畑薙第一ダムから上河内岳経由で聖岳、聖沢ルート下山(赤石岳、荒川岳断念)
- GPS
- 23:13
- 距離
- 46.0km
- 登り
- 3,835m
- 下り
- 3,820m
コースタイム
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 9:34
- 山行
- 12:49
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 13:34
今回の山行では自分自身多くの反省点があったが、基本的には色々と準備不足であったということに尽きる。特に体調面では山行前から不安があった。ただ、山は行ってみないとわからないことが実際には多い。事前の不安はいくつか的中し、その対応ができなかったのだ。その結果が今回の結果である。そういう意味では大変収穫の多かったともいえる。南アルプス級ともなれば不備があれば容赦なく跳ね返される、大自然の偉大さを思い知った山行でもあった。
天候 | 一日目晴れ、二日目午後から曇りのちに雷雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
沼平ゲート手前の駐車スペースはすでにいっぱいだったため、ダム堤を渡ったところにあるスペースに駐車。ここには奥にトイレがあるが周囲の売店などはすでに廃屋になっている。沼平ゲートにある建屋にもトイレがあるが屋内にあり、関係者などがいて開いてないと利用できないようだ。ちなみに、下山時には沼平ゲート手前には多くの路駐が連なっていたが、それなりの路駐スキルが必要。 ちなみにダム周辺は電波は入らない模様(ドコモ)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・大吊り橋までの林道は完全舗装。 ・ウソッコ小屋までの道は途中で吊り橋の掛け直し工事があり仮設橋が設置。 通行には特に問題ないが、増水時は渡れない可能性もある。 ・大窪沢小屋までは急登の良い道。小屋では冬季用トイレが利用可能。幕営も可。 ・茶臼小屋までも快適に歩ける。小屋では冬季小屋利用可、水場あり。 トイレは男子小、女子トイレは旧トイレが利用可能なよう。 ・聖岳は山頂部はザレ場の連続で落石注意。下りはかなり神経を使った。 ・聖小屋は冬季用小屋利用可。トイレ利用可。水場水量豊富。 ・聖平幕営値は電波はいらず。小屋分岐から上河内岳側に少し登ると入る場所あり。 ・聖平から東俣林道へ至る聖沢ルートは変化に富んで面白いが色々と問題あり。 まず、崩壊した沢や斜面の通過が多く、滑落転落の危険あり。 足場細く不安定でロープがない場所もあり。 さらにアップダウンも多い。序盤は下っている気がしない。 終盤でも崩壊地を大きく高巻くように迂回する場所あり。ここも下りは足場不安定で注意。 他にも急斜面なども多く時間がかかる。登りで利用はかなり根性が必要か。 ・東俣林道、聖沢登山口から沼平ゲートまで14km。緩やかなアップダウンあり。 全域で工事中だが通過は可能。日影もあるが晴れていると灼熱でかなり辛い。 途中沢など水場があるが飲用に適しているかは不明。10kmぐらいは未舗装か。 |
写真
感想
久しぶりの南アテント泊縦走。よくよく考えると二泊三日の縦走など過去にしたことがあっただろうか。体力や体調面など色々と不安はあったもののできる準備をして畑薙ダムを目指した。
現地についてみると夏季臨時駐車場は今年は閉鎖されていた。最前線の沼平ゲートまで行ってみるとすでに満車で止める余地はなさそうに見えた。実はそうでもなかったのだが、あまり勝手がわからなかったので無理をしなかった。とりあえず引き返しダム堤横のスペースに駐車。トイレを探したが見当たらない。奥の方に進んでいくと巨大な扉のあるトイレがあった。疲れていたのかこの夜は珍しく比較的良く寝られた。
朝目覚めると周囲は車でいっぱいであった。チャリで出発する人もいた。沼平ゲートでトイレを探したが見当たらない。事前調査ではトイレがあると認識していたが、どうやら建物の中にあるらしく、今日は施錠されていて利用できなかった。完全舗装の林道を行き大吊り橋を渡ると急登が始まる。ウソッコ沢小屋までは橋の付け替え工事中でショベルカーなどが出迎えてくれた。ウソッコ沢小屋までは久しぶりのテント泊装備としては順調であった。今日の体調はよさそうだ。横窪沢小屋までも順調で重荷なりのペースを見つければ行けそうだった。ここでは念願のトイレを利用させてもらう。茶臼小屋まではさらにペースがあがり、横窪沢から二時間弱で到着。流石に脚に張りが出てきたがそれでも上出来である。天気も素晴らしい。直射日光は暑いが日影に入れば風も涼しく感じられる。茶臼小屋でトイレをチェックしたが、男子は小便用のトイレしか開いていなかった。奥に旧トイレがあるらしいが、そちらは女子トイレが利用できそうだった。ただし未確認である。水場では手がマヒするほど冷たい湧き水がでていたが、自分には少し苦味が強くておいしいとは思えなかった。稜線に出ると期待通りの大展望が待っていた。時間が早かったので茶臼岳を空身でピストン。聖、赤石の堂々としたその姿は、自分の記憶にあるもの以上に巨大に見えた。
上河内岳へは緩やかに登ったあと急激に下ったので道を間違えたかと思ったがあっていた。流石に脚の疲れは隠せず、上河内岳山頂への分岐までペースは大幅に落ちていた。山頂ではすでにガスが出ていて聖岳を隠し始めていた。聖平までの下りではザックのショルダーベルトが肩に食い込み痛みが発生。このザックはいつもそうだ。相性が悪い。聖平では心配されたテント設営スペースにはかなり余裕があって設営場所には苦労しない。沢の向こう側にもテントを張れるようだ。今日は40張りほどだった。
さて、テント設営が終了し落ち着いたところで少し腹ごしらえをと思ったがどうも食欲がわかない。チーズとナッツ類はそれ程抵抗はなかったが、甘いものは進まなかった。いつもの日帰り登山と同様、菓子パンなど甘いものをメインに持ってきてしまって後悔した。よく考えると登山以外で食べないものばかりだ。紅茶やコーヒーの類もほしかった。反省の余地あり。夕食は尾西の白飯と中華丼のレトルト。これはまずまず食べやすかった。テントサイトでは冬季用小屋泊と思われる人たちが宴会をしていて楽しそうだったが、酔いが進むにつれて大声になり正直うるさかったが、酒が切れると静かになることを知っていたので問題はなかった。
二日目。体のだるさなどでほとんど寝られず体調が思わしくなかった。平地でも今日はだめな日だなという感じの体調だった。とりあえず聖岳に向かう。その調子を見てその先に進むかを考えることにする。重い足取りで3時前に出発。今日は午後の早い時間から雷雨の可能性があるということだったので早出とした。しかし、足取りは山頂まで変わらなかった。コースタイム通りの時間で登頂したが、この先はさらに険しいアップダウンがあり、百間洞からは最後の500mの登りがある。途中で体調がさらに悪化し脚が完全に止まったらまずい。目の前に広がる素晴らしい絶景を前に縦走を断念するのは辛かったが、進むという選択肢をとることは難しかった。赤石岳方面へ向かう人をしり目に下り始める。下りはザレ場が特に不安定であった。
聖平からは聖沢を下るが、このルートは初めてだが特に下調べをしていなかった。聖平に向かうメインルートという印象で特に問題はないだろうと思っていたが、そこそこ悪路もあり曲者だと思った。特に今回のような体調不良でいち早く下山したい場合には不適だったかもしれない。しかも最後に東俣林道の歩きが14kmもあることを把握していなかった。崩壊地のトラバースが多かった。ロープが設置されているが不安定でかなり慎重に歩を進める必要があった。鉄の橋や手すりも一部痛みが激しく、どれほど信頼できるか不明であった。また、アップダウンもところどころあり、下り一辺倒とはいかない。終盤の迂回路は予想外だっただけに精神的にダメージが大きかった。
そして最後の林道歩き。沼平ゲートまで14kmなので三時間かからないだろうと思っていたが、実際には暑さとアップダウンがあり、さらに肩の痛みや頭痛が加わって何度も休憩し遅々として進まなかった。特に肩の痛みと腰の擦れは痛くてつらかった。このザック、買った当初からそうだったのだが、せっかくの高い買い物を無駄にするわけにはいかないとだましだまし使ってきたが、今回の件で絶対にザックを買い替えてやるという決心がついた。変えても同じかもしれないが。途中で歩行者や自転車族にあったが、椹島まで行くつもりだろうか。まだまだあるぞ。さらに天候が悪化、雷雨となった。稜線ではもっとひどい状態だっただろう。幸いあと少しだ。ようやく到着した沼平ゲートでは下山届と体温測定。これやる必要あるのだろうか。車までもう少しだけ歩いて山行無事終了。長い闘いは終わった。
今回の山行、反省点が多かったが、それだけ次につながるものだと思った。そもそも、自分の山行はほとんどが日帰り登山であり、テント泊縦走というのは年一回するかどうかである。したがって、テント泊に対してはほとんど素人であり、もう一度足りない面をよくよく反省して準備する必要があると感じた。昔は体力でごまかせていた面があったが、それなりの年齢になり無理も聞かなくなったということだと思う。それはさておき、二日間ほとんどは素晴らしい天気で久しぶりに雄大な南アルプスの名山を満喫出来たことは良かったと思う。次回はもっと気持ちに余裕のある状態で再開したいものである。とりあえずザック買い替え!まずこれだ。
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