19960427-28白神山地縦走、テント泊
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 24.6km
- 登り
- 1,875m
- 下り
- 1,808m
コースタイム
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 2:35
- 合計
- 10:46
- 山行
- 7:39
- 休憩
- 3:28
- 合計
- 11:07
天候 | 二日とも快晴 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
奥十二湖バス停=バス\300=JR十二湖駅 |
感想
1996年4月26日(金)午後発〜29(月)午前帰着
白神山地縦走
4月26日
出張先の横浜を午後出発、東海道線・新幹線・秋田リレー号・普通列車と乗り継ぎ、東能代駅の軒下(;_;)で、ステーションビバーク。
4月27日
快晴(^_^)。五能線の始発に乗り、岩館で乗り換えて陸奥岩崎で下車、予約していたタクシーで弘西林道をいける所まで行ってもらった。標高約170mの白滝沢で流水と残雪と土砂に遮られ、ここから歩行開始。カーブが多いので、ショートカットを試みたが、左へ登りすぎて、却ってロスしたので忠実に行こうと思っていたら、新しい踏み後があり、それに従ってショートカットを何回か繰り返し、東北電力の避難小屋(といっても鍵がかかっていた)のある一面雪原と化した一ノ森峠に到着。避難小屋の下にテントが張ってあったが誰もいない。後でわかったが、ここをベースに向白神岳まで往復の最中であった。尚、林道の途中から遥か白神岳・向白神岳を望むことができた。
ここから向白神岳に南下する尾根に取り付く。踏み後に助けられ、745mPを越え、915mPまではブナ林の中の急登の連続、途中岩が出てくる所は右に回り込んだ。915mPからも急登が続き、森林限界を越え雪原状の1015mPに到着、この辺りは幕営適地である。重々たる白神山地の山並み、行く手に太夫峰、吉ヶ峰が聳えている。霞んでいて遠くの山は見えなかったが、岩木山だけは何とか望むことができた。当初の予定ではこの辺りで幕営になるだろうと考えていたが、トレースがある、天気は快晴、明日は天気が崩れるという天気予報、といったことを考慮し、今日中に向白神岳を越えることにした。
太夫峰まで腐った雪に足を何回も取られながらも、快適な尾根を登る。頂上に付くと今まで辿ってきた尾根と、これから向かう向白神岳から白神岳方面が遮る物無く見渡せる。この稜線の東側はブナ原生林なのだろう。次のピークは右側に巻き、吉ヶ峰(約1170mP)に到着。ここで向白神岳までピストンしていた二人パーティと出会った。彼等のトレースに感謝感謝。 吉ヶ峰からは痩せ尾根となり、雪庇に所々割れ目が入っていたり崩れていたりしており、薮を絡みながら進んでいく。何とか約1200mの緩やかな稜線に登り付き、しばらく行くと両側が切れ落ちた岩稜の「静御前」に到着。特に右側は高度感があるが、幅はそれなりにあり、潅木も生えていたので、この時は特に問題なく二本足で歩いて通過できたが、風が強かったり雪や氷の付き方によっては通過困難となるのであろう。尚、「静御前」の手前はちょっとした窪地となっており幕営可能でる。
「静御前」を過ぎわずかの急登を登ると1225mP。そしてその次のピークが待望の向白神岳山頂である。といっても三角点は雪に埋もれ、朽ちて読めなくなった道標があるだけである。黄昏迫り誰もいない山頂からの展望はすこぶる良い!しかし、次の次のピークは2万5千図では1250mとなっており、そこが本当の白神山地の最高点ということになるのであろう。
向白神岳より先はトレースは無く、たびたび太股まで雪に潜り、なかなか行程がはかどらない。1250mPを過ぎ、次のピークで左折、その次の1221mP付近は平坦で風は強いが幕営適地。更に下ってもう一下りで鞍部という所の約1165m地点の平坦地で幕営することとした。
4月28日
翌日は幸いにも天気予報ははずれ、下界は雲海の下だが山上はほぼ快晴\(^_^)/。朝でも気温はそんなに下がらず雪は腐り気味である。鞍部に下り次の1165mPピークは西側を巻いた。この辺りの雪庇は亀裂が幾つも入っている。雪原をなった尾根を乗り越し1122mPをピストンした後、もう一つちょっとしたピークを越え約1130mPの登りにさしかかる。この登りは雪面に幾つも亀裂が入っていて直登不可能。稜線の北側を斜上していく。稜線に頂上付近の稜線に近づくと踏み跡が残っていた。避難小屋のノートによると26日か27日に白神岳から向白神岳を往復しようとしたが雪崩の危険を感じて引き返したとのこと、確かに降雪直後だと雪崩の危険性がありそうであり、白神岳から向白神岳を往復する時の要注意箇所であろう。
鞍部に下って、白神岳へ最後の百数十mの登り。風当たりが強く程良く雪が締まり、雪山気分を満喫できる快適な登りであった。最後の急斜面は踏み跡に従い、左へ斜上し白神岳の頂上雪原に到着。三角点標柱と避難小屋が目に飛び込んでくる。小屋には群馬からの山スキーヤー3人がいた。昨日は貸し切り状態とのこと、まだまだこの時期人は少ないようである。展望はすこぶる良好、昨日から今日辿った稜線が見渡せる。ただ霞は強く岩木山以外遠くの山は見えない。又、雲海がずっと残っていて日本海も雲の下であった。
大休止後、時間もたっぷりあり、天気も良いことから十二湖へ下山することとした。1235mP・蟶山分岐を過ぎるとトレースは無い。急降下が始まる約1210mPで休憩。ここから急降下し、1122mPを越えるとブナの樹林帯に入る。ガイドブックでは展望無しをなっているが、芽吹き前のこの時期は右手に常に昨日辿った稜線が見渡せ展望良好(^_^)。 樹林帯に入って3つピークを越えると約900m鞍部、一つピークを越し、1020mPへ急登。背後に再び白神岳がせり上がってくる。1020mPの次のピークが大峰岳、といっても何にも表示無し。しかし、この辺りも気持ちの良い雪の稜線である。
大峰岳の少し北から又急降下するのだが雲海が鞍部付近まで上ってきておりルートがわかりにくい。下りきった約870m鞍部から3つピークを越し4つ目が崩れ山。樹林囲まれた静かな頂上だが、今は明るい。白神岳方面も望めた。
ここから西に急斜面を下るが、ルートがわかりにくい。何とか尾根に乗り、ガスの中に入ってからも急な尾根をひたすら下る。約740m付近で下から登ってきた踏み跡に出会い、以後それに従って降りて行くが、ルートは二万五千図とは違うみたいでトレースが無ければ目印も無くルートファインディングが困難だろう。約500m付近で雪が消え、更に下ると水場に出て平坦となる。もう少し行くと突然霧が晴れ、目の前に池が出現!程なく登山口に到着。ここからすぐにある青池は湖面の色が印象的。遊歩道を少し行くと車道に出て、ちょっと行くと挑戦館。ガイドブックではもっと先のビジターセンターがバス終点となっているが、挑戦館駐車場が奥十二湖バス停となっており、私が到着してすぐ下岩崎行きのバスが出てきた。バスに飛び乗り、無人駅の十二湖駅で下車。さすがに「日本の北欧」というだけあって寒い。近くの民宿の食堂で食事をした後、東能代に向かった。
今回は天気・トレースにも恵まれ、3日の予定が2日で抜けることができました。GWというのに出会ったパーティは2組のみ。静かな縦走が堪能できました。白神岳から十二湖までは夏道があり、所々道も出ているのですが、道標やテープ・布等の目印は一つも発見できず、視界が悪い時はルートファインディングがかなり難しい、と思いました。
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