剱岳(早月尾根-剣沢-池ノ平-北稜)
- GPS
- 14:07
- 距離
- 32.1km
- 登り
- 4,631m
- 下り
- 4,631m
コースタイム
02:00 馬場島
05:20 剱岳
06:50 剱澤小屋
07:40 真砂沢ロッジ
10:10 池ノ平山
11:10 小窓乗越
13:40 剱岳
16:00 馬場島
水3L, おにぎり1, 和菓子3
天候 | 快晴無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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その他周辺情報 | 下山後は風呂無し。ホテルまで我慢。 今回泊まったドーミーイン富山は僕がこれまで泊まったビジネスホテルの中で屈指の素晴らしさだった。客室が広くて綺麗。お値段も高くはない(公式からの予約が一番安い)。そして大浴場はアルカリ天然温泉。さらに熱いサウナがある。水風呂はキンキンに冷たい。浴室内の飲み水も冷たい。無限シャワー。ひげそりフォームに石鹸もある。もう非の打ち所がない。完璧すぎる。富山のビジネスホテルに泊まる機会なんて滅多にない(週末に富山県にいて車中泊で山に登らないことがない)が、また機会があれば泊まりたい。マジで最高です。富山県民でも気分転換、リフレッシュに泊まりにいってもいいのでは。 |
予約できる山小屋 |
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写真
感想
東京に転勤になってから北陸は遠い山になった。今回出張で富山に行くことになったので休みの前日にレンタカーを借りておいた。行き先は剱岳の早月尾根。実は無雪期の剱岳に登ったことがない。天気は抜群に良いのでピストンだけでは勿体無い。剱岳から剣沢を下りて川原を歩き池ノ平山から北方稜線を通って早月尾根へ帰ってくるプランでいこう。以前、たくさんの山に登ったことがある先生に「秋の紅葉が最も素晴らしかった山は?」と聞いたことがある。「池ノ平の紅葉は素晴らしい。秋に泊まると楽しいよ」と言っていたのを覚えている。いつか秋の池ノ平へ行ってみたかった。
1時にホテルを出て小一時間クルマを走らせ馬場島へ。なぜか駐車場はパンパンだった。こんなにたくさんの人が早月尾根から剱岳に登ってんの? というわけではないらしい。クルマの台数に反して登山者はそんなにいなかった。キャンプだろうか。パパッと支度をしたら出発。ここで登山口へ向かって歩いているときにカタヤさんに目撃されたらしい。早月尾根は取り付きの斜度が一番急なんじゃないかって感じで序盤から殺しにかかってくる。それに加えてとんでもない暑さだ。一気に汗だくで不快MAX. 10月半ばとは思えん。先週より暑い。稜線は暑さとの戦いになるだろう。2度目の登りの前にたっぷり水を汲んでおこう。とにかく暑くてペースが上がらないが、あんまり早く山頂に着いても暗くてつらいのでゆっくりでよい。ぺたぺた登って山頂に着くとちょうど5時半頃で東の空が良い色に染まっていた。山頂で日の出待ちをしながら携帯を見ると岩さんカタヤさんから「猫又のライト見えるー?」と連絡が入っていた。このとき僕は登山口で目撃されたことを知らなかったので「え、なんで僕が早月尾根に居ること知ってるの。北陸出張とは呟いたけど富山とは一言も言ってないのに。こわい…」と思った。
御来光を迎えたら立山へ向かって落ちてゆく。ここから見る立山はすごい存在感だ。剱岳-立山は初めて通る。名物の鎖場は時間帯が悪いと渋滞するが、この時間は人が少なくてスピーディに通過できた。ガンガン高度を落として剣山荘と剱澤小屋を見学した。剱澤小屋は残雪期の大窓周回で雪に埋まった姿しか見たことがなかったので感動した。さっきまでカンカン照りで早朝なのに既に暑かったが剣沢の中は日陰で涼しくて快適だ。右岸の夏道はすべて出ているので真砂沢ロッジまで難なく下りてきた。ここもなかなか雰囲気が良くて素敵なテン場だ。河原を歩いて仙人新道の尾根に取り付くと日陰タイムは終わり。灼熱。風は無い。今日一番の地獄の登りだった。7月の平ノ小屋-五色の登りくらいキツかった。仙人峠に出ると北から涼しい風が吹いてきて気持ち良い。池ノ平の紅葉は聞いていたとおり見事なものだった。バックに剱岳が聳え立っているのがとても素敵だ。朝の低い日の光に照らされたらもっともっと美しいことだろう。来年ホントに秋に泊まりに行こうかな。欅平から入って池ノ平で一泊して、翌日は北方稜線から剱岳-立山室堂に下山すればクルマを使わなくてよい。
池ノ平は大窓周回の時に2度通っているが残雪期はタダの大雪原なので今回、池ノ平の姿を見ることができて感動した。僕は「積雪期の姿しか知らない」というエリアがたくさんある。尾瀬とか越後東北とか。小屋でたっぷり水を補給して池ノ平山に登ったらここから先は破線ルート。北方稜線は3年前の5月に歩いているとはいえ、当時は右も左もわからず先生についていったので歩いていないのと一緒だ。三の窓への下降がチビりそうなくらい怖かったことしか覚えてない。池ノ平南峰から小窓乗越へ下りる尾根は歩く人がほとんどいないようで踏み跡は不明瞭。ハイマツにライドしたり残置ロープに捕まって岩壁を下りたり、ほんの目と鼻の先なのに小窓乗越まで1時間ちかく格闘タイムだった。ここはもう二度と通りたくない。今回は池ノ平山を踏みたかったので尾根を通したが次からは小窓乗越から小窓雪渓に下りよう。みんなそうしている。小窓乗越から先はよく歩かれていて踏み跡明瞭。特に迷うこと無く登ったり下ったりしながら剱岳を目指す。あの氷の壁だった発射台も池ノ谷ガリーも雪が無けりゃどうってことなかった。
二度目の剱岳を踏んだら残りの行動食と水を全部胃袋に入れてしっかり休んで早月尾根ダウンヒル。時刻は14時。18時に富山で仕事のセンパイとメシを食いに行く約束をしているので結構飛ばさないと間に合わない。下りは見通しがよく登山者も少ないので快適だった。山頂からぴったり2時間で馬場島に下りてきた。試練と憧れで記念撮影したらパパッと片付けをしてガソリン満タンにしてレンタカー返却。ホテルで3分シャワーを浴びて着替えたらセンパイと合流してきときと寿司へ。ごっつぁんです。
このルートは剱岳の魅力をたっぷり満喫できる素敵なルートだ。池ノ平には登らず小窓雪渓を使えば1~2時間は短縮できるだろう。会心の山行だった。来年も行きたい。
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