南アルプス深南部 黒法師岳、不動岳 ×三角点・笹漕ぎと貴重な山体験
- GPS
- 34:20
- 距離
- 36.3km
- 登り
- 3,178m
- 下り
- 3,075m
コースタイム
1日目13日(日)9時間(休憩込み)
林道崩落箇所(ゲート6キロ手前)5:50→中小屋ゲート7:10→バラ谷ノ頭取り付き地点8:30→黒法師登山口8:55→9:10不動岳登山口(テント設営)9:35→黒法師登山口9:45→ヤレヤレ平10:50→市川戻り11:05→弁当転がし12:05→12:15主脈尾根出合12:20→12:55黒法師(2,067m)山頂25分休憩13:20→主脈尾根出合13:55→ヤレヤレ平14:45→黒法師登山口15:30→15:50不動岳登山口(幕営)20:30就寝
2日目14日(月)9時間15分
4:30起床 不動岳登山口5:45→鎌崩ノ頭8:30→鹿の平9:05→9:50不動岳(2,171m)山頂45分休憩10:35→11:10鹿の平→鎌崩の頭11:45→鎌崩11:55→鎌崩の頭12:05→13:25不動岳登山口(テント撤収)14:00→中小屋ゲート15:40林道→車に乗せてもらう16:00→16:10林道崩落箇所(ゲート6キロ手前)
新東名道→20:30足柄SA金時湯21:00→自宅着23:00
天候 | 晴れ・曇り 気温は時期からすると温かでした |
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過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
土日祝日は工事なく何パーティーかはバリーケードを動かしてゲートまで車を乗り入れていましたが、日帰りではないため安全を取って歩きます。この1時間弱の歩きが今回の計画を若干変更せざる得なくなりました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●参考資料 静岡県の山 30黒法師岳・不動岳 山と高原地図42塩見・赤石・聖岳 2010年黒法師南西のバラ谷に登ってます。 バラ谷の頭 2000m峰最南端 & 2010年に2010mの頂上へ (麻布山〜前黒法師山〜バラ谷の頭ピストン) http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-60345.html ●ゲート〜黒法師登山口 戸中山林道は崩落も無く、破損も少ない林道で歩き易かったです。緩やかな登りが登山口まで続きますが、累計すると600m程登っているので黒法師登山口までに何件か小屋がありますがどれも廃屋に近い状態です。「静岡県の山」ルート案内では、小屋に泊まるとありますが老朽化しているしスペースも少ないため厳しそうでした。泊まるならテント持参の方が良いと思われます。途中幾筋も沢があるので水は困らないでしょう(煮沸は必要だと思われます)。 黒法師岳登山口、不動岳登山口ともテン場に適した平らなスペースがあります。特に不動岳登山口は、1分位戻ると山側から岩を伝って水が流れているので幕営しやすいです(煮沸しないで飲んでも私は問題なかったです)。 ●黒法師岳 登山口から等高尾根と呼ばれるルートを登ります。基本は尾根伝いで赤テープによるマークも頻繁についていてるので迷う箇所は無いでしょう。非常に急坂が続き息つく暇がありません。 1時間程度登った付近で「ヤレヤレ平」の道標が立つ少しなだらかな場所がありますので一休みです。更に10分程度登った箇所で右手が崩落しており前黒法師方面の展望が開けています。主脈尾根近くまで来ると「弁当転がし」の道標がありますが、その名の通りかなり急斜面。降りは慎重に。陵線直下は紅葉が進んでました。 主脈尾根に着くと、展望が開けます。左手は丸盆岳、右手は黒法師岳です。ここからは踏み跡が見えづらい笹漕ぎでピークを目指します。頂上直下はやはりガレ場があり降り注意。 山頂直下でバラ谷への分岐があり、すぐに立派な黒法師岳の道標が見えてきます。展望は樹林に囲まれてあまり良くありませんが、「激レア三角点」がまってます! ================================= ×(バツ)印三角点 通常の一等三角点標石には+印ですが、黒法師岳の三角点は唯一“×”印で激レアです。なぜ×なのかは分かりませんが、石工さんが間違えて掘ってしまったようです。苦労して登ってきた甲斐がありますね。 ================================= ●不動岳 登山口から植林された九十九折の登山道を30分の登ります。この区間で一気に200m位上がるのでかなりの急坂です。ひと登りした場所に、林業用なのか小屋があります。 しばらくは倒木と苔生した南ア特有の雰囲気の登りが続きますが、1500m付近から腰まである笹が密生し始めます。黒法師に負けず劣らずの急坂ですが、踏み跡がありピンクテープも随所についているので1800m付近までは道迷いの心配もありません。1850m付近に右手ガレ場があり、三山展望平の道標があります。その名の通り、丸盆、黒法師、バラ谷が展望できます。 ここから陵線までいよいよ笹漕ぎです。早朝は朝露に濡れるので雨具着用したほうが良いでしょう。急坂+笹漕ぎなのでなかなかペースが上がりません。特に倒木も多く、笹により足場が見えにくいので引っかかりに注意。 鎌崩ノ頭付近は紅葉していました。鎌崩方面に数m登るとテン場適地があります。不動岳への陵線は本格的な笹漕ぎとなりますが、基本陵線を歩けばルート迷いはないでしょう。鹿ノ平は一面笹原。西斜面が大きく崩落している付近は平でテン場適地があります。ここから先はピンクテープも無く、獣の踏み跡が縦横無人についています。不動岳方面を目指してひたすら笹漕ぎします。 山頂への最後の登りは笹丈も低くなり、笹山特有の緑の絨毯と青い空に囲まれ気持ちよく歩けます。山頂の雰囲気は最高に素晴らしいです。バラ谷までの陵線が展望でき、北は樹林越しに光岳も見えます。 鎌崩ノ頭より約10分歩くと鎌崩のポイント。一気に崩落しており険しいルートとなっております。 ●温泉 水窪からすぐに山王峡温泉があったので行きましたがお休み。浜松では温泉が見つけられず、高速に乗り足柄SAのレストイン時ノ栖「金時の湯」にて汗を流しました。3時間630円で手ぬぐいもつきます。休憩用のリクライニングソファーの部屋などもあり、渋滞時や疲れていて仮眠したい時に使いたいですね。 |
写真
感想
2010年に南ア深南部、麻布山〜前黒法師〜バラ谷(2010m)を登った時にバラ谷から見た黒法師岳。近くて遠い存在で、当時一緒に登ったten-no-kiさんが言っていた激レア×印三角点を見に行きたいと思っていた山でした。最近「静岡県の山」を購入して黒法師岳・不動岳のルートガイドを見つけ、ten-no-kiさんと他2名と登ることになりました。
事前情報収集で9月林道崩落によりゲートまで行けなかったということが書いてあったが、もう改修終わっているだろとタカを括っていたら、残念ながらもっと手前で通行止めが発生していた。ただでさえゲートから7キロ弱歩かなければならないのに、プラス5キロは参った。同じく崩落箇所で朝まで待っていた人がバリケードをどけてゲートまで行く中、迷ったが翌日工事が始まって通行できなくなるリスクを考えると5キロ歩いたほうが良いと結論付け歩き始める。
当初1日目不動岳、2日目黒法師岳を登って少しでも早く帰宅しようと考えていたが、登山口まで約3時間を費やしテント設営時に9時30分。秋口で日も短くなっており笹漕ぎルートであることを考えると時間に余裕が欲しい。下山時暗くなるリスクを考え黒法師岳を往復することになった。
●黒法師岳
黒法師岳の等高尾根は想像以上に急坂で“ヤレヤレ平”についた時には、ヤレヤレやっとついたと思ってしまう登り。陵線直下の“弁当転がし”は、弁当どころか人が転がってしまう急斜面でついた名称になるほどと感心。でも“市川戻り”って名称は?市川さんが厳しい急坂にくじけて戻ったのかしら?
主稜尾根に到着すると先客2名。聞いてみると我らの目的の黒法師と逆にある丸盆岳から下山してきたところだった。ルート不明瞭で結構大変だったと聞いたが尾根から見える丸盆岳の山容もなかなか素晴らしい。少し話した後、我らは黒法師を目指す。腰までの笹漕ぎ登山は久しぶりだ。山頂直下分岐に到着し、バラ谷を見たときこの陵線を繋ぎたいという欲求を抑えられずリーダーにピストンしたい旨を伝えたが敢無く撃沈。一人なら1時間30分で戻ってこれるのにと思いながらも、深南部では道迷いなど心配もあるので気持ちを切り替える。
そして山頂に到着。お目当ての激レア三角点・・・あった〜紛うことなく“×印”。展望は無くてもこのマニアックな道標を見れただけで登ってきた甲斐があったよ〜。
黒法師岳から戻ってきたら不動岳登山口近くに張ったテント近くの水場で水をたっぷり補充して宴会。水場が近くにあると担がなくて良いから嬉しいねー。ten-no-kiさんが用意してくれた旨い炒め物を肴にビール、焼酎、ワインと大いに楽しみ8:30就寝。夜は星空がとてもきれいだった。
●不動岳
早朝、見える山には若干ガスがかかっていて心配だったが、今日は長丁場を歩かなければならないので予定通り登り始めた。不動岳は標高差1,200m程度だがしょっぱなから急坂が待っていた。途中からは笹山に山容を変えるが1800m付近までは踏み跡もハッキリしていて、着実に歩を進めていけば問題ない。
三山展望平に到着すると、山頂付近はガスに覆われていて展望が期待できそうに無いので多少ガッカリ。ここからは笹漕ぎしながらの登りとなりペースも落ちた。鎌崩ノ頭に到着すると紅葉の赤と笹の緑がいい感じだが、ガスで展望が無いが残念。
気を取り直して不動岳に向かって陵線を歩き始めると少しずつガスが切れ始めた。笹漕ぎしながら歩くこと25分。だんだんと笹原が広くなり別天地鹿ノ平に到着した。南西側のガレが下まで続いているが気持ちよい景色だ。
さらに笹を掻き分け陵線を進むとガスが晴れて不動岳が見えてきた。空の青と笹の緑と枯れ木の白のバランスが素晴らしい展望を実現している。ガムシャラに山頂に向けて登り続けると坂が途切れピークに到着。若干樹木で見えない方面もあるが展望は良し。特に丸盆、黒法師、バラ谷、前黒法師、麻布山と続く南側の展望はいいね。
不動岳頂きに立って、展望以上に言葉では表せないけど山の持つ雰囲気が素晴らしく充実感に満たされた時間で、ついついゆっくりしてしまった。不動では誰にも合わずメンバーだけで山を独占、こんな山登りはなかなか出来ないですね。
不動岳下山後は再び林道歩きでしたが、ゲートを過ぎて10分位のところで工事で山に入っていた方とお会いできました。運よくトラック荷台に乗せてもらえ残り1時間の長い林道歩きを短縮できました。工事関係者の方、ありがとう!
南ア深南部の面白さに目覚めてしまうと、これで収まりません。
情報収集中にヤマレコに掲載されていた-to-to-さんのバラ谷〜黒法師周回コース。今回取り付き箇所もしっかり確認してきたし、バラ谷〜黒法師間の陵線を繋げるために歩きたいですね。
危険ですが、しっかり情報収集して丸盆〜鎌崩ノ頭の陵線もつなげたいです
他にも池口岳、黒沢山、合地山、寸又峡から朝日岳、前黒法師岳と登りたい山がたくさんできました。蛭のいない時期にチャレンジしたいと思います。
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