大雪山縦走
- GPS
- 32:00
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 1,726m
- 下り
- 2,169m
コースタイム
(24日)07:15黒岳石室発ー09:45北鎮岳分岐‐10:50間宮岳‐11:20裏旭キャンプ指定地(昼食)‐12:05スタート‐13:00旭岳山頂‐15:00旭岳ロープウェイすがたみ駅
天候 | 23日晴のち曇り時々雨 24日晴のち雷雨のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 飛行機
層雲峡温泉 旭岳温泉 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全般に危険な個所はない。 裏旭から旭岳山頂へはザレた道をほぼ直登する。登山道らしきものはないが、ひたすら上に登れば山頂に着く。 北海岳周りの縦走では、途中で赤石川を渡渉する。降雨が多いときは増水するので注意が必要。 |
写真
感想
札幌の生まれ育ちなのに、北海道の山を知らない。東京に出てきてから山歩きをおぼえたからだ。北海道育ちの友人から「大雪を縦走しよう」と誘われた時すぐに乗った。北アルプスとはまた違う魅力を体感してみたかった。
黒岳登山口の層雲峡温泉に前日入ったときは豪雨だった。天候不順は予報で覚悟していた。この雨では登山は無理かなと思ったが、翌朝、見事に晴れていた。79歳の老アルピニストが加わっているので、黒岳石室に泊まるゆったりした日程を組んだ。コースタイムも普通の1・5倍かけた。黒岳へはロープウェイやリフトで高度を稼ぎ、7合目から歩き出す。大石のある急登が続く。老アルピニストは息が上がり、たびたび休む。地元の上川小学校4年生35人の一団にも追いつかれる。
黒岳山頂まで2時間ほどかけると、一気に展望がひらけた。カムイ・ミンタラ(神々の遊ぶ庭)が目の前に現れる。360度、なだらかな稜線がどこまでも連なっている。旭岳までは見えるが、そのはるか奥にはトムラウシがあるはずだ。大雪山国立公園の面積はほぼ神奈川県の広さに匹敵する。それを想像しただけでも雄大さと開放感に満たされる。
黒岳石室に荷物を置いた後、北海岳の途中まで散策に出かける。黒岳から旭岳に縦走するには2コースある。北海岳回りか、北鎮岳回りである。明日は北鎮岳回りで行くので、今日北海岳まで歩いてみる。夕方から雨予報だったので7合目あたりで
引き返す。
黒岳石室は管理人が交代で常駐し、ビールも日本酒も飲料水も売っている。すべて500円というのが驚きだ。調理の水は貯めた雨水か沢水、煮沸して使う。毛布1枚とレンタルシュラフ(1000円)で寝るが、夜中寒くて何度も目が覚めた。近くのテント場では北大の熊研究会の4人がテン泊していた。8月初めからテン泊しているというリーダーらしき学生は「先週はよくヒグマを見かけましたが、今週はまだ1頭も見ていません。お鉢平周辺で6頭ぐらいいると思います」
黒岳石室のバイオトイレは進んでいた。使用後、備え付けのエアロバイクに乗り、前に20回、後ろに10回漕がなければならない。おがくずに混ぜ合わせるためだ。
翌朝、寝過ごしてご来光を見れなかった。気温9度の中を出発。1時間ほど行ったお鉢平展望台でウエストバッグをトイレに置き忘れたことに気づく。財布にはカード類が入っていたので取りに引き返す。みんなの足を考慮して、ほどなく追いつけるだろうと計算した。北鎮岳分岐でみんなに合流する。あまりアップダウンのない登山道だったことが幸いする。
この辺から黒い雲が出てきて、遠雷も聞こえ出した。雨が落ちてくる。レインウェアとザックカバーを装着する。だんだん雨が強くなり、中岳に来たころには雷鳴が近くで轟く。周りに樹木がない。僕らが一番高い目標物になる。避難場所はどこにもない。ままよ、と運を天に任せた。間宮岳山頂付近が一番激しかったろうか。この間、出会った人は旭岳から縦走してきた4人のパーティーと単独行の2人だけ。本州の山々の混雑を考えると、嘘のような静けさだ。大雪山では、ヒグマの方が人間より多いのだろう。
間宮岳を下って裏旭キャンプ地まで来ると、雨が上がった。キャンプ地で昼食にする。昼食時、雨に降られないのはついている。大雪の神々に感謝。
裏旭側から山頂を目指すコースは踏み跡のついた登山道がほとんどない。ザレた斜面をほぼ直登することになる。地面が雨で湿り、少し固まっていたことが幸いする。老アルピニストは最後の力を振り絞ってとうとう登頂を果たす。「涙が出るほどうれしい」と感激の面持ち。僕らも同じ思いだ。
山頂には2人しかいなかった。下山し始めると、旭岳ロープウェイから登ってくるたくさんの登山者に出会う。ショートパンツ一枚の外国人もいた。「コールド?」と聞くと「ホット、ホット!」。こちら側も雷雨が激しかったらしく、登山者は天候が落ち着くのを待っていたようだ。
大雪山の道は歩きやすい。景色も花も極上だ。9月初めには初雪が降るという。暑い夏場、1年に1回来てもいいな。
下山後は旭岳温泉のロッジ(ここが非常に良かった)に泊まり、翌日、行動展示で有名になった旭山動物園を見物した。行動展示を編み出した前園長の小菅正夫氏は高校の同期生である。高校時代は地味な男だったが、今では同期生の中で一番有名な人物になった。
ルート図はガーミンが故障でログできなかった。ガーミンに詳しいFちゃんに診てもらったが「修理に出すしかない」。ヤマレコから似たコースを選び、転載させていただいた。
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