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Yamareco

記録ID: 342429
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

光岳って、思いのほかいい山でした。

2013年09月06日(金) ~ 2013年09月08日(日)
 - 拍手
GPS
--:--
距離
16.3km
登り
2,089m
下り
2,098m

コースタイム

1日目 5:13登山口―6:56面平―9:40尾根上の小ピーク(2254m)―10:16易老岳―10:46三吉ガレ―11:27三吉平(昼食)―12:50静高平―13:19イザルケ岳(2540M)―13:43光小屋13:52―14:11光岳山頂(2591M)
2日目 5:42光小屋―7:50易老岳―11:05登山口
天候 1日目 晴れ
2日目 晴れのち曇り、のち雨。
3日目 雨
過去天気図(気象庁) 2013年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
昨年、1昨年と、登山口の易老渡までの林道赤石線が崩壊していましたが、今年は改修され、ようやく登ることが出来そうです。でも、岩盤崩壊の危険性があり、今年度の夏山シーズン中は危険個所を17時から8時半まで通行止めにし、施錠されています。それに加えて林道赤石線の入口上島地区〜下栗地区の間で、林道改良工事により平成25年8月19日〜平成25年11月30日まで車両時間通行止となっています。車両通行止となる時間は8:30〜10:00  10:30〜12:00 13:00〜15:00  15:30〜17:00となっています。これについては迂回路があるので大丈夫なようです。さらに、降雨時には全面通行止めとなる可能性もあります。この林道、しょっちゅう崩壊がおきて、その都度通行止めになっています。
 台風17号は低気圧に変わりましたが、日本海に横たわる前線を刺激し、各地で記録的な大雨やトルネードが発生しました。光岳の登山道よりも、登山口までの林道の方が心配される状況です。
 飯田ICから矢筈トンネルを抜け、上村小学校までは問題はありません。上村小学校から迂回路の山道となります。民宿「みやした」までは通常の山道ですが、「みやした」から民宿「ひなた」へ下る道は車1台がやっと通れる道です。段々畑のようなところに民家が建っていて、ジグザグに細い道を下ります。「ひなた」からは林道赤石線を走ります。北又渡発電所の手前、大野地区にゲートがあり、監視員がいて説明して呉れます。危険個所が終わった場所にも監視員がいます。落石に注意しながら林道を進み、「ひなた」からおよそ45分で無事易老渡の駐車場に着きました。これで光岳、もう半分は登頂したようなものです。
コース状況/
危険箇所等
 コース全体を通して特別危険な場所はありません。面平までのジグザグ道、トラバース気味の道に一部道幅の狭い場所がありますが、ロープがありますので掴まってゆっくり渡れば問題はありません。易老岳までの尾根登りは長いですが、ここまで登れば別世界になります。
 下りは雨の中、易老岳までは所々に水溜りがありますが、泥濘と云う程のものではありません。易老岳から急坂を慎重に下ります。面平でひと息ついてジグザグ道を下ります。ジグザグ道だと侮って足早になってはいけません。わたしはここで4回尻餅をつき、1回は弁慶のスヌをしたたか打ってしまいました。ジグザグ道で緩やかに見えますが、結構急なんです。
 ここら辺りの山は、ヤマビルが多いと云うことですので、ヤマビル対策が必要です。
迂回路を通って民宿「みやした」まで来ました。ここから右手の遅い道をグネグネ下ります。
2013年09月09日 08:40撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 8:40
迂回路を通って民宿「みやした」まで来ました。ここから右手の遅い道をグネグネ下ります。
グネグネ下って民宿「ひなた」への分岐に来ました。写真は振り返って撮ったものです。右手の道を下ってきました。左手の道は工事中の道です。
2013年09月09日 08:41撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 8:41
グネグネ下って民宿「ひなた」への分岐に来ました。写真は振り返って撮ったものです。右手の道を下ってきました。左手の道は工事中の道です。
しらびそ高原への道は閉鎖されています。
2013年09月09日 08:42撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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しらびそ高原への道は閉鎖されています。
大野地区、ここからは夜間通行止めとなり、監視員がいます。
2013年09月09日 08:44撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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大野地区、ここからは夜間通行止めとなり、監視員がいます。
監視員さんがこれを渡して説明して呉れました。
2013年09月09日 11:26撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 11:26
監視員さんがこれを渡して説明して呉れました。
比較的状況の良い道ですが、落石には注意が必要です。
2013年09月09日 08:44撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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比較的状況の良い道ですが、落石には注意が必要です。
ナビにはこの林道は表示されず、空中をさまよっています。
2013年09月09日 08:45撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ナビにはこの林道は表示されず、空中をさまよっています。
易老渡の登山届提出箱と休憩所です。看板の向こうに簡易トイレが設置されております。
2013年09月09日 08:46撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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易老渡の登山届提出箱と休憩所です。看板の向こうに簡易トイレが設置されております。
駐車場には5台停められていましたが、中には誰もいません。
2013年09月09日 08:47撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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駐車場には5台停められていましたが、中には誰もいません。
駐車場から少し戻ったところにある、遠山川にかかる橋を渡ります。「易老岳方面登山口入口」との案内があります。
2013年09月09日 08:48撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 8:48
駐車場から少し戻ったところにある、遠山川にかかる橋を渡ります。「易老岳方面登山口入口」との案内があります。
橋を渡るとすぐ登山口で、いきなりジグザグの急登が続きます。
2013年09月09日 08:48撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 8:48
橋を渡るとすぐ登山口で、いきなりジグザグの急登が続きます。
降り続いた雨に濡れた根っこは滑りやすいので気をつけて登ります。
2013年09月09日 08:49撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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降り続いた雨に濡れた根っこは滑りやすいので気をつけて登ります。
面平に着き、ザックを下してひと息つきます。
2013年09月09日 11:18撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 11:18
面平に着き、ザックを下してひと息つきます。
樹間から、雲を冠った聖岳がチラチラ見えます。
2013年09月09日 08:50撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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樹間から、雲を冠った聖岳がチラチラ見えます。
ヤマビル対策に、足元は百均で買ったサポーターで蔽い、「ヒル下がりのジョニー」をたっぷり噴霧してあります。首には、塩水に浸し、天日で乾かしたタオルを巻いて万全の対策です。
2013年09月09日 08:52撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ヤマビル対策に、足元は百均で買ったサポーターで蔽い、「ヒル下がりのジョニー」をたっぷり噴霧してあります。首には、塩水に浸し、天日で乾かしたタオルを巻いて万全の対策です。
2245Mの尾根上の小ピークに着きました。
2013年09月09日 08:52撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2245Mの尾根上の小ピークに着きました。
南アルプスのみずみずしい気持ちの良いコケです。
2013年09月09日 08:53撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 8:53
南アルプスのみずみずしい気持ちの良いコケです。
茶臼岳との分岐に登りつきました。ここから
別世界となります。
2013年09月09日 08:55撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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茶臼岳との分岐に登りつきました。ここから
別世界となります。
本日はじめての平らな道です。
2013年09月09日 08:56撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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本日はじめての平らな道です。
行く手に見えるのが光岳でしょう。
2013年09月09日 08:57撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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行く手に見えるのが光岳でしょう。
トリカブトが次々と現れます。
2013年09月09日 08:58撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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トリカブトが次々と現れます。
三吉ガレです。
2013年09月09日 08:59撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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三吉ガレです。
ダイモンジソウ、そろそろ店じまいです。
2013年09月09日 09:01撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ダイモンジソウ、そろそろ店じまいです。
三吉平からの登りはこんな道です。
2013年09月09日 09:02撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:02
三吉平からの登りはこんな道です。
休みがてら、トリカブトを収めます。
2013年09月09日 09:03撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:03
休みがてら、トリカブトを収めます。
なんとまだ、ハクサンフウロが頑張っています。でも、さすがに雄蕊は落ちています。
2013年09月09日 09:04撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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なんとまだ、ハクサンフウロが頑張っています。でも、さすがに雄蕊は落ちています。
コバイケイソウの群落は茶色と化し、来年の芽吹きまで眠りにつきます。
2013年09月09日 09:05撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:05
コバイケイソウの群落は茶色と化し、来年の芽吹きまで眠りにつきます。
撮る花はこれしかありません。雄しべを覗いて見ました。
2013年09月09日 09:06撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:06
撮る花はこれしかありません。雄しべを覗いて見ました。
ガスがかかって幻想的です。
2013年09月09日 09:08撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:08
ガスがかかって幻想的です。
水場です。明日に備えて2リットルの水を確保しました。
2013年09月09日 09:08撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:08
水場です。明日に備えて2リットルの水を確保しました。
南限のハイマツです。南限だけあって、背が高いなあと思っていました。
2013年09月09日 09:09撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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南限のハイマツです。南限だけあって、背が高いなあと思っていました。
イザルケ岳への道には、ダケカンバのオブジェが並んでいます。
2013年09月09日 09:10撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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イザルケ岳への道には、ダケカンバのオブジェが並んでいます。
オブジェその2.
2013年09月09日 09:11撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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オブジェその2.
オブジェその3.
2013年09月09日 09:12撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:12
オブジェその3.
イザルヶ岳のハイマツは背が低く、ミドリミドリした柔らかな感じで山を覆っていました。
2013年09月09日 09:13撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:13
イザルヶ岳のハイマツは背が低く、ミドリミドリした柔らかな感じで山を覆っていました。
イザルヶ岳の山頂です。晴れていれば360度の眺望が待っていますが、今日はこんなところです。
2013年09月09日 09:14撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:14
イザルヶ岳の山頂です。晴れていれば360度の眺望が待っていますが、今日はこんなところです。
センジヶ原の木道です。
2013年09月09日 09:15撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:15
センジヶ原の木道です。
途中、古びた木道は合板で被われています。
2013年09月09日 09:15撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:15
途中、古びた木道は合板で被われています。
そしてまた新しい木道が続きます。
2013年09月09日 09:16撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:16
そしてまた新しい木道が続きます。
テン場になりそうな場所ですが、ここに張ってはいけません。
2013年09月09日 09:17撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:17
テン場になりそうな場所ですが、ここに張ってはいけません。
小屋が見えてきました。
2013年09月09日 09:18撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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小屋が見えてきました。
光小屋は新しい奇麗な小屋でした。手前はトイレ棟(小用)、宿泊棟の裏にバイオトイレ棟があります。
2013年09月09日 09:19撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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光小屋は新しい奇麗な小屋でした。手前はトイレ棟(小用)、宿泊棟の裏にバイオトイレ棟があります。
光岳山頂です。木に囲まれて展望はありません。
2013年09月09日 09:20撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:20
光岳山頂です。木に囲まれて展望はありません。
百名山、残すところあと二つです。
2013年09月09日 09:21撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 9:21
百名山、残すところあと二つです。
山頂からすぐ近く、展望台からの眺めです。勿論すぐに引き返します。
2013年09月09日 11:15撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 11:15
山頂からすぐ近く、展望台からの眺めです。勿論すぐに引き返します。
今晩の宿泊者は14人程度、雨続きでキャンセルが多いそうです。おかげでゆったりしたスペースを確保することが出来ました。
2013年09月09日 11:16撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 11:16
今晩の宿泊者は14人程度、雨続きでキャンセルが多いそうです。おかげでゆったりしたスペースを確保することが出来ました。
山の中ではヤマビル対策が効を奏しましたが、帰途、林道赤石線を運転中、足がチクッとしたので見てみると、靴下の中でヤマビルちゃんが旨そうにわたしの足を吸っていました。「ヒル下がりのジョニー」を吹きかけると、コロンと落ちましたが、その後なかなか血が止まりませんでした。
2013年09月09日 11:21撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/9 11:21
山の中ではヤマビル対策が効を奏しましたが、帰途、林道赤石線を運転中、足がチクッとしたので見てみると、靴下の中でヤマビルちゃんが旨そうにわたしの足を吸っていました。「ヒル下がりのジョニー」を吹きかけると、コロンと落ちましたが、その後なかなか血が止まりませんでした。

感想

 百名山が三つ残っています。そのうちのひとつが光岳。一昨年も昨年も登山口までの林道が崩壊し、登ることが出来ませんでした。修復工事も終わったようで今年は大丈夫そうです。ところが状況はそう甘くありません。登山口までのコース状況を徹底的に調べ、天気の状態も考えて登山日も2回変更し、これで登れなければまた来年。5時までに危険個所を通過しなければならないので、前日少々早めに出立し、順調に走って3時過ぎに易老渡に着いてしまいました。広い駐車場には5台停まっていましたが、中には誰もいません。折りたたみ椅子に座って、ビールを飲みながら本を読んで過ごしました。5時過ぎにコンビニ弁当を食べ、明るいうちから運転席に横になりました。目覚めるとまだ外は明るく、悶々と、後部座席に移ったりしましたが、やっぱり運転席の方が居心地が良いな。夜中、満天の星、明日は晴れるだろうな。

 翌朝4時に起き、暗闇の中、パンと牛乳の朝食。ヤマビル対策で、百均で購入したサポータを足首に装着し、「ヒル下がりのジョニー」をたっぷり噴霧します。塩漬けタオルを首に巻き、汗拭き用にもう一丁別のタオルを。5時過ぎ、白み始めましたが森の中、ヘッデンをつけて遠山川源流に掛かる橋を渡っていよいよ登山道へはいります。まずは面平を目指して、ジグザグ道を登ります。面平に到着。ミズナラ、サワラ、ブナの巨木、イヌブナ、モミ、ツガと、豊かな森の中でひと休みです。これらの木はお面の材料になったと云うのが、面平の由来だそうです。江戸城天守閣や京都の神社仏閣にも使われたそうです。面平からは尾根道、植生が変わり、自生のヒノキ、コメツガ、シラビソ、トウヒなどの樹間から、チラチラと聖岳が垣間見えます。急になったり、緩やかになったり、下ったり、通して見れば急な尾根道。次に目指すは小ピーク。光小屋は独自のきまりがある小屋、3時までに小屋に着かないと夕食にありつけません。頑張って登ります。コースタイムより少し遅れてピークに到着。三角点の横、座りやすそうな石を選び、その周りに「ヒル下がりのジョニー」をまんべんなく噴霧。ザックを下してその石に腰を下ろします。次に目指すは易老岳、地図を広げるとコースタイムは1時間。あと1時間頑張れば尾根上に登りつく、あと1時間ぐらいは屁でもないと云い聞かせ頑張って登る。30分を過ぎ、あと半分頑張ろうと思って少し登ると柱が立っている。なんと、ここは茶臼岳と光岳の分岐だ。昭文社の地図のコースタイムはいい加減であるが、20分以上も早く着いたのでグッと気持ちが楽になりました。もうこれで森の中の単調な登り、ひたすら登り続けるだけとはお別れです。

 分岐にはザックが沢山デポしてあります。コースタイムから見ても易老岳はまだ先のようです。帰りに気が向いたら寄って行こうと、光岳への道に入ります。地面を覆うシラネワラビの中、一本の道が続いています。三吉ガレは崩壊地、見晴らしは良く、振り向けば兎岳から聖岳に向かう稜線が見えます。三吉ガレから少し下った平坦な場所でひと休み。三吉平にしては近すぎます。そこから登ったり下ったりを繰り返し、どうやらここが三吉平。ヤマビル除けのスプレーをし、ザックを下して石に腰をおろします。昨日SAで買ったオムスビ、賞味期限は昨日の11時となっていますがお構いなく食べます。下ってきた団体さんも、わたしの周りで休んで食事を摂り始めます。聞くと、総勢24名、高知からやってきて、聖岳、茶臼岳と縦走し、今朝4時に茶臼小屋を発って光岳に登って来たと云いいます。見れば60は過ぎているような方ばかり、その元気さに感服。分岐にデポしてあったザックは、この人達のもののようです。

 三吉平から岩ゴロゴロの谷筋の道を登ると、周りの景色は一変。ここからが光岳の真骨頂、眺望が一気に開けます。「南限のハイマツ」が広がり、霧に霞んだ幽玄の世界に入ります。ここは南アルプスの最南端、太平洋の湿った空気が霧を呼びます。静高平の水場は水量豊富、音を立てて流れています。明日の為に水を補給。ここまで来ればもう大丈夫、イザルヶ岳に寄り道をします。背の高かったハイマツも、ここでは低く、美しい緑の絨毯が広がっています。ここのみどりは元気です。だだっ広いイザルヶ岳山頂、晴れていれば富士も望めるといいますが、今は乳白色の中に沈んでいます。地面がモコモコした亀甲状土からなるセンジヶ原には木道が伸び、霧の中に消え行きます。天空の回廊、光岳っていいとこだったんだ。霧の中に光小屋が浮かんで見え、予定より随分早く到着しました。光小屋は新しくって奇麗で、頑丈そうな小屋です。チェックインしてから空身で山頂を目指します。小屋番が、「カッパを着て行った方がいいよ」と送ってくれます。云われたとおりすぐに雨となりました。箱庭の中、10分ほどで山頂です。山頂は木々に囲まれ展望は無く、南アルプスの山頂に立っているとは思えません。すぐ近くに展望台があります。そこへ行ってみました。大岩からの展望、真っ白でした。

 小屋に戻ってビールを頼むと、飲料水は一切ありませんと云う。小屋開け時にヘリで運んだきりで、8月20日頃に全て売り切れたとの事です。誠にガッカリです。お話し相手をして下さった男性も残念そうでしたが、わたしの持参のブランデーを分けあって喉の渇きを我慢しました。酔いに任せてお話しをしました。岐阜県多治見の山の会のお二人で、男性は74歳のTさん、女性は多治見のIさんで76歳との事。便ヶ島から聖に登り、茶臼岳を縦走して来たとの事。そしてこのテカリで百名山達成と云う事です。Iさんの記念すべき日に立ち会うことができ、元気を分けて頂きました。Iさん、Tさん、有難う御座いました。これからも登り続けて、またどっかの山で飲み比べをしたいもんですね。

 夜中、雨が屋根を叩き、雷鳴が轟きます。翌朝、雨の中を下山。易老岳に寄ってきましたが、そこは分岐から1分も必要としませんでした。面平からは何回か尻餅をつきましたが、無事登山口に帰りつくことが出来ました。百均のサポーター、首に巻いた塩漬けのタオルを取り、お陰でヤマビルに襲われなかったことに満足しました。靴下と靴を代え、外でパンをかじり、運転席に座ると、右腕の長袖の上を尺取り虫が。いつ付いたのかヤマビル、指先で弾き飛ばしてあげました。意気ようようと駐車場を発ち、林道を走ります。と、右足の靴下の中がチクリとしました。ん?これはひょっとすると。車を停めて靴下を下ろすと、案の定、ヤマビルが気持ち良さそうに丸くなっています。まだ赤くはなっていません。「ヒル下がりのジョニー」を吹きかけると、ポトリと落ちました。どうやら駐車場で拾って来たようです。
 「かぐらの湯」で汗を流して、帰りは阿南から天竜峡、飯田山本ICから中央高速に乗りました。

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コメント

あと2つ!
「ヒル下がりのジョニー」大活躍!
*\(^o^)/*
ビールはないけど、良い方々との出会いがありましたね。
そして、やっぱり雨…。
おつかれさまでした。*/
2013/9/9 19:39
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
1/5
体力レベル
5/5

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