctorさんの『【樅ノ木沢】敗退・全治2ヶ月・今シーズン終了【白い巨塔】』を参考にさせて頂きました。ありがとうございます。 このルート上にトイレはありません。 登山届は途中の土山峠で提出しました。 |
写真
水深は腰まで浸かる深さがありました。リュックは濡れないように持ち上げて通過します。下着を濡らしたくなければ右側(左岸)に巻道があります。
感想
今回は丹沢でも人がほとんど立ち入らない世附川エリアに行ってきました。
このエリアには2010年の水害で林道が崩壊以来、アクセスが厳しい山域になりました。
ナメとナメ滝が続き、きれいな沢が多く初級者向きの沢が多い流域ですが、登山道もあまり無いので入渓者も少ないのです。
今回は山梨県側の道志から甲相県境稜線に登って沢を降りて、沢を登って稜線に出ます。
ただこの様なルート設定は、沢でケガをしたり雷など天候悪化で引き返す事が出来ず、帰る際は常に稜線に登り返さなければなりません。
そしてこの山行で我が隊に今までにないトラブルが襲いました。
まずは予定していた登山口(山伏峠)が工事中で駐車できず、トンネル反対側は私有地なのでここには停めないで
以前に停めた事のある吉政付近に車を停めました。
ただ、ここからだと山伏峠から登るよりも一時間以上多く歩く事になり、往復だと2時間以上かかります。
当初の計画では下山予定が14時でしたので16時を過ぎる事になります。
その事が常に頭にあり、焦りがあったのかも知れません。
今思えば、予定を変更してルートを短縮するべきでした。
そして3つの失敗を犯してしまいます。
【‖譴鯏个蠅れず、滑り落ちる】
樅ノ木沢の終盤、奥ノ二俣を過ぎ右沢の7m滝での事。
右側にも巻き道がありましたが、急斜面でその先が笹ヤブになっています。
言い訳をする訳ではないが、goechanはヤブ漕ぎ大嫌い!ヤブは避けたかったのです。
そこで自分は左から登れると判断、自分が登ればgoechanにロープを出せばクリアできると思いました。
しかし登ってみて5m程して掴んだ草が根っこから抜けてしまい、その後もホールドがありません。
登る事も降る事も出来なくなり、足場も悪く少しずつズルズルと落ちていきます。
仕方なくリュックを岩場と身体の間のクッションにしてそこから滑り降りる事にしました。
goechanは滑落したのだと思ったらしく落ちた瞬間とても心配していましたが、何とかケガも無く降りる事が出来ました。
でもそれは本当に運が良かっただけだと思います。
やはり自分の中には「早く下山したい」、という気持ちが常にあり、焦りがあったのだと思います。
【⇔農で雷雨に打たれる】
沢を詰め上げて稜線に出た途端、雨が降り出し、雷鳴が聞こえてきました。
沢装備から一般ハイカーにアイテムチェンジしてる最中に雨が降り出し、
稜線を0.6kほど歩いた所で雷鳴が近づいていたので雷が去るまで待機する事にしました。
待機して10分ほどすると、雷は自分の位置を囲むように聞こえてきたので、まさにいつ落ちてもおかしくない状況でした。
稜線は樹木に覆われていたので高い木から離れ、姿勢を低くし待機します。
それでも不安なので稜線から離れヤブ漕ぎして標高を下げて低い姿勢でじっとしていました。
待機している間は本当に怖かったです。
このまま自分たちに落雷したらどうなってしまうんだろうと。
実は沢を詰めている途中、遠くから雷鳴が聞こえていました。
でもあの山域は富士山での自衛隊の訓練の爆音がうるさく聞こえる場所なので、訓練なんじゃないんじゃないかな?とか、
雷鳴がかなり遠くからのようだったし、上空は青空だったので、こっちには来ないだろうと・・
それにこの場所から引き返すにも、遡行してきた樅ノ木沢を下り、沖ビリ沢を登って再び稜線に出なければなりません。
また、雷雨の後、増水した沢沿いを歩く事はとても危険です。
そのリスクを考えるとやはり引き返す事は全く頭にありませんでした。
未だにあの時の判断として、どうすれば良かったのか、わからないのです。
【1具を着ずに待機してしまった事】
沢装備だったので雨に濡れても平気!くらいの気持ちでした。
合羽は常に持ってきていますが、この時期合羽を着た際の蒸し暑さを考えると少しくらい雨に打たれても平気だと。
それに雨雲は30分もしたらすぐ去るだろうと考えていたのです。
しかし待機して30分過ぎても去るどころか、更に雨足が強くなってきました。
動いている時は雨に打たれても平気だったのですが、
30分もじっとしていると体温も奪われていき少し寒く感じてきました。
持参したツエルトを被りましたが「雨を避けられただけでこんなに違うのか?」と思うくらい快適でした。
最初からツエルトを使用するべきでしたし、それ以前に雨具を着るべきでした。
夏場でも低体温症になるとは聞いていましたが、まさにその危機だったと思います。
山に登る事は本当にリスクがあり、予想できない事故や天候の変化があることが、今回の山行でよくわかりました。
リスクをゼロにはできませんが、リスクを最小限に出来る様、計画的な山行を心掛けたいと思います。
本当に反省点ばかりの山行でした。
※反省ばかり書き込みましたが、今回歩いた沖ビリ沢と樅ノ木沢はナメがとても美しく、「ここは本当に神奈川なのか!?」と思うくらい素晴らしい所でした。
もっと多くの人に歩かれてもよい沢だと思います。世附の森、本当に深いです。
雷雨には本当に心が折れそうでした。
私自身も汗で濡れてるし、足も沢の水で濡れてるし雨にうたれても大丈夫!!
な〜んて甘い考え。30分以上強い雨にうたれると体温がかなり下ります。
途中ツェルトの中に納まった時の温かさにはびっくりしました。
沢歩きでは荷物を軽くしたいな、最近天気も安定してるし合羽はいいかな。
と今回は安易に考えてしまいました。反省しきりです・・・
半端ないヤブ漕きにも心が折れそうでした。
世附の森はいろんな意味で深かったです。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
metaと申します
自分も最近沢登りはじめました。お二人のかかれている感想はとても教訓になりました。ちゃんと考えて対策を考えとこうと思います。ありがとうございました(^^)
はじめまして!コメントありがとうございます!
metaさんの檜洞レポ、自分たちが登る前日に見させて頂いたんですよぉ
直近の記録としてとても参考になりました。ありがとうございます。
今回の様なトラブルに対しての判断ってとても難しいですよね!
特に沢ではリスクが高くなります。
先週、melonpanさんのレコを拝見して思ったのですが、
やはり常にビバークする事を考えて装備を整えなければいけないのかなと思います。
確実な安全なんて、この世には存在しないと思いますが、やれる事は準備しておこうと思います。
metaさんも沢を始めたばかりなんですね。
丹沢のどこかの沢でお会いしするかもしれません、今後とも宜しくお願いします
美しいところですね。
最近の沢歩きの二人を見るのがとても楽しみです。
順調に一歩ずつ進んでいるようで、様々な丹沢の沢の魅力しっかりと伝わってきていますよ
私は沢は敗退して以来まだ歩いていないし、初心者ですのでよくわからないですけれど、今回の天候急変や状況に応じての対応は間違っていないと思いますよ。
稜線上での雷は経験が無いので、寒くてきっととても怖かったと思います。本当にご無事でよかったです。
若かりし頃
毎週のように釣りに入っていた世附
樅ノ木沢核心部のCS7m思い出します
VR好きなお二人に
深い森があって、檜洞の次にお似合いの沢ですね。
カワラナデシコとても綺麗です
自分もこの場所でしか見たことがありません。
長期沢合宿が終わったら
丹沢の花を探します
お二人に出会いますように
コメントありがとうございます!
とっても静かで美しいところでしたよ!
この世附川流域はほとんど人が立ち入らない水域なので、魚影も濃く思わず竿を出したくなります
沢を歩いてテンカラで岩魚でも釣って、幕営して気ままに一夜を過ごしたくなるような所です。
mitukiさんが沢デビュー戦で濁流に合い大変だったのを聞いていたので、
豪雨の後の沢は歩きたくなかったんですよ。鉄砲水は本当に怖いですからね
我々の沢歩きは無理せず一歩ずつです。
そろそろmitukiさんの師匠との沢レポが出ないかな、って思っていたところです。
おしえてもらった事、ちゃんと我々にも伝えてくださいよぉ!
お互い刺激し合いながら進歩して行きましょう
コメントありがとうございます!
釣りで毎週世附の森に行ってたんですか
CSの核心部もご存じでしたか?
kazikaさんのプロフの「全ルートを地図で見る」を見たら丹沢エリアが真っ赤でした。さすが、仙人ですね
世附の森、とても深いです。是非ともこの沢沿いで一夜を過ごしたいです。
魚影が濃くて釣りをするには最高の沢です
次にこの水域に行くときは静かにアプローチしてそーっと竿を出してみようかと思います
我が隊はオールシーズン丹沢がホームなので、初冬の頃にでも西丹沢あたりでお会い出来そうですね
isさん、goeさん今回はちょっと危険だったんですね
ご生還なによりでした
見たところ癒し系の沢のようですが、危険がいっぱい
なのですね。自分も気をつけたいと思いました
それはそうと両門の滝上にもヤマメがいたのには
驚きでした。手づかみできたのでは?
お二人の進化スピードには驚きです!
次回は釣りレコ期待しております
激ヤブ漕ぎお疲れさまでした。
コメントありがとうございます!
沖ビリ、樅ノ木ともども、癒し系で素敵な沢でした。
核心部はCS部分でしょうか?
soulさんの技術なら大丈夫
本当はケガから完全復帰した後に、この沢を歩きたかったのですが、
我が隊には時間もお金も無いのでこのタイミングになってしまいました。
見たくもない部分もあったかも知れませんね
我が隊は沢初心者のド素人なので、1級中以下の初級者向きのコースで遡行図と写真解説アリの沢のみを歩いています
ヤマレコでも一番詳しく情報提供しているsoulさんのレコは貴重です。
だから後を追っかけるように歩いてしまうんでしょうね
沢の技術の進歩は大した事ないですけど、ヤブ漕ぎだけは上手になりました。
いつか我が隊にご指導お願いしますね
怪我で山にも沢にも行けません。
山深い世附の美しい沢。羨ましいです。
この辺りは人が少なく、交通も不便で
(沢だけでなく山も)まだ歩いていません。
憧れの地ではあるのですが、なかなか。。。
暑い時の水浴びは最高ですよね。
goeさんも次回は是非
常にビバークを想定した装備をするべきかどうか。
無ければその分荷物が軽くなりますので、
特に「軽い」山行のときは迷いますよね。
私は以前受講したkamogさんの講習で
「ガスバーナー等は必携」と言われたこともあり、
そういった装備を欠かさずするようになりました。
私自身が万が一のことをつい考えてしまう
臆病な性格ということもあります。
コメントありがとうございます!
怪我が早く良くなるといいですね。経過は順調ですか?
melonpanさんの沢レコ楽しみにしてますね
暑いときの沢歩きは最高です!
つい先日、南アルプスの稜線を歩いてきましたけど、正直「丹沢の沢歩き」の方が楽しめます。
高い交通費かけて行かなくてもなぁって思っちゃいました。
世附川界隈は本当にアプローチが難しいです。また尾根はヤブ漕ぎだらけです。
だからこそ魅力たっぷりなんですけどね〜
近いうちに世附の森で一夜を過ごしたいものです。
あのkamogさんの講習も受けられたのですか?
我が隊はそのような講習は受けたことがないので、
機会があったらとは思っているのですが、なかなか・・
isさん
怪我へのお言葉、ありがとうございます。
まだ腰や腿の付け根に鈍い痛みがあります。
でもだいぶ良くなって来ました。
こうなる人間は欲が出てくるものでして、
「秋までにじっくり治す」つもりが
早くも「秋までにどこかへ行きたい」
世附は不老山や地蔵平くらいしか入ったことがないので、
徐々に行動範囲を広げていきたいと考えています。
法行沢や地蔵平でテン泊してみたいのですが
(水に困らないのは素晴らしいことです)
ついついユーシン方面に足が向いてしまって…。
kamogさんの読図講習はこちらです。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-55020.html
一回では覚えきれないくらい色々と教えていただきました。
次は沢登り講習も受けてみたいですね。
良かったです、でも無理しないでくださいね。
私の知り合いで、全治6か月と診断されながらも2か月で黒部の激流でカッパ泳ぎをした人がいました
あの方は身体と頭の中が一般人とは違うので、真似しないでくださいね
地蔵平は歴史を感じる場所で私もお気に入りです
あそこでゆっくりと昼寝でもしたいです
読図講習も受けてみたいですね。我が隊は独学なのでちょっといいかげんなところがありますので。
komogさんのような方は本当にありがたいです。
ありがとうございます🎵
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する