真教寺尾根から赤岳
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 9.0km
- 登り
- 1,089m
- 下り
- 1,345m
コースタイム
[二日目]起床3:00幕営地5:50-10:15 赤岳山頂-14:00幕営地-18:15リフト頂上駅-19:00スキー場の駐車場
天候 | [初日]晴れ [二日目]晴れのち曇り(ガスと強風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
感想に記載。 ※地図上のルートは夏道をなぞっただけで、正確ではありません。 |
写真
感想
大変遅ればせながら感想を・・
(細かい作戦面や自分の反省点については、個人的に日記にでも書きます。たぶん。)
真教寺尾根に行くことを最初に計画したのは昨年2月でした。どうにも天候運が悪く、あわせて3・4回も予定が流れたのですが、geraniumさんは諦めることなく何度も何度も計画書を練り直してくれました。真教寺尾根というルートがいったいどういうものなのかもろくに知らなかった僕は、geraさんがここまでこだわっていなかったら、正直来ることはなかったように思います。
・・・来てみてビックリ!
長大な美しい尾根。適度に難しい登攀。西面とは全く違った静けさが味わえる好ルート!
こんないいルートがあったなんて。
記憶に残る充実した山行になりました。
なによりgeraさんの1年越しの思いを知っていただけに、ようやく引き当てた好天のもと、二人で助け合いながら無事に頂上を踏めたこと。そして下山までたどり着いたのが何よりも嬉しかった。普段は単独行が多いのですが、パートナーと喜びを分かち合えるのはいいものだなあと素直に思いました。
登頂からテント場までは体力に余裕を感じながらかなり順調に来ましたが、テント撤収時くらいからは一転、10m置きに息が上がるという未だかつてない疲労感に襲われました。空咳と鼻水が止まらず呼吸がどんどん苦しくなり、牛首山への登り返しで限界を迎えてgeraさんからビバークを提案されるくらいの状況に。急激に寒気を感じ、呼吸が苦しくダルくなったというだけで、具体的に足が痛いとか、手が冷たいとかはなかったので、困惑しました。高山病か、低体温症か、シャリバテか、はたまた急性胃腸炎やインフルにやられたか。連日の睡眠不足もあったかと思います。
とりあえず一刻も早く高度を下げるほうがいいと考え、這うようにして牛首山を越えました。2000mくらいまで降りたら空咳は少しおさまりました。途中からgeraさんに重いロープを持ってもらうなどして、ずいぶんとご心配をおかけしました。車についてしばらくしたらけろっと治ったので、結局なんだったのかわからないのが気味が悪いなあ。
さらに最後1906mへの登り返しでルーファイに自信が持てず、鹿か小動物のつくったトレースにだまされ、支尾根をずいぶんと下降。日没を迎えて焦ったのと同時に、疲労感で判断力が鈍っていたのかもしれません。最後は登り返しましょうというgeraさんの冷静な判断でことなきを得ました。
geraさんの思いがなかったら、この山を選ぶ事も、無事に下山することもありませんでした。
途中まではあんなに弱音を吐いていたのに(笑)、僕がダメになってから随所に男気を感じるサポートをいただいて、ホント頼りがいのあるリーダーでした!
ありがとうございました。
終わってみるといい山だったなあと思うのは山バカなんでしょうか。
岩もいいけれど、また山にも行きましょうね!
onさん(ヤマレコ名kozzzyさん、以下面倒なのでonさん^^)と真教寺尾根から赤岳に登ってきました。
1月の県界尾根でヘロヘロになってしまったのが悔しくて、リベンジの機会を狙っていました。
と言っても県界尾根は今の体力では無理なので、狙いを定めたのは弟分?の真教寺尾根(^^)。
江戸の敵を長崎で、みたいな話ですが(^^)。
そして、ラッセルになったら自分一人というのもやはり無理なので、I塾筆頭塾生?のonさんにご一緒いただきました。
ちなみに県界尾根と真教寺尾根を改めて比較してみると、距離について言うと、リフトを使える分も含めて真教寺の方がやはり短い。
森林限界を超えてからのルーファイは、県界尾根はやや複雑でしたが、真教寺尾根はシンプルで分かりやすい。
但し、岩場を通過する核心部は真教寺尾根の方が長かったように思います。
そして最大の違いは入山する登山者の数で、真教寺尾根は毎週何パーティか入っているはずだと思っていたのですが、下部を除きトレースが全くなかったのは意外でした。
たまたま歩きやすい雪の状態だったので登頂できましたが、新雪のオールラッセルだったら厳しかったのではないかと思います。
以上、あくまでも個人的感想でした。
天気が悪ければ即転進するつもりでしたが、またとない週末の高気圧。
風邪気味だったので少し迷いもありましたが、これを逃す手はないと決行。初日はポカポカ陽気と言ってもいいような最高の天気に恵まれました。
牛首山まではあっという間かな?なんて思っていたのですが、やはり自分は重荷を背負うのが苦手なようで、すごい急登に感じ、早くも息が切れる始末。
牛首山まで無雪期コースタイム1時間半のところ、ラッセルもないのに2時間半もかかってしまいました。
(ちなみに登りのコースタイムはすべて私のペースに合わせてもらったものであり、onさんだけならずっと速かったはずです。)
トレースは牛首山あたりまでは何となくありましたが、その先は全くありませんでした。
天気がよかったので、他にも入山するパーティがいるかと思っていましたが、結局二日間とも誰にも会いませんでした。
トレースがないと言っても、表面がクラストしたモナカ雪で、ワカンを履けばちょっと沈むぐらいで済み、本格的なラッセルは必要ありませんでした。
新雪のラッセルだったら登頂は難しかったかもしれませんので、やはり雪山は雪の状態や天候次第で難易度がまったく異なるものだということを改めて認識しました。
(そう考えると、1月の県界尾根の新雪オールラッセルはホント過酷だったなーと改めて思います。)
ゆっくりペースで歩いても、陽の高いうちに幕営地に到着。こんなことならもっとゆっくり歩けばよかったと思いました。
というのもこの日のアプローチでかなり疲れてしまい、明日は登らずにこのまま下山でもいいかな?などという考えが浮かんだぐらいでしたので。
防風ブロックを積む必要もなく、早々にテントを張って、暖かい陽射しの中、のんびりと外で水作り。
話は逸れますが、今回持ってきた行動食の自己評価を。
柿ピーとミックスナッツはほとんど食べる気がしませんでした。ドーナツは無理して食べましたが、油が滲みこんでいるのにパサパサ感じ、飲み物と一緒でないと食べづらい。
一口羊羹は以前から愛用していますが、やはり食べやすい。
案外よかったのはチョコパフ。水気がないのに食べられました。但し、ジップロックの中で粉々になってしまったので、次回からは持って行かないと思いますが。
予想通りよかったのはランチパック。懐に入れておけば凍ることもないし、具がしっとりしているので食べやすい。そして何と言ってもお菓子じゃないのがいい(笑)。行動食でありながら、普通の昼飯のような感覚で食べられました。
そして今回新たに発掘したのが桃の天然水もち。これは相当気に入りました。
もち系は食べやすいということは、前回塾長に教えていただいたのですが、桃の天然水もちは抜群にいいと思いました。
適度な水分と酸味があり、疲れて食欲のないときでもすんなり入っていきました。
桃の天然水という名前に違わぬ爽やかな風味と、食べやすい餅の食感を併せ持っており、今後は定番にしようと思いました。
それはさておき、水を作って、お湯を沸かして、食事をして寝るだけなのに、何だかんだと時間がかかり、寝たのは21時近くだったかな?
昼間はとてもいい天気だったのに、夜半から風が強くなり、ゴオゴオと樹林帯を吹き抜ける風の音に何度も目を覚ましてしまいました。
未明に起床すると少し風が弱まり、月明かりが煌々と夜空に輝いていました。
朝食をどれだけ食べられるかで自分の体調を測ろうと思っていたのですが、今ひとつ食欲がない。喉が少し痛いので、風邪薬を飲んで準備しました。
アタック日は、出発からアイゼンワカンで行きましょう、というonさんの提案がはまり、核心部までワカンが必要なところとアイゼンが必要なところが交互に出てきました。
装着に時間と手間がかかるので、アイゼンワカンはどうも気が乗らないのですが、多少時間がかかってもお釣りがくると思いました。
森林限界を超えると打って変わって風が強くなり、以後下山するまで、終始吹きつける風に悩まされることになりました。
気温はそれほど低くなかったと思いますが、体感温度はかなり低く、今現在まだ指先に痺れが残っています。
また、ときおり吹きつける突風が厄介で、何度もからだを持っていかれそうになりました。
自分はペースが遅いので、ほとんどonさんに先行してもらって核心部を突破。
登りに関してはロープを出すほどでもないと判断し、スピードを優先しフリーで行きましたが、この日の条件では特に危険は感じませんでした(但し、滑落したら簡単には止まらない斜度ではあります)。
ちなみに鎖はほとんど埋まっていて、使えませんでした。
唯一心配だったのが、9合目の核心岩場を越えてから真教寺尾根分岐までのトラバース。
沢状地形を横切るので、雪崩が心配でした。
結果的には何ごともありませんでしたが、今にして考えてみると、雪崩を判断する知識も経験もないのだから、もし支点を取れるのであれば、ロープを出してもよかったのかなという気がします。
権現岳からの稜線に出ると、強風の中、文三郎道から続々と登山者が登って来るのが見えます。我々も無事赤岳山頂に到着してガッチリと握手。
午後から天候が悪化する予報だったので、休憩も取らずに早々に下山開始。
分岐点近くから、ピナクルを支点にしてまず25mの懸垂下降。
その先の核心部は50mの懸垂下降が必要ということで、細引きで回収する方法で50mロープをフルに使って懸垂下降。
装備に関する事前の相談で、50mを2本、または50mを1本と細引きという案があったのですが、結果的には後者にしてよかったと思います。
50mを2本となると、少なくとも自分にとっては体力的に厳しい。アプローチで敗退してしまいそうです^^;。
自分は、ロープが足りなければ最悪クライムダウンすればいいかなと思い、もっと短い細引きを用意するつもりでしたが、onさんが50mフルに欲しいということで持ってきてくれてよかった(^^)。
但し、細引きは絡まりやすいということがよく分かりました。
始めに適当にザックから出したら、気が遠くなるぐらい絡まってしまい、大失敗でした。
その後は振り分けてonさんに渡し、手に持って降りてもらったのですが、それでもかなり絡まってしまったとのこと。
今回のようにワンポイントで使うかどうかという場合にはいいけれど、積極的に使う方法ではないということもよく分かりました。
その後はピナクルや一部出ている鎖を支点にして、さらに25mを3回(だったかな?)懸垂して核心部を下降。
懸垂下降に関しては、這松の根を掘り起こして支点を作るなど、例によってonさんに大活躍していただきました(^^)。
クライムダウンもできたとは思いますが、安全のためロープを出してよかったと思います。
振り返ると山頂付近はすっかりガスに包まれ、強風が吹いている様子。天候が悪化する前に樹林帯に逃げ込むことができたのは幸いでした。
そして無事にテント場に戻り、早々に撤収準備にかかりましたが、樹林帯の中でも強風が吹き抜けていたので、寒かった。
下界の日曜日は4月並のポカポカ陽気という予報を聞いていたので、話が違うなあと思いながら、リフトの最終時間に間に合うよう、疲れたからだに鞭打って撤収作業を続けました。
そして下山開始。
牛首山への登り返しさえ終えてしまえば、あとは惰性で下るだけだと思っていたのですが、下山中onさんがまさかの体調不良。
しかも、ときおり立ち止まっては下を向いてゼイゼイ言うほど苦しそうな様子。
半ばビバークも覚悟しましたが、何とか踏ん張ってくれました。
その後、賽の河原で道迷いするなどのハプニングもありましたが、何とかスキー場のリフト乗り場まで到着。
ようやくここで安心し、人気のないスキー場をスタコラサッサと下って、駐車場に到着。健闘と無事を称えあいました。
体力面であまりお釣りのない山行ではありましたが、かなりの経験を積むことができたと思います。苦しかったけれど、行ってよかった。
前回の県界尾根で限界トライしたことが、よい経験になっていたのだと思います。
特に自分の体力の限界がある程度分かったことが役に立ちました。かなりへばっていても、まだあとこれぐらいは大丈夫という見込みを立てることができたので、精神的な余裕につながったように思います。
実は、積雪期の真教寺尾根は一年前にも計画していたルート。
onさんにご一緒いただいたお陰で無事踏破することができ、自信になりました。
本当にありがとうございました。またどこかに行きましょう!
コメント
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奥の調子に問題がなければ、同日、全く同じ計画でした。
なんかチト悔しいけど、
今シーズンの真教寺尾根、初レコに大拍手です。
トラバースの所は、岩稜の左を直登出来ます。状況によりますが、その方が安全かな。
geraniumさん、おはようございます。onさん、はじめまして。
↑の夫も申しておりますが、今シーズンの私たちの八ヶ岳の目標だったので、素直に羨ましいです。
レコも素晴らしいですね。
ルートの状況、注意点の通過方法やその選択理由、代替案の可能性等に加え、ご自身の心情もよく伝わってきて、、、。
県界尾根での厳しい経験をシーズン中に活かせるところも流石です!
お気に入りに登録させて頂きました。
これからも素敵なお仲間との充実の山行、お待ちしてます。
おつかれさまでした。
今シーズン中に、大きな成果が出て良かったですね。
軽めのラッセルだけど、ノートレースという充実感。
今の実力で、あつらえたような条件じゃないですか。
かなり、経験値も積めたことでしょう。
また、来月の雪山講習も楽しみにしております。
嬉しいです。お二人に褒めていただいて。
前にお二人の計画書を見ていたので、いつ行かれるのかなーと思っていたのですが、お会いできなくて残念です。
トラバースのところは、そうですね。
直登もちらっと頭に浮かんだのですが、目の前に分岐点の標識が見えるので、つい引き寄せられてしまいました。
確かに直登の方がよかったと思います。
真教寺尾根の存在を知ったのは、2年前でしたっけ?jpさんのレコを読んだときでした。
その時は、まさか自分が行けるようになるとは夢にも思っていませんでした。
今回はすれ違いになってしまいましたが、 いつか、どこかのお山でお会いできることを楽しみにしています。
ホント、今の我々の実力に丁度いい条件でした。
それもこれも、県界尾根で塾長が辛抱強く付き合ってくださったおかげです。ペコリ。
来月もよろしくお願いします!
できれば、山深くないところで。
無事登頂されたのですね。おめでとうございます!
結構慣れてきた感じがしますね。
もっと雪が深いかと思っていましたが、そうでもなかったようですね〜。
「桃の天然水もち」は知りませんでした。
普通にスーパーとかで売っているんでしょうか?
雪は全然深くなかったですよ。
雪山は行ってみないと分かりませんね。
桃の天然水もちはイトーヨーカドーで売ってました。
ぜひ試してみてください!
1年越しの計画、やりましたね!!
かなり雪崩を懸念していて、状況によって敗退は十分にありえると思っていたので、まさかの(??)登頂ができて本当に嬉しかったです
下山時は体調不良で、大変ご心配ご迷惑をおかけしました。ロープを肩代わりして下さったり、ルーファイミスをフォローして下さったりしたgeraさんのお陰で、無事帰れました。初めてのことで、どうなることかと思いました
塾長、mfさんありがとうございます。ricalojpさん、ricalonさん、はじめまして!これからもよろしくお願いします(ペコリ)
ところでgeraさん・・レコにタグつけていただくことはできますか?
書く時間が取れな・・いやいや、とても素敵なレコなので、あらためて駄文を書く事もないかな、と思いまして
改めてありがとうございます。ペコリ。
メンバーに登録しましたので、編集できると思います。
写真や感想など追加くださいませ!
geraさん、onさんお疲れさま、真教寺尾根踏破おめでとうございます。
すばらしいレコにうっかり感銘を受けてしまいました
読み応えありましたね〜。
刺激をもらいました。
行動食ですが、わたしも羊羹を愛用してます。あとは大福、とか小豆系の和菓子、バウムクーヘン的な洋菓子とかです。
桃の天然水もちは魅かれますね〜。
見たことないですけどコンビニとかで買えますか?
あ?わたしですか?
I塾不登校生のkanosukeですよ?
もしかすると退塾処分されてるかもしれませんが
カッコいいじゃないですか~。いいなあ。
冬の県界尾根に登ったと言ったら山ガールから尊敬の眼差しをもらえること間違いなしです。
私も経験値を上げていつかチャレンジしたいです。まずは夏に行ってからかなぁ。
そう言えば、遠い昔にそのような名前の塾生がいたような、いなかったような…。
キジネタですか〜。
何しろ誰もいなかったので、垂れ流…イヤイヤkanosukeさんと一緒にしないでください!
羊羹や大福もいいのですが、甘いものばかりだと飽きるじゃないですか〜。
その点、桃の天然水もちは酸味があってよいのですよ。
コンビニには売ってないんじゃないかな?
酸味と言えば、その昔kanosukeさんが後立山で分けてくれた甘酸っぱい林檎の味が思い出されます。
またどこかにご一緒しましょう。
山ガールに宣伝しといてくださいねー。
ちなみに、今回は県界尾根ではなく、真教寺尾根ですけど。
夏に行っておいた方がいいですね。
我々は行ってなかったもので、道に迷っ…
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