【南八ヶ岳縦走】中岳〜赤岳〜横岳〜硫黄岳
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
- GPS
- 15:55
- 距離
- 22.6km
- 登り
- 1,857m
- 下り
- 1,853m
コースタイム
- 山行
- 6:19
- 休憩
- 2:40
- 合計
- 8:59
- 山行
- 5:12
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 6:36
天候 | どしゃ降り→雲の中 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
毎日アルペン号 竹橋23:00〜美濃戸口4:30 【帰り】 美濃戸口15:25〜新宿 |
コース状況/ 危険箇所等 |
序盤の歩き始めはどしゃ降りでしたが、雨が止んでからの稜線上の道は歩きやすかったです。 |
写真
感想
今回は南八ヶ岳へ。
本当は赤岳〜天狗岳までの縦走を考えていたけど、天気との兼ね合いて短縮版にしてみました。
コースは、行き帰りを美濃戸口にして、阿弥陀への登山道経由で中岳〜赤岳〜横岳〜硫黄岳を縦走するというもの。
【1日目】
行きは毎日アルペン号を利用して、竹橋から美濃戸口まで直行夜行バスで向かいました。夜寝づらいのはあるけど、早朝から行動できるのは大きなメリット。到着したら八ヶ岳山荘で準備します。山荘の一部が宿泊者以外にも開放されていて、トイレも利用できるので便利です。
まずは南沢と北沢の分岐にある山荘へ向かいます。分岐までは砂利道で、5時でも山荘に向かう車が多いです。途中で雨がかなり降り始めたので、レイン上下にスパッツで進みました。今回は行きは南沢を選んだので分岐はそちらを進みます。南沢コースに入るとすぐ登山道です。雨が強くて、雨雲がかかっているので森も暗くて、この時点で心が折れそうに。でも標高上げていけば雨も弱まる!と信じて上へ。南沢コースは沢というだけあって沢沿いにあります。ちょっとした渡渉場所も多いので、水量が多い場合は注意が必要かも。途中には北八ヶ岳のようなコケの森もあって、良い雰囲気です。ひたすら歩き続けて少し開けたところまでくると雨もようやく止みました。ここまで来れば行者小屋までの道はほぼアップダウンなく歩きやすいです。
行者小屋に到着すると雨は完全に止んだけど、まだまだ雲が多いです。本当なら赤岳の勇姿が見れるはずなのに、一瞬しか見えなかった。そうそう、行者小屋と赤岳鉱泉は雨の日限定ピンバッチを販売してるんですよね。なので雨に降られて良いこともあるなと。かわいい手ぬぐいとともにもちろんゲットしました。雨が強かったからかここまでで意外と疲れたので、少し休んだら阿弥陀岳方面へ向かいます。晴れてたら阿弥陀岳も見えるんだろうけど、相変わらずガスっていて何も見えず。幻想的とはいえ、ちょっとは見たかった。
中岳のコルに到着すると、森林限界を超え雰囲気が一変します。この辺りから高山植物も一気に増えて、下を見ながら何が咲いてるかなと歩くのが楽しくなってきます。中岳までは穏やかな稜線、晴れていれば絶景っぽいけど、変わらず真っ白。中岳から赤岳方面への下りは少し急です。
ここまでで結構な疲れ具合だったけど、今回1日目の核心部はこれから。いよいよ赤岳へ。ここで関西から来たグループと合流し、なぜか一緒に赤岳を目指すことに。尾根との合流地点までがなかなかの急登で、ガスってるから下から見ると合流の看板が一見山頂に見えるけど、そんな甘いわけなかった。合流してからが思った以上でした。経験したことないような巨大な岩場の連続で、クライミングのような感じです。高所恐怖症だけど、そんなこと考える余裕もなく鎖場を何ヵ所も通り、最後ははしごまで。ただ、登頂の達成感は最高でした。偶然会った方々と楽しく登りきったというのもあるかも。
山頂は下から吹き上げる風でものすごく寒かったので、写真を撮り早々と下山。山荘方面は滑りやすい急な坂の鎖場がずっと続いています。こちらを登りにするとかなり疲れそう。
宿泊する赤岳天望荘が見える頃に、雲の切れ間から稜線と青空が見えて、一瞬だったけどとても綺麗でした。
ちょうどお昼時だったので一緒にごはんを食べてから、日帰りだったので見送りました。短い間だったけど妙な連帯感ができてて、登山ならではというか楽しかったな。
1人に戻ったので山荘付近をうろうろ。行者小屋とか眼下が少し見えるようになったので綺麗に晴れるのを期待したけど、この日はだめでしたね。談話室のコタツでのんびり夕飯まで過ごしました。さすが土曜日というか、この日は満員だったので夕飯前にはどこも人で賑わっていました。夕飯は混ぜご飯に豚汁、チキンに山菜盛り合わせなど盛りだくさん。豚汁とごはんだけでも幸せに浸っていました。結構お腹いっぱいになりますが、ごはんと豚汁はおかわり自由みたいです。
食べ終わったら荷物の整理をしてあとは寝るだけの状態に。昨日の夜行バスはあまり寝られなかったので、今日はよく寝られそうです。強い雨が降っていたので、星を見に外に出ることもなく寝ました。
【2日目】
翌朝の日の出を期待して早起きしたけど、見事に真っ白。仕方ないので談話室でゴロゴロしてから朝ごはんを食べました。少しは晴れるかと食べたあともゴロゴロしていましたが全く変わらないので、7時頃出発。この時間になるとみなさんほぼ出発しているよう。
変わらずガスってましたが、一瞬雲が切れる時間がありました。下から吹き上げる雲、雲海、遠くに北アルプス、横を向けば中岳から赤岳がクッキリ見えて、昨日から全く見えなかった景色が一気に目の前に広がって、自然と涙が出ていました。それまで見えなかったところに絶景を見せるなんて、これは反則でしたね。写真を撮ったり眺めたりでしばらく動けませんでした。
その後はいよいよ横岳へ。最初から巨大な岩場がうっすら見え、人がそこをよじ登っているのがうっすら見えて、これは大丈夫なのか…と不安がよぎります。行くしかないと腹を括って突入です。
横岳までは高度感のある鎖場や梯子が連続しますが、一つ越えると休憩できそうなスペースを挟むことが多いのでありがたい。岩場をよじ登っていると、ちょうど目の前にお花がくることも多くて楽しいです。ただ、この日は完全にガスっていたので、晴れていたら高所恐怖症には相当怖いと思います…難所のルンゼ岩も越えて横岳山頂へ到着、相変わらず何も見えないので先へ進みます。この後の梯子を下りてからの鎖場が一番怖かったです。下見れなかったし。そこも越えるとようやく横岳エリアを脱出します。
硫黄岳へ向かう道はそれまでとは雰囲気が変わり、砂礫地が広がっていました。辺り一面真っ白で、これはこれで幻想的。ただ滑りやすくて歩きづらいかも。
硫黄岳山荘に着いたので、お土産目当てで休憩。オリジナル手ぬぐいと今年の開山祭のピンバッジをゲット。トイレは綺麗だし雰囲気良いし、ここも泊まってみたい。
その後は硫黄岳へ。ゆるやかな登りですが、昨日からの疲れと横岳を通過してきた身にはなかなかこたえます。変わらず真っ白で、広い稜線のため、ケルンに沿って登りました。このケルンは一つ一つが巨大なもの。そして面白いことに一つのケルンに辿り着くと次がうっすら見えるので、迷わず進めます。いくつのケルンを通り過ぎたか忘れた頃に山頂へ。ここはご存知爆裂火口が名物ですが、もちろん見えません。それまでよりも風の吹き上げが強くて寒いし、晴れる気配もなかったので悔しいけど先に進みます。赤岳鉱泉でお昼ごはんを食べたいので赤岩の頭へ向かいます。ここまでが森林限界。昨日の赤岳からここまでずっと森林限界にいたので、久しぶりの木々に新鮮な気持ちに。
赤岳鉱泉まではひたすら下りです。途中つづら折りが続くので、こっちを登りにするとキツそうです。下りるにつれ、久しぶりに青空も見えてきました。赤岳鉱泉ではちらちら見える赤岳を眺めながらチキンカレーを食べました。ここでやった南八ヶ岳の稜線が見えました。よく登ったなーとかあそこはあんな風になってたのかとか、赤岳天望荘はあそこかーとか、いつまでも見ていたい眺めでした。
その後は北沢へ。青空に沢の流れに木々の緑で、とても気持ち良い道でした。南沢に比べルートの標高差が少ないので、今回の思い出に浸りながらのんびり歩けます。久しぶりに見た美濃戸山荘に辿り着くと、帰ってきた感があります。
ようやく美濃戸口まで辿り着いたら、yatsugatake J&Nでティラミスとコーヒーで下山後の楽しみをいただきます。ここはごはんも美味しそうだし、店内は綺麗だし、宿泊もできて、お風呂も利用できるので、ここを拠点に南八ヶ岳を回るのも良さそう。ティラミスを食べながらボーっとしてると、茅野駅行きのバスが来ました。そのバスも見送って夕立の大雨になった頃に、帰りのアルペン号到着。行きの夜行は満席だったのにこちらのバスは小型で乗客も4人のみ。割高だからなのかはわかりませんが、美濃戸口から新宿まで直行はやはり魅力的です。渋滞なければ時刻表では3時間で着くし。
バスに揺られながら快適に新宿まで到着し、今回の八ヶ岳山行きは終了。今回行った目的は、テント山行に向けてテント持参で登山する、高所の山小屋に泊まったことがなかったので北ア縦走に向けて泊まっておきたかった、縦走に向けて高山を長距離歩くことでしたが全部達成できました。
偶然の出会いが楽しめて、思わぬ絶景にやられ、高所恐怖症だから避けていた南八ヶ岳を攻略できて、さらに山が好きになりました。今度は晴れている時に縦走したいですね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する