聖岳 贅沢にも貸し切り!
- GPS
- 37:31
- 距離
- 32.8km
- 登り
- 3,035m
- 下り
- 3,026m
コースタイム
- 山行
- 8:44
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 9:44
天候 | 1日目:晴れ 2日目:薄曇りのち晴れ、強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
中央自動車道松川ICから下道で約55kmほど離れた場所が登山口最寄り駐車場となります。駐車場周辺の道は数キロ圏内にわたってドコモの電波が届かずに携帯通話不可でした。道路内には多くの落石が散乱している状況で、タイヤのパンク等の車輌トラブルの場合は連絡が難しくなる場所だと思います。通行には細心のご注意を。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【コース状況】 ●駐車場⇄芝沢ゲート⇄便ヶ島:全て林道歩きです。おおよそ8kmほどあります。至る所に大量の落石があるため、念のため注意。 ●便ヶ島⇄西沢渡:ほぼアップダウン無しの平坦な遊歩道ですが、途中途中に多くの土砂流出が発生しており、そのザレやガレの上をトラバースする形となります。土砂越えトラバースでの滑落には要注意。落ちると大怪我になります。 ●西沢渡⇄ガレの上→小さな広場:渡渉を終えるとようやく登山道です。アップダウンは無くひたすら上り基調です。ガレの上が近づくと何箇所かロープが出てくるため転落、滑落に要注意。 ●小さな広場⇄苔平⇄2200m地点:登りでは小さな広場でチェンスパを履きましたが、すぐに雪が厚くなりアイゼンに変えています。また2000mを越えた辺りからは気温上昇による踏み抜きに苦労したために、スノーシューに履き替えました。 なお下山時にスノーシューで滑落注意点を下山する場合、何か所かで非常に危険な思いをしました。スノーシューでは滑り止めが甘く、また足場も狭く日ごろからスノーシューに慣れていない私はかなり難儀しました。輪かんであれば通過はもっと楽なイメージです。 ●2200m地点⇄薊畑⇄小聖:早朝は雪がしまっていてアイゼンでスタートしました。薊畑で進まなくなりスノーシューに履き替えています。我々はここから小聖手前の岩場尾根の辺りまでスノーシューで進み、岩場尾根手前でスノーシューをデポしましたが、ルート取りや積雪量によっては小聖直下もしくは小聖山頂辺りまでスノーシューを履いていても良さそうです。 なお、下山時は逆に薊畑からの下り急斜面部分で残雪期のザラメ雪にスノーシューでは歯が立たずに難儀しました。ここの区間はワカンが最適な斜度です。またこの区間以外にも標高の低い方でワカンが最適な場所はありましたので、これからの時期はザラメが進んで積雪量も減ってくるので、スノーシューよりもワカンの方が安全かも知れません。 ●小聖⇄聖岳山頂:アイゼンで登りました。小聖を通過したあたりは岩場の細尾根となり一部はナイフリッジが育っています。左右ともに崖で、風で煽られないように注意が必要です。またトレースが消えている時にはルーファイも慎重に。 細尾根を越えると山頂直下の長い急坂です。全体的に雪は薄く岩も見えている部分も多いです。今回の状況としては、下部は表面だけ軽いクラストで内部はザラメ雪、中腹からはアイゼンの効くクラストとなり、上部は堅いクラストで表面が透明に氷化している場所も見受けられました。今回よりも更に気温が低い場合は、上部でピッケル・アイゼンの刃が刺さらない状況にもなり得ますので現地判断で登下降の安全性を考慮して進む必要があると感じます。 |
その他周辺情報 | 下山が遅すぎでどこにも寄れずに真っ直ぐに帰宅 登山口から最寄りインターまで、下道で約60km近くあるため、松川町や飯田市に向かうまでも1時間以上かかります。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
スコップ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
調理器具
ライター
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
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感想
何度か計画しては天候不良や体調不良、登山口までのアクセス不良で流れてきた積雪期の聖岳山行計画。この連休にようやく実現できました!
連休だから他にも人が入っていると思い込んでいましたが、2日間で遭遇した脊椎動物は、タヌキとネコとシカとクマ(相棒が逃げてく姿を目撃)のみ。このところの気温上昇でトレースはリセットされ、積雪量は大したレベルでは無いにしろ重い背中も相まって、全体的にウンザリするほどの踏み抜き地獄が続きました。
予定では聖平小屋の冬季小屋まで、、、なんて考えていましたが、2200m手前の急登に入ってからはそんな計画が無謀に思えて、これは陽が暮れても到着しそうにないと悟ったため早々にビバークを決めました。
この季節の聖岳のアタックには、昼に融解が進んだ急斜面の積雪が夜に冷込み、さらに暴風に磨かれて早朝にはアイゼンやピッケルが通用しないほどの硬い氷と化する可能性を想定していました。ダブルアックスまで準備して、それでも歯が立たなければ諦めようと考えていましたが、幸いなことに私の亀脚が功を奏したのか、日の出から時間が経って適度にアイゼンが刺さるようになってきた時間帯に登頂することが出来ました(^^)
完全貸切の聖岳は気を抜けないほどの暴風で、立っているのがやっとこという状況でしたが、夏に真っ白で一切何も見えなかった眺望のリベンジが叶って本当に見たかった景色を堪能できました!
風がなければゆっくりコーヒーでも飲みたかったところですが、またいつかの時にコーヒーは取っておこうと思います。
本日はもちろん全身筋肉痛で、冬靴で長距離の林道を歩いたことで足の親指の爪も死んでしまって痛くて歩けないのですが、こんな状況でも写真を見ながら振り返ると『またいつか行きたい!』と思ってしまう私は、やっぱりちょっとおかしいのかも知れません(^^;; 山はやっぱり辞められませんね♪
コメント
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極寒絶景の聖岳お疲れ様でした🏔
まだ行った事がない南アルプス主脈に憧れてしまうほどの素晴らしいレコありがとうございます😊雪山初心者の私には行けそぅにありませんが是非参考にさせて下さい🙏笑。
筋肉痛お大事に✨
聖岳の眺望は私も初めて見れたので、本当に大感動でした!意外だったのは赤石山脈と言うだけあって目の前の赤石岳がデカすぎてですね、その向こうにあるはずの悪沢岳とか塩見岳がよく分からなかったと言うところでしょうか😅
暴風に耐えるのが必死で山座同定もままならなかったのですが、写真を見返してもやっぱり赤石岳デカい💦って思いました〜。
takutoさんは北陸の名山を楽しまれていたんですね✨こちら側からとは真反対の御嶽山が見えるんだな〜って感動しました!いつか北陸もせめたいです。雪山満喫の連休、お疲れさまでした😊
やっと、じっくりとレコを拝見出来ました!
相変わらず凄ーい!と思いながら、でもこういう凄いレコ好きな私、ワクワクドキドキしながら読みましたよ😊
無事に登頂と下山が出来たのは、haruboさん&ruhasamanさんの経験と行動力と判断が素晴らしいから!ですね!
ところで会った動物の中にネコもいて、山の中にネコ?と思いました😅(笑)
そして冬靴での長時間歩きは爪がやられますよね〜😱筋肉痛と共にお大事にしてください!
ネコはさすがに山の中では遭遇しませんでしたが、車道で見かけたんですよ〜😸南アルプスは超ワイルドで、大きな鹿と多分キツネが何かの無残な姿も二頭ほど😅 今年の厳しい冬を越冬出来なかったのかなーって思いました。
四国にもあります。
屋根がついているのでこちらのほうがゴーヂャスですけど(笑)
ベアトレース怖いですね。
熊打ちの女 ファンなので余計に怖さが増してます(汗)
聖岳 登ったことがない山です❗️
熊撃ちの女ってなに⁉️って思ってググってしまいました。面白そうなタイトルのコミックですね!今度機会があったら読んでみます😄 クマちゃんトレースは結構大きかったです!
私は夏山でも薙畑からの下山で足が破壊されました🤕
雲海に浮かぶ富士山めちゃかっこいいですね!
あとharuboさんの雪山技術が羨ましいです⛏😂
天気予報は良かったと思ったけど、意外と雲が沸いていて下界は曇りだったのかな?って思ってました。富士山はどこから見えても感動だけど、今回は雲のデコレーションがすごかった〜✨
そろそろ雪溶けちゃうけど、雪山技術習得のためにkuloloくんも出ておいで〜😁👍残雪期なら楽しめる山も多いから♪♪お付き合いするよーん!
幕営装備と冬山ギアを担いでの、これぞ正統派スタイル、カッコいいです😉
やっぱり3000mクラスの雪山攻略は準備段階で勝負が決まると言っても過言ではないですからね。
レコを読んで、しっかり上部のクラストなども想定して挑まれたことが伝わりましたよ😉
準備したギアを駆使してのピークハントこそ雪山の醍醐味!
してやったりって感じでしょうね😆
下山できた時の高揚感や達成感がレコをあげてからも数日続く、3000mの雪山って凄い存在ですよね!
何はともあれ、素晴らしい山行お疲れさまでした!😆
hastlerさんに正統派スタイルと褒めていただくと何だか嬉しくなります♪♪ 実際には重荷に喘ぐヘロヘロ登山でしか無いんですけどね😅
でもこの時期のこの標高はギアに悩みますね〜。夜は思った以上に寒くもなくかなり快適に眠れて厳冬期は終わったなと感じましたけど、かと言って準備段階で手を抜くと命に関わるの可能性もあるので、結局は最もシビアなパターンを想定して荷物を持たざるを得ないのが毎度悩ましいです。。。
hastlerさんみたいに3000m級でも日帰りできちゃう足が欲しいですわ〜✨
『重いは罪』、、、って言葉がずっと頭にあるまま、車道歩きをして帰ってきました🤣
こんばんは^ ^
連休中聖岳登ってたんですね!!
凄いですね^ ^
景色も最高ですね!!
南ア積雪期はまだ無理ですが、グリーンシーズン行けたら行ってみたいです
そして富士山見えたんですね!
下からは全く見えませんでした💦
上から見ると富士山は頭を出していながらも裾野はもっくもくだったので、sakaさんの方からは見えなかったと思います😓
でも沼津アルプス、名前からしてメチャメチャ興味ありますよー!いつか行ってみたいです😊
先日ヤマレコを登録したところ聖岳のレポを拝見させてもらいました😊
お二人が山行する前日に撤退し落し物🧢をした者です💦
遙かなる聖岳に向かわなくてはと再度思いました!
登山口までのアクセス中にも落石が有りそこは携帯は圏外で何か有ったらと思いながら恐る恐る山行を始めましたが芝沢ゲートを過ぎた辺りでも目の前で落石があり歩を進めました急登を登ってる途中にも落石をくらい怯えて意気地なく撤退して来ました😩
お二方の素晴らしい山行画像を拝見して勇気をもらいました❗️
大変お疲れ様でした( ^ω^ )
登山道に落ちていましたが、全く汚れていなくてすごく新しい物だなとは思ったんです。すぐ近くの木にかけておきましたが、ちゃんと持って帰ってきたらお渡し出来たのに気が利かなくてごめんなさい🙇♀️
でもあのルートはソロだと心細いですよー😅落石は駐車場の手前からずっと酷かったですしね。鹿さんやらキツネさんらの半分骨になってるミイラ化した無惨な姿も林道に転がってますし、しかもその後の急登と踏み抜き地獄。。。ときたら、テンションは下がる一方のアプローチなので帰りたくなるのはよく分かります!😅
山は怯えるくらいできっとちょうど良いんだって、いつも自分では言い訳のように言い聞かせてますが、時にはやっぱりチャレンジして目標達成感したいんですよね😊そんなジレンマが楽しいのだと思います。
あ、こらからぜひぜひ、ヤマレコ生活もぜひお楽しみください☺️聖のロングアプローチお疲れさまでした〜♪♪
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