蓑毛-岳ノ台-三ノ塔-大倉
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- GPS
- 06:30
- 距離
- 12.8km
- 登り
- 1,194m
- 下り
- 1,210m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
往)07:25秦野駅発蓑毛行き 07:45蓑毛バス停着 復)14:38大倉バス停発渋沢駅北口行き |
コース状況/ 危険箇所等 |
蓑毛-ヤビツ峠 雪多少あり。木橋の上にも雪あり歩行注意。崩落箇所などの危険はなし。 ヤビツ峠-岳ノ台-菩提峠 雪深い(最大30cm)ので歩きづらい。道迷いの心配はない。 菩提峠-富士見山荘跡 舗装道路は凍結していて歩きづらい。軽アイゼンを装着した方が歩きやすそう。 表尾根-三ノ塔 ほとんど雪道だが、歩きやすい。 三ノ塔-大倉 三ノ塔尾根上部は雪があるが、歩きやすい。踏み跡がないと迷いやすいところはある。 蓑毛、ヤビツ峠、大倉とも登山ポスト、トイレあり 大倉には、売店、飲食店あり |
写真
感想
術後2年の検査で、転移、再発がないことが確認され、ほっと一安心したので、山に行きたくなった。
連休だが、山小屋泊の山行は、事前準備もなくあわただしいので、丹沢への日帰り山行とする。
前日の横浜は雨だったが、東京で初雪を観測、天気もまずまずの予報なので、格好の低山雪山ハイキングが楽しめそうだ。
かねてより計画していたヤビツ峠から岳ノ台を回って、札掛方向に向かい、大山北尾根を歩くコースと決めた。
ヤビツ峠への始発バスは遅いが、日の短いこの時期でも、大山まで歩けば、最悪ケーブルカーもあるし、大丈夫だろう。
当日、小田急線の車窓からからは、昇り始めた朝日と雪を被った大山がよく見える。
秦野駅について、バス停に並ぶと、なんと、ヤビツ峠行きは路面凍結のため運休。蓑毛までしか行かないとの表示。
蓑毛からヤビツ峠へは、18年前の真夏の昼間に、3日分の食料とテントを背負って歩いたときの、汗ダクダクのしんどい記憶しかない。
まあ、久しぶりにヤビツ峠まで歩くのもいいかと、コース変更などまったく考えず、ヤビツ峠行き始発バスより10分早い蓑毛行きに乗る。
蓑毛-ヤビツ峠間のコースタイムは1時間15分。下山が1時間ちょっと遅くなりそうと、バスの中から家に連絡。
蓑毛バス停は、裏参道で浅間山から下ってきたとき、裏参道で大山に登ったときと、このところときどき利用している。
石灯籠のところまでは、なじみの道だが大山方向への分岐からは、さすがに18年経っているので、道の記憶はない。
歩き始めて少しで、まわりに雪が出てきた。
先行して3人が歩いているはずだが、春岳沢を渡る木橋には、完全に雪がついていて、滑らないように気をつけて渡る。
その先の杉林の中は、確かに夏は暑かったはずだが、今日は、枝に積もった雪が凍って、細かい氷になって落ちてくる中を、シャツ1枚で快適に歩けた。
大きめな氷は、手に持っている地図にあたるとポチっと音をたてるほどで、体に当たると少し痛い。
しかし、少し離れたところを大量に降ってくる小さな氷に朝日が差しているさまは、きれいだ。
上の方から犬のほえる声がする。
ひっきりなしだ。
ヤビツ峠の方向だ。
最近は、車で飼い犬を連れてきて、一緒に山歩きを楽しむ人が結構いる。
それにしても、吠え過ぎだ。うるさい。しつけができていないのか、他の犬に、吠えているのか。
ちょっと迷惑だな、やだな、と思いながら歩いていると、下の方でガサっと音がして、見るとお尻の白い鹿が逃げるように走っていく。
すると、犬の声も近くなり、鹿の逃げって行った方に声が移動していくのが聞こえた。
狼?
昨晩、TVで映画「おおかみこどもの雨と雪」を見た。
狼はいないだろう。野犬?
野犬っている?飼い犬が捨てられ野性化?
それとも猟犬?
しかし、こんな一般登山道の近くで猟をするのか。
雪が積もっていて、猟には適しているのだろうか。
鹿の駆除か。僕も一緒に駆除されないように気をつけないと・・・。
ヤビツ峠が近づいてくると、すっかり雪道のようになり、ヤビツ峠のバス停は、路面凍結そのもの。
自家用車でここまで来ている人もいるが、イタツミ尾根で大山へ向かう人が多そうだ。
トイレを利用して、ジェルでエネルギーを補給して、初めての岳ノ台へ向かう。
誰も歩いていない。
人に会わないということではなくて、雪が降ってから誰もこのコースをどちら向きにも歩いていない。
ファミリーコースだから、道に迷うようなこともないだろう。
しかし、雪が深い。ラッセルというわけではないが、くるぶしまで沈む。
道には、動物の足跡が。
野生動物の足跡しかない雪道を進む。まるで「おおかみこども」の世界だ。
下りだと、雪のクッションのおかげで、モーグルのように軽やかに下っていける。
僕が歩いた後は、動物と僕の足跡だけで、「雨と雪と花」の足跡と同じだ。
このまま前転すると、狼になってしまうのではないか。
登山道には、ずっと動物の足跡が続く。
先ほど見かけた鹿のものか。それと犬系?
ひづめのあるものと、ないもの。
縦に一列のものと2列の足跡。
追うものと追われるものの足跡?
それにしても、野生動物も人間の登山道を忠実に歩いているようだ。
広い尾根でも、この足跡を追っていけば、道を踏みはずさずにすみそうだ。
それに、草の上に積もったところや雪の深いところは避けている。
歩きやすそうなところを選んでステップしている。
確かに僕らハイカーも、どの石が浮いていて、どの木の根っこは掴んでも大丈夫そうか、だいたい分かるのだから、
野生動物が自分の足の置き場所を的確に選べるのは当然かもしれない。
それでも、ところどころ転んだり、滑ったりしたように見られる跡もあるのは、ご愛嬌だ。
銃声が聞こえた。
やはり猟だったのだ。野犬ではないので、それは安心だが、流れ弾が飛んで来はしないかと、近くで銃声を聞くのは、気持ちのよいものではない。
岳ノ台に近づいたとき、犬の吠える声は、大山方向のだいぶ遠いところまで遠ざかっていた。
今まで、熊が怖いなと思って山を歩いてたことはしょっちゅうだが、犬が怖いと思いながらの山歩きは初めてだ。
岳ノ台には展望台があった。展望台の上までは動物も来ないようで、まっさらな雪の展望台の床と柵の向こうに、どーんと富士山が登場。
いい天気だ。富士山は、冬に限る。麓までは雪がなく、中腹から上にだけ雪を被ったさまは、そのまま絵葉書になるような景色。
二ノ塔方向と大山の眺めもよい。
さて、ここまで深いところではひざ下までの雪で、相当堪えた。ファミリーコースの岳ノ台でこれでは、バリエーションルートの大山北尾根は、何をかいわんや。
標高もさらに高いから、雪は深いだろうし、道迷いに猟犬。今日はやめよう。
岳ノ台まで、「おおかみこども」の世界を満喫し、もう満腹の山行ではあるが、菩提峠まで行った後、どうやって山を下りるか。
富士見山荘跡からヤビツ峠まで、凍りついた舗装道路を歩くのも、気乗りしない。
ヤビツ峠から蓑毛まで同じ道を下るのも、ちょっと。
イタツミ尾根で大山に登る手もあるが、初めての北尾根はあきらめるけど、せっかくなら、初めての道を歩いてみたい。
そこで、三ノ塔尾根。二ノ塔尾根でも、烏尾尾根でもいいのだけれど、表尾根から大倉へ降りたことがない。
そうだ、表尾根へ行こう。表尾根なら人が歩いているだろうから、ラッセルはないだろう。
人の歩いていない雪道はよいけれど、今日はもう十分堪能したので、ここから先は、もう少し楽をしたい。
大倉への道が、歩かれているかどうかは分からないが、三ノ塔まで行ってからの判断でもいい。最悪、蓑毛に下りればよいのだから。
岳ノ台からの下りは、北西斜面だからか、風の影響なのか、サラサラ雪のところがあった。道東のパウダースノーほどではないが、横浜に降る雪とは違う。
本州のスキー場でももっと寒くて、標高が高いのだから、もっとサラサラなのかもしれないが、
もう随分スキーにも行っていないので、雪といっても、関東平野に降った雪との比較になってしまう。
菩提峠の手前の丘の上には、パラグライダーの滑走所があった。
富士山に向かって飛び立つ台が2箇所。ここから飛び立ったら、さぞ気持ちがいいだろう。
よく丹沢で見かけるパラグライダーは、ここから飛んでいるんだな。
僕も二十数年前、木島平で何回か飛んだことがあるが、趣味として続けるには、当時としては、かなり贅沢なスポーツだった。
小田原城の天守閣でさえ怖い、高所恐怖症の僕でも、パラグライダーは平気だった。
今でもパラグライダーなら平気な気はする。
自由落下のバンジージャンプやスカイダイビングはだめだけど、パラグライダーは、自分で操縦できるので、大丈夫なのかもしれない。
動物の足跡は滑走所の近くまであったが、台の上までは上がらなかったようだ。
人間は滑走台からなら飛べるが、ウサギも狐も滑走台からでも飛べない。
菩提峠には、車で来ていた家族連れがいた。こんなところで、小さな子に雪山遊びをさせるなんて素敵だ。
ちゃんと、こんにちはも言えたね。
表尾根の取り付きになる、1番道標までは、凍っている所を避けて、轍の中央か、路側の雪の上を歩いた。
軽アイゼンを持っていったのだけれど、使った方がよいかなと思ったのは、ここだけ。
岳ノ台では、アイゼンよりスノーシューがあれば役に立ったと思う。持ってないけれど。
表尾根は、僕が遠回りをした分、先に歩いている人がしっかり道を踏んでくれていて、歩きやすかった。
水が流れたり、日のあたっている所で、少しぬかるんでいる所もあるものの、まだ午前中なのと、それほど多くは歩かれていないので、
ぬかるみは少なくてすんでいる。
ヤビツ峠までバスが来ていないので、今日はここに来る人も少ないのだろう。
しかし、最高の天気だった。二ノ塔の手前、林を抜け、相模湾が見渡せる斜面からは東は三浦半島、房総半島、西は真鶴、伊豆半島が、江ノ島も、初島も、大島も良く見える。
そして三ノ塔からはまだ雲に隠れずにいてくれた富士、地蔵手前からの烏尾、表尾根を眼下にできる大好きな場所も透明感のある景色を見せてくれた。
三ノ塔尾根分岐からは、登り、下りそれぞれ一人の踏み跡があり、安心して下っていった。
大倉までの長い歩きは、雪がないときには、少し退屈かもしれないが、尾根上部には雪があり、雪道の下りを楽しめた。
大山から伊勢原に出る予定が、三ノ塔から大倉、渋沢へ。思えば、単独山行で計画を変えたのは初めてだ。
バスの運休。思いがけず人の歩いていない雪道での消耗。
すばらしい天気に恵まれて、景色が楽しめた上、臨機応変に歩く初めての経験もした山行となりました。
ただ、半年たってもまだくっつかない鎖骨の痛みと、限界まで来ていた新しい靴の痛みは、時間が解決してくれるのだろうか。
はじめましてー
同日、同ルート行きました!
一緒に行った友達と「トレースあってよかったね」と話してたんですが
kent160さんのトレースだったのでは
大変助かりました
capeさん はじめまして
レコ拝見しました
まったく同じルートだったんですね
一足先に歩き始めたので、動物の足跡しかない、
新雪の上を行きました。
冬には、丹沢しか行ったことがないですが、
低山雪山ハイクはいいですね。
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