岩手山〜源太ヶ岳(七滝コースから縦走路途中まで)
- GPS
- 18:34
- 距離
- 39.9km
- 登り
- 2,582m
- 下り
- 2,577m
コースタイム
- 山行
- 5:48
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 6:13
- 山行
- 11:42
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 12:20
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
七滝コース直下のトイレは9時から15時まで使用可能(それ以外は締まっています) ここトイレは焼走り登山口までのあいだに済ませましょう。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありませんが、コースの一部に痩せているところがあります。通過注意です。また七滝コースは渡渉箇所があるので増水注意です。 |
写真
感想
岩手山には7本の登山口があるといわれています。そのうち今回は6本目、七滝コースを歩いてみたく行程を検討。
当初2泊3日で八幡平まで縦走しようかと思ったが、前日の天気予報で21日は悪天になるかもしれないとのこと。行程を1泊2日に変更した。(しかし山行中に再チェックしたら好天予報になっていたが、食料などを減らしてしまっていたために行程を伸ばすことはできなかった。)
山行初日は七滝コースを始めて歩いた。
駐車場は七滝登山口に10台くらい止められるようだったが、すでに満車に近いくらい止まっていた。だがこの場所は県道から結構上った場所にあり、2日目にここを登るのはきつそうだなと思い、少し下がった県民の森の駐車場に止めることにした。トイレはあったが締まっていた。
県民の森から登山口まではアスファルトの道を600mくらい。しかし高低差があるので結構息が上がる。登山口からは登山道らしい道になる。特に平坦ではないが、急登でもない、1時間ほど歩くと七滝が見える。七滝は圧巻の落差があって見ごたえがある。近くまで寄る道があったが、今回はパスした。途中の道に野鳥観察小屋なるものがあり、ふと水曜どうでしょうで観たブンブンを思い出す。こういうところでのんびりしながら野鳥を探すのも楽しそうだ。ちなみに滝は七滝だけではなく数本見ることができた。三脚を据えて撮ればそれなりの写真が撮れそうだったが、あいにく手持ちなのでSSは1/8〜1/4くらいが限界だった。
七滝を過ぎてしばらく歩くと大地獄谷に着く。ここを歩くの初めてだが何かのCMでここを歩いている映像を見ていたので憧れていた。やはり岩手山の魅力はこの多様さだと改めて思う。コースごとに異なる面白さがある。ここはゆっくり歩きたかったので、途中追いついたり追い抜かれたりするパーティが先に行くのを見届けてからじっくり歩く。ほかのエリアが緑にあふれているのと打って変わってここはまるで採石場のように砂利によって形成されている。また地面のいたるところから蒸気が上がっていた。もしうっかり窪地にでも落っこちたら硫化水素にやられてしまうだろう。
大地獄谷からは分岐をお花畑へ。お花畑とはいえ、さすがにこの季節には花は見かけない。だが盆地になっていて白い砂の地面と紅葉した低木、シラビソなどがまるで庭園に配置されたかのように生えていてなんとも美しい。ここにもし住むことができたら飽きないだろうなぁと思った。現実的には難しいだろうが、『ウォールデン 森の生活』を思い浮かべた。
お花畑から不動平までの登りはひたすらに急登でなかなかペースが上がらず疲れる。思っていたより暑いこともあり、水の消費が多くなる。この日持ってきた水の総量は3L。ゼリーなどで補助的な水分はあるものの、あと1Lは持っていくべきだったと思う。この急登で約1.2Lを消費。翌日のことも考え当初の予定では不動平小屋に宿泊する予定だったが、水が潤沢な8合目小屋に変更することにした。今後は浄水器などを導入し沢水も飲めるようにすれば選択肢が増えるかもしれない。
ようやく不動平にあがってくると思いのほか人が多くてびっくりする。ここは7コースのうち5コースの合流点なので比較的人が多いがそれにしても多かった。岩手県の緊急事態宣言が終わったことと紅葉が始まったことが重なり、たくさんの人が登りに来たようだ。
山頂への道は久しぶりにお鉢を1周して向かうことにした。最後の登りでたくさんの人が一列に並んでうつむき気味に歩いているのを見るとまるでゴルゴダの丘のように見えてくる。自分はいったい何を背負って上っているのだろうかという哲学的な気分になる。
ピークハント後は8合目小屋に下りる。1700円支払い寝床を作る。正直1700円は安いと思う。夕方寒くなってくるとストーブに火が入り発電機が起動され電気がつく。トイレは綺麗で水も流れる。朝は4時ころには管理人さんが起きてきてストーブに火を入れる。コロナ渦で値上げした営業小屋がたくさんあるのだからここも値上げしても良いのにと思った。また危うい登山者への目配りもされているようで日中の下山が難しそうな人には声がかけられているようだ。ここは避難小屋ではあるものの、半営業しているようなものだ。自分の寝床はあまりスマホの電波が入らなかったのであらかじめ入れてきた音楽をひたすら聴いていた。
翌朝は若干時間を繰り上げてスタートする。積雪期であれば8合目から不動平はすぐそこだが、無雪期は案外時間がかかる。鬼が城の分岐から薬師岳方面を見るとヘッドライトがチラチラと光りながら登っていくのが見えた。日の出をみるために登っているのだろう。一方私は太陽に背を向けすすむ。黒倉山からの下りはとくに気分がよく、モルダウをスマホから流しながら歩くとつい顔がにやけた。ここからしばらくは何度か歩いた道なのである程度は慣れているつもりだったが、何度かヌタを通過した際にソールの溝に泥が詰まり落ち葉と合わさって滑りやすくなっていた。このためか黄土が出る場所で2度もこけた。音をつけるならスッテンコロリン。途中網張から合流する人が6人くらいいたと思われる。自分はペースが落ちてきていたのでどんどん抜かれる。
稜線の景色がよく、何度も振り返ると三ツ石山が見えてくる。三ツ石湿原に着くとこれまた人がたくさんいた。やはり紅葉を見に来ているようで、「登り優先?んなもん知るか」とばかりに元気がいい登山者もちょくちょく見かける。三ツ石から大深山までは景色はとてもよく何度も振り返ったり先を見たりと立ち止まってしまう。一方で人も多いのですれ違いには時間がかかる。だが疲れてきていた自分にはすれ違いに休憩できるのでかえって良かったと思う。
ようやく源太ヶ岳に着くころにはもう午後だったのでさすがに人も少なくすれ違う人はほとんどいなかった。下山途中の水場ですこし給水し、顔を洗うとかなり回復した気分になった。
源太ヶ岳の登山口から県民の森の駐車場までは約5kmほど、途中水芭蕉の池などあるが基本的にはただのアスファルトの道なのであまり楽しくはない。疲れながら駐車場に戻ると目の前に岩手山が見えてすこし感動した。初日の朝に見たままの山容がまた目の前に現れた。自分にとっては久々に長く歩いたわけだったが、「ふりだしに戻る」をくらったようですこし愉快だった。
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