大賑わいの鳳凰三山、青木鉱泉から周遊
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 2,186m
- 下り
- 2,170m
コースタイム
2日目 5:32鳳凰小屋―6:35稜線で朝食―7:16観音岳―7:56薬師岳―8:40御座石―10:49中道登山道入口―11:25青木鉱泉
天候 | 1日目 快晴 2日目 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
青木鉱泉の駐車場は満杯で、あふれた車が道路脇に並んでいました。青木鉱泉に前泊しましたが、大勢の宿泊客で個室の筈が相部屋となりました。同室になったのは大阪寝屋川のH氏、お世話になりました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
青木鉱泉からドンドコ沢登山道に入ります。5時半ですがヘッデンは要りません。砂防ダム建設中につき、迂回路を標識に従って回り、川沿いのルートを登ります。危険個所はありません。小さな滝を二つほど見て、地図にも載っている南精進ヶ滝に着きます。南精進ヶ岳へは登山道から150mほどの寄り道となります。ロープを掴んで崖をよじ登ると展望台です。引き返して登山道に戻りましたが、分岐の標識には「←南精進ヶ岳」に下に「滝展望台経由地蔵岳」と小さく書いてありましたので引き返す必要は無かったようです。要所要所に立派な標識や○印があり、迷うことはありません。鳳凰の滝には寄りませんでしたが、滝を経由して登山道に進む道もありました。白糸の滝、五色滝、いづれも立派な滝です。五色滝を過ぎ古びた丸太で土留めされた階段を登ると開けた場所に出て、正面に地蔵岳が見えるようになります。軽いアップダウンで鳳凰小屋に着きます。鳳凰小屋から少し登ると石灰岩の白砂の斜面となり、ズリズリ登ります。オベリスクが徐々に近づいて来ますが、なかなか到達しません。頂上一帯は石灰岩の大岩と砂礫の広場で、その一角に賽ノ河原があります。下りは富士山の砂走りと同じで、砂煙りを立ててズルズルと。 鳳凰小屋は今季最高の宿泊客と云うことです。敷布団1枚に2人で、小屋の中には人が一杯いますが寒いです。この日の夕食は4時半から1時間ごと、3回に分けられましたが、30分程前に整理券が配られます。ちなみに食事は南アルプス定番の カレーライスですが、美味いです。翌日は鳳凰小屋から観音岳へのルートに入ります。小屋から下り、大石をよじ登って登山道に入ります。急登です。稜線に登りつくと、そこは白砂の広い尾根です。どこを登っても良さそうですが、踏み跡、○印、矢印に従って登ります。観音岳から薬師岳までが本日のハイライトです。時々立ち止まり、景色を楽しみながらゆっくり進みます。薬師岳から中道を下りますが、石に記された「←青木」を見落とさないようにすれば、あとは迷うことは無い道です。根っこと岩の急坂です。御座石からしばらく同じような急坂が続きますが、笹が出始めると緩やかとなり、トラバース気味の道を快適に歩きます。トラバース道が終わるとジグザグ道となり、中道登山口まで続きます。コース全体に危険個所はありませんが、根っ子の間に靴が挟まれたり、引っ掛かったりしましたので、油断大敵です。中道を下り終えて青木鉱泉までは車道を歩きます。 |
写真
感想
何年か前、友人のS君と夜叉神峠から薬師岳に登り、観音岳、地蔵岳を経て広河原に抜ける予定でした。雨の中、薬師小屋に泊まった時、小屋番に「南アルプス林道は80mmで閉鎖されるので、明日は夜叉神まで帰った方がいい」と云われ、薬師岳に登っただけで引き返して来たことがあります。鳳凰一山では鳳凰山に登ったことにはなりませんので、体育の日の3連休を利用して鳳凰三山に登る事にしました。
青木鉱泉に前泊して、鳳凰小屋に泊まると云う余裕を持った計画です。青木鉱泉の広い駐車場は満杯で、溢れた車が道路脇に列をなし、個室利用で申し込んだのが相部屋となる程の盛況です。同室になったのは寝屋川のH氏でした。朝食時間は7時から、これではちょっと遅いのでお弁当にして貰いました。
持参したパンとヨーグルトの朝食を摂り、明るくなるのを待って出発です。ドンドコ沢登山道を登ります。いつもの如くゆっくりと登ります。小さなザックをかついだ運動靴の若者が何人もわたしをドンドコ追い越して行きます。おそらく日帰りで鳳凰三山を巡るのでしょう。わたしはドンドコドンドコと調子良く登るわけにはいきません。南精進ヶ滝でひと休み。白糸の滝でひと休み。五色滝でひと休み、と何度も休みながらドンドコ沢をノロノロ登ります。地蔵岳が見え始め、気分は良好です。
ほぼコースタイム通りの5時間15分かかって鳳凰小屋に着くと、小屋のスタッフが総出で迎えて呉れます。わたしが本日最初の宿泊者のようですが、今日は今季最高の宿泊人数になると云うことです。別館に案内され、どこでも好きな所を選んで良いと云われ、下段の奥の布団を占拠しました。と云っても敷布団1枚に2人寝ることになりますが。外で青木鉱泉が作ってくれた朝食弁当を食べて昼食としました。水とカッパだけを入れ、軽くしたザックを背負い、地蔵岳に向かいます。
甲斐駒と同じ、白砂の斜面をズリズリ登ります。オベリスクは思ったより高い大きな石でした。青空の下、甲斐駒、仙丈を挟んで、ひと月半前に登ったアサヨ峰が大きく見えます。甲斐駒の右奥には、先々週と先々々週に居た槍・穂高が見えます。オベリスクに登っている人が見えますが、頂上に至ることは出来ないようです。賽ノ河原には石仏が並んでいて不気味です。下りは富士山の大砂走りのように、砂煙を巻き上げて快調です。
夕食までの長い時間を、缶ビール2本と持参のブランデーを飲みながら外で過ごします。老若男女、ワイワイガヤガヤ、大賑わいです。テン場ももうこれ以上張りようのない程の混み具合です。夕食は2回目の5時半からとなりました。南アルプス定番のカレーライスですが、オーナー特製の大人味で美味い。お代りしてしまいました。寝床に戻ると、お隣は青木鉱泉で同室だったH氏です。小屋の人からわたしが先に着いた事を聞いて、わざわざわたしの隣に来て下さったようです。カメラの話をしながら眠りに着きました。
地蔵岳は昨日登ったので、今日は観音岳へのショートカットルートを登ります。急坂です。途中、樹間から真っ赤な太陽が昇ってくるのが見えます。シラビソの白い幹が赤く斑に染まります。こんな幻想的な光景は始めて、何とも不思議なモルゲンロートです。稜線に上がると白い世界が広がっています。昨日は山のかげに隠れていた北岳が飛び込んで来ます。間ノ岳、塩見、悪沢、赤石と続いています。反対側には、雲海に覆われた甲府盆地の向こうに八ヶ岳が浮いています。昨日登った地蔵岳が朝日に照らされ輝いています。今日もまたいい天気になりそうです。
観音岳の狭い山頂は人で溢れそうです。その中をテッペンまで登ります。360度の大展望です。チャチャチャっと景色をカメラに収め、テッペンから立ち退きます。観音岳から薬師岳までの稜線歩きが本日のハイライト部分です。白砂と緑のハイマツの稜線を、時々立ち止まりながらゆっくり歩きます。地蔵岳のオベリスクが小さくなり、薬師岳のオベリスクが大きくなってきます。そうなんです、薬師岳の大石も遠くから見ることが出来、オベリスクと云って相応しいモニュメントです。
薬師岳の山頂広場にも大勢の人が休んでいます。どうやら昨晩は薬師小屋も大賑わいだったようです。石に赤ペンキで書かれた、「←青木」を見つけ。その道を下ります。岩と根っ子の急坂です。靴が根っこに挟まり、オットッと。細い根っこに足が引っ掛かり、オットッと。御座石を過ぎても急坂が続き、笹が出始めるとようやく道は緩やかになります。快適な笹原をルンルン気分で歩きます。森の中に霧が立ち込め始めます。どうやら雲海に入り込んだようで、これまた幻想的です。笹原を抜け、急坂をジグザグに下ります。ダブルストックで調子良く下っているつもりですが、若者がわたしを追い越して行きます。
廃屋のある中道登山道入口に降り立つと、車道歩きとなります。この3週間、上高地〜横尾、新穂高〜わさび平、白出沢〜新穂高と、長い車道を歩いて来た身には、たかだか30分程度の車道歩きは苦になりません。
青木鉱泉の日帰り入浴は1000円ですが、一昨日入った者の感想としては全くその価値はありません。中央高速諏訪SAの諏訪湖温泉で汗を流しました。弱アルカリ性のぬるっとした美肌の湯です。入浴料は下り線が575円、上り線が595円と異なっています。上りは諏訪市、下りは岡谷市で、入浴税の違いだそうです。
鳳凰三山、大賑わいでしたが、これで本当に鳳凰山に登った事になりました。満足満足。
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