両神山《裏参道》

2021年07月31日(土) [日帰り]

• GPS: 10:22
• 距離: 12.1km
• 登り: 1,615m
• 下り: 1,605m

コースタイム

日帰り

• 山行: 7:51
• 休憩: 2:27
• 合計: 10:18

6:51 日向大谷口バス停
6:55 6:55 民宿両神山荘
7:23 7:36 会所
8:24 8:45 両神八海山
9:07 9:09 弘法之井戸
11:04 11:34 三笠山
13:21 13:48 両神神社
14:13 14:45 両神山
14:58 14:58 両神神社
15:19 15:19 鈴が坂
15:27 15:27 清滝小屋
15:32 15:41 弘法之井戸
15:53 15:53 両神八海山
16:28 16:40 会所
17:03 17:04 民宿両神山荘
17:06 17:06 日向大谷口バス停
17:09 ゴール地点

天候

曇りのち晴れ

アクセス

利用交通機関：

自家用車

上の無料駐車場に駐める。

コース状況／危険箇所等

副題の裏参道とは、両神信仰の一つである金剛院(御嶽神社)の参道の一つとされ、表参道から別コースをとる古道です。

踏み跡はありますが、部分的に不明瞭なところがあります。ハイキングコースでは無いので安易な入山は危険です。

写真

7/31 6:56

両神山登山口
本日は超マイナー古道を辿りながら、石造物調査をする予定です。

7/31 7:05

普寛行者
普寛行者とは秩父(大滝)出身の行者で、木曽御嶽山を開山した近世御嶽信仰の祖です。両神山は木曽御嶽信仰の山でもあります。

7/31 7:12

一心行者
普寛行者最後の弟子と云われている行者です。

7/31 7:18

普寛行者
こちらは石工黒澤三重郎作のモノです。

7/31 7:22

覚明行者
覚明行者も木曽御嶽信仰の開祖です。

7/31 7:27

会所で小休止

7/31 7:44

石尊大権現
分断してしまっていますが、金剛院系の石造物です。

7/31 7:45

荒沢不動尊
下山時に気づきましたが、背後の岩場にはイワタバコが沢山咲いていました。

7/31 7:59

薄川
表参道は沢沿いの登山道なので涼しいです。

7/31 8:25

八海山大頭羅神王
越後八海山の守護神で木曽御嶽五神の一神です。
獅子冠をかぶり、右手には宝剣、左手には宝珠の特徴をよく表しています。

7/31 8:52

意波羅天宮
秩父御岳山の守護神で木曽御嶽五神の一神です。

7/31 8:59

イワタバコ

7/31 9:03

善に師童子
ここから「三笠山通り」とも呼称されている古道を探索します。

7/31 9:13

踏み跡やテープの類は無しだったので、歩くならここかな？という感じで、それらしき小尾根を進むことに。

7/31 9:15

途中、何となく踏み跡っぽい区間もありましたが、積極的に古道とは断定できず。

7/31 9:24

小尾根のどん突き巨岩
岩根を右に巻くと…

7/31 9:27

一位ヶタワから清滝小屋の谷に合流しました。

7/31 9:30

廃道の鎖場を進むgさん

7/31 9:35

一位ヶタワの石祠82cm
「昭和三十一年」とあります。

7/31 9:47

一位局と白龍一位大明神
一位局：93cm「昭和三十五年九月吉日」
白龍一位大明神：63cm「昭和四十二年四月吉日」
共に東京都昭島市の一心誠講による造立です。

7/31 10:05

三笠山刀利天宮
上州三笠山の守護神であり、木曽御嶽五神の一神です。
高さ88cmを測り、台石の右面には「上野国碓氷郡 大先達 天照寺」とあります。

7/31 10:22

三宝荒神
高さ92cmを測り、台石の左面には「慶應三年◻︎◻︎丁卯(1867) ◻︎春」とあり、右面には「�盧蠕亶� 石塚文七郎◻︎◻︎」とあります。

7/31 10:59

阿留口天狗(阿留摩耶天)
高さ88cmを測り、台石の正面には「上州多胡郡 多比良村」とあります。

7/31 11:06

天照三尊
左：春日大神、83cm「當郡品澤村 伊古田村」
中：天照大神、99cm「上野國緑埜郡鬼石町」「武蔵國児玉郡阿久原村」
右：八幡大神、83cm「信濃國佐久郡宿岩村 高野町村」

7/31 11:42

髭擦り岩
肉眼では断崖中にヤマユリが咲いているのが見えました。

7/31 11:43

大江大権現
高さ77cmを測り、台石の正面には「上州鮎川」とあります。

7/31 11:49

古道の桟橋

7/31 11:52

鏡岩
こちらにも大輪のヤマユリが咲いていました。

7/31 11:54

不明の石造物(相馬大権現？)
高さ85cmを測り、台石の正面には「上�� 入山講」とあります。

7/31 12:07

中央不動尊
高さ51cmを測り、台石には「上州安中 秩父郡矢那瀬村 岩田村」とありました。

7/31 12:42

寺平
お堂があったという言い伝えのある平場です。

7/31 12:43

武尊大権現
上州武尊山の守護神で、木曽御嶽五神の一神です。
高さ85cmを測り、台石の左面には「慶応二年寅丙歳(1866)三月吉祥日」正面には「上野國碓氷郡 剱嵜 藤塚邑 八幡邑 同郡引間邑」とありました。

7/31 13:04

東照大権現
高さ86cmを測り、背面には「信州伊奈郡石工 藤森吉弥一壽 當郡日尾邑石工黒澤三重郎源金」とあり、台石の正面には「上州宮本講」右面には「下仁田上町」とありました。

7/31 13:20

古道の梯子

7/31 13:25

覗岩(東覗き)
ガスガスですがここで小休止です。

7/31 13:48

御嶽神社本社
本社内には御嶽山座王大権現の銅像が祀られております。

7/31 13:49

御嶽山座王大権現の本地仏である大日如来
この台座は元々は銅像の台座と推定。

7/31 13:57

今回は以前発見し、気になっていた謎の旧道？を探索しながら山頂を目指します。

7/31 13:58

鎖場
こんなルートがあったとは…

7/31 14:04

鬼トラバース区間もありましたが、無事に一般コースに合流できました。

7/31 14:20

剣ヶ峰直下にある帝釈天の台石です。
高さ23cmを測ります。

7/31 14:22

さらに下に落ちていた新発見の蓮座
高さ15cm、直径約40cmを測ります。過去に山頂にあったとされる帝釈天、大日如来とは別のモノと考えられ、もう一つ別の石造物があったと考えています。

7/31 14:27

女座山
御嶽山三尊碑と普寛霊神碑

7/31 14:41

剣ヶ峰
晴天の山頂

7/31 14:59

観蔵院(両神神社本社)

7/31 15:26

清滝不動三尊

7/31 15:31

弘法之井戸
給水して下山です。

7/31 17:01

日向大谷
無事に下山してゴールです。

7/31 17:02

両神山荘のポンちゃん
門が空いていたのでご挨拶に伺ったところ、女将さんが梅干しを下さいました。いつもありがとうございます。

撮影機器：

iPhone 12 128GB SoftBank Apple

感想

モンブラン

ライフワークにしている両神山の踏査です。今回の目標は両神神社の参道(表参道)から、御嶽神社へと至る裏参道「三笠山通り」とも云われている、古道の踏査でした。

実際に辿ってみると、古道はおろか踏み跡も消失していましたが、歩き易い小尾根があり概ね古文献の記載内容に一致することから古道とすることができるのかなと思います。

それから、三笠山から御嶽神社に至る石造物の調査では、未解明だった石造物の銘文を判読することができました(多くは割愛)。山頂下の蓮座など新発見もあり、両神信仰の一端に触れることができました。

古道と石造物の調査…マニアな計画にもかかわらず、ご協力頂いたgさんに感謝です。次回もどうぞよろしくお願いします。

godohan

・八丁峠で怪我をしてしまってから約2か月、リハビリを続けてやっと再び両神山頂に立つことができました。当日は登山日和とは言えませんでしたが、山頂につくと一時青空があらわれ、両神山が「お帰り」と言ってくれていると勝手に思い込み感慨もひとしおでした。
・真夏の石仏調査ということで耐暑を覚悟していましたが、ほぼ全日ガスに包まれ、じっとしていると逆に寒いくらいでした。絶景を期待して登られた方には申し訳ありませんが、絶好の調査日和になりました。気になっていた石造物を詳しく見ることができ、また新発見もあり、大変有意義な山行になりました。存分に石分を補給することができとても楽しい時間でした。mさんには毎度毎度の先達、本当に感謝します。