鳥海山(鳥海山荘→滝の小屋→伏拝岳→御室→新山→御室→七五三掛→御浜→吹浦口)
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.8km
- 登り
- 2,117m
- 下り
- 1,333m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 7:00
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
百名山68座目です。当初あと1座に迫った南アルプスコンプリートを達成するべく光岳が目標でしたが、週末関東〜西日本に前線が居座る予報になっていたので、検討の結果目標を東北方面へ変更。盛夏に行くにふさわしい歯ごたえあるところというと、やはり鳥海山になります。スタートは文句なく湯ノ台口に決まりましたが、バス交通の不便さで計画は難航しました。バスが最も便利なのは圧倒的に吹浦口、象潟口ですね。酒田もしくは吹浦から鉾立まで平日・休日問わず3往復(8月を除くと2往復)。一方湯ノ台口は八幡総合支所から升田へのバス便は豊富にありますが、鳥海山荘まで行ってくれるのはそのうち2往復。また、酒田駅から支所までのバスが土休日は夕方の1往復だけ。これらの条件を考えると、金曜早朝出て酒田駅からバスを乗り継いで初日鳥海山荘もしくは旅行村泊。翌日山頂を踏んで鉾立(大平)に降り、そのまま帰宅というパターンがベストと思われましたが、今回さらに欲張ってブルートレイン利用を計画。まだまだ廃止の予定はないあけぼのですが、気づいたときには廃止になってしまう気がするので、理由があるときに乗りたい。往復割引は効かなくなるし、B寝台料金でも結構高いのですがそれでもあえて利用することにしました。で、酒田に土曜の朝着ですから、必然的に八幡支所まで徒歩で行くしかありません。地図を見て、砂越か本楯から徒歩しかないかなという結論に。時刻表を見ると、秋田方面鈍行がかなり早く接続します。それで本楯まで乗って以下徒歩。どうやら支所からの始バスには間に合いそうで、初日は山頂まで一気に行くことも考えましたが、無難に滝の小屋まで。河原宿の小屋が開いていればよかったのですが、もう営業していないそうです。
水曜日に寝台を予約。一番おとくなゴロンとシートは残念ながら満席。サイバーステーションではこれが空いてるか見られませんね。結局普通の寝台に。実は、駅の人に「個室ですか?」と聞かれて個室はA個室のことだと思い「普通です」と特に疑問もなく応えましたが、実はB個室も編成されてました。このときはちょっと後悔しましたが、後から考えると悪くはなかったようです。
さて、金曜日夜。いつもどおり橋本に車を置いて、ここからJRか京王線で新宿まで行ってからJRか。みどりの窓口で調べたら橋本からJRが安かったので乗車券購入。八王子・西国分寺・南浦和と乗り継いで大宮へ。余裕があったため食事と少し時間つぶしをして、いざ高崎線ホームへ。まだまだ帰宅するサラリーマンでホームは一杯のなか、入ってきました電気機関車とブルーの客車。テンション上がりますが、周りの多くの方は結構平然としてますね。毎日の風景なんでしょう。それでも乗り込むときにはどことなく優越感を感じます。さて、自分のベッドを確認し、シーツを準備するうちに電車は発車しました。特にビールも弁当も買ってないし、早々に横になります。やはり少しは振動がありますが、十分快適。やはりこれだな、と十数年ぶりの感覚に感激しながら、いつの間にか眠ってしまいました。
気づいたときは既に明るくなりかけていて、4時40分。慌てて顔を洗い、荷物をまとめてると、5時少し前に電車が停車。もしかして着いた?と慌ててドアから飛び出したら、そこは鶴岡。嘘?ということでさらに慌てて乗車。どうやら十分以上遅れて運転していたようです。危なかった。
酒田駅到着。上りのいなほを見ながら、こちらは下り電車へ。五分ほどで本楯に降り立ちます。静かな街へ歩き始めました。間もなく雨が降り出します。半泣きになりながら合羽を着込み、さらに歩き続けるのですが、344号に出るあたりで豪雨に。幸い直売所のようなところにあったベンチで雨宿り。さらに少し雨がおさまったところで近くのコンビニで弁当を買い朝食。十分休憩してさらに歩き、都合2時間かけてバス停に到着。升田線が結構遅れて本当に来るのか不安になりましたが、ちゃんと来てくれました。
上草津登山口まではバスだと二十分ほど。歩けば二時間近いでしょうが。さて、バス停で準備体操して出発です。のっけから舗装路とは言え結構登ってます。曇ってはいますが蒸し暑い。横を流れる小川は水が多い。豪雨の影響を受けているのでしょうか。とにかく一本調子の登り。飽きたころに滝の小屋への車道が分岐します。さらにススンデ行くと、気づいたら鳥海山荘へ着いてしまいました。本当は鳳来山へ直接登ろうと思っていたのですが、全く分岐のようなものはなし。しかたなく山荘で小休止。そのまま旅行村まで歩きます。かなり立派なところですね。バンガローもたくさん。その中を縫うように登っていくと、右手に立派な看板が。いよいよ登山道です。沢沿いの道を少し歩き、沢を渡ってから本格的な登りになり沢から離れます。ほどなく稜線に飛び出したのですが、ここから道悪いですね。特に左の鳳来山方面はかなりのヤブ状態。直登コースもほとんど歩かれていないのでしょうか。こちらは右に進路を取って滝の小屋へ向かいますが、こちらも決して道がいいとはいえません。傾斜は大したことはなく、とにかく道が濡れて川のよう。少し安達太良の様子を思い出します。やがて樹林が低くなってきて、空も若干明るくなってきて、前方に山頂が見えました。まだ遠い。
コレが最後かもと思って写真取りましたけど、結果そのとおりでしたね。まだ12時でこのまま登ってしまうことも頭をよぎりましたが、予約もしたし、朝から歩いて無理しないほうがいいと、滝の小屋に止まることにしました。綺麗な小屋です。
入ったら誰もいない。勝手に料金箱にお金を入れ、二階に荷物を置いて休んでいると、夕方やっと管理人さんがいらっしゃいました。今日は私のほかは団体さんが一組だけでした。枝豆一皿御馳走していただきました。ありがたい。
さて、することもないので寝てたら朝。あまり期待してなかったとはいえ。雨の空を見るとさすがに落胆します。それでも帰るほどではなく、とりあえず登るほうへ。一面の草原の中に切ってある岩ごろごろの登りです。河原宿まではまずまず予定通り。その後は霧の中で道を失いやすく、慎重に歩きます。進入禁止のロープがいい目印になります。気づくと雪渓を右手に見ながらの登り。そして周囲はお花。雨が残念でなりませんがチングルマ、ニッコウキスゲ。すごい量です。
花に慰められながら登りが続き、やがて雪渓の横断。さほど急ではありませんが結構固くてアイゼンないと危ないと思います。そして何よりガスで行く先が見えない。とりあえず渡り切るとちゃんとペンキがありました。一安心。その後しばらく後にもう一つ雪渓が出てきます。こちらは渡りきっても何もなく、やむを得ずしばらく登るとペンキが出てきました。下りの時はもっと迷い易いかも知れません。そして、この後外輪山まで続く薊坂。長い長い。つかないつかない。7時過ぎに着くかな、と思っていたのが10分過ぎ20分過ぎ、半分怒ってきた頃やっと着きました伏拝岳。河原宿から1時間35分。山と高原地図のコースタイムで着かなかったのは登りでは初めて。これは何なんでしょうか。年齢?うーむ。
また、ここからしばらくGPSデータが異常になってます。このときのショックがそうさせたような気もします。
御室に向けて外輪山を歩き始めますが、左手は絶壁の状況で身体もってかれそうな強風。怖さもありますが、幸いというか風は火口側からがほとんど。ハシゴを越えた所が行者岳。その後も外輪山の道が続き、行き過ぎてないか不安になったころ御室への分岐。結構派手に下ってますね。やっと御室着。昨日登らなくてよかったと思いました。カメラだけ持って新山へ向かいます。これがまた険しい。しかも登るだけじゃなくて一回下るところもあるという、どう歩いているか良く分からなくなる道。ただペンキだけは明瞭で、十五分ほどで山頂へ。何も見えません。しかし天気良くてもここは外輪山に囲まれて展望360°というわけでもないのでしょうね。
下りはすっかり濡れた岩場。何度か滑り落ちそうになりながら何とか降りてきました。なにしろカメラがでかくて首から提げてると歩き辛いこと。この時代コンデジでいいよな、と改めて思います。
さて、七五三掛へ下って行きます。こちらはいい道ですね。雨の中登ってくる人もたくさんいらっしゃいます。安心して下っていくとやがて左下方に千蛇谷雪渓の大きな姿が。下りきってこれを横断します。傾斜もないし、驚くことに滑り落ちたときの下限がはっきり見えます。アイゼンなくても安心して歩けます。横断すると結構急な登りがあり、七五三掛へ到着。道は石畳のようになり、御田ヶ原は小山のようなところ。下ってしばらくいくと御浜に到着。鳥海湖がすぐ見えるかと思ったら結構下でガスの向こうに微かに見える程度でした。
象潟口の方が楽かな、という気持ちもありましたが、吹浦口が伝統的なコースと見た記憶があり、分岐を左に取ります。人は一気に少なくなりますが道は明瞭。少し下ると天気も良くなって来ました。レンズがやられてしまって曇ってますが沢沿いに咲く花また花。
河原宿、清水大神と快適に通過。その後は樹林帯の中の道となりジグザグに高度を下げます。驚いたことに登山道がコンクリートの舗装のよう。これがまた滑って危ないこと。大変な苦労をして材料運んだんでしょうが、その苦労はあだになったような気がしてなりません。何よりクラシックコースという威厳がない感じがしますよね。
さて、飽きるほど下ってきて、最後に階段を下りると登山口バス停。時間もあるので山荘まで一踏ん張り。1日3往復の真ん中のバスに乗って戻ってきました。良く考えたら8月でないと4時までバスはなかったわけで今月来て良かったとも言えますね。下界はすっかり青空ですが、振り返る鳥海は雲の中。独立峰だとよほど運良くないと晴れないのでしょうか。
バスを降りると間もなくいなほが到着。満員の電車にゆられ、日本海を見ながらの列車旅が楽しめました。
今回起点の上草津登山口は標高200m程度。つまり単純登高で2000mあったという、結構タフなコースでした。一人よがりに過ぎませんが大満足です。
東北は残すところ5座。なかなか天候に恵まれませんがまた行くぞ。
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