【中アほぼ全山+α】木曽駒ヶ岳〜安平路山〜夏焼山【40/100】
- GPS
- 104:00
- 距離
- 61.8km
- 登り
- 4,532m
- 下り
- 4,434m
コースタイム
24:14沢渡-24:46三区セブンイレブン24:56-24:18スキー場麓-24:43車道終点
9/28
5:42出発-6:38権現山6:55-7:46五合目見晴台8:02-9:13八丁立9:33-10:41?将棋頭山11:21-12:10濃ヶ池12:36-13:31ピョコ13:51-14:19木曽駒ヶ岳15:31
9/29
6:14出発-7:21宝剣岳南分岐7:32-8:21濁沢大峰8:43-9:34檜尾岳10:10-11:13熊沢岳11:41-12:54木曽殿山荘13:19-14:27空木岳14:57-15:42赤椰岳15:57-16:27南駒ヶ岳16:39-17:31仙涯嶺直下17:36-18:26越百山18:33-19:07越百山小屋跡
10/1
5:46出発-6:28南越百山6:55-7:26p24547:39-8:56奥念丈山9:18-10:28袴腰山10:55-12:09浦川山13:05-14:17安平路山14:47-15:09水場上15:24-15:31安平路避難小屋?-16:45摺古木山16:54-17:08摺古木展望台
10/2
5:58出発-7:54アザミ岳8:15-10:071830m付近10:20-12:22p174712:45-14:10p168314:35-16:081620ピョコと1630ピョコの鞍部16:25-17:45薮抜け
10/3
6:40出発-7:16夏焼山7:40-7:55大平峠8:09-9:20幸助バス停
天候 | 9/28 曇りのち晴れ 9/29 快晴 9/30 快晴のち曇り 10/1 曇り時々晴れ 10/2 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:南木曽〜保神線の蘭バス停で乗車、終点下車 南木曽駅から中央西線で名古屋へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
旧越百小屋跡 分岐から小屋跡までかなり薮っぽい。頑張れば2張張れそう。小屋跡の奥の涸沢を10分ほど下れば水が出るが全く勧められない。登山道を下っていけば別の水場に出られるのか? 南越百〜安平路 目印は少ないが明瞭な踏み跡が多い。 〜奥念丈 腰丈の笹。概ね踏み跡あり容易。 〜袴腰 概ね踏み跡あるが一部途切れて背を没する笹薮。 〜浦川 背を没する笹の長い登りで辛い。 〜安平路 途中に植生のない箇所がある。最後は安平路の東面を直登する。浦川の登りよりは楽。 摺古木〜県民の森 写真の地形図参照。薮はそこまで濃くないがRFが難しい。 |
写真
感想
夏休み企画第四弾にしてフィナーレ。道区間も天気に恵まれすばらしい展望を得られたが、そんな記憶が吹き飛ぶくらい4日目の薮のインパクトは凄かった。日没ギリギリの薮抜けは僕の登山人生の中で5本の指には入る感動の瞬間だった。
9月27日
トラビスの6時台の高速バスを予約しようとしたが生憎満席。前日のうちに予約しておけばよかった。仕方ないのでハイウェイバスドットコムの最終便を予約する。1000円割高な代わりに伊那市駅から下島駅まで電車に乗る手間が省けた。
バスは臨時便が出たらしく、乗客が少なくて快適。12時過ぎに沢渡に着き、伊那スキーリゾートまで車道を歩く。途中のコンビニで夕食をとりつつスキー場麓まで1時間。今日はここまでのつもりだったが夜景を期待して林道終点まで歩くことにする。案の定伊那谷の夜景がとても綺麗。が、鹿のような生き物がこちらに気づいて逃げていったので、寝ているうちに踏み潰されるのではないかと不安になる。ともかく銀マットを広げて夜景を眺めながら就寝。
9月28日
5時頃車の音で目が覚める。木曽駒ピストンの男性だった。このコースを日帰りで往復とはかなりの健脚だ。権現山までは僕が先行したが、それからは二度と追いつけなかった。
登山道は土俵跡まで謎のトラバースをした後長い長い尾根を辿る。途中何箇所か下界を臨めるが、今日は谷に雲が垂れ込めている。昨夜の寝不足の所為か八丁立あたりから疲れてふらふらし始める。気力で登る。しかしエアリアのコースタイムはかなり長めにとられているようで、これでもコースタイムよりは速い。おや、いつの間にかハイマツの林に入ったな、と思った途端限界上に出て展望が開ける。限界上は雲ひとつない快晴で、木曽駒までの稜線が紅葉で鮮やかに彩られている。俄然元気が沸いた。
森林限界から西駒山荘まで広いガレ場なので視界不良時は注意が必要かもしれない。西駒山荘はなにやら工事中で営業していなかった。登山道を途中で折り返して将棊頭山。何もかも見える。この視界の中に百名山が半分は入っているのではないだろうか。特にすぐ西隣の御嶽は呆気にとられるくらい立派だった。
時間に余裕があるので予定にはなかったが濃ヶ池にも足を伸ばす。本当は計画書にないところを歩いてはいけないのだがまあいいだろう。そういえば入山2日目位に気づいたが作成した計画書を警察に出すのを忘れていた。遭難しなくてよかった。
池自体は小さな水溜りでぱっとしないが、周りの紅葉が良い。ロープウェイ組と思しき家族連れが大勢いた。ガスが上がってきたので山頂に向かう。
愈々足元がおぼつかなくなってきたが、それでもコースタイム通りの時間をかけて登頂。百名山39座目。広い山頂に人がうじゃうじゃ集っている。まあ仕方ない。時間はたっぷりあるので日帰りロープウェイ組がはけるまで山頂に居座る。が、ガスは一向に晴れない。御嶽の写真を撮り尽くし、肌寒くなってきたのでキャンプ場に降りる。
テント場は一人800円。高い。水、トイレ無料。しかし水をトイレの洗面台で汲めとはどういうことだろう。しかも手洗い場はかなり汚れている。ぜひ専用の水汲み場を作ってほしい。ロケーションが抜群なのがせめてもの救いだ。テント場には既に40張以上張られていてほぼ飽和していた。
夕食はおにぎり雑炊。前回の反省を生かしておにぎり3個に具沢山味噌汁2人前とした。かなり具が余る。経済的にもおにぎり3個、具沢山味噌汁1人前、普通の味噌汁1人前が良いだろう。食後は1時間ほどホームズのペーパーバックを読んで就寝。山頂で日の入りを見ようと思っていたがめんどくさくなって止めた。
9月29日
寝坊。急いでカップラーメンを食べ山頂へ日の出を見に行く。相変わらず人が多い。日の出は5時40分過ぎで、昨日と打って変って雲一つない快晴の中太陽が顔を出したときには皆が歓声を上げていた。
テント場で水を汲み出発。まずは宝剣岳。エアリアでは点線になっているがそれほど怖くはない。北アルプスでいえば八峰キレット〜五竜岳くらいだろうか。ロープウェイで来た観光客がうっかり入りこまないように、という政治的配慮で点線なのだろうと思った。山頂はやはり景色がよい。
さて、この日は越百岳まで稜線を歩いたわけだが、特筆するようなことはなかった。ただただ素晴らしい展望の中上ったり下ったりしただけである。裏銀座で一夏分の雨に見舞われたおかげか、あれ以来山では一度も降られていない。そういえば空木岳手前の岩場が予想に反してややスリリングだった。
休みを長くとりすぎたせいで越百岳に着いたときは日が暮れていた。ヘッドライトをつけて旧越百小屋へ下る。分岐から道はかなり藪っぽくなり、ところどころアザミが刺さって痛い。本当にこの道でいいのか不安になった頃ようやく開けた場所に着く。下調べではテント3張、水場へは標識があってすぐとあったが、実際には一人用テントを張るのが精一杯で標識もない。
荷物を置いて取りあえず水を汲みに行く。登山道の付き方から、水場は小屋跡を奥に進んだ沢だろうと見当をつけたが、水はなかった。仕方ないので適当にその涸れ沢を下る。これがよくなかった。道上には目印や踏み跡こそないがトタン板やら空き瓶といったゴミがたまに落ちている。水音はすれど一向に水が出ない。10分の下りでようやく汲めるぐらいの水量になった。苔から滴る水でゴミは少ない。
何とか5L汲んで帰ろうとした時、はたと気づいた。帰り道が分からない。そんなに下りはしないだろうと勝手に思い込んで、何も目印を残さずに降りてきたのだった。だがこの時はそれほど危機感を抱きもせず、適当に左の方へ登っていけば着けるだろうと思って登り始めた。
しかし登れど登れど天場に着かない。やがて涸れ沢の右岸がきりたった岩場になり、行きすぎたことに気づいて下る。先ほど通過した笹原のあたりをうろうろしていたら漸く小屋跡に出た。時刻は20:25、水を汲んでから1時間以上経っていた。狭い沢筋の、標高差高々50mの中で延々と彷徨っていたのである。中級ハイカーとか奢っていた自分が恥ずかしい。
テントを立ててカレーを食べてラジオを聞いて22時過ぎに就寝。
9月30日
寝坊。ほどほどに急いで支度をして出発。
南コスモまでも一度道を見失ってハイマツを漕ぐ。今回の山行でこの30mの藪が最も濃かった。南コスモから見る安平路は意外なほど近い。
いよいよ藪入り。暫く開けた白砂の斜面を下って笹の中に飛び込む。
道の様子は上のコース状況に書いたとおり。概して予想していたよりも簡単で、それほど頑張らずとも楽にエアリアのコースタイムを上回れる。展望のない浦川山で1時間以上休憩してしまうほど余裕ムードだった。ついでに、p2454から先展望はないと聞いていたがそんなことはなくて度々目的地の安平路を眺めることができた。実は4日目の藪の記憶に上書きされたためこの日のことはあまり覚えていない。逆ルートだと上りが多いからずっとハードだろう。
気づいたら安平路だった。こんなに呆気なく僕の中央アルプスが終わっていいものだろうか。いいはずがない。という訳で明日も縦走を続けることにする。
安平路は水の豊富な山で、降りる途中右手に沢が見えるが水場はここではない。さらに下ると標識がある。稜線から下ること30秒、水量も豊富と文句のつけようがない。昨日との差に苦笑。
安平路避難小屋はきれいだったが入口のたてつけが悪い。土間で焚き火ができる様だ。新品同様の土鍋も置いてあったがこれは使ってよいのだろうか。
摺古木展望台まで極めて緩やかな道を飛ばす。展望台の名に反して展望はない。展望台から地形図に記載された避難小屋まで、意外にも幅員2mのきれいに刈り払われた道が続いている。小屋は外観は古いが中身は新しい。3人用テント程度の面積。天井と床に小さな穴が空いている。ここでも泊まれそうだったが、なんだか不気味なので展望台まで戻って適当なところにテントを張った。今日もレトルトカレー。
10月1日
寝坊。いよいよ本番。急いでカップラーメンを食べて昨日の小屋の前から藪入り。
背の低い針葉樹や石楠花が邪魔をしてくるがエアリアのいうような「密生」ではなく、間を縫って腰丈の笹を漕いで行く。アザミ岳まで境界見出標や赤布などの目印が多少ある。その先はp1628まで踏み跡も目印もほとんどない、真の藪。踏み跡(?)は稜線上に偶に10m程続いて途切れる。運が良ければ稀に「県有林境界」の白い看板が見つかる。結構新しい。火の始末に気をつけろ云々と書いてあって、そんな内容でもこの藪中で時を越えたメッセージを受け取るのは何だか感動的である。南に行くと樹高が高くなり邪魔をしなくなる代わりに笹が高く強靭になっていく。従って見通しも悪くなりRFが難しい。詳しいことは地形図に書き込んだので写真を参照されたい。こんな記録を作ったところで誰の役にも立たないというのが何とも清々しい。
17:45、藪抜け。残念ながら僕の文章力ではその瞬間をドラマチックに表現できない。地面に身を投げ出し幾度も雄たけびを発しながら勝利と生還の喜びを噛みしめた。ヘッドライトをつけてその日のうちに大平峠まで降りても良かったが、何だか気が抜けてしまったのでその場でテントを張ることにする。平らな所を選ぶ気力もなく、かなり傾斜したところに無理やり張った。夕食も作らない。ぼんやりnhk高校講座を聞きながら就寝。
10月2日
寝坊。もうどうでもいい。朝飯がわりにオレオを齧って出発。
県民の森は大変よく整備されている。その割にそれほど利用されていないようで、広い道の真ん中にあちこち蜘蛛の巣が張っていた。エアリア11年度版にも書かれていない道がたくさんある。もっと評価されるべき。
大平峠にはきれいなトイレや水場、東屋がある。大平峠から旧大平街道で林道をショートカットできる。よく整備されていて歩きやすい。昨日の笹の粉が舞う藪と比べるといかにも健康に良さそうな森だ。終点から更に30分ほど林道を歩いて幸助バス停。
本来はここで終わりだが次のバスまで2時間もあるので先の停留所まで歩くことにする。静かな田舎の風景に心を癒される。こういう所で猟奇殺人が起こったなら定めて名作サウンドノベルが生まれることだろう。郵便局前の蘭(あららぎ)バス停まで歩いて、商店のアイスを食べながらバスを待った。バスは乗車距離にかかわらず一律300円。・・・まあ安いからいい。南木曽駅で中央西線に乗って名古屋の知人宅へ向かう。
まとめ
久しぶりに完遂できた。完遂したからにはいつの日か恵那山〜塩尻峠を繋いで中央アルプス主脈縦走を完成させたい。
また人生初の単独藪漕ぎは僕に鮮烈な印象を残した。次は今回ほど無理をせず、もう少し簡単な藪を一人で漕ごうと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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権現山以来姿を見かけなかったので心配していました。
急登辺りでクマがいたので鈴を持った俺が前で良かったと思いました。
そんなにたくさん歩いていたのですね。
濃ヶ池に行ったときにこちらが折り返していったのでしょうね。
記事を載せていますので宜しければご覧ください。
そういう部活があるのですね?
若者の冒険には応援したくなります。
昔は夏の北海道の大きな駅前などは野宿をする若者が50〜100人も集まったものです。
重たい荷物を背負って高速のバス停からあの場所まで歩いたことだけでも感心します。
これからも身の安全には気を付けつつ冒険を楽しんでください。
レコが完結するのをお待ちしていました。
私はまだ北から奥念丈までしか行っていませんが、何時の日か〜恵那山〜蛇峠山〜茶臼山までつなげたいと考えています。仲間のn氏によると大平峠前後の笹がもっとも手強いと聞いているので、kigisuさんのご苦労もなかなかのものだったと推察します。
伊那谷へ、またのお越しをお待ちしています
コメントありがとうございます!
確かに大平峠が近付くにつれて笹は高く濃くなった印象です。でも藪漕ぎよりはルートファインディングに苦労しました。今回の山行から、地図読みが鬼門の癖に単独藪漕ぎにはまってしまいそうです。
ところで大平峠〜恵那山について、僕がネット上で記録を探したところ
http://www.janis.or.jp/~nkdseweb/users/yoichi-k/msan-juso-report.html
しか見つけられなかったのですが、他に何かご存知でしょうか?もしご存知ならご教示頂けると大変ありがたいです。
お役に立てません
↑この記録も見たことはありますけど。
10/1の「こんな記録を作ったところで誰の役にも立たないというのが何とも清々しい」 というのが名文ですねぇ。ワタシはしっかり拝見しましたよ。(ワタシが先に書きたかったというのが本心ですけどネ )
そうですか。無理を言ってすみませんでした。
では、若輩者が不遜ではありますが、yama-takeさんより早く大平峠〜清内路峠のヤマレコ初記録を上げられるように頑張ります
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