剱岳(源次郎尾根)
- GPS
- 09:47
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 1,259m
- 下り
- 1,259m
コースタイム
<2日目>剣沢キャンプ場5:30-6:30源次郎尾根取付き-11:00剱岳11:25-別山尾根-14:00剣沢キャンプ場
<3日目>剣沢キャンプ場4:20-5:20剱御前小屋6:00-7:10みくりが池温泉7:55-8:05室堂
天候 | ほぼ晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
源次郎尾根から剱岳に登って来ました。
独りで行きたかったわけではないのですが、一緒に行ってくれる人もいなかったので、仕方なく単独にて。
さて初日、扇沢に近づいてくるといきなり満車の電光表示。
げっ!山に登るどころかトロリーバスにも乗れず敗退か?と一瞬ギョッとしましたが、係員の方に誘導されるまま駅に到着すると、何と駅のすぐそば、有料駐車場より便利な無料駐車場に導いてくださいました。ラッキー♪
チケット売場は観光客が長蛇の列をなしていて、何時のバスになっちゃうのかしらん?と、ここでまた不安になりましたが、15分ぐらい並んだだけで、一番直近のバスに乗れました。
ケーブルカーやロープウェイの待ち時間で、室堂まで2時間ぐらいかかってしまいましたが、これぐらいは想定内(ホントか?)。
アルペンルートはほとんどが観光客で、登山客はいないの?と不思議に思っていましたが、室堂に到着するとようやくちらほらと山ノボラーたちを目にするようになりました。
登山客はもっと早く来るのが普通みたいですね。
天気予報通りの素晴らしい晴天。心が踊ります。
ヤマテン予報でも、これから数日は絶好の登山日和って言ってたしね。
発雷の心配もなさそうで、何てラッキーなんでしょう!
初日は剣沢キャンプ場までの予定。とここで、いきなりポカが発覚
軽量化のためコピーしてきた地図の端が切れており、雷鳥沢から先しかコピーされてない。トホホ。
まあ雷鳥沢まではさすがに標識ぐらい出てるだろと思ったら、何のことはない石畳の観光歩道でした。
素人なもので、そんなことも知らなかった(^^;。
それにしても、この後の雷鳥坂がきつかった。
天気がいいのは嬉しいけれど暑い!
1.5リットルの水では足りなくなりそうでした。
剣沢キャンプ場に到着したときは、剱岳も間近で見られたし、このまま一泊して帰っちゃってもいいんじゃない?なんて思ってしまいましたよ。
ま、それは一瞬のことで、テントを設営して大休止したのち、取り付きの偵察へ。
間違って雪渓を渡り剣山荘に行きそうになったり、雪渓を下って行ったら滝にぶち当たって巻いたりして、時間も遅くなってしまったため、全く偵察の意味をなさず、スゴスゴと戻るハメに。
いきなり雪渓に乗るのではなく、しばらく右岸の道を下りて、頃合いを見計らって雪渓に乗るのがいいみたいです。
そもそも雪渓の歩き方をよく知らなかった。
後で富山県警の方に雪渓の状態を伺ったときに教えていただいたのですが、真ん中はダメなのですね。ブリッジ状になって、薄くなっているということでした。
今は長次郎の手前まではしっかりしているということでしたが、変化すると思いますので、行かれる方は雪渓に下りる前に確認した方がいいと思います。
ちなみにアイゼンは軽アイゼンで十分でした。
さてキャンプ場に戻ってハタと気づいたのですが、剱岳の山塊をいくら眺めてみてもどれが源次郎尾根か分からない。
地形図と見比べても、どうもよく分からず。
師匠から、バリエーションはあまり事前に調べ過ぎると面白くないと言われているので、取り付きと懸垂下降以外についてはあまり頭に入っていなかったのですが、さすがにこれから自分が登ろうとしている尾根が分からないんじゃまずいなと思い、恥を忍んで富山県警の方に教えていただきました(^^;。
改めて源次郎尾根を眺めると、こんなとこ登れるの?と思うぐらい急峻に見えます。
2峰の先は懸垂下降するぐらいだから当然として、1峰から2峰の間もかなり急に見えます。
翌日現場に行ってみると、1峰からの下りは剣沢からは見えない斜面にあり、つづら折れの踏みあとがあって全然大したことありませんでしたが。
翌朝は早いので早々に寝床に入ったのですが、テントを張る場所が悪かったようで、終始人が通るためなかなか寝つけない。
こうなったらさる筋から入手した睡眠導入剤を投入するしかないと思い、パクりと飲み込んだものの中々効き目が現れない。
ええーい、話が違うじゃないかと思ったら、いつの間にか眠りに落ちていました。
翌日は周りの音で3時に起こされました。皆さん、早いですね。
早く起きたからって早出しようにも、ヘッデン頼りに取り付きを探すのも何だしとのんびりしていたら、まさかのトイレ渋滞にはまってしまい、結局予定より遅れてしまった。
取り付きは実に分かりやすかった。目印の大岩の先に明瞭な踏みあとがあり、ご親切に赤テープまでありました。
源次郎尾根は、途中で先行パーティに追いつくまで貸し切りかと思ったぐらい人が少なく、結局自分以外には2パーティしか入っていなかったと思います。
前日は懸垂下降も順番待ちだったそうなので、実にラッキー。
ちなみに下山の一般ルートも、時間が早かったからか、全く渋滞にはまることなくサクサク下れました。
それにしても1峰までが長かった。
もうそろそろだろ?と何度思ったことか。
ブログなどでは、ほとんど踏みあとがあり迷うところはないとよく書かれていますが、それはあくまでもある程度のスキルを持っている人の話。多少はルーファイが必要なところもあります。
1峰は木登りあり、這松漕ぎあり、ちょっとした岩登りありと、フィールドアスレチックのようで面白いのですが、下部は眺望もないし、いい加減飽き飽きしてくるほど長く感じました。
1峰で最初に登場する岩場は3級と言われていますが、3級+ぐらいあるように感じました。
2番目(3番目?確か3つあったような気が…)の岩場はもうちょっと簡単で、体感3級-ぐらいでしょうか?
自分はフリーで行きましたが、そこは自己判断にて。
クライミング未経験者は、最初の岩は自力では登れないかも?
お助け紐が残置されていましたが、ずっとあるかどうかは分かりませんので、当てにはできないと思います。
以上あくまでも個人的感想でした。
ちなみにどこだか忘れてしまいましたが、自分は一ヶ所ルーファイを間違えてしまい、4級-ぐらいありそうな苔むしたスラブを登ってしまい、冷や汗をかきました。
登り切って藪こぎしたら、踏みあとに合流したので事なきを得ましたが。
自分はこの日3番目に源次郎尾根に取り付いたのですが、最初のパーティに追いついたときには、知らぬ間に2番目のパーティを追い抜いていたらしいと分かりました。
後で聞いたらルートを間違えて遠回りしてしまったそうです。
そういうわけで、踏みあと頼りでずっと行けるとは限りませんのでご注意を。
1峰から2峰まではあっという間でした。
2峰の登りにはかなり切れ落ちたところがあり、ちょっと怖いかも。高度感はカニの横這いの比ではないと思います。
懸垂下降は50mロープで十分。
自分は60mを持って行って失敗でした。何しろ重い。
体力が尽きたときのためにビバーク装備を持ち、水を3.5リットルも持って行ったこともありますが(^^;。
(水は結局2.5リットル消費しました。)
50mロープだとぎりぎりテラスまでしか届きませんが、あとはクライムダウンできます。先行パーティは50mロープでした。
ちなみに壁の途中にある支点は、とても使えるような代物ではないですね。
錆びたハーケンで、手で引っ張ってみたらぐらぐらしました。
また懸垂下降の支点には残置スリングがたくさんかかっていますが、使う必要なし。チェーンの穴が大きいので、そのままロープを通すのが一番安全だと思います。
2峰から頂上までは、どこからでも登れる感じですが、ガレているので気を使います。結構長いですし。
踏みあとは小岩峰を巻くようにつけられているので、踏みあとを辿った方が楽です。
そんなこんなで、初めて剱岳に登頂。
天気もよく、最高の眺めでした。
久しぶりの本格的な山登りでめちゃくちゃ疲れましたが、山にはやはり頂上を極めるという魅力があることを再発見。
苦しさを乗り越え、山頂に到達したときはちょっと嬉しかった。
元々は先行していたパーティのお二人が少し遅れて到着し、握手を交わしてくれたのも嬉しかった。
今回は独りだったので、達成感を分かち合う相手がいませんでしたが、知らない人でも、この尾根をトレースしてきた者同士、何かしら通じ合うものがあったと思います。
それにしても不思議なパーティだったな?
お一人はめちゃくちゃ強そうなクライマーで、もうお一人はかなりバテていた。
下りは一般ルートの別山尾根から。
件のお二人は軽アイゼンとピッケルで長次郎雪渓を下ると仰っていましたが、自分にはそんな技術はないし、そもそもピッケルを持っていないので安全優先。
別山尾根は、鎖がなければ源次郎尾根より難しいとどこかのブログで読んだ記憶があるので、鎖を一切使わずに下りてみましたが、いくら何でもそれはないなーという印象でした。
別山尾根の方が岩もしっかりしてますし。
剣沢小屋で買ったなっちゃんが美味しかった。
テント場に戻り、あの尾根を登ってきたんだなあと感慨に耽りながら、日暮れまでだらだらと過ごしました。
素晴らしい天気の下で迎え入れてくれた剱くんに感謝です。
圧倒的な迫力で聳え立つ巨大な山塊。
ひとたび天候が悪化すれば途端に厳しい表情を見せるのでしょうが、この日はちょっと(かなり?)優しくしてくれました(^^)。
コメント
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こんにちは。
相変わらずレポ早いっすね!
それはともかく、お疲れ様でした&登頂おめでとうございます!
余裕を持った日程、クライマーならではの支点チェックなど、見習うべき点ありです。
2峰の懸垂下降は予想以上の高度差ですね〜。
黒光りする鋼のような剱岳、やっぱり格好いいです。
初めての剱岳でしたが、何とも言い難い存在感がありますね。本当に格好いいです。すっかり虜になってしまいました。
2峰の懸垂下降は、1ピッチとしては確かに長いですね。支点がしっかりしているので、怖さはありませんけど。
さっき改めてmfさんの剱岳初本チャンレコを読んだのですが、下山速いっすねー。
テントと登攀具を担いで、剣沢キャンプ場から室堂まで2時間なんて、ワタクシはとてもついて行けません。
それはそうと、源次郎尾根のことは早くも忘れて、八ツ峰が気になってます。
無雪期の6峰Cフェイスから上半縦走なら、初級者でもチャレンジできそうなので、計画しませんか? 今年は無理かな?
レコが早いのは、キャンプ場でヒマだったので、下書きしてあったからなのですよ。
着実に、行きたいルートに行き始めましたね。
入門バリエーションって、登ってみると、半分以上は歩きだったりして、呆気ないですよね。
でも、ちゃんと安全管理ができるのは、マルチピッチが出来るくらいのレベルの人で、やっとこだと思います。
(今のgeraniumさん位)
記録を読む限り、キチンと判断して登れているようですし、安心しました。
ただ、バリエーションのレベルでジャンプアップは、本当に危険です。
山では、完登したとしても、危険要素を見落としていて、何も起こらなかったから良かったけど、みたいなことが日常茶飯事なんですよ。
(初級者でなくても!)
半歩ずつ、ときには同じレベルのルートを登り貯めるくらいの意識で経験を積むと、安全度が上がると思います。
塾長、アドバイスありがとうございます。
山のバリエーションはゲレンデのマルチと違って、例え入門ルートでも幅広い判断やスキルが必要だと実感しました。
すぐにグレードアップしたくなるのは私の悪いクセですね。
クライミング要素の高いバリエーションは講習をお願いして、自分では入門編の経験を積もうと思います。
独りでいっちゃいましたか〜
おつきあいできなくてすみません
でも、レコを拝見すると、私が行ったら足手まといになったかもしれないので良かったのかな〜って思う反面、うらやましさも。
着実に目標をクリアしていくgeraさんに比べ私は停滞状態。
う〜ん、完全においてけぼりですね
でも私も自分のペースで少しずつレベルアップしていつか源次郎尾根にチャレンジしたいと思います
このレコはそのとき参考にさせていただきます
それにしても本チャンではピリッとしてるのにアプローチは適当な感じが、らしいですね〜。
あと、もっと写真を見たかったですね。
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天気予報がよかったので、急遽行ってしまいましたよ。最高の条件でした♪
登り応えのあるルートなので、来年ぜひ行かれてみてください!
山娘さんが行かれるなら、つつしんで私もおつきあいいたします!
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