南ア最後の百高山 蝙蝠岳・新蛇抜山(塩見岳・間ノ岳・北岳)


- GPS
- 22:29
- 距離
- 50.8km
- 登り
- 5,081m
- 下り
- 5,331m
コースタイム
- 山行
- 4:49
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 5:03
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 8:57
- 山行
- 6:51
- 休憩
- 1:52
- 合計
- 8:43
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ(1)
予備電池(1)
1/25
000地形図(1)
ガイド地図(1)
コンパス(1)
笛(1)
筆記具(1)
ライター(1)
ナイフ(1)
飲料(1)
ティッシュ(☆)
三角巾(1)
バンドエイド(☆)
タオル(1)
携帯電話(1)
計画書(1)
雨具(1)
防寒着(1)
スパッツ(1)
手袋(1)
ストック(2)
ビニール袋(☆)
替え衣類(1)
入浴道具(1)
ザックカバー(1)
クマよけ鈴(1)
食器(1)
水筒(☆)
時計(1)
日焼け止め(1)
非常食(☆)
カラビナ(☆)
|
---|---|
共同装備 |
コンロ(1)
ガスカートリッジ(1)
コッヘル(鍋)(1)
ファーストエイドキット(1)
医薬品(1)
カメラ(2)
|
感想
8月になってもず〜っと天気が安定せず、気づけばもう山は秋の気配。
裏銀座の1泊2日しか行っていないなんてちょっと信じられない状況で、最後のチャンスの3連休は若干天気予報が好転したのを頼りに南アの仕上げにいくことにした。
(結局、阿倍荒倉岳が何となくモヤモヤで残った感じだが、レコでは誤差範囲になるようなので・・・)
【26日:0日目】
いつものように夜勤明けなので0日目はアプローチ。
縦走となると車中泊は使えないので伊那大島での民宿前泊となる。新宿発14時の高速バスはガラガラで隣は空いている。伊那バスだったが運転手さんは華奢な感じの女性で、乗車手続き中はターミナルの配車案内の係員さんかと思っていたら、そのまま運転席に乗り込んでビックリした。運転もソフトで雰囲気的には良かったです。
松川ICには予めマルモタクシーに電話を入れて予約してあったが、10分前に着いてそこにいたタクシーに声を掛けると、どうやらまだ配車されていなかったらしい。つまりはバスに合わせて1台くらいは待機しているようだった。
宿泊は民宿旅館(?)の福美荘さんへ。伊那大島駅までは徒歩の距離。もう1軒あった旅館は廃業したとのことで、他にはICに近いビジホが1軒だけとなっている。
この日の宿泊は私一人だけ。
【27日:1日目】
翌朝のバスは6:45発なので、1時間ほど前に起きて朝食のお弁当を食べる。安全上の必要性なのだろうが、冷蔵庫にあるお弁当をチンせずに食べるのはちょっと寂しい。少し回り道をしてコンビニに寄り、2日分の昼食とビールなどを買って駅前のバス停に向かう。乗客は3人、一人は埼玉からで駒ヶ根前泊の人。今日は同じ塩見小屋泊まり。もう一人はピストンして三伏小屋泊まりとのこと。
鹿塩を過ぎて林道に入るとかなりの急傾斜。舗装はされているがすれ違いポイントも少なく、ここを自家用車で行くのはなかなかハードルは高い。ゲート手前1.2kmに満車時の駐車スペースというのがあり、ゲート前には10台足らずの車があった。
そこから先も殆ど舗装道路で、終点手前だけダートとなる。ゲートのあたりから対岸に延びる林道が見えて、これを歩くのは精神的にキツイと思われた。タクシーの場合もここからになる。
登山届けを出して、初めは急な登りで汗をかく。雨は落ちてこないものの天気はドンヨリとスッキリしない。水場はルートに面しており、チョロチョロだがこの日は利用可能な状況だった。民宿では皆さんがここ(宿)から持って行くと言うことだったので、3L+αを担いでおり、そのまま通過した。
三伏峠で先行者に一旦追いつくが、その後も先行して頂く。展望もないので黙々と、本谷山を過ぎてグループを一組追い越して塩見小屋に到着。学生パーティーなど、ほぼ定員くらい(工事中でキャパが少ない)の宿泊者だった。
小屋前から時々ガスが切れて塩見岳が姿を現すが、長続きはせずにまた見えなくなってしまう。
てんきとくらすの予報は回復しそうだったので、期待して眠りにつくが雨の音がして熟睡できない。日付の変わる前から時計を気にして寝た気がしなかったが身体はそこそこ休まったようで翌日の行動にはさして影響はなかった。
【28日:2日目】
学生パーティーは2時に起き出した。気は遣っているようだけれど、さすがにこの時間なのだから1回でスムースに出て行って欲しいものだ。自炊スペースはなく、小屋の前にあるシートが唯一の雨よけだから、彼らが出発するであろうと思った3時過ぎに起き出した。雨は殆ど降っていなかったが、彼らも食事が終わったころだったのかまだ出発には時間が掛かりそうだった。
端のスペースでラーメンを作って食べ、パッキングをして雨具のズボンを履き、4:20に出発。学生さんたちはまだ準備中(2時間半も掛けるのか・・・)。先行して露を払って頂けると助かったのだが、こちらが露払い役を務めることとなった。小屋を出てすぐに上着も必要なことが分かる。ナナカマドやハイマツの枝が時には頭の上まで被っており、初めはストックで落としながら行くがとても対応仕切れない。
この道は昔もヘッデンでガスの中を歩いた・・・・あの時は梅雨明け前だったけど、8月末の今回も天候は余り変わらないなぁ・・・・。
塩見岳の登りは意外とギャップが大きく、私で目一杯足を上げるくらいのところが数カ所あった。小柄な人には大変だろう。天狗岩の岩峰を巻いてザレた岩場を登って行く。
山頂は雨こそ降っていないがガスで回りは何も見えない。
ゆっくりしていても寒くなりそうだったので、早々に分岐へと下る。
蝙蝠尾根分岐(北俣岳分岐)から少し窪地に下りたところにザックを置き、ここからサブで長めのピストンに入る。今回の山行の一番大事なところだが、天気が良ければ赤石・荒川の大展望となるべきコースが、今日の状況では単に赤線引き&百高山ピークハントとなってしまうのが残念。
北俣岳までの岩稜はマル危マークが付いているが、ちょっと緊張感がある。基本的に尾根通しなのだけれど、雪投沢側を巻くところがあり、次は右にも左にも踏み跡っぽい感じがあるが、真ん中の岩を登って行く。慌てずによく見れば大丈夫だけれどウッカリミスしないように気をつけた方が良い。全体的にマーキングは少ない。若干の古いペイントとケルンはあり、見通しが良ければ間違えないとは思う。
白根南嶺と同様の広いザレた稜線やハイマツに覆われたトレース、船窪地形などを通過して、灌木の茂った道を登って行く。片斜面に灌木が茂っているので荷が軽いと言っても歩きにくい。大型のザックであればもっと苦労するだろう。やっぱり二軒小屋に下りなくて良かった。
やっと蝙蝠岳に到着したと思ったら雨になった。赤石・荒川・塩見・・・いずれも山頂付近はガスの中で、楽しみにしていた展望はここもお預け。また来るときはあるのかな・・・・。
雨も降りだしたし、ここにも長居は無用で折り返す。分岐までの登り返しも結構ある。北俣岳からのルートを慎重に通過して分岐で休憩。Tシャツに雨具ではさすがに寒く感じたので長袖シャツを追加し、あとは新蛇抜山を目指す。
北荒川岳は地理院地図では巻いているが、現在は山頂を通過するようなルートに変わっている。新蛇抜山は山頂を巻いているので、草付きの急斜面に辺りを付けて登って行く。驚いたのは至る所に鹿の落とし物が散乱していること。高山植物の被害も頷ける。
新蛇抜山には何も標識はないが、小さなケルンがあり、周辺に何も高いものがないのでそれと分かる。ここまでに雨も収まり、目的も果たしたので少しホッとした。再び軽装(雨具のズボンは継続)になって、竜尾見晴を過ぎ、樹林帯を熊ノ平へ向かっていく。
熊ノ平では肩の小屋から来た若者が先着していた。小屋泊まりは2人だけ、他に塩見小屋の学生パーティーと1〜2張りのテント。予想よりも早く着いたので干し物をして、お湯を沸かして焼酎のお湯割りで時間を過ごす。食堂にはストーブが焚かれており、何となく湿っぽい靴下もスッキリした。でも手袋を干し忘れたのは失敗。
熊ノ平小屋は電波が届かないので天気予報の更新は出来なかったが、期待することにして19時過ぎに就寝。
【29日:3日目】
最終日、3時起床。窓から西農鳥の稜線は見えているが、上空は雲がある。
食堂での自炊許可を貰っていたので1Fに下りてラーメンを作る。出来るだけ静に外に出てパッキング。大丈夫だとは思うが今年の夏山は例年にも増して天気に油断が出来ないので、出来るだけ早めに出ようと思う。それでも今日も4:20出発となった。
テン場を抜けて学生さんたちに挨拶し(今日は何時起床だったのか)三国平に登る、朝イチなのできつく感じる。仙丈ヶ岳の右側がやや赤くなるがこの位置からではご来光は見えないし、地平線にも雲が多そう。
三峰岳への岩稜もかなり登り応えがある。今日は昨日よりも風が冷たく感じ、休憩は最小限にして間ノ岳に向かう。ここで雷鳥の母子に出会ってしばし和む。
間ノ岳を過ぎるとさすがに登山者が増える。この天気、平日なのでそれほどでも無いのだが、塩見小屋を出てから殆ど人に会わなかったので、多少気分が変わる。
ここから先は一昨年も歩いているルートだし、取りあえず北岳山荘でゆっくりすれば良いので先を急ぐ。
ところが、北岳山荘でカロリーメイトを食べていると突然「パラパラ」と音がする。後ろの斜面から何か落ちてきたのかと思ったら、2mm程度の霰が降ってきたのだった。
ここまでに雨になったらピークをカットして下りるつもりだったが、霰じゃあどうしよう? 周囲を見て大崩れする感じではないし、時間も早い、それに肩の小屋で食事にありつこうと思っていただけに、ここは雨具のジャケットを着てピークに向かう。
霰は小雨になり、またちょっと霰っぽくなったりしながら、あまり降らずに済んだ。
北岳山頂到着時には他に登山者はおらず貸切! 程なく2〜3人登ってきたがそれでもタイミングが良く(肩の小屋で20人くらいの団体とすれ違い)、3193mと表示が変わった山頂を堪能した。登頂は4回目になるかな。北アの方が良く行っているような気がしていたけど、槍は2回,奥穂は1回だから、やっぱり白根三山は来ているほうか。
肩の小屋に下りて、今日の昼食は手抜きして小屋のカレーライス。900円とちょっと安めかと思ったがご飯は冷めて塊が目立った。まあ、贅沢は言えませんが期待しすぎたかな。
小屋前では広場で建築工事中。下部構造や柱の間隔から新しいトイレだろうか。
あとは下るだけ。小太郎尾根分岐の辺りは一昨年とルート状況が少し変わっていて、小太郎山方面に向かう人には少し分かりにくくなったような気がする。逆に下山時には分かりやすくなった。
今回は草スベリルートを下山路に取ることにした。31年前に登ったきりだけれど、イメージが大分違う。滑りやすい草付きではなく、ガレが目立つ灌木帯の感じ、最後は沢状の地形をジグザグに下りていくので、昔と違うかも知れない。
白根御池小屋の建物が大きく立派になっているのは改めて驚いた。
14時のバスには1時間程度の余裕を持って到着しそうな見通しが付き、御池からの急降下は慎重に進む。ここもこれほどキツイ坂だと思っていなかったが、最近何処へ行ってもそう感じるのは、記憶が薄れたからか、それとも自分自身の衰えからなのだろうか・・・。
広河原山荘に着き、さあコインシャワー! と思ったら「故障中」の看板が!?
話を聞くと昨年から騙し騙し使ってきたがもう限界ということで、山荘自体が来年まで(?)ということで修理もしないということ。
ネットで調べた情報が何時のものか確認しなかったのが不味かったな・・・と思うも仕方なし。顔と腕、靴やストックを洗って(靴洗いのホースとブラシ有り)バス停へと向かう。
すると、向こうからタクシーの運転手が近づいて来て、何処まで行くのかと言う。
ジャンボで来ているので、人を集めたら先に出るというので、山荘前に何人くらいいると伝えて暫く待つ。
結局、バスの時刻より40分くらい早め(13:20頃)に出ることが出来た。結構早く走っていると思ったが、甲府駅到着は15:50、2時間半掛かっている。こんな回り道も今日までで、土曜日からは芦安経由で運行されるが、貴重な経験をしたと言うことにしておこう。
時刻を調べると16:10に「かいじ」があるのが分かり、弁当やビールを買い込んでホームに下りた。まだ出張帰りの時間には早く空いていた。
なんだか、「続きを歩いてくれて、ありがとう!」な感じです。
コインシャワー、6月末にテント泊して故障してたの知ってたのに、スミマセン。
確かに続きですね(w
仙塩尾根には到底行けませんけれど。
山荘が閉鎖されたらキャンプ場とかはどうなるんでしょうね。
小屋の建設など、ところどころ変わりつつありますね
良いように静かなまま、変化するといいなあと思います
シカの食害、本当に心配です
あのお花畑が、と思うと切ないです
komadoriさん、コメント有り難うございます。
塩見小屋が大きくなるのは嬉しいんですが、百名山を中心に人が増えて来たようで、メジャーなところは良い風情が無くなりつつあるように思います。
それでもまだ南アは農鳥小屋のような昔のままが残っていますけれど。
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