スキー旅行の合間を縫って悪天候の蔵王山(熊野岳)
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- GPS
- 03:20
- 距離
- 4.3km
- 登り
- 250m
- 下り
- 244m
コースタイム
12/29ゲレンデにて滑走
12/30登山
10:15山頂駅出発-11:50熊野岳山頂-13:30山頂駅到着
ナイター滑走
12/31帰路
天候 | 雪、ふぶき |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道入口付近に立ち入り禁止の立て看板あり(登山届提出) トレースなし。 |
写真
感想
毎年年末年始は家族でスキー旅行に行っていて今年は年末の4日間を蔵王で過ごした。
天気予報では4日間終始雪のマークだったが
折角蔵王まで来たので熊野岳まででも登ってこよう、しかもいい場所があれば滑って降りて来ようとザックにボードを括り付けてわざわざ悪天候の中を進んだ。。
山頂駅でマイナス8度程度だった。
山頂駅から右手に進み、立ち入り禁止ロープをくぐり樹氷の中をスノーシューで突き進む、雪の沈み具合は膝上程度だったのでノートレースでも問題なかった。
樹林帯を抜け尾根沿いに出ると風が強くなる。
尾根に出ると指示棒が20m置きに立っているがこの時点の視界で確認出来るのは常に一番手前の棒だけ。
兎に角、棒沿いに歩く。
どこが地蔵岳かも判らぬまま今度は少し斜度が下りになった。
背中にしょったスノーボードの板がいちいち風に煽られる。
そして完全なホワイトアウトに。
ゴーグルを外さないと足元も見えないので仕方なく外す。
目には砂の様な雪が容赦なく叩きつける。
GPSをショルダーケースに取り付けてキーリールの様な物でケースと本体を繋いでいで本体ごと引っ張り出して確認するという形なのだがその際ケースのバックルを外したり付けたりするのが面倒なのでバックルは止めずにケースに収めていた。
何度もGPSで確認しながら何とか熊野岳山頂と思わしき場所に到着するもそれを証明するものが視界にない。
写真を撮ろうにもカメラも雪の塊になっていた。
山頂標は埋まってしまっているのか、神社や避難小屋があるという事だか視界が悪くそれも確認出来ず。
益々風が強くなってきたので下山しようと斜面を踏み出した瞬間後ろ側から物凄い風にボードが煽られ、タケコプターの様に飛ばされてしまった。
ザックに括り付けていたボードに引っ張られてザックのファスナーが開きそのポケットに入れていたスコップやら救急箱やらが散乱した。
飛ばされたのは2m程度で体にはダメージがなくすぐに立ち上がり散乱した物を回収しザックから外れそうになっていたボードを再度括り付け起き上がる。
すると今度は物凄い向かい風にまた煽られる。
バラクラバに凍った雪が付着し更に強い向かい風で呼吸が出来ない。
バラクラバを引っ張り顎まで伸ばして呼吸出来る様にしたが顔には吹雪いた雪が叩き付けまた倒れる。
何度か転んでは立ち上がりを繰り返していた、。
そんな事をしていたお蔭で下山する方向を見失ってしまい自分が歩いてきたトレースも消えてしまって完全に自分の居場所をロストする。
GPSで確認しようとケースに手を伸ばすとケース内にGPSがない。
どうも先ほど飛ばされた時にケースから外れた様だった、ただキーリールで繋いでいるのでケースからこぼれてぶら下がっている状態だった。
見るとボタンに雪が付着していてそのまま凍結していた。
仕方ないので地図とコンパスで方向を定めストックで足元を刺しながら進む方向が上なのか下なのか斜度がどれ位なのか雪質は大丈夫かなど確認しながら進む、まるで白い闇。
ある程度の斜度を下がった所で再度方向確認。
暫く歩くと先程来るときに自分が転んだトレースが残っていた。
この方向で間違いないと進んでいくと漸くあの指示棒が見えてきた。
棒さえ見えれば後は辿れば問題ない。
そうこうしている内に山頂駅でスキーヤーが鳴らしている「開運の鐘」の音が聴こえてきたので音のする方向に進んだ。
やっとの事でロープウェイ乗り場に戻る事が出来た。
さてボードで滑走して降りるだけだと板を履こうと思ったがビンディングが凍って留め具に引っかからない、しかもエッジを見てみると全面凍ってしまっていてこれではエッジをかけて滑る事が出来ないと判断し仕方なくロープウェイで降りた。
すれ違う人達みんながみんな振り返り僕を見るので何だろうと思って
山麓駅のトイレで鏡を見る、すると自分自身にエビの尻尾が出来上がっていた。
なんていうかその姿を表現すると昔漫画であった聖闘士星矢のゴールド聖闘士みたいな感じ(笑)
その姿を見て生きてる実感が沸いてきた。
今まで悪天候で山に登る事は絶対しなかったのに魔が差したとしか言えない。
今回下山出来たのはたまたまだったと思う。
家族が笑顔でスキーを滑っていた姿と対比し暫く感慨に耽っていた。
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