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Yamareco

記録ID: 4618228
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

大キレット(涸沢岳〜北穂高岳〜槍ヶ岳)

2022年08月21日(日) ~ 2022年08月24日(水)
 - 拍手
体力度
10
2~3泊以上が適当
GPS
23:47
距離
45.6km
登り
3,150m
下り
3,166m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
4:30
休憩
0:21
合計
4:51
10:05
10:05
6
10:11
10:12
30
10:42
10:42
4
10:46
10:46
33
11:19
11:19
13
11:32
11:32
37
12:09
12:22
14
12:36
12:36
33
13:09
13:10
34
13:44
13:44
15
13:59
14:05
28
14:33
14:33
19
14:52
2日目
山行
3:37
休憩
1:52
合計
5:29
6:30
22
6:52
6:53
25
7:18
7:24
43
8:07
8:21
14
8:35
9:01
78
10:19
10:21
33
10:54
11:57
2
3日目
山行
4:36
休憩
1:05
合計
5:41
7:22
88
8:50
9:03
70
10:13
11:04
8
11:12
11:12
12
11:24
11:24
42
12:06
12:06
31
12:37
12:38
13
12:51
12:51
12
4日目
山行
5:36
休憩
0:26
合計
6:02
6:36
34
7:10
7:11
4
7:15
7:15
37
7:52
7:53
26
8:19
8:19
21
8:40
8:40
23
9:03
9:06
21
9:27
9:27
7
9:34
9:34
7
9:41
9:41
31
10:12
10:20
34
10:54
10:54
11
11:05
11:16
2
11:18
11:19
0
11:19
11:19
1
11:20
11:21
33
11:54
11:54
4
11:58
11:58
35
12:33
12:33
5
天候 今年は本当に天候が安定しない。2日目の涸沢岳から北穂高岳の稜線はかろうじて晴れ。でも北穂手前からはガスに覆われてしまった。3日目の大キレットは朝起きるとけっこう強い雨。7時過ぎまで小屋で待機。雨がほぼ収まったので出発したが、しばらくすると霧雨、そして雨に変わっていった。飛騨側から霧雨(その後、雨)と風が吹き上がってくる。天気予報では高曇りのはずだったが、湿った空気が予報より強かったようだ。逆に4日目の下山日は雨の確率の高い予報だったが、徐々に天気が回復して晴れ。上高地手前から振り返ると大天井岳の稜線がはっきり見えた。
過去天気図(気象庁) 2022年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
沢渡から往復タクシー。定額4600円。バスより早い。
コース状況/
危険箇所等
素晴らしい整備状況。本当に感謝しかない。
上高地バスターミナルからスタート。いちおう晴れ。
2022年08月21日 10:01撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/21 10:01
上高地バスターミナルからスタート。いちおう晴れ。
天気は安定せず、10時でこの雲。松本の家から山を見ていて、晴れていても8時から9時には稜線に雲がかかってしまう。
2022年08月21日 10:05撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 10:05
天気は安定せず、10時でこの雲。松本の家から山を見ていて、晴れていても8時から9時には稜線に雲がかかってしまう。
明神池を通過。ここまで40分。
2022年08月21日 10:41撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 10:41
明神池を通過。ここまで40分。
さらに40分で徳沢。今日の予報はいちおう晴れ。ただし午後から雷雨予報。涸沢まで天気がもつことを祈る。
2022年08月21日 11:21撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 11:21
さらに40分で徳沢。今日の予報はいちおう晴れ。ただし午後から雷雨予報。涸沢まで天気がもつことを祈る。
さらに40分、上高地から2時間ちょっとで横尾。ここで10分ちょっと休憩。だいぶ雲が多くなってきた。
2022年08月21日 12:08撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 12:08
さらに40分、上高地から2時間ちょっとで横尾。ここで10分ちょっと休憩。だいぶ雲が多くなってきた。
屏風岩。まだ夏の日差し。
2022年08月21日 13:03撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 13:03
屏風岩。まだ夏の日差し。
横尾から50分で本谷橋。登山道脇から湧いている水が美味しい。
2022年08月21日 13:11撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 13:11
横尾から50分で本谷橋。登山道脇から湧いている水が美味しい。
北穂高岳を望む。
2022年08月21日 13:37撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 13:37
北穂高岳を望む。
道の整備状況は完璧。石段、石畳で本当に歩きやすい。
道の整備状況は完璧。石段、石畳で本当に歩きやすい。
お、稜線が見えた。でも怪しい雲行き。
2022年08月21日 14:00撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 14:00
お、稜線が見えた。でも怪しい雲行き。
美しいけれど、雨、降りそう。。
2022年08月21日 14:00撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 14:00
美しいけれど、雨、降りそう。。
涸沢小屋が見えた。本谷橋から1時間30分、横尾から2時間20分。
2022年08月21日 14:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 14:34
涸沢小屋が見えた。本谷橋から1時間30分、横尾から2時間20分。
今日の宿泊は涸沢小屋。1泊2食13,000円+個室料16,000円。
2022年08月21日 14:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 14:34
今日の宿泊は涸沢小屋。1泊2食13,000円+個室料16,000円。
到着とほぼ同時に雨がポツポツ降ってきた。今日もついてる。
2022年08月21日 14:39撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 14:39
到着とほぼ同時に雨がポツポツ降ってきた。今日もついてる。
チェックインしたら名物のジョッキパフェ。2000円。
2022年08月21日 14:58撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/21 14:58
チェックインしたら名物のジョッキパフェ。2000円。
あっという間に本降り。間に合ってよかった。
2022年08月21日 15:07撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
2
8/21 15:07
あっという間に本降り。間に合ってよかった。
標高2350m。前回宿泊時も到着後に雨。今回も雨。テラスでのんびりは叶わず。
2022年08月21日 15:07撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/21 15:07
標高2350m。前回宿泊時も到着後に雨。今回も雨。テラスでのんびりは叶わず。
夕食は17:00と17:45。17:00の回はすでにいっぱいだったので、17:45に。
2022年08月21日 17:47撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/21 17:47
夕食は17:00と17:45。17:00の回はすでにいっぱいだったので、17:45に。
明日も今日と同じような予報。朝は晴れるはず。
2022年08月21日 18:05撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 18:05
明日も今日と同じような予報。朝は晴れるはず。
雨が上がって青空に。
2022年08月21日 18:06撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/21 18:06
雨が上がって青空に。
眼下に涸沢ヒュッテ。
2022年08月21日 18:07撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 18:07
眼下に涸沢ヒュッテ。
前穂高岳が夕陽で輝く。
2022年08月21日 18:10撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/21 18:10
前穂高岳が夕陽で輝く。
積乱雲が遠くへ。
2022年08月21日 18:14撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/21 18:14
積乱雲が遠くへ。
18:37、日没。その10分前、雲がピンク色に染まる。
2022年08月21日 18:28撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/21 18:28
18:37、日没。その10分前、雲がピンク色に染まる。
朝食は5:30と6:00。夕食と同じく、1回目は満席だったので2回目。今日は急がないでも大丈夫。
2022年08月22日 06:02撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
2
8/22 6:02
朝食は5:30と6:00。夕食と同じく、1回目は満席だったので2回目。今日は急がないでも大丈夫。
翌朝はほぼ快晴。
2022年08月22日 06:28撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 6:28
翌朝はほぼ快晴。
6:30出発。
2022年08月22日 06:29撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 6:29
6:30出発。
ザイテングラートを目指す。
2022年08月22日 06:42撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 6:42
ザイテングラートを目指す。
ザイテングラート取付点。ここまで涸沢小屋から45分。
2022年08月22日 07:14撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 7:14
ザイテングラート取付点。ここまで涸沢小屋から45分。
ザイテングラートを登る。7月末にはここを下った。
2022年08月22日 07:32撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 7:32
ザイテングラートを登る。7月末にはここを下った。
どんどん高度を上げる。
2022年08月22日 07:49撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 7:49
どんどん高度を上げる。
穂高岳山荘が見えてきた。
2022年08月22日 07:58撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 7:58
穂高岳山荘が見えてきた。
穂高岳山荘に到着。取付点から約45分。穂高岳山荘はコロナ陽性者が出たため、今日から1週間休業。
2022年08月22日 08:07撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 8:07
穂高岳山荘に到着。取付点から約45分。穂高岳山荘はコロナ陽性者が出たため、今日から1週間休業。
穂高岳山荘から常念岳、蝶ヶ岳方面を望む。
2022年08月22日 08:08撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 8:08
穂高岳山荘から常念岳、蝶ヶ岳方面を望む。
常念岳。
2022年08月22日 08:08撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 8:08
常念岳。
涸沢岳を目指す。振り返ると奥穂高岳。
2022年08月22日 08:24撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 8:24
涸沢岳を目指す。振り返ると奥穂高岳。
涸沢岳までは歩きやすく、登りやすい。
2022年08月22日 08:25撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 8:25
涸沢岳までは歩きやすく、登りやすい。
標高3110mの涸沢岳に到着。穂高岳山荘から約15分。
標高3110mの涸沢岳に到着。穂高岳山荘から約15分。
涸沢岳までの登りとはガラリと変わって、この先は急に険しくなる。
2022年08月22日 08:41撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 8:41
涸沢岳までの登りとはガラリと変わって、この先は急に険しくなる。
まずは涸沢槍、涸沢のコルを目指す。
2022年08月22日 08:48撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 8:48
まずは涸沢槍、涸沢のコルを目指す。
すぐに鎖場が始まる。
2022年08月22日 08:52撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 8:52
すぐに鎖場が始まる。
ガスがだいぶかかってきた。正面に目指す北穂高岳。
ガスがだいぶかかってきた。正面に目指す北穂高岳。
鎖場がずっと続く。
2022年08月22日 08:54撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 8:54
鎖場がずっと続く。
傾斜は緩いところから、かなり斜度のあるところまで。ひたすら下る。
2022年08月22日 08:55撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 8:55
傾斜は緩いところから、かなり斜度のあるところまで。ひたすら下る。
丸のマークを目印に進む。道を外れると浮石が多く(しかも滑る)、グッと危険度が増す。
2022年08月22日 08:59撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 8:59
丸のマークを目印に進む。道を外れると浮石が多く(しかも滑る)、グッと危険度が増す。
大キレットほどではないが、かなりハードな稜線が続く。
2022年08月22日 09:04撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 9:04
大キレットほどではないが、かなりハードな稜線が続く。
アップダウンが続く。
1
アップダウンが続く。
もうすぐ涸沢のコル。眼下に見えている。
2022年08月22日 09:04撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/22 9:04
もうすぐ涸沢のコル。眼下に見えている。
あちこちにイワギキョウ。
2022年08月22日 09:07撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 9:07
あちこちにイワギキョウ。
岩を乗り越えて…。
2022年08月22日 09:10撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 9:10
岩を乗り越えて…。
北穂高岳までガスがかからないことを祈りつつ…。
2022年08月22日 09:13撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 9:13
北穂高岳までガスがかからないことを祈りつつ…。
ひたすら鎖場を行く。
2022年08月22日 09:19撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 9:19
ひたすら鎖場を行く。
時にはハシゴ。
2022年08月22日 09:21撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 9:21
時にはハシゴ。
けっこうな斜度の時も。
2022年08月22日 09:23撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 9:23
けっこうな斜度の時も。
でも鎖はできるだけ使わず、歩く。
2022年08月22日 09:27撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 9:27
でも鎖はできるだけ使わず、歩く。
左側の眼下に見えているのが飛騨沢。なんという美しい風景。
2022年08月22日 09:33撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 9:33
左側の眼下に見えているのが飛騨沢。なんという美しい風景。
遠くから見ると歩きやすそうな稜線も、実際には大きな岩だらけで歩きにくい。
2022年08月22日 09:35撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 9:35
遠くから見ると歩きやすそうな稜線も、実際には大きな岩だらけで歩きにくい。
あちこちにトウヤクリンドウも。
2022年08月22日 09:40撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 9:40
あちこちにトウヤクリンドウも。
奥壁バンドに突入。
2022年08月22日 09:52撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 9:52
奥壁バンドに突入。
けっこうな斜度に道が付けられている。
2022年08月22日 09:57撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 9:57
けっこうな斜度に道が付けられている。
各所に丸印が付けられているので迷うことはほぼないが、油断すると道をちょい外れてしまうことも。
2022年08月22日 10:00撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 10:00
各所に丸印が付けられているので迷うことはほぼないが、油断すると道をちょい外れてしまうことも。
下を見るとこんな感じ。崖。
2022年08月22日 10:01撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 10:01
下を見るとこんな感じ。崖。
そろそろ終盤。
2022年08月22日 10:03撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 10:03
そろそろ終盤。
鎖場もほぼ最後。
2022年08月22日 10:08撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 10:08
鎖場もほぼ最後。
鎖はあるけれど、岩を掴みながら登る。
2022年08月22日 10:17撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 10:17
鎖はあるけれど、岩を掴みながら登る。
振り返るとだいぶ雲が出てきた。
2022年08月22日 10:20撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 10:20
振り返るとだいぶ雲が出てきた。
もうすぐ北穂。
2022年08月22日 10:22撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 10:22
もうすぐ北穂。
北穂高岳南稜が間近に見えてきた。
2022年08月22日 10:22撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 10:22
北穂高岳南稜が間近に見えてきた。
北穂高岳南稜。
2022年08月22日 10:27撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 10:27
北穂高岳南稜。
さぁ、もうすぐ。
2022年08月22日 10:32撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 10:32
さぁ、もうすぐ。
南稜はパスしてちょっと下ると南稜分岐に。ここで涸沢からダイレクトに登ってくる南稜ルートと合流。涸沢岳から2時間。
2022年08月22日 10:45撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 10:45
南稜はパスしてちょっと下ると南稜分岐に。ここで涸沢からダイレクトに登ってくる南稜ルートと合流。涸沢岳から2時間。
北穂高岳山頂。南稜分岐から10分弱。10時52分着。北穂高小屋は山頂直下、本当にほぼ山頂にある。山頂で1時間ほどのんびり過ごす。すでにガスに覆われていたが、一瞬、ガスが切れた隙に一枚。
2022年08月22日 11:28撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/22 11:28
北穂高岳山頂。南稜分岐から10分弱。10時52分着。北穂高小屋は山頂直下、本当にほぼ山頂にある。山頂で1時間ほどのんびり過ごす。すでにガスに覆われていたが、一瞬、ガスが切れた隙に一枚。
北穂高小屋にチェックイン。山頂に着いた頃には周囲はガスに覆われて何も見えない。前回はガス&雨。今回もガス。雨が降っていないだけいいことにするか。
2022年08月22日 12:23撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 12:23
北穂高小屋にチェックイン。山頂に着いた頃には周囲はガスに覆われて何も見えない。前回はガス&雨。今回もガス。雨が降っていないだけいいことにするか。
蚕棚が並ぶ。個室は基本的にない。1泊2食13,000円。
2022年08月22日 12:03撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 12:03
蚕棚が並ぶ。個室は基本的にない。1泊2食13,000円。
荷物を小屋に置いてからテラスでランチ。絶景なはずのテラスも残念ながらガスで何も見えない。
2022年08月22日 12:25撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 12:25
荷物を小屋に置いてからテラスでランチ。絶景なはずのテラスも残念ながらガスで何も見えない。
味噌ラーメン、900円。
2022年08月22日 12:14撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 12:14
味噌ラーメン、900円。
夕食。1回目の16時45分から。美味しい!
2022年08月22日 16:49撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/22 16:49
夕食。1回目の16時45分から。美味しい!
翌朝。かなりの雨音で目が覚める。予報は高曇り。全然違うじゃないか! さぁ、どうしよう。。朝食は一回目の4:45。
2022年08月23日 04:46撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/23 4:46
翌朝。かなりの雨音で目が覚める。予報は高曇り。全然違うじゃないか! さぁ、どうしよう。。朝食は一回目の4:45。
朝食を食べ終わってから2時間以上、天気を見ながらどうするか、悩む。
2022年08月23日 07:15撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/23 7:15
朝食を食べ終わってから2時間以上、天気を見ながらどうするか、悩む。
行くか、下山するか。コーヒーを飲みながら悩む。そして雨が小降りになってきた7時15分、出発。
2022年08月23日 07:18撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/23 7:18
行くか、下山するか。コーヒーを飲みながら悩む。そして雨が小降りになってきた7時15分、出発。
小屋を出たら一気に下る。すぐに鎖場になるが、この辺はまだ序の口。
2022年08月23日 07:30撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/23 7:30
小屋を出たら一気に下る。すぐに鎖場になるが、この辺はまだ序の口。
ハシゴ。
2022年08月23日 07:31撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/23 7:31
ハシゴ。
登ったり、下ったり。小さなアップダウンを繰り返す。
2022年08月23日 07:48撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/23 7:48
登ったり、下ったり。小さなアップダウンを繰り返す。
基本的にしっかりマークがあるので、道を外れない限りは足場はしっかり作られている。
2022年08月23日 07:50撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/23 7:50
基本的にしっかりマークがあるので、道を外れない限りは足場はしっかり作られている。
飛騨泣きに近づくにつれ、だんだんと険しくなっていく。
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飛騨泣きに近づくにつれ、だんだんと険しくなっていく。
飛騨泣きに突入。鎖がツルツルに滑って危険。岩を掴んで進む。
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飛騨泣きに突入。鎖がツルツルに滑って危険。岩を掴んで進む。
岩が掴めないところは仕方なく鎖を掴むが…。。
2022年08月23日 07:56撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/23 7:56
岩が掴めないところは仕方なく鎖を掴むが…。。
足場はきちんと整備されているので安心。ただし、鉄は雨でちょっと滑る。
2022年08月23日 07:56撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/23 7:56
足場はきちんと整備されているので安心。ただし、鉄は雨でちょっと滑る。
下りは足下が見えないのでちょいと怖い。でも意外とスムース。
2022年08月23日 08:01撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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下りは足下が見えないのでちょいと怖い。でも意外とスムース。
このあたりからまた雨が少し強くなってきた。
2022年08月23日 08:14撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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このあたりからまた雨が少し強くなってきた。
飛騨側、涸沢側を行ったり来たり。ちなみに飛騨側は風が強く、雨が下から風とともに吹き上がってくる。涸沢側は一転してほぼ風がない。
2022年08月23日 08:17撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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飛騨側、涸沢側を行ったり来たり。ちなみに飛騨側は風が強く、雨が下から風とともに吹き上がってくる。涸沢側は一転してほぼ風がない。
岩は濡れているが、人が歩いているルートには岩に苔が生えていないのでそれほど滑らない。が、ルートを少しでも外れると、めちゃくちゃ滑る。
2022年08月23日 08:20撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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岩は濡れているが、人が歩いているルートには岩に苔が生えていないのでそれほど滑らない。が、ルートを少しでも外れると、めちゃくちゃ滑る。
ゆっくり、一歩ずつ。
2022年08月23日 08:27撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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ゆっくり、一歩ずつ。
もうすぐA沢のコル。
2022年08月23日 08:30撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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もうすぐA沢のコル。
A沢のコルに到着。本当はここで休もうと思ったが、風が強いため、そのまま前に進む。
2022年08月23日 08:30撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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A沢のコルに到着。本当はここで休もうと思ったが、風が強いため、そのまま前に進む。
次の難関は長谷川ピーク。
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次の難関は長谷川ピーク。
長谷川ピーク手前のこの登りがいちばん怖かった。途中から鎖がなくなって、岩を掴みながら登ることになるのだが、鎖が滑って使えないとはいえ、あるのとないのでは心理的に違う。
2022年08月23日 08:40撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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長谷川ピーク手前のこの登りがいちばん怖かった。途中から鎖がなくなって、岩を掴みながら登ることになるのだが、鎖が滑って使えないとはいえ、あるのとないのでは心理的に違う。
ちょい足下も滑るので、一歩ずつ確実に。
2022年08月23日 08:44撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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ちょい足下も滑るので、一歩ずつ確実に。
ここを上り詰めると長谷川ピーク。
2022年08月23日 08:46撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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ここを上り詰めると長谷川ピーク。
長谷川ピークに到着。長谷川ピークからの下りはここまでの登りに比べるとかなり楽。
2022年08月23日 08:53撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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長谷川ピークに到着。長谷川ピークからの下りはここまでの登りに比べるとかなり楽。
そして平和な道が現れる。なんて幸せなんだろう。
2022年08月23日 09:18撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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そして平和な道が現れる。なんて幸せなんだろう。
と思うのも束の間。また岩が現れる。とはいえ、長谷川ピークの先はもうそれほど怖い場所はない。
2022年08月23日 09:35撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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と思うのも束の間。また岩が現れる。とはいえ、長谷川ピークの先はもうそれほど怖い場所はない。
長いハシゴもあるけれど、ハシゴは落ちることもないし。
2022年08月23日 09:43撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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長いハシゴもあるけれど、ハシゴは落ちることもないし。
最後にまた鎖場を登る。それほどの斜度ではなく、安心して登れる感じ。もうすぐ南岳小屋に着くはず。
2022年08月23日 09:52撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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最後にまた鎖場を登る。それほどの斜度ではなく、安心して登れる感じ。もうすぐ南岳小屋に着くはず。
もうすぐ、だからこそ、気を抜かず。
2022年08月23日 09:53撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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もうすぐ、だからこそ、気を抜かず。
いよいよ、もうすぐ。
2022年08月23日 10:01撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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いよいよ、もうすぐ。
獅子鼻分岐に到着。南岳小屋がすぐそこにあるはずなのだが、ガスで見えない。
2022年08月23日 10:10撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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獅子鼻分岐に到着。南岳小屋がすぐそこにあるはずなのだが、ガスで見えない。
南岳小屋に到着。小屋で小一時間、休憩。
2022年08月23日 10:13撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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南岳小屋に到着。小屋で小一時間、休憩。
槍ヶ岳に向けて出発。南岳小屋から南岳は10分弱。
2022年08月23日 11:13撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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槍ヶ岳に向けて出発。南岳小屋から南岳は10分弱。
この稜線、晴れていたら気持ちいいんだろうなぁ。今日は何も見えない。。
2022年08月23日 11:13撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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この稜線、晴れていたら気持ちいいんだろうなぁ。今日は何も見えない。。
天狗原分岐。
2022年08月23日 11:24撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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天狗原分岐。
中岳。南岳から約1時間。
2022年08月23日 12:07撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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中岳。南岳から約1時間。
中岳の先にハシゴあり。
2022年08月23日 12:10撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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中岳の先にハシゴあり。
大喰岳。中岳から30分なのだが、長く感じた。
2022年08月23日 12:38撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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大喰岳。中岳から30分なのだが、長く感じた。
1200からカウントダウンが始まる。
2022年08月23日 12:41撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/23 12:41
1200からカウントダウンが始まる。
飛騨乗越。大喰岳から15分。さぁ、あと10分ちょいだ!
2022年08月23日 12:52撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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飛騨乗越。大喰岳から15分。さぁ、あと10分ちょいだ!
13時、槍ヶ岳山荘に到着。靴は中までぐちゃぐちゃ。レインウェアの下もほぼびしょ濡れ。1泊2食13,000円+個室料10,000円。
2022年08月23日 13:03撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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13時、槍ヶ岳山荘に到着。靴は中までぐちゃぐちゃ。レインウェアの下もほぼびしょ濡れ。1泊2食13,000円+個室料10,000円。
チェックインしたらさっそくおやつを。
2022年08月23日 14:41撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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チェックインしたらさっそくおやつを。
プリン500円、コーヒー500円。プリンはけっこう美味しい。
2022年08月23日 14:45撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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プリン500円、コーヒー500円。プリンはけっこう美味しい。
夕食は1回目の17時から。
2022年08月23日 17:01撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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夕食は1回目の17時から。
春巻き、シュウマイ、エビチリ。今日は中華だ。
2022年08月23日 17:02撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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春巻き、シュウマイ、エビチリ。今日は中華だ。
夕食直前に霧がサァーっと消えていった。正面に常念、蝶ヶ岳が見える。
2022年08月23日 17:21撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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夕食直前に霧がサァーっと消えていった。正面に常念、蝶ヶ岳が見える。
槍ヶ岳も見えた! が、今日は登らない。
2022年08月23日 17:22撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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槍ヶ岳も見えた! が、今日は登らない。
翌朝。残念ながら霧。槍ヶ岳は前回登っているので、今回はパスして下山することに。
2022年08月24日 06:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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翌朝。残念ながら霧。槍ヶ岳は前回登っているので、今回はパスして下山することに。
朝食は5時からの1回目。おでん!
2022年08月24日 05:02撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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朝食は5時からの1回目。おでん!
6:30、のんびり準備をして、上高地に向けて出発。
2022年08月24日 06:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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6:30、のんびり準備をして、上高地に向けて出発。
標高2800m付近で雲の下に出る。
2022年08月24日 07:05撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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標高2800m付近で雲の下に出る。
ヒュッテ大槍へ続く道。天気が良ければヒュッテ大槍まで稜線を歩いて、この道を下りようと考えていた。
2022年08月24日 07:06撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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ヒュッテ大槍へ続く道。天気が良ければヒュッテ大槍まで稜線を歩いて、この道を下りようと考えていた。
チングルマの綿毛。
2022年08月24日 07:17撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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チングルマの綿毛。
快適な道。なんて歩きやすいんだろう!
2022年08月24日 07:24撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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快適な道。なんて歩きやすいんだろう!
南岳からの道が見える。
2022年08月24日 07:28撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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南岳からの道が見える。
天狗原分岐。槍ヶ岳山荘から1時間20分。
2022年08月24日 07:49撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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天狗原分岐。槍ヶ岳山荘から1時間20分。
天狗原分岐の引き。
2022年08月24日 07:49撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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天狗原分岐の引き。
シロクガイソウ、だろうか。
2022年08月24日 08:15撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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シロクガイソウ、だろうか。
槍沢が美しい。
2022年08月24日 08:17撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/24 8:17
槍沢が美しい。
トリカブト。あちこちに。
2022年08月24日 08:18撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/24 8:18
トリカブト。あちこちに。
滝があちこちに見える。
2022年08月24日 08:27撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/24 8:27
滝があちこちに見える。
快適な道が続く。
2022年08月24日 08:27撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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快適な道が続く。
水の中に飛び込みたい!!
2022年08月24日 08:32撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/24 8:32
水の中に飛び込みたい!!
ババ平。
2022年08月24日 08:39撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/24 8:39
ババ平。
槍沢ロッヂに到着。ここまで2時間30分。
2022年08月24日 09:00撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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槍沢ロッヂに到着。ここまで2時間30分。
小さな水力発電所。
2022年08月24日 09:11撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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小さな水力発電所。
窓越しに中を見ると、こんな感じ。
2022年08月24日 09:11撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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窓越しに中を見ると、こんな感じ。
槍沢から先は渓流沿いの気持ちいい道が続く。
2022年08月24日 09:25撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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槍沢から先は渓流沿いの気持ちいい道が続く。
20分で二ノ俣。
2022年08月24日 09:27撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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20分で二ノ俣。
梓川は本当に水が美しい。
2022年08月24日 09:28撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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梓川は本当に水が美しい。
横尾を経由して徳沢に到着。槍沢ロッヂから約2時間。徳沢園で休憩。
2022年08月24日 11:16撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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横尾を経由して徳沢に到着。槍沢ロッヂから約2時間。徳沢園で休憩。
明神池通過。
2022年08月24日 11:58撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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明神池通過。
上高地に戻ってきた。槍ヶ岳山荘からバスターミナルまで休憩時間を入れてちょうど6時間。
2022年08月24日 12:33撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/24 12:33
上高地に戻ってきた。槍ヶ岳山荘からバスターミナルまで休憩時間を入れてちょうど6時間。
今回の下山後のご褒美は寿司。
2022年08月24日 18:25撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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今回の下山後のご褒美は寿司。

装備

備考 大キレットを踏破後、靴のなかは完全に浸水。ぐちゃぐちゃいうほどになっていた。乾燥室に朝まで入れておいたが、靴はもちろん、メリノウールの靴下も全く乾かなかった。槍ヶ岳以降も縦走するなら、あの濡れた靴下をまた履いて(靴も濡れている)歩き続けるのは辛い。靴の中が完全に濡れてしまった際の対応を考えなければ。。

感想

【新潟に引っ越した際の「裏」目標】

今でこそ誰も信じないだろうが、30代前半の頃、僕は駅の階段でゼェゼェするほど体力が落ちていた。だから電車はできるだけ使わず、どこに行くのもタクシーか車だった。

新潟に引っ越したのはそんな生活を見直したかったからでもあるが(米も勉強したかった)、同時に目標にしたことがある。それが「北アルプスを縦走する」ことだった。

僕の母は山が好きで、小さな頃から休みといえば山だった。北アルプスを歩いて「世の中にはこんなに美しいところがあるのだ」と感動したものだ。しかし30代の僕は、北アルプスはおろか高尾山でさえやっと、という状態だった(少しずつトレーニングをして体力は上がってきていたけれど)。

新潟に来てから数年後、やっと僕は北アルプスの頂に立てるようになった。徐々に山行日数を増やし、距離や高低差を積み増し「縦走する」という目標もずいぶん前に叶った。そして槍ヶ岳に登った時、若い時に亡くなった母が「槍ヶ岳から穂高岳までの稜線は素晴らしい。でも自分にはとても歩けないハードコースだ」と言っていたことを思い出した。

「大キレット」。

縦走という目標を果たし、次の目標に定めたのが大キレットだった。しかし、更年期障害なのか、40代半ばから突然、高所恐怖症になり、しかも毎年、度を増してきていた。実際には無理だと思っていたが、友人の「大丈夫だよ」という言葉に励まされ、少しずつ難易度を上げて、今回のチャレンジに至ったのだった。

当日。予報では「高曇りで午後になると雨」だったが、朝、小屋から外を眺めると、霧が濃く、さらにけっこう激しい雨が降っていた。

「果たして行けるだろうか」

先日、強風で不帰キレットを断念したばかりだ。二度連続の撤退は避けたい。が、天候を甘くみると痛い目に遭う。さて。

Yamaten(山の専門天気予報)の予報や雨雲レーダーなどをみると、雨はこのあと弱くなると想定できた。風も弱い。気温も終日高めで、低体温症で動けなくなる可能性は低い。あとは雨で濡れた岩場をどう考えるか、だ。

小屋で天候が回復するのを待ちながらコーヒーを一杯。霧は相変わらずだが、雨はほぼ止んだ。あとは気合を入れるだけ。

「よし、行こう!」

岩場が滑ることよりも、なにより怖かったのが各所にある鎖が使えなかったことだ。鎖はあくまで補助用であり、基本的には自分の手と足で、岩をホールドしていくのが原則だが、やっぱり鎖に頼りたい時もある。ところがその鎖がツルツル。ニュルっとして、本当に補助でしかないのだ。

とはいえ、足がかりも手がかりもしっかりしている。これは本当にありがたい。登山道を整備してくれている人々に感謝しながら手足を一つずつ動かしていく。

歩いているうちに雨と風が出てきたが、強雨、強風というわけでもない。これなら行ける。そしてだんだん慣れてくると、アスレチックのように、次の手をどこにかけるか、楽しんでいる自分がいる。

これは今までの縦走とは全く違った感覚だ。同じ「山登り」といっても、種目が違うというか、楽しみ方が全く違う。むしろ少々の雨と風はアトラクション。緊張感はありながらも、一般登山道の安心感もある。

北穂高小屋を出てから2時間45分。僕らは無事、大キレットを通過した。

30代の頃から考えると、自分自身、信じられないほど体力が戻ってきた。現実的には年齢は増えていく一方で、身体の不具合もあちこちに発生しているわけだが、体力だけは人並みに戻ったと思う。これも新潟移住、そして松本と新潟の二地域居住の成果でもある。

今、僕は55歳。僕の母は54歳で亡くなった。もし生きていたならば55歳で大キレットを歩けたかもしれない。そう考えると健康がなにより大切であり、生きていれば必ず目標を達成できると、あらためて感じる。

さぁ、明日からも頑張ろう。

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