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Yamareco

記録ID: 45284
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無雪期ピークハント/縦走
東北

思い出の白神岳 (蟶山コース→二股コース)

2009年08月30日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
07:19
距離
9.7km
登り
1,099m
下り
974m

コースタイム

[駐車場]7:53−8:00[登山口(記帳)]8:01−8:31[二股分岐]8:33−9:06[大木戸沢(最後の水場)]9:15−(急 登)−9:46[蟶山分岐]9:55−10:40[山頂へ1.5km標識]10:43−(大峰分岐まで急登)−10:53[標高1050m地点(北西(岩崎漁港)方向展望地)]10:57−[大峰分岐(11:22通過)]−11:40[山頂(三角点)]12:27−(二股まで超急下降、平均41.5%勾配)−13:01[標高872m標識]13:03−13:40[二股]13:50−14:45[二股分岐]14:50−15:20[登山口(記帳)]15:21−15:27[駐車場]
天候 高曇り。視程100km(?)程度
過去天気図(気象庁) 2009年08月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
 白神岳の登山路は国道101号からのコースほか、十二湖の青池からのコース(大峰コース)が紹介されていますが、大峰コースは青池から6〜7時間(下りは5〜6時間)の長丁場となるだけでなく、崩落箇所も多いため、登山路としても下山路としても、一般登山者には全くお勧めできません。現在は通行禁止となっています。数年前、5月連休時(残雪時)にこのルートを下山したまま行方不明になったままの人もおります。従って、今回は国道101号からの一般ルートについての報告となります。また、地図、標高グラフについては、下りの二股分岐までとしています。

 全体的に、標柱が適度に設置されており迷いやすい箇所はありません。急な斜面の殆んどには補助ロープが適切に設置されています。ただし、二股コース、二股直前の急下降部分には補助ロープがありません。疲労が蓄積されている脚・膝のことを考えれば、ロープがほしいところです。
 
 蟶山コースは道よりも動物(サル、マムシなど)に注意が必要です。クマは鈴を鳴らしていけば大丈夫だろうと思います。
 二股コースは動物よりも道に注意が必要です。登りは言うに及ばず、下りですら健脚者向けです。二股付近でごく短い徒渉がいくつかありますが、水量豊かな急流であり増水した場合は立ち往生してしまう可能性があります。下山路に使って徒渉できない場合は、山頂まで逆戻り(標高差750m、3時間程度の登り返し)になります。

【登山口〜二股分岐】
 泥濘んだ箇所が少しありますが危険なところはありません。登山道も明瞭で迷うところもないと思います。

【二股分岐〜(蟶山コース)〜山頂(三角点)】
 総じて転落などの大事故となる危険な箇所や迷う箇所はありませんが、下草がよく刈りこまれているわけではありません。(原則的に自然のままにしているのかもしれません。)
 二股分岐以後は道幅が狭くなりますが、蟶山分岐までの登山道は明瞭です。
 最後の水場から蟶山分岐までは、木道になるまで短い急登が断続しますが、要所要所にロープが設置されています。基本的に、木道は泥濘んだところに設置されているので、通常以上に滑りやすい点に注意が必要です。
 蟶山分岐からは大峰分岐までは支稜線上をアップダウンを繰り返しながらたどりますが、泥濘んでいる箇所も多くなるほか、登山道脇のクマ笹も背丈ほどに伸びており少し鬱陶しさを感じます。"山頂へ1.5km地点"から大峰分岐まで30分程度の急登となります。
 大峰分岐から山頂までは標高差30メートル足らずですが、いつになく泥濘がひどく、ところどころ下草に足下が隠されてしまう箇所がいくつもあります。大事故にはなりませんが、スリップ転倒に要注意といったところです。
 

【山頂〜(二股コース)〜二股分岐】
 山頂から二股まで748mの急下降になります。1.8kmのうち7割前後に補助ロープが張られており、大いに助かりました。なお、二股に到着する直前10分程度の間も急坂ですが、ロープはありません。なお、補助ロープは天然繊維物風(麻混紡?)のものを使っています。黄黒のナイロン繊維のロープは通行できない箇所に張られており、補助ロープではありません。
 泥濘はありませんがザレ場、ガレ場もあり、急斜面であるため滑らないよう慎重かつ丁寧な足運びが必要です。場合によっては後ろ向きの下降も必要かもしれません。ブレーキをかけながらの急下降となり腿や膝への負担は相当大きいです。
 二股では、ともに水量豊な母沢と、種蒔苗代沢が合流して白神川となりますが、母沢および白神川を徒渉します。それぞれ10歩足らずであり、張ってある補助ロープに掴まりながら渡るので通常時は問題ありませんが、増水時は川幅が拡大するなどにより徒渉不可能となる危険性が相当あると思います。徒渉で問題になるのは基本的にはこの2箇所です。
 二股から二股分岐までは、蟶山コースとなっている支尾根の下部(白神川沿い)をへつって行くことになります。ごく小さい沢(一の沢〜三の沢)を渡る箇所もあります。これらの沢は増水時は滝のようになる可能性があります。また下山時は左側が白神川への急斜面となっておりますが、補助ロープなど転落を防止するためのものは全くないほか、道幅の狭い場所や崩落しかけている箇所がいくつかあるため、川側へ転落・滑落する懸念は残ります。道そのものはブナなどの根が張って滑りやすいところもありますが、泥濘もなく、道幅さえあればまったく問題ないのですが……、"ありのまま"の感が強いです。この道はもう少し整備しても良いかもしれませんが、ブナとヒバの混じった気持ちのよい道でもあります。
 また、二股付近は写真や絵画的にも魅力的なところだと思います。


(その他)
 温泉としては、国道を北上すると、ウェスパ椿山、みちのく温泉、不老不死温泉(いずれも深浦町)が車で20分前後のところにあります。南下すると秋田県八峰町の"いさりび温泉 ハタハタ館"まで車で10分(登山口駐車場から国道まで5分)程度です。これらはいずれも宿泊可能です。
 また、ハタハタ館までの途中に焼きイカで知られる"福寿草"という食堂があります。イカも美味しいのですが眺めもすばらしいところにあるのでお勧めです。
 上記のほか、アオーネ青森(旧十二湖サンタランド)にも宿泊可能です。(温泉はありません。)オートキャンプ場も近く(国道に出てから車で能代市方向へ数分)のほか、大間越海岸には、釣り客向けの貸し別荘もあります。
  
駐車場から10分足らずのところにある、きれいな記帳所です。
2009年09月05日 22:52撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:52
駐車場から10分足らずのところにある、きれいな記帳所です。
記帳所のすぐそばにある登山口。いきなり鬱蒼とした森の中に入っていきます。(標高230m)
2009年09月05日 22:54撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:54
記帳所のすぐそばにある登山口。いきなり鬱蒼とした森の中に入っていきます。(標高230m)
登山道入り口から数分のところにある入山者自動カウンター。この前を行ったりきたりしないでください。しかし、4つ足動物の場合どのように記録されるのでしょうか。(余計な心配)
2009年08月30日 22:42撮影 by  E7600, NIKON
8/30 22:42
登山道入り口から数分のところにある入山者自動カウンター。この前を行ったりきたりしないでください。しかし、4つ足動物の場合どのように記録されるのでしょうか。(余計な心配)
確か、登山道から10分程度の近辺にあった最初の木段です。しっかり作られており不安感ゼロ。ここから登山道らしくなってきます。(ちなみに、2つ目の木段は揺れたりもしますが。)
2009年09月05日 22:02撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:02
確か、登山道から10分程度の近辺にあった最初の木段です。しっかり作られており不安感ゼロ。ここから登山道らしくなってきます。(ちなみに、2つ目の木段は揺れたりもしますが。)
入り口から30分、二股分岐(標高370m)。登山口から
1.4辧標高差140m、平均勾配は10%と、ここまではピクニック気分。二股コースを下山した場合ここまで来ると一安心。
昨年10月はこのあたりで、ニホンザルにガンを飛ばされました。視線を合わせないように静かに山頂へ向かいました。
2009年09月05日 22:06撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:06
入り口から30分、二股分岐(標高370m)。登山口から
1.4辧標高差140m、平均勾配は10%と、ここまではピクニック気分。二股コースを下山した場合ここまで来ると一安心。
昨年10月はこのあたりで、ニホンザルにガンを飛ばされました。視線を合わせないように静かに山頂へ向かいました。
二股分岐から30〜40分、大木戸沢の最後の水場(標高
630m)。この上山頂まで水場はありません。水量は多くありませんが涸れることはないと思います(真冬はダメかも)。毎回飲んでいますが、水質等に特段問題はないと思います。銀色に光っているのは柄杓ですが、やけに重いです。
2009年09月05日 22:12撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:12
二股分岐から30〜40分、大木戸沢の最後の水場(標高
630m)。この上山頂まで水場はありません。水量は多くありませんが涸れることはないと思います(真冬はダメかも)。毎回飲んでいますが、水質等に特段問題はないと思います。銀色に光っているのは柄杓ですが、やけに重いです。
白神岳登山道の典型。余り広くない登山道をブナなどの根が縦横に走りまわってます。ヘビが苦手の人は……。降水時は一段と滑りやすくなります。
2009年09月05日 22:15撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:15
白神岳登山道の典型。余り広くない登山道をブナなどの根が縦横に走りまわってます。ヘビが苦手の人は……。降水時は一段と滑りやすくなります。
蟶山分岐(標高820m)。二股分岐からの平均勾配は23%。大木戸沢から登りがきつくなります。
写真正面のブナの木の向こうに見える道は蟶山方面。山頂は写真左手前から右手前へ約180度方向転換します。この辺りはきれいなブナ林です。
2009年08月30日 22:42撮影 by  E7600, NIKON
8/30 22:42
蟶山分岐(標高820m)。二股分岐からの平均勾配は23%。大木戸沢から登りがきつくなります。
写真正面のブナの木の向こうに見える道は蟶山方面。山頂は写真左手前から右手前へ約180度方向転換します。この辺りはきれいなブナ林です。
山頂へ1.5劼良乎譟壁弦1000m前後)。蟶山分岐からここまで40〜50分。ここから大峰分岐までの30分は平均勾配25%とさらに登りがきつくなります。ただ、15分程度登ると次の写真のような景色が見えます。
2009年08月30日 22:42撮影 by  E7600, NIKON
8/30 22:42
山頂へ1.5劼良乎譟壁弦1000m前後)。蟶山分岐からここまで40〜50分。ここから大峰分岐までの30分は平均勾配25%とさらに登りがきつくなります。ただ、15分程度登ると次の写真のような景色が見えます。
標高約1050m地点。岩崎漁港が見えました。
ここからさらに10分程度で山頂が見えはじめます。山頂までは30〜40分です。
一昨年この辺りでマムシに目の前を横断されました。あらためて、足元注意!!
2009年09月05日 22:22撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:22
標高約1050m地点。岩崎漁港が見えました。
ここからさらに10分程度で山頂が見えはじめます。山頂までは30〜40分です。
一昨年この辺りでマムシに目の前を横断されました。あらためて、足元注意!!
山頂からの北東方向。右に岩木山、中央に避難小屋。そして最も存在感があるのが左のトイレ。mmm…
2009年09月07日 22:37撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
9/7 22:37
山頂からの北東方向。右に岩木山、中央に避難小屋。そして最も存在感があるのが左のトイレ。mmm…
前の写真からを少し南方向へ向けたもの。(以下同じ)
左奥の稜線が八甲田連峰です。同じく稜線が右にストンと落ちているあたりが十和田湖だと思います。
2009年09月07日 20:26撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
9/7 20:26
前の写真からを少し南方向へ向けたもの。(以下同じ)
左奥の稜線が八甲田連峰です。同じく稜線が右にストンと落ちているあたりが十和田湖だと思います。
山頂から二ツ森(中央やや右のゆったりしたほぼ平らなツインピーク)の向こうに岩手山がかろうじて見えました。岩手山の左は八幡平の山々です。
2009年09月07日 20:27撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
9/7 20:27
山頂から二ツ森(中央やや右のゆったりしたほぼ平らなツインピーク)の向こうに岩手山がかろうじて見えました。岩手山の左は八幡平の山々です。
山頂から南東方向。中央左寄りにうっすら見えているのが森吉山。その右は大仏岳でしょうか?。さらにその右は白子森だと思います。
2009年09月02日 23:30撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
9/2 23:30
山頂から南東方向。中央左寄りにうっすら見えているのが森吉山。その右は大仏岳でしょうか?。さらにその右は白子森だと思います。
4つ前の写真からここまででほぼ半分(北北東→南南西)。
海越しに見えているのが男鹿半島、本山です。本山の左となりは寒風山です。
2009年09月05日 22:24撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:24
4つ前の写真からここまででほぼ半分(北北東→南南西)。
海越しに見えているのが男鹿半島、本山です。本山の左となりは寒風山です。
二股コース下山開始後頂上直下からの黒崎漁港。白神岳は海岸線より直線距離で
6km程度です。そのため、渚に寄せる波までを見ることができます。
2009年09月05日 22:35撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:35
二股コース下山開始後頂上直下からの黒崎漁港。白神岳は海岸線より直線距離で
6km程度です。そのため、渚に寄せる波までを見ることができます。
二股(標高484m)。
二股はブナと津軽ヒバ、そして、渓流の世界。気持ちの良いところです。ここから二股分岐(蟶山コースとの分岐)までは1時間少々。
正面の沢は種蒔苗代沢です。手前の右からの母沢に合流し白神川となります。35年前はこの辺りで小さな山椒魚が観察されました。沢の水も当然飲むこともできました。今は……、飲む勇気はありません。
2009年09月05日 22:38撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:38
二股(標高484m)。
二股はブナと津軽ヒバ、そして、渓流の世界。気持ちの良いところです。ここから二股分岐(蟶山コースとの分岐)までは1時間少々。
正面の沢は種蒔苗代沢です。手前の右からの母沢に合流し白神川となります。35年前はこの辺りで小さな山椒魚が観察されました。沢の水も当然飲むこともできました。今は……、飲む勇気はありません。
二股から白神川を少し下ったところ。この辺りもブナとヒバとせせらぎの音が心地よいところです。しばらくはのどかなお散歩を…、
2009年09月05日 22:42撮影 by  E7600, NIKON
1
9/5 22:42
二股から白神川を少し下ったところ。この辺りもブナとヒバとせせらぎの音が心地よいところです。しばらくはのどかなお散歩を…、
と、思っていたら、いきなり急な木段。今はたしか下山中だったはず。なのにこんな急な登り(40段余りでしたが、急勾配)は……。二股まで急下降してきた腿や膝には厳しい試練です。
2009年09月05日 22:47撮影 by  E7600, NIKON
9/5 22:47
と、思っていたら、いきなり急な木段。今はたしか下山中だったはず。なのにこんな急な登り(40段余りでしたが、急勾配)は……。二股まで急下降してきた腿や膝には厳しい試練です。
国道101号にある白神岳登山口の立派な標柱。ここから車で5分ほどで駐車場につきます。
2009年08月30日 22:42撮影 by  E7600, NIKON
1
8/30 22:42
国道101号にある白神岳登山口の立派な標柱。ここから車で5分ほどで駐車場につきます。
西津軽海岸国定公園の典型的眺め。これは次(写真22)の食堂駐車場からの撮影です。白神山地が海に直接落ち込んでいるのがよくわかります。またこの辺は釣り場としても有名です。海の魚も山の恵みの賜物ということなのでしょう。
2009年09月07日 20:33撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
9/7 20:33
西津軽海岸国定公園の典型的眺め。これは次(写真22)の食堂駐車場からの撮影です。白神山地が海に直接落ち込んでいるのがよくわかります。またこの辺は釣り場としても有名です。海の魚も山の恵みの賜物ということなのでしょう。
前の写真を撮ったイカ(スルメイカ)焼きメインの食堂。その名も「福寿草」。
30年以上続いている101号沿線ではイカヤキの老舗です。イカヤキonlyではなくメニューもいろいろ。白神岳駐車場からは車で10分もかかりません。下山後のカキ氷が美味でした。
2009年09月07日 20:35撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
1
9/7 20:35
前の写真を撮ったイカ(スルメイカ)焼きメインの食堂。その名も「福寿草」。
30年以上続いている101号沿線ではイカヤキの老舗です。イカヤキonlyではなくメニューもいろいろ。白神岳駐車場からは車で10分もかかりません。下山後のカキ氷が美味でした。
【参考】
白神岳の南30辧能代市(国道101号米代川にかかる能代大橋)からの白神岳(左側の白いピーク)。能代市からはきれいな三角形の山頂を眺めることができます。(19年2月上旬撮影)
米代川の堤防からは白神岳から田代岳までの白神山地のほか南東方向の森吉山の眺めも良好です。
2009年09月07日 19:48撮影 by  E7600, NIKON
9/7 19:48
【参考】
白神岳の南30辧能代市(国道101号米代川にかかる能代大橋)からの白神岳(左側の白いピーク)。能代市からはきれいな三角形の山頂を眺めることができます。(19年2月上旬撮影)
米代川の堤防からは白神岳から田代岳までの白神山地のほか南東方向の森吉山の眺めも良好です。
【参考】
18年5月上旬の白神岳(白い山並みの右端)。国道の登山口標柱から15分程度、ウェスパ椿山への途中にある展望所(写真10の岬の手前あたり)から。手前は日本海です。
2009年09月07日 19:43撮影 by  E7600, NIKON
9/7 19:43
【参考】
18年5月上旬の白神岳(白い山並みの右端)。国道の登山口標柱から15分程度、ウェスパ椿山への途中にある展望所(写真10の岬の手前あたり)から。手前は日本海です。

感想

 白神岳は私の故郷である能代市のほぼ真北30kmにあり、天気さえ良ければピラミダルな山頂をいつも目にすることができます。(青森県の陸奥沢辺方面からは南東方向となるため、均整のとれた三角形の姿は見ることはできませんが、海越しの長い稜線もきれいです。)
 この山は、昭和49年(35年前)8月、自分が登りたいと思って登った最初の山です。途中二股までは父親に連れて行ってもらい、二股から山頂までは単独行でした。能代駅から陸奥黒崎(現 白神岳登山口)駅までディーゼルカー(SLだったかもしれません)に乗り、駅(標高5m足らず)から長い歩きが始まります。まさに海抜ゼロから登る山でした。今は標高181mの駐車場まで車で行くことができるので、往復で2時間程度楽することができます。
 かつては、白神岳はマタギを含む青森県の地元の人たちの山であり、純粋な登山として楽しんでいたのは能代市周辺の住民に限られていたように思います。世界遺産となった今でこそ、"白神"の名を知っている人は増えましたが、能代市周辺以外の秋田県人では姿を見た人は少なく、"白神岳"と"白神山地"混同する人もおります。年間10数日程度は秋田市の5階以上のビルから見ることができるのですが、見えることを知っている人は限られ、秋田市から白神岳を確認できる人は皆無に近い状態です。
 平成の時代に入り、世界自然遺産登録が話題となってからは全国区の山となり、一時的なオーバーユースによって黄害がもたらされ、二股コースは一時廃道となりました。その後、山頂近くに立派なトイレが建設されたことなどにより、数年前、二股コースが復活しました。各行政機関や関係者、住民の相当の貢献があったものと思います。(すぐそばの十二湖は、観光開発が進みかつての素朴さがだいぶ減ったように思われ、少し残念ですが……)
 この山には今回で3年続けて登りましたが、登山者は今回が一番少なかったと思います。正午頃で山頂に20人程度、登山中に出会った下山者6〜7人でした。それでも全国区の山らしく、仙台や東京からのほか、日本在住のドイツ人夫妻も登っていました。昨年は広島からの20人くらいのパーティがいたほか、一昨年は京都からの10数人の大ベテランのグループにも出会いました。
 前の週にNHKの地方局主催で30人近いパーティ登山が行われたようであり、そのうちオンエアされるかもしれませんが、それをきっかけに大勢の人が押し寄せることのないように祈るばかりです。
 
 この山はいわゆる"花の山"ではありません。敢えて言うなら"森の山"でしょうか? 白神山地=ブナの印象ですが、白神岳には美しい天然ヒバもたくさんあります。特に二股分岐〜二股の間はヒバの成木だけでなく幼木もいたるところに自生しており、木々の清々しさと力強さを感じることができます。
 世界遺産でなければ、たぶん静かな山であり続けたのでしょうが、登山者は増える方向にあると思います。一度に大勢の人が登ると急激に山は荒れてしまうので、休日に集中することなく、できれば少人数でお願いしたいと思います。

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ご心配をおかけしました。
「南八幡平松川トライアングル」登録しましたので、ご覧ください。
白神岳を楽しみにしてます。(現在編集中)
2009/8/31 21:48
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