飯豊連峰ー杁差岳ー
- GPS
- 56:00
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 1,751m
- 下り
- 1,757m
コースタイム
13日;起床5時ー出発7:00−慰霊碑前7:56−登山口橋8:15−460m9:10−測量計跡 9:49−760m10:15−カモス峰10:33−権内峰11:10−1055m11:30〜12:00 (昼食)−千本峰12:23−1315m13:07−前杁差岳13:45−長者平14:23−杁差 岳14:37−杁差岳小屋14:45−就寝16:30(他のメンバー19時)
14日;小屋出発6:55−杁差岳7:05−長者平7:14−前杁差岳7:35−千本峰8:19〜 28−900m8:57−権内ノ峰9:07−カモス峰9:35−600m9:58〜10:05−
橋1 0:46−稜線11:08−橋11:33〜38−慰霊碑前11:50−ゲート12:50
鶴岡16:50
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所なし。ゲート前に登山ポストあり。トイレゲート前にあり。入浴は国道113号線に出て左折するとすぐに桂の関温泉ゆーむ(500円) |
写真
感想
「杁」は,「いぶり」とも読む。長い柄に横板を付けた,くわのような形をした農具で地面をならしたり、穀物を集めたりする。これを担いて腰を曲げた「いぶり爺さ」の雪形を見て田をならし種まきをしたのでこの名がついた。と井上邦彦さんの「山と高原地図・飯豊山」に書いてある。飯豊連峰の中で最北端に孤高のようにそびえている。200名山。6月中旬ころ,となりの鉾立峰と大石山にかけてハクサンイチゲの大群落地帯であり飯豊ファンの人気スポットである。未踏の権内尾根コースは以前から気にかけており楽しみにしていた。
10月12日(土)17時,大山セブンイレブンに集合・出発。薄暮の中,7号線を大きな波音を耳にしながら南下。村上瀬波温泉ICを下りて290号線に移り、113号線に入り雲見付近から踏切を渡って272号線に移る。暗くても大石ダムの案内板が岐路に掲げてありスムースに進むことができた。ゲート前の駐車場にはすでに2台車が停まっている。ここは東俣彫刻公園でもあり幕営には最適だ。今夜は各自準備してきた物で食事をとる。ときおり雨が降ってきた。予報では晴れに向かっているはず,とアルコールをひかえめに寝袋に入る。
13日(日)曇り。5時起床。雲間から青空がのぞく。朝食は中華丼に目玉焼き、味噌汁,漬物など。テントを撤収し,準備体操をして気合を入れる。ここは標高200m。登山口まで平坦な林道を歩く。サルナシの実を見つけた田辺さんから2個頂戴し食べた。歩いて50分過ぎに慰霊碑前に立つ。昭和40年8月大阪市立大学の女子学生(21歳)の名が刻んである。「熱中症かな?」と胸を去来した。ここから15分ほどで林道終点の橋の登山口に着く。杁差岳山頂まで水場はないので実さんと田辺さんが水を汲みに行く。この先の東俣第2橋で水は汲めない。橋を渡って平坦なブナ林から稜線を登っていたら橙色のマスダケが楢の木を包むように生えていた。帰りの楽しみに素通りする。稜線から斜面を横断して東俣第2橋を渡る。右岸の林で猿がしきりに鳴いている。渡ってまもなく飯豊連峰独特の急登がはじまった。斜度40度が標高400mから500mまで続き,30度が500mから600mの間を何箇所か登る。再びマスダケと出会う。標高615m付近の旧雨量測量所跡に着いてようやく一息ついた。途中の休憩時に駒沢さんがリンゴを提供してくれた。やっぱり歯ごたえのある行動食は心が和む。緩斜面になって顔をあげたら案内板にカモス頭とある。地図にはカモス峰になっている。「同じ山の地名には各種あるのは不思議ではない。月山を臥牛山。船形山を御所山と呼称しているように・・・」とつぶやきながら歩を進める。地形図ではカモス峰から千本峰まで標高差300m,歩行距離約2km。100m間隔の等高線を見て,かなり緩い坂道で鼻歌気分で行けると思ったら大間違い。標高差20m,30m,あるいは50mのアップダウンを強いられる。そのため大腿部に痛みがはしり歩行が遅くなりみんなから離れてしまった。でもちょうど昼食時間になって1時間ほど休むと回復してきた。手前に小ピークの千本峰,その遠方に前杁差岳が目に映る。千本峰を越えてから標高1200mから1400mの間が今日の勝負どころだな,と思いながら登っていたらまた痛みがぶり返してきてみんなから離された。ここで下山用として持ってきたダブルストックを使ってみた。そして「いいや,単独行のつもりで行けば」「みんなに合わせるより,自分に合わせる」と開き直ったらなぜか気分が軽くなり痛みが軽減した。1400m付近から森林限界となり紅葉が過ぎてナナカマドの赤い実が目立つ。前杁差岳(1534m)から杁差岳が大きく胸を張っているような姿に見える。長者平まで標高差100m,距離約1kmで長い稜線をたどるようだが実際は見た目ほどでもない。息をこらすことなく長者平に着いた。湿原で草紅葉に染まっている。山頂の標識に誘われて14時45分,小さな祠脇の三角点にタッチする。眼下の小屋はガスで見え隠れする。小屋に入ったら2人の女性がトランプに興じでいた。この後明日大石ダムに下る十数名のパーティが入って来た。実さんと田辺さんが水汲みに行き,駒沢さんとゴザや毛布で場所の確保。4人そろったところでまずビールで乾杯。名シェフ・実さんがさっそく調理にかかる。芋煮をベースにした鍋料理。キュウリとワカメなどのミックスサラダ,厚揚げの炒め物,田辺さんの味付砂肝,駒沢さんの菊,私のイチジクの甘露煮,酒、焼酎,ワインなどなど豪華な料理が並ぶ。私は16時半ころ寝袋に入ったが他の方々は19時頃に就寝したという。
14日(月)快晴。5時10分ころ山頂に行き,日の出を待つ。快晴の,薄闇の天空に星がきらめき,東側は雲海が白く谷間を埋め,南側の飯豊連峰が黒々に横臥している。5時40分太陽が顔を出す。安全登山を祈り合掌をする。小屋に戻り朝食。餅いり煮込みうどん,昨夜の残り物。6時前に小屋を出発。山頂で記念写真。東俣川を挟んで西俣ノ峰,枯松山を見ながら下山してゆく。ナナカマドの赤い実が朝日に輝く。登り返しの前杁差岳まで一気に進む。冷涼な空気が美味しい。千本峰では田辺さんがグレープフルーツを提供。900m付近で昨日出会ったブナハリダケがそっくり残っていた。先に出発した十数名のパーティたちは採らなかったのだ。実さんと田辺さんが2つのナイロン袋に満杯なるほど採った。権内ノ峰もカモス峰も休まず下って600m付近で駒沢さんからリンゴをいただく。それにしても実さんはもちろん,田辺さん,駒沢さん他人の分までリンゴやグレープフルーツなどよく背負ってくるナーと感心する。ここからしばらく下った所に昨日素通りしてきたマスダケを田辺さんと二人で採った。そして東俣第2橋に着いて再び稜線に上がったところにマスダケがあり実さんが採る。(料理法;2cm巾に切り茄子と油炒めして醤油,酒、みりんで味付け一晩置くと美味。トビダケと味が似ている。あと味噌漬け。ただし耳たぶ位の柔らかさが大事。今回は少々硬い)13時前に登山口に到着。東俣川の清流が冷たく美味しかった。ここからは林道であるが途中車があり人もいる。田辺さんがゲートの話をしたら,いつも鍵は掛けていなく自己責任で走行しているという。泡滝ダムまでの道路より道幅があり危険個所はなさそうだ。最後の橋を渡ってしばらくしてから,大柄な猿が一匹私に気付き逃げて声を発していた。ようやくゲートに着き,もう歩かなくてもいい,と解放感に声を上げた。帰路、113号線沿いの桂の関温泉に入浴(500円)後村上市で昼食のラーメンを食べる。鼠ヶ関付近から2か所道路工事のため越沢を通り湯田川に出て大山に行き帰途に着く。
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