戸隠西岳(反時計回り)想定外のトラブル発生。
- GPS
- 09:11
- 距離
- 12.9km
- 登り
- 1,514m
- 下り
- 1,516m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
1 上部は蟻の塔渡り、P1尾根上部は危険箇所ばかりです。意外と危険を感じたのは稜線上の草で覆われた登山道、道幅は思った以上に狭く少し横に踏み外しただけで滑落の危険あり、2度ほど踏み抜きした状態になりました。 2 西岳直下の長い鎖場とロープ箇所で地蜂(黒スズメバチ)巣があるらしくA君は顔2箇所両腕10箇所刺されました。先に通過した自分は大丈夫でした。逃げ場のない垂直な場所故注意です。 3 この時期日が差すと一気に暑くなり喉が渇きます。水分は十分準備したほうが良いです。また上部は鎖やロープ、笹を掴むのに手袋が必要です。 |
写真
感想
信州100名山もあと2ついずれも簡単な山では無いが危険な山と言うことではこの山だろう。今回は久しぶりに以前よく一緒に登った会社のA君と2人で西岳周回をしてきた。レコを見るにほとんどが時計回りになっていたが戸隠-高妻山は以前登っていて蟻の塔渡りも経験しているので、西岳まで行ってからP1尾根に集中したいと思って反時計回りにした。
5時に鏡池を出発、気温の割には空気がまとわりつくような蒸す中、しつこいアブを払いながら20分程歩きパワースポットの大きな杉の参道に出て奥社にお参りをした。参道には先行するソロの男性登山者しかいなかったが神社では参詣する人や臨時登山案内所の人たちがいて少し賑やいが感じだった。
奥社横から登山道が始まる、長丁場ゆえゆっくり登って百間長屋でヘルメットを被り鎖場に向かった。胸突き岩の鎖を登って蟻の塔渡りに到着。登山口から1時間ほどで来たので快調だ。蟻の塔渡りはちょうどガスのなかだった。途中で一瞬ガスが消えて周りが見えたときは素晴らしい景色に歓声を上げてしまった。
その上の八方睨みで休憩して先ずは本院岳を目指して出発した。
八方睨みから激下りとなる、ガスのせいで草に露が着いていて粘土質の土が滑る、本来ならロープがあっても良い所なのだが周りの草を掴みながら下った。この先の激下りを思えばこの辺は序の口だった。200M下って300M登るだけだと思っていたのだが途中何度もアップダウンがあって下っていかない。ズボンは露でびしょびしょになって風もあり日差しも無かったので汗をかいた体が一気に冷えていき寒ささえ感じた。
鞍部まで下って本院岳への登り返しにかかった。正面の岩山をどう越えて行くのかと思い進んでいった。稜線から北側の藪の中に入って灌木のトンネルの様な道をトラバースしていき、藪が切れて左に直登する道の様な所を登って行った。ところがしばらくするとその上が岩のガケになっていて左に道らしき感じがしたのでガケを滑落しそうになりながら草を掴み登ってみた。そこに道は無く辺りを探したがだめ、一旦下まで戻って右手の藪道を抜けて登ってみたがこれもだめだった。ここまで来て撤退かと思った矢先、A君が道を見つけその先に下ってくる登山者も見つけほっとした。これも自分がGPSに落としたレコからのログがぶれていてそっちに頼ったのが失敗だった。ログを落としたとき結構ジグザクにぶれているログだった。
この付近からあたピンクのリボンにもっと注意を払うべきだったと反省。
おかげで30分以上ロスと肉体的にも精神的にも大きな疲労を残してしまった。
本院岳まで2時間も掛かってしまい疲れを引きずって西岳に向かった。
レコでは本院岳-西岳は歩きやすいと書いてあったがそんなことは無かった。
八方睨みからこの登山道は一見歩きやすい道に見えるところも草で囲われて見えないので少し横に足を着いただけで端を越えて落ちてしまう。場所によっては滑落の危険もあって集中が続く。
そして惨事が発生、西岳直下の長い鎖とロープが続く垂直に近い場所を登り終えたところで下にいたA君の叫び声、「いってー なんだこれ、いってー・・」としばらくして上がってくるA君は苦悶に満ちた表情で痛い痛いとくりかえす。
なんと地蜂の巣が近くになって蜂の総攻撃にあったという。
見れば顔は眉の上と頬、両腕は10箇所ほど赤い点ができてその周りが膨らんできている。やばいどうしよう!アナフィラキシーショックという言葉が浮かんだ。
それもこんな場所で、最悪のケースここにヘリは来てくれるだろうか、電話は通じないが無線は持ってきている。まずは自分が持っている虫刺されの軟膏を塗って一息入れた後、そろそろ下りながらもう少し広い場所で様子を見ようとP1へ向かった。途中何度も彼に体調を確認しながら歩いた。P1までは一旦下ってから登る事になるがその頃A君はなんとなく息苦しいような気分に不安が増すばかりだったようだ。
P1峰で休憩、蜂に刺された所は痛いらしいがチクチク痛むだけで気分は大丈夫そうだった。それなら下っていくことにした。P1を下り始めてすぐ登って来たカップルに蜂の事を話し気を付けるよう助言した。その先がP1尾根のハイライト部分に突入した。無念の峰までが一心不乱の気の抜けない箇所だった。
そこを過ぎた頃彼の体に異変が生じていた。なんとあれほど刺されて腫れていた眉や腕の箇所が赤い点が残るのみになっていた。痛みもほぼ消えてほとんど気にならない程度になっていた。まるでマジックを見せられているようでどうしてほとんどが消えてしまったのか不思議でならない。塗った軟膏が良かったのか?・・・ もしかしたらコロナのワクチン接種でできた抗体のせいなのか。登るときお祈りした奥社の神様のご加護があったのか?
惨事が消えて無くなったA君はテンションアップ、天気も良くなって周りの山々のガスがすっかりなくなりP1尾根の激下りを楽しみながら山行を続けることが出来た。
駐車場まで戻ってきた頃は、道迷いや蜂されそれに難関西岳の長時間の山行もあってほっとする以上に精神的にも肉体的にも大いに疲れたというのが本音だった。しかしA君が無事で一緒に戻ってこれて本当に良かった。
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