焼岳《やけ食い》
- GPS
- 07:50
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 1,516m
- 下り
- 1,509m
コースタイム
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
駐車場に登山ポスト有、登山届も準備されています 駐車場から中尾峠までは樹林帯。登山口からすぐに木橋の渡渉点があるが木橋が滑りやすいので転落注意。この区間は全般的にゴロゴロした石が多い。雨後は石や木の根が滑りやすいので注意。 中尾峠から山頂までは一変してガレ場、落石・滑落注意。途中から硫化水素ガスの臭気が漂う場所もあり、深く吸引するとむせこむので特に注意を。山頂直下のガス噴煙口はガスと熱による事故の危険性もあるので要注意。 |
その他周辺情報 | 今回は平湯の森を利用 ¥500 |
写真
装備
個人装備 |
ザック
レインウェア
ヘッドランプ
懐中電灯
ファーストエイドキット
シップ
解熱鎮痛剤
小はさみ
コンパス
熊よけ鈴
予備靴紐
スマホ予備バッテリー
山と高原地図
手拭い
手袋
登山靴
カメラ
時計
食料
飲料
予備食
|
---|---|
共同装備 |
クッカー
ガスカートリッジ
山専ボトル
調理用水
食器
|
備考 | 着替え(上のみ) |
感想
「温存」という言葉で体よく後回しにしていた山がある。
昨年初夏あたりから北アルプスを歩くなら最初にここか燕岳だと思っていた山であった。
もうすでに4回登っているという相方とも昨年から登ろうと言っておきながらようやくの実現。今回は計画丸投げでしかもなにかたくらみがあるようなので私が背負うのはザックだけで準備のほぼ全てを背負ってもらい乗っかり登山で歩いてきた。
今回は私の好きなものをコラボレーションさせて作ってもらったオリジナルTシャツで行きます。一応「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と山や滝や渓谷を総じて「自然」が好きな私とそれをも凌駕する親父ギャグのトリプルコラボとでも言うべき
…「バック・トゥ・ザ・ネイチャー」…
登山口駐車場、というにはちょっと遠いだろという林道歩きを10分ほど進んだのち登山道に入った直後、渡渉の木橋で足を滑らせ危うく転落着水の危機。先行きが不安になるスタートだがひとまず無事に通過。
天気予報を信じ、今日は強風が吹いているが一日中晴れだというので、どんより曇った空は幻かその後の劇的回復の演出だろうとプラスに考えひたすら湿気にまみれた樹林間の登山道を行く。
滝やいわくありげな名前の展望台を過ぎ、滝のような汗をかきつつ晴れ予報に展望を抱き登り進む。行けども行けども晴れないガスを湿気の塊とも失敬の極みとも思いつつやがてヒカリゴケの群生地へ。
陽射しが無いぶん、暗がりの中のそれはより分かりやすく見てとれた。
さらに登り秀綱神社で休憩を挟み、ようやく森林限界の峠に着く。
そこで遂に本降りの雨に見舞われぼやきながらレインウェア装着。すれ違いで下山してくる中学生と数人であったが皆突然の雨にも負けず逞しく下りてくる姿に若さの凄さを実感した。
一方我らはいささか強風の中、ひいこらしながら懸命に登る。振り返ればほんの一瞬晴れたガスも隣にそびえる展望台と上高地方面のみ見えただけ。それでも雨はごく弱い霧雨程度に落ち着いたので山頂へそのままアタック。
どうにか山頂付近まで登り噴煙を上げる黄色い岩盤にpeachが持参した企みその,登場。よくもまあ丁寧に担ぎ上げたもんだねと思う卵をザルに入れ噴煙口に設置。熱で火傷しないように長めの紐をくくりつけたその温泉卵製造機は傍目に見てもヘンテコな見栄えだった。で、そのまま山頂へ。
20m先もぼやけて見えないくらいの濃いガスに包まれ、強風をあいまって寒い状況下で我々としては初の山ごはん。
と、その前に私がpeachに頼まれ担ぎ上げてきたサーモスのボトルを開栓。
中から出てきたのは指ではじいてもコツコツと音を立てるほど凍ったままのアイスキャンディーだ。
以前peachがヤマレコで山頂でアイスを食べるレコを見たということで一度やってみたかった山頂アイス。前人の知恵とpeachのプラスαの知恵ででなんと前夜車中泊にもかかわらず冷凍庫を使うことなくここまでアイスが無事にアイスのままで食べられた。たくらみその2も成功だ。
山ごはんもクッカーを持っていない私は任せっきりで寒さと疲れからくる眠気でそのまま凍死してしまうのかと懸念しつつじっと待つのみ。
そして出来上がったのは私の希望であったペペロンチーノのパスタであった。スープスパ調なので体も温まり生き返った。
それでも景色はおろか寒さのためか山頂でたたずむ人も入れ代わり立ち代わりですぐにいなくなってしまう状況。我々も下山、温泉卵製造機を忘れずに回収しつつ。
再び雨が降り出したところが秀綱神社であったので雨宿りと共にいよいよ温泉卵の出来を見る。
結果は出来すぎで温泉卵ではなく固ゆで卵であった。いやあ自然の力の凄さを感じ…たかどうだかわかる間もなくおいしくいただいた。
下山は雨が徐々に弱まったがいつ降り出すかもわからないのでレインウェアを着たまま下りて行ったがサウナスーツのような激蒸れなので途中で私自身がゆで卵のようにのぼせてしまった。
いざという時のための非常食として持参していたパンやおにぎりもすべてたいらげ展望ゼロの焼岳でやけ食いしふやけた体になってしまった感じだったが、私としては初めて「山で食を楽しむ」という体験ができたので大満足、晴れた焼岳にはまたいずれ訪れよう。
ということで本音としては にやけ食い の私であった。
今度焼岳に行くときは、やってみたいことがあった。
しかし一人ではちょっと恥ずかしいので、ツレのいる時に・・・そして機会は訪れた。
しかし御嶽山に続きまたも台風に悩まされる前々日、目安にしている「てんくら」の判定はC、C…晴れマークだが強風のよう。
今回は行きたいから強風承知で行くが、為さねば成らぬ何事も!
ということで準備万端で待ち合わせわくわくの朝。小雨だし、曇ってるし〜。
わずかに見える雲の隙間に期待を隠さず、でもいつものごとくしっかりダラダラもしてれっつごう。
そもそも今回の中尾温泉登山口からのルートは、私の登山歴のはじまりの道。
今考えるとよくここ歩いたな、完全に初心者の怖いもの知らずな選択だとつくづく思う…あの時は階段が降りられなくなる程の筋肉痛に見舞われたいい?思い出が。
まぁそんなこともあってもう一度歩きたかったのだった。
汗や湿気でビシャビシャになりながら、そうそうこんな道だったなぁなんて懐かしく進み、ヒカリゴケ群生地あたりでお世話になってる獣医さんと小一時間電話をしたことも思い出したり。
そしてやっと着いた中尾峠で雨がたえられない降り方になり、レインウェア着。実はザックカバーをつけ、レインウェアを上下着るような登山は初めて。…っていうか晴れマークじゃなかったっけ〜?
これは山頂に触るだけで下山になるかも〜なんて、諦めつつ登る。が、こっからさらにわたくしシャリバテ。
変なところで休んでおやつを補給するが、ひ〜ひ〜足を上げるさまはかなり必死だっただろう…でもすれ違う学生には意地でも笑顔であいさつ!
そして頑張ったご褒美とでも思おう、中の湯分岐前には雨もおさまり、強風もないではないか。
これはできる!と俄然元気が出て、たくらみその1を決行。うちでシュミレーションしたかいあってさくっと終了。
要領の良さと完成度の高さに横でbo-tyu-zaiさんが笑っている。私もおかしな景色に苦笑いだ。
ひとついうならば、噴気孔を写真におさめたかった登山者の皆さんに謝ります、へんなもん設置してすみませんでした…。
そしてガスで見えない目の前の山頂につき、景色もないのでさっさとたくらみその2発動。
こちらはひとまず成功で、サーモスからカチっと固さのちょうどいいアイスのお出まし!
二人でおお〜!と喜びおなかに入れた。すごくおいしい!けど寒い!!
凍えながら次はあったかいたくらみだからとおニューのクッカーで調理開始するも、このタイミングで小雨が降りだす。はい、あの日あの山頂で一番騒がしかったのは私たちだとおもいます…。
ともあれこちらも脳内で何度が作った甲斐あって問題なく出来上がり♪寒いのでより美味しく感じ、あっというまに平らげる。
クッカーと一緒にミニロースターも買ってもらったので、そちらも使う予定でもう一品用意してきたが、これ以上の長居は無用ということで断念し、たくらみその1を回収して下山。
回収時にいぶかしげにブツを見ていたお姉さま達に下方から見つかり、「うまくできた〜?待ってるよー!」と言われたが彼女たちがきっと中の湯方面におりていくことを見越して「たぶんできてマース♪」とお返事しておいた。ふふふ、さらばだ!
で、さっそうと秀綱神社まで下りて、ここで今日一番の本降りにあう。
行きも雨宿りさせてもらったこのポイントにありがたさを感じつつ、まだあたたかい卵をご開帳。
こちらも成功!かたゆでのぷりっとむける焼卵を美味しく食べて大満足!為せば成ったもんだ。
あとはこの成功を下界に持って帰るだけだ、滑りやすい足元に注意してさくさくおり見えた!めっちゃすべる木の橋が。
ここをそ〜っとクリアしてあとは駐車場まで林道歩き。お疲れ様〜。
残りの焼卵は知恵を貸してくれシュミレーションに付き合ってくれた父のお土産に。焼岳も一緒に行かないとね( ´∀`)
天気はもう大ハズレだったけど、食い意地が功を奏して楽しい山行ができた。これからも山ごはんが大きな楽しみになっていきそうだ!
コメント
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bo-tyu-zaiさん peachさん こんにちは。
お天気は良くなかったようですが、たくらみたくさんでとても楽しそうです。温泉?じゃないですね、噴気たまご?素晴らしい!何度も歩かれてるpeachさんの経験ならでは。そして頂上アイス!なるほど。たまごは条件が必要ですが、これなら出来そう。いい事、教えて頂きました。今度、どっかで見せびらかそう〜。
お2人とも文章書くのうまいですね。とても読みやすく、思わず、に焼岳…では無くニヤケてしまいます。
yuzupapaさんこんばんは♪レコ楽しませてもらってます
予報に完全にだまされて予想外の雨でしたが 食のモチベーションとはすごいもので、アイデア捻出や準備などいつもよりはかどり楽しんでくることができました♪
しかし噴気卵も山頂アイスもすべてはヤマレコで発見したネタなのです、ちょろっとアレンジして運よくうまいこといきました…先輩方様様です
今回は山専800ボトルにアイスとオリヒロのちいさい蒟蒻ゼリーを凍らせたものを詰めていきました。気温や標高によるでしょうが5時間くらいは持つみたいですから、ぜひ暑い日の山行に挑戦してみてください
まずは山頂で冷凍きゅうりですかね?
bo-tyu-zaiさん peachさん こんにちは、蝶ヶ岳下でお会いしたHandMです、ご無沙汰して居ます。
考えもしなかったアイスの登場にビックリしましたよ。
中尾から焼岳は、私の中で最も苦手感のある登山道です(*^_^*)そこを重いザックを背負っての山行お疲れ様でした。
私は5日に千葉県の柏市に居ましたが雲ひとつない青空で、僅か300km離れただけで、東海地方との空の色の違いにびっくりでした、ちなみに6日も快晴の柏市でした。
お二人の山行がこれからも素晴らしいもので有ります様に。
HandM さんお久しぶりです♪
蝶ヶ岳以来、HandMさんのレコが楽しくて二人して読ませてもらってます
アイス、最高でしたよ〜周りの登山者の視線が快感でした…寒いのにアホじゃないかという視線だった可能性は高いのですけどね。
僅か300劼砲舛腓辰半个辰討靴泙い泙靴燭、快晴が素直にうらやましいですよ、願わくばそんな空の下でアイスをかじりたかった〜…。
こちらこそ、HandMさんの素敵な山行と安全を願っています。レコを楽しみに
ゆず隊長、おはようございます!
これからまた山に行く私はふくらむ期待に胸踊らせつつ返コメ書いてる次第です。
まず、たまご。セッティングは危険な噴煙口な為、当然お薦めはしません。
けれど知ってる方は多いようで当日もお姉さま方があわよくばご相伴にあやかろうとたくらむ声に苦笑いの私でした。
そして初めての山ご飯。全てはpeachに任せっきりだった(下手に手を出すと怒られる)ので、和やかに美味しいランチをかっ食らう事が出来ました。
アイスに関しては驚きのみ。先人が築き上げた叡智とpeachの実直訓練の賜物でした。
隊長のレコを拝見して、特に今回の鳳凰では、奥さま同士のメールのやり取りにニヤリより、ヒヤリと寒気が…
もくろみに立ちくらみを覚えた私でした(^_^;)
私も単独の時は全部ドライフードですが、夫婦山行のときは山ごはんに凝ります。チーズフォンデュとか、簡単だけど、ゴージャスになります。
山頂アイスいいですね!今度やってみます。
Ennosukeさんこんばんは♪
甲斐駒登山の時からbo-tyu-zaiさんが、まるで消防士や宇宙飛行士に憧れる男の子のようにお話してくれるのを聞いています
同じ北アルプスといっても存在している高みの差がべらぼうで、レコを拝見しましたが私にとってはまだまだ恐ろしさのほうが強い内容です。いつかやってみようと発起する日が来るまで、こつこつ経験をつめたらいいなと思えました。
さてメニューの方の差もなかなかですね 山でのごはん熱がかなり上がってきているので、チーズフォンデュはきっと近い将来実現するでしょう〜。
山頂アイスのアドバイスとしては、口の方には氷を入れないことです。
口の方が温度が高いのでわずかに溶けた氷どうしがくっついて壁のようになり、肝心のアイスを取り出すのに苦労しました…
bo-tyu-zaiさん、peachさんこんにちは。
焼岳満喫コースですね。
いつも中の湯コースなので
こちらの道も歩いてみたくなります。
バックトゥーザネイチャーいいなぁ!!!!
それに温泉卵ならぬ火山卵と
アイスキャンディーすごーい。
火山卵は私のヤマレコ友達も同じ事を
やっていたので、私もいつかはやってみたいです。
raichouさんこんばんは♪
この天気でホントに良くここまで満喫できたと思います、食は偉大 でも長かった〜。
樹林帯が長いので下りが好きじゃない私としては十分うんざりしちゃいました( 'A`)=3
そしてTシャツネタに反応してくださりありがとうございますw
みなさん名称のまちまちな卵、調べまくったのでたぶんお友達のレコもチェックしてるかも?おかげで成功できたし、なにより道具や荷揚げなどに試行錯誤するのが楽しかったです♪
そういえば私はraichouさんのいつぞやにやってたホットケーキがずっとずっと気になっているんですよ…教えてもらお〜♪その上にアイスを乗せたら最強ですよね ?
HandMさん、こんにちは。ご訪問ありがとうございます。
蝶ヶ岳以来、貴兄のレコをよく拝見させて頂いており独特の文章センスに楽しませてもらっております。
よく硫黄の匂いは腐った卵のよう、と言われますがそんなのお構い無しで噴煙で作った「硫黄卵」は美味しく湯で上がりました。
そしてかのアイスキャンディー。
ドロドロに溶けていても笑って許すつもりでしたが、氷、蒟蒻ゼリーと三位一体となってしっかりアイスのまま食べることができ、からだが冷えきりました(笑)
わずか300キロですか!?
こちらは遥か2〜3m先を歩くpeachに微笑み返しが出来ぬ程、下山時は暑さでヘロヘロでしたよ。
これからも楽しいレコを期待しつつ、どこかの山でお会いしたいと思っております。
Ennosukeアニキ、ご訪問ありがとうございます。
穂高縦走レコ、羨ましさ満点に読まさせて頂きました。鳳凰もそうでしたが「やるならこのコースで」という信念を感じさせる、かといって押し付けがましいところの無い良い山行記録ですね。写真無しなのに抑えどころがいいのかためになります。
さすがアニキはチーズフォンデュですか!?チーズ好きな私としては聞き捨てならない興味の引かれようです。
同じ北アルプス山行でもアニキとは異なるゆるーい内容の我々ですが、山の厳しさの中での楽しみ方をそれぞれ感じとって来て、それを押してこれからもいい山歩きしていきましょう。
またどこかでお会い出来たら私もジャンダルムのソロ男性のように「ヤル奴」になれるよう精進して参ります( ☆∀☆)
raichou さん、こんにちは。
peachからお話は伺っております。
私は初めての焼岳、一番長い道のりで一番よろしくない天気での焼岳でした。まあ自然を満喫するには好条件だとは思いたい、そんな1日ではあったかと思います。
卵は焼岳ならではの調理でしたが、アイスはヤマレコで見た他のユーザーからパクったもので、peachのたゆまぬ努力の結果、皆さんから支持を得た山での新な可能性、未来を予感させるものであります!(大袈裟)
raichou さんも自然の力と人類の叡智を上手く融合させ、山ごはんをはじめとした新たな山の楽しみ方を開拓して下さい!(大袈裟)
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