穂高岳(上高地〜岳沢〜前穂〜奥穂〜穂高岳山荘〜涸沢〜横尾〜上高地)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 1,922m
- 下り
- 1,920m
コースタイム
16日 穂高岳山荘(4:45)→涸沢小屋(6:05-6:15)→本谷橋(7:20-7:25)→横尾(8:05-8:15)→徳沢(9:00-9:10)→明神池(9:50-10:00)→上高地バスターミナル(10:55)
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
松本〜上高地\2,400 上高地〜松本\2,400 松本〜入谷 \3,570 |
写真
感想
いよいよ百名山50座目ということで気合はかなり入っていました。しかも猛暑ながらも晴れ続きなので期待も膨らみます。節目にふさわしい山ということで、候補は水晶か穂高の2択でしたが、3日間フルの休みを取るのがきつく、前夜発の山中1泊で行ける穂高にしました。コースは迷うことなく、上高地から真っ直ぐ重太郎新道から前穂に登り、奥穂を経て穂高岳山荘で1泊。翌日は北穂まで岩稜を楽しみ、上高地へ下山するものに決定です。
初日のコースタイムも8時間を超えてますから、本当は前夜に上高地へ入って泊まりたいところですが、上高地はご存知の通り高級リゾート地で、山屋が泊まれるようなところはありません。テントがあれば小梨平がありますが、それも大変だし。とすると前日松本市内で泊まって始発の電車で行くのが最善と判断。土曜日夕方自宅を出て松本へ向かいました。ホテルの予約もしてませんので、選んだのはネットカフェ。駅周辺には適当なところがなく、駅から2km離れた松本インター近くまで移動。小雨の中30分歩きやっと到着。2,000円で翌朝までいられるのは助かりますね。ネットをしつつ少し仮眠。時間はあっという間に3時近くになり、もう出発の時間。雨もやんだので一安心。朝食をコンビニで買って、駅までのんびり歩きます。駅の通路には寝袋で寝ている人が軽く10人以上。さすが松本という感じですね。しばらくすると自動販売機が開き、上高地までの切符を買ってホームで電車を待ちます。ムーンライト信州で着いた人も続々とこちらへやってきて、電車はまずまず盛況。新島々に着いてからはバスで座りたいのでダッシュ。何とか席を確保しました。
バスは坂を登って登ってダムサイトを過ぎ、ほぼ20年ぶりに釜トンネルを通ります。すっかり夜も明けて気づいたことは、曇っているんですよね。大正池のあたりは雲がかかってより神秘的な感じもしますが、景色は期待薄。ちょっとがっくりです。
上高地でバスを降りて一つ発見。ポケットに入れておいたはずのザックカバーがない。電車で落としたか。天気を考えてもザックカバーなしでは相当きつそうなのでインフォメーションセンターに行くと、しっかり売ってました。\3,000はちょっと高いですがやむを得ません。時間も6時半を過ぎていて早く出発したい気分満々ですが、あせらずトイレ、水の準備。登山届けを出して出発です。河童橋。朝からすごい人。そしてサルの天国となっています。
橋を渡り、右岸を進み明神池への自然研究路に入ります。すぐに登山口。岳沢方面へ行くとやがて治山用道路を越えて登山道へ入ります。そこで「岳沢ヒュッテ営業中」との看板。閉鎖と聞いていたので考えの中にありませんでしたが、知ってたら泊まってもよかった。最初は森の中の静かな道。直前の雨のためか地面はやや濡れています。しばらく登っていくと目の前が倒木だらけになっています。右手の沢の方から崩壊していたようです。良く見ると左奥の方へテープがあってそちらがルートの様子。どうやら崩壊した沢が明神南沢のようですね。そこから徐々に高度を上げて行きます。蒸し暑さに絶えながらもくもくと登ると、意外に早く天然クーラーに着きました。確かに涼しい。ちょっと休憩。まだ先は長い。やがて道は石ごろごろのところを通って岳沢の左岸を進むようになります。時折下方が開けて気分も晴れてきます。対岸にヒュッテが見えてきました。それから道は沢をわたりヒュッテへ到着。水を補給。まだ2200m。前穂は3090m。これから丹沢の馬鹿尾根が始まるような感じかもしれません。気合を入れ直して出発。再び左岸へ渡ります。前方は真っ白になってきていよいよ雲の中。風が強くなって来ます。そして道もきつくなって来ました。ハシゴが連続。なかなか厳しい。小休止したときにザックカバー装着。カッパ着用。黙々と登ります。すれ違う人に聞いても上は真っ白とのこと。ちょっと引き返そうかな、とも思いましたが木曽駒のときよりはましなのでまだ登ることにしました。しかし何も見えない。カモシカ立場、岳沢パノラマ、雷鳥広場、いずれも景色は一緒。真っ白でした。上部には長いクサリ場があります。下が濡れてるのでちょっと滑るのがこわいですが特に問題はなく通過。岩稜を歩いていると紀美子平に着いてしまいました。意外に早かった。前穂パスでもいいかな、と思ってましたが紀美子平にいた人達が続々と前穂を目指して出発していくのでこちらもつられて前穂へ向かいます。ザックデポが基本でしょうがカメラは持って行きたかったので全部しょって行くことにしました。ここからの道が予想外に厳しい。ここクサリあってもいいんじゃない、というところがあってなかなかの歯ごたえです。それでも前の人の様子を身ながら登ること40分。山頂へ到着です。しかし何も見えない。
一等三角点を見つけたかったのですがそれも見つかりませんでした。どこだったんだ。
やむなく下りに入ります。下りはより慎重に。紀美子平から奥穂を目指します。最初はトラバース道。最低コルで前穂への尾根ルートを合わせてからは稜線の道になります。全体的には穏やかに見えますが、何も見えないからこわいかこわくないのか良く分からない状況です。緩やかに登っていた道に突如一枚岩の長いクサリ。それを登りきると南稜の頭で、もう奥穂まで一息。しかしどれが奥穂か良く分からない。何回か手前のピークを勘違いして、やっと山頂。北アルプス最高峰ですが誰もいませんでした。
展望表示盤も意味を成さない状態です。一応これで百名山50達成と言うことになるんでしょうが、感慨もあったものではありません。すぐに小屋へ向かいます。小石と砂で歩きにくい尾根を下って行き、小屋の手前は急峻な岩場。ハシゴの連続。それを何とか下りきったら突然赤屋根が目の前に出現。小屋でした。
朝火を炊くのも面倒いなって素泊まり+弁当。水は宿泊者無料なのがありがたいですね。天候が天候のため一人一枚布団余裕。疲れからか登りにちょっと慌てすぎたからか、軽く高山病的な頭痛がします。早々に夕食を済ませて布団に入りました。目が覚めたら同室の人がしゃべってます。「星がすごいよ」???晴れた?慌てて外へ。見事に晴れてます。真っ暗ですが山のシルエットがはっきり。かなり星も見えてます。だめもとで三脚使って写真撮ってもよかったかな。
翌朝。期待して起きたのに外は真っ白・・・。やる気もすっかり失せ、まず弁当。お握り風の五目寿司という表現でいいんでしょうか。おいしかったです。北穂までは当然パスとして、涸沢岳はピーク踏んでおこうかな、とちょっと登り始めたのですが、あまりの視界の悪さにこの中でピークにいって何の意味があるのか、と自問自答してしまい5分で撤退。早々に下りに入りました。下り始めてすぐのところに若干雪渓が残っていましたがアイゼンも必要ない程度。その後は奥穂山頂付近のような小石、砂の歩きにくい斜面をジグザグに下ります。間もなく雲から抜けたようで視界が一気に開けてきました。前穂北尾根己(絞?)と涸沢カール。三脚の活躍の場もなかったので無理やり使いました。
クサリを抜けると大分歩きやすくなり、石ごろごろのところを通って涸沢小屋へ。直に降りるルートが良く分からずキャンプ場を通って気づいたらヒュッテまで来てしまいました。パノラマルートにしようかとも思いましたが、結局本谷方面へ。道はすぐに樹林の中へ入ります。随分人が多くなりました。これだけすれ違うのは本当に久しぶりのことです。立派な本谷川の吊り橋を渡り、さらに歩きやすい道を下っていくと横尾に着きました。ここまでくればもう安心という感じですね。梓川左岸の遊歩道をのんびり行き、徳沢を経て明神へ到着。池に行って見ました。お金を取られるのは知りませんでしたが、ここまで来たら行くしかないかということで。予想以上に良い雰囲気のところです。カモが1羽。かわいい。
ここから上高地へは右岸の自然研究路を1時間。ここまでくると本当に凄い人です。完全に自分の方が浮いている感じでした。バスは整理券必要と言うことで大分待つのも覚悟してましたが、30分後のバスに乗ることが出来ました。
無事登れたので不満を言ってはいけないでしょうが、とにかく天気が・・・。下界が晴れていても雲がちょうど山の高さにありましたね。運が悪かったというほかないのでしょうか。
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