鹿島槍ヶ岳 ガスのち大絶景

2021年08月28日(土) ~ 2021年08月29日(日)

• GPS: 11:44
• 距離: 21.8km
• 登り: 2,382m
• 下り: 2,363m

コースタイム

1日目

• 山行: 6:30
• 休憩: 1:14
• 合計: 7:44

距離 13.5km 登り 1,988m 下り 907m

5:15 柏原新道登山口
6:04 6:05 ケルン（柏原新道）
6:11 6:13 駅見岬
6:50 水平岬
7:10 7:11 富士見坂
7:35 種池山荘
8:13 爺ヶ岳南峰
8:26 8:27 爺ヶ岳中峰
8:45 8:46 爺ヶ岳北峰
9:08 冷乗越
9:20 9:31 冷池山荘
9:38 9:39 冷池山荘テント場
10:19 10:20 布引山
10:56 11:50 鹿島槍ヶ岳
12:18 12:19 布引山
12:53 冷池山荘テント場
12:59 冷池山荘

2日目

• 山行: 3:37
• 休憩: 0:19
• 合計: 3:56

距離 8.3km 登り 394m 下り 1,477m

6:01 冷池山荘
6:14 冷乗越
6:38 6:39 爺ヶ岳北峰
6:52 爺ヶ岳中峰
7:05 7:12 爺ヶ岳南峰
7:38 7:47 種池山荘
8:10 富士見坂
8:27 8:28 水平岬
8:59 9:00 駅見岬
9:08 ケルン（柏原新道）
9:57 柏原新道登山口

天候

●1日目: 晴のち曇、午後から夕方は雨
稜線は西の冷風5〜10m/s、のち10m/s超
朝の上空はよく晴れていましたが、鹿島槍、爺ヶ岳、針ノ木付近では稜線のガスがなかなか取れませんでした。日本海に気圧の谷がいたらしく、冷たい西の強風が東側に立ちこめる生暖かい空気と稜線上でぶつかってガスを生じたようです。お昼前から風はさらに強く冷たくなり、正午には全天が中層雲に覆われ、午後2時頃には雨となりました。
●2日目: 快晴
稜線は西の風5〜10m/s
気圧の谷が去ったようで、風は弱くまた冷たさが和らぎました。冷池の鞍部付近にかかっていたガスも午前6時過ぎには取れ、稜線全体がクリアに見渡せる状態になりました。

アクセス

利用交通機関：

自家用車

長野自動車道安曇野ICから国道147号、県道45号を経て柏原新道入口の駐車場へ。土日の天気予報が晴だったので混雑するだろうと考え、金曜日午後10時頃到着、そのまま車中泊しました。夜間から明け方にかけてひっきりなしに車が往来し、日曜日の下山時には、登山口の少し下にある県道のヘアピンカーブのあたりまで駐車スペースが満杯になっていました。

コース状況／危険箇所等

●一般登山道です。問題なく歩けましたが、強いて言えば柏原新道に崩壊地のトラバースが二ヶ所あります。
●種池山荘から鹿島槍頂上までの主稜線は、アップダウンがあってしかも曲がっているせいか、(晴れれば、ですが)景色がダイナミックに変化します。飽きずに歩ける大絶景でした。

その他周辺情報

●山小屋の部屋にはロフトが作り付けられています。フロアは布団一枚分ずつカーテンで仕切られており、またロフト部は(天井が低いので)仕切りがない代わりに広いスペースを一人で使えて特にゆったりしていました。とても清潔感のある小屋でした。
●大町温泉郷薬師の湯の割引券が、小屋に置いてありました。

写真

8/28 5:16

登山開始。モタモタしていて午前5時を過ぎ、後発組になりました。

8/28 5:16

針ノ木への稜線が赤く染まっています。もしや天候悪化？

8/28 6:02

登山口から種池山荘まで標高差1000m余をせっせと登ります。これは一つ目の崩壊地の看板。

8/28 6:02

一つ目の崩壊地です。

8/28 6:03

針ノ木の稜線に分厚いガスがかかってきました。画面左下は扇沢駅。

8/28 7:10

二つ目の崩壊地（ガラ場）の看板。懇切丁寧です。

8/28 7:12

ガラ場の中。落ちても命までは取られないでしょうけど、痛そうなのでソロソロと進みます。稜線がすぐそこに見えるくらい上がってきた場所なのですが、ここから種池山荘までさらに20分。

8/28 7:34

種池山荘です。気持ちのいい青空。

8/28 7:38

爺ヶ岳には雲がかかっています。

8/28 7:41

鹿島槍も頂上部にガス。

8/28 7:54

西側はよく晴れています。いい眺めですね。

8/28 8:11

南を見れば、遠くに槍と笠。この日の北アルプスは、南部のほうがお天気は当たりだったかも。

8/28 8:11

爺ヶ岳南峰。鹿島槍は相変わらず盛大にガスを噴き出しております。

8/28 8:13

G南峰に残る旧農商務省の主三角点。皇海山の山頂手前にもあります。角が丸いのが特徴です。

8/28 8:28

こちらは現役の国土地理院三角点。G中峰にあります。

8/28 8:28

G中峰。北峰は登山禁止なので巻きました。

8/28 8:51

剱と立山です。

8/28 8:52

剱岳アップ。かっこいいです。あそこに通い詰めるようになりたいとはあまり思いませんが・・・

8/28 8:58

種池からだいぶ来ました。

8/28 8:59

稜線の東側も晴れていますが、湿った生暖かい空気が立ち込めていました。

8/28 9:07

爺ヶ岳から冷乗越のコルへと高度をどんどん下げていくにつれ、鹿島槍が大迫力で近づいてきます。頂上部のガスは細くなりましたが、なかなか消えてくれません。

8/28 9:19

冷池山荘到着。ここで休憩。

8/28 9:36

冷池山荘を後に再び登り始めました。東側に雲が沸き上がっています。夏山だなあ。

8/28 9:39

冷池山荘のテント場。全体に斜めで、石がゴロゴロしています。展望は抜群。

8/28 9:44

冷池を過ぎるとしばらくはお花畑が続きます。まだ楽しめました。これはハクサンフウロ。

8/28 9:49

鹿島槍。ガスはもう取れないかな。

8/28 9:56

一輪だけ残っていたクルマユリ。

8/28 9:59

布引山への登り。標高差200m。

8/28 10:04

おや、剱岳の上にあやしげな雲がかかってきました。

8/28 10:07

頭上にも中層雲が。なんか気色悪い形。

8/28 10:10

中層雲はどんどん成長していきました。

8/28 10:21

トウヤクリンドウ。これを見ると、今年も夏山シーズンが終わってしまうのかともの寂しくなります。

8/28 10:22

布引山頂上。

8/28 10:35

布引山から最後の標高差200mを登ります。鹿島槍南峰はもう指呼の間、と言いたいところですが、意外に長く感じられました。後立山らしい稜線の眺めです。

8/28 10:58

鹿島槍ヶ岳南峰。だいぶ雲が増えました。八峰キレットへは行けないからヘルメットいらないだろ、それより荷物軽くするよ、といって持ってこなかったので、今日はここまで。

8/28 10:59

南峰から見た北峰（画面右）と八峰キレット、五竜岳方面。行きたかったなあ。

8/28 11:00

キレット小屋の赤い屋根が画面右下にポツンと見えました。

8/28 11:43

ちょっと悔しい思いを胸の内に抱えながら山頂でボーッとした時間を過ごしていると、だんだん風が冷たく強くなってきました。空一面を灰色の中層雲が覆っています。そろそろ下りましょう。今下りれば冷池の小屋に1時過ぎには着けるかな。

8/28 11:58

稜線はこんなになっておりました。ガス爆風状態。

8/28 12:08

下りているうちに小さな雨粒が頬に感じられるようになり、やがてガスに包まれました。ミヤマトリカブトの花がけむっています。

8/28 12:46

イブキトラノオ？

8/28 12:56

冷池の小屋です。足が棒になるまで頑張れば日帰りで下りることもできるでしょうが、明日朝の晴天に期待をかけて。この後夕方まで本降りの雨となりました。

8/29 4:43

翌朝、夜明け前。水平線が赤く染まる時間。自分は行きませんでしたが、かなりの方が荷物をデポして山頂を目指されたと思います。

8/29 5:35

その後無情にもガスが吹き流れてきて、なんだよこれーとお天気の神様を恨みましたが、よく眺めていると山頂方面には晴れ間があって、反対側の爺ヶ岳もガスの切れ間にちらほらのぞいておりました。これは局所的な現象なのかなと思って場所を移動してみると・・・

8/29 6:08

当たり。午前6時を過ぎると、ガスはみるみる薄くなっていきました。

8/29 6:13

冷乗越です。左折すると赤岩尾根を経て大谷原へ。爺ヶ岳へは直進。

8/29 6:18

旭光を浴びる鹿島槍。今度こそガスなし！

8/29 6:20

稜線の東〜南側は見事な低層雲の波です。

8/29 7:05

槍と笠は雲一つない青空。

8/29 7:05

針ノ木。

8/29 7:07

剱と立山も快晴。

8/29 7:08

振り返る鹿島槍。このアングルは、手前の斜面に日が当たるともう少し絵になってくれるような気がします。

8/29 7:09

再びG南峰。

8/29 7:10

雲海のずっと向こうに富士山がポツンと見えました。

8/29 7:19

種池に向かって斜面を下ります。これは癒しの大眺望だなあ。

8/29 9:57

種池で一休みした後、柏原新道をひたすら下って午前10時前に下山しました。久々にスカッとした晴天に恵まれ、サッパリとした気分になりました。

撮影機器：

Canon PowerShot G5 X Canon

装備

個人装備

長袖シャツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 着替え 靴 ザック ザックカバー 昼ご飯 行動食 非常食 飲料 ハイドレーション 地図（地形図） コンパス 笛 計画書 ヘッドランプ GPS ファーストエイドキット 日焼け止め 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト カメラ

備考

●鹿島槍南峰までならヘルメットは不要でしょうが、それにしても、今回すれ違った方々のヘルメット携行率はかなり高かったと思います。
●虫よけ。柏原新道にはまだブヨがいます（刺されました）。
●インナーシーツ。忘れた方のために小屋でも売っていました。

感想

江波山のたぬき

元々は金土日の3日間で八峰キレット縦走の計画でしたが、金曜日の休暇が直前に吹っ飛び、やむなく土日で鹿島槍ピストンに切り替えました。今思えばキレット小屋泊の2日間でも行けたかもしれませんが、土曜日のお昼前から天候が崩れたので、結果オーライだったかな。
このように仕方なく決めたコースでしたが、この稜線の眺めはダイナミックです。特に、爺ヶ岳から大きく標高を落としながら鹿島槍に近づくとき、上から覆いかぶさるような迫力を感じます。休暇が飛んだおかげで、縦走でスタスタ飛ばすところを、二日かけて往復でユルく楽しめました。鹿島槍の神様の思召しか(笑) そう思うことにします。