朝日連峰縦走【泡滝ダム〜以東岳〜大朝日岳〜古寺鉱泉】
- GPS
- 32:00
- 距離
- 30.9km
- 登り
- 2,218m
- 下り
- 2,064m
コースタイム
6:40 泡滝ダム登山口
9:10−50 大鳥小屋
11:50 オツボ峰
12:30 以東岳山頂
12:40 以東岳避難小屋
【10月18日】
5:30 以東岳避難小屋
5:40 以東岳山頂
6:40−45 中先峰
7:20−30 狐穴避難小屋
8:20 寒江山
9:20−30 竜門小屋
10:40−45 西朝日岳
12:00−05 大朝日小屋
12:15−40 大朝日岳山頂
12:50−13:00 大朝日小屋
14:00−10 古寺山
15:10 ハナヌキ峰分岐
16:20 古寺鉱泉
天候 | 17日 雨のちみぞれのち吹雪 18日 朝だけガス、のち晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
朝日屋旅館宿泊者は泡滝ダムまで送迎してくれます。 下山後は、古寺鉱泉から左沢までタクシー。約14,000円。 7月の豪雨で道路が一部不通になっており、若干遠回りするため、料金が高くなっています。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
10月17日は、朝日連峰の初冠雪でした。 前日は台風だったためか、山頂は日本海側からの風が強く、山頂は吹雪状態。チョット危険でした。 翌18日に稜線を縦走しましたが、吹き溜まりでは20−30センチの積雪。踏み抜くと膝まで埋まります。特に、以東岳直下と西朝日岳直下は苦労しました。 標高1,500メートルを超えると雪がでてきて、1,600メートル前後から雪道です。今後はさらに雪が増えるので、要注意です。 |
写真
感想
10月13〜15日の飯豊山全山縦走に続き、17日18日で朝日連峰を縦走してきました。
思いがけず、飯豊は晩秋、朝日は初冬と、2つの季節を味わうこととなりました。
15日に飯豊から越後下関に下山し、16日は台風の影響を受けながら豊岡→大鳥登山口の朝日屋旅館まで移動。翌17日に泡滝ダムから登山を開始しました。
【10月17日】
台風は過ぎ去ったものの、天気予報は日本海側だけ午前中雨で午後から曇り。もしかしたら冬型気圧配置かもと思ったものの、朝は小雨だったので予定通りのぼりはじめました。
泡滝ダムから大鳥池までは、なだらかな歩きやすい道です。天気が良ければ鼻歌でも歌いながら進みたくなる道ですが、あいにくの雨。といっても、小雨程度で登山に支障がでるような感じではありません。足元に注意しながら慎重に大鳥池まで進みました。
大鳥池は観光地のような雰囲気がある、気持ちの良い池(湖?)です。ただ、雨で周囲を散策する気にはなれず、小屋で休憩していました。
休憩後、以東岳に向けて出発です。渡渉がある直登コースではなく、オツボ峰コースを選択しました。このコースも登りはじめは急ですが、それほど厳しい道という訳ではありません。ただ、雨が鬱陶しいだけです。景色も殆ど見えないので、淡々と進みます。
稜線に上がったころから、急にガスが出てきました。視界はどんどん悪くなり、雨も雪に変わってきました。でも、この時点では雪を楽しんでいるくらいの余裕はありました。
ところが、オツボ峰の手前くらいから雪に加えて強風です。雪+強風=吹雪。このあたりになると、雪を楽しむ余裕はなく、登山道を間違えないようにする事で必死です。天気予報では午後には曇りになると言っていたので、少し我慢すれば雪は止むと信じて、歩いていました。
しかし、雪はそれほど強くならなかったものの、風はさらに強風になり、体がもっていかれそうになります。視界は10メートル前後。さすがにどうしようか、色々考え始めました。
第一に大鳥小屋まで戻ることを考えましたが、大鳥小屋までは恐らく2時間。一番近い以東小屋ならこの天候でも30〜40分で到着するはず。しかし、以東小屋は使用禁止。とても狐穴小屋まで行ける雰囲気ではない。でも、2時間強風に耐え続ける余裕はなく、最低限風雪が凌げれば十分と判断し、一番近い以東小屋まで行く事にしました。
以東小屋に入って、すぐに使用禁止の意味を理解しました。2階建ての小屋にもかかわらず、1階が水浸し。なんと、2階から雨漏りしているのです。一応2階も見ましたが、靴を脱いで上がれるような状態ではありませんでした。
それでも、強風から逃れられただけマシ。小屋内を隈なく見た結果、ほんの僅かだけ水に濡れない個所を発見し、ココで寝る事にしました。
小屋内は雨漏りしているだけありとても寒かったものの、冬山になる可能性も想定して防寒具をかなりもっていたので、何とか寝る事はできました。
備えあれば憂いなし、ですね。
【10月18日】
夜〜朝になっても、強風は全く収まりません。視界も相変わらず10メートルくらいです。このまま下山するか、縦走路を進むか悩みましたが、天気予報では今日は晴れのはず。途中に避難小屋もあるし、食料も十分にある。天気予報を信じて縦走路を進む決断をし、以東岳から縦走路に進みました。
すると、以東岳から30分くらい降りると、ガスが晴れてきました。風も次第に弱まってきます。それどころか、雲の切れ間から太陽まで見えてきました。振り返ると、以東岳の山頂近辺だけガスがかかっています。どうやら、日本海側からの風が以東岳にぶつかり、風とガスになっていたようです。自分の判断が正しかったので、一安心です。
その後は順調に進みますが、標高1,600メートルを超える北西斜面は雪が多く、踏み抜くと膝まで埋まってしまいます。登山道も判別しにくい個所が多々ありましたが、今日は晴天で先のトレイルは見えています。登山道がわかりにくくても、先のトレイルの方向を目指して歩けば良いのでそれほど不安はありませんでした。これがガスだったら全然違うのでしょうね。
特に、西朝日岳の鞍部から山頂まではかなり体力を使いました。
西朝日岳を超えて大朝日岳に向かうと、大朝日小屋の周辺に人が見えます。泡滝登山口からココまで誰にも会わなかったので、人影が見えただけで一安心です。普段は静かな登山が好きなんですが、この状況で誰とも会わないのは一抹の不安があったのも事実。我が儘なものですね(苦笑)。
大朝日岳山頂は少し雲が出ていたものの、無事に到着できたことで大満足です!時間の許す限り、山頂でゆっくりしていました。
後は下山だけです。大朝日岳は以東岳に比べると雪が少なく、登山者もいるので安心して下山できます。とは言うものの、ツボ足で体力を結構使ったのと、予定よりも長く歩いていることから、転倒しないようかなり慎重に下山しました。
下山後、古寺鉱泉に1泊させていただき、翌朝タクシーで左沢まで行きました。
古寺鉱泉の方からは「恐らく、今シーズン最後の縦走者だね。あの状態の以東岳避難小屋に泊まるなんてなかなか出来ないよ」と、苦笑いされてしまいました。
という訳で無事下山できましたが、この時期に遭難者が多い理由が理解できました。もし、冬山装備をしないで登山していたり、天気予報を確認せずに無理していたら、かなり危険だったんでしょうね。
飯豊・朝日の連続縦走、無事終了できて満足感でいっぱいです!
ただ飯豊も朝日も、7月の豪雨の影響で登山道に達する道が崩壊している個所が多く、多くの登山道が通行止めになっていました。
1日も早い復旧を願います。
最後に一言。
「朝日もイイデ〜!」(笑)
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
rikuiikuさん、はじめまして。
楽しいレコ拝見させて頂きました。私も始めて、朝日連峰を八月に縦走しました。
改めていい山ですね。飯豊連峰と朝日連峰を連続縦走は、スゴイです。
小屋番さんは、この時期まだいますかね〜?大朝日小屋の小屋番さんと、楽しく飲んだこと、思いだしました。
また、初日の朝日屋旅館までの足は、タクシーですかね?今年は、行も帰りも足の確保が大変でした。来年は、朝日か飯豊縦走したいです。
今後も楽しい山行を!
コメントありがとうございます!
小屋番さんは、飯豊も朝日も先日の3連休を最後に降りたそうです。暫くは無人小屋になります。
初日は鶴岡駅からバスを利用しました。シーズンなら泡滝ダムまでバスもありますが、この時期は朝日屋旅館に泊まらないと林道を12km歩く事になります。
朝日連峰は良い山ですが、縦走するには足の確保が大変でした。特に今年は道路が寸断されたせいで、このルートくらいしか縦走できず、登山者も例年の半分以下だったようです。
お互い、安全に登山を楽しみましょう
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する