【奥多摩最深部】酉谷山とウトウの頭【ビバーク覚悟】 〜東日原から周回〜
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- GPS
- 10:51
- 距離
- 21.8km
- 登り
- 1,719m
- 下り
- 1,715m
コースタイム
- 山行
- 9:09
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 10:42
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・白線で区画されたスペースが約20台分あります ・料金はポストに投函 ・1分ほど歩いた東日原バス停のトイレが利用可能です(24時間) ・携帯(docomo、au)は問題なく繋がります |
コース状況/ 危険箇所等 |
※積雪箇所もありますが、チェーンスパイクは結局使いませんでした <ヨコスズ尾根(東日原〜天目山)> ・危険箇所、凍結箇所はありません ・一杯水避難小屋から天目山はやや道が不明瞭です <長沢背稜(天目山〜酉谷山〜タワ尾根分岐)> ・主脈縦走路を歩く分には、危険箇所、不明瞭箇所はありません ・縦走路から外れた七跳山、滝谷の峰は道がかなり不明瞭です ・酉谷山、滝谷の峰の山頂手前は積雪がありますが、アイゼン等はなくても歩けます <タワ尾根(タワ尾根分岐〜一石山神社)> ・破線ルートです。一般登山道ではないので、自己責任で ・全体的にコースが不明瞭です。小まめに方向の確認を ・「大京谷ノ頭」から「ウトウの頭」の間が最も道迷いしやすい区間で、注意が必要です ・コースを外さなければ、それ程技術的に難しい箇所はありません。コースを外さなければ… ・「大京谷ノクビレ」の岩場は南側に巻きます。過去に死亡事故も発生しているので、強引に突破するのは危険 |
その他周辺情報 | 下山が遅くなったので、温泉には寄らずに帰宅 (この日の「もえぎの湯」の受付は18時まで) |
写真
感想
奥多摩最深部の酉谷山。片道5時間超のロングコースだけに気軽に登れる山ではないですが、10年近く行っていないので、久々に計画しました。同時に、バリエーションルートですが「ウトウの頭」を通るタワ尾根を歩いたことがなかったので、併せて計画してみました。
とは言え、この周回コースの全長は20kmを越え、標高差は1700m以上。おまけにタワ尾根は未踏のバリルート。冬至を過ぎたばかりのタイミングで行くには厳しい条件です。一応ビバークの用意はしましたが、できれば日没前に下山したいところです。
本来ならタワ尾根を登りで使うべきですが、一石山神社からのアプローチが分かりにくいという情報もあり、出だしで躓きたくないので、ヨコスズ尾根からスタートしました。
途中までは良いペースで歩けているつもりでしたが、天目山と七跳山に寄ったことで時間と脚力を消耗し、酉谷山(1718m)に到着した時は予定より30分遅れていました。
昼食は行動食で済ませてサッと出発したいところですが、予想以上に脚力を消耗していました。まだまだ先は長いので、ゆっくり昼食を摂って回復を図りました。
休憩後、体力が回復したので、滝谷の峰(1710m)のピークを踏みに行きました。以前は山頂が分からず、やや心残りだった山です。今回は何とか山頂に辿り着けましたが、落ち葉と雪で踏み跡がほぼ消えており、予想以上に時間をロスしました。その為、タワ尾根分岐に到着した時には、遅れ幅は1時間に拡大していました。
ここからペースを上げなければならないところですが、バリエーションルートだけにそうも行かず、とにかく道が不明瞭で苦労しました。落ち葉がフカフカで踏み跡が隠されているので、時期も悪かったかもしれません。目印テープは時々ありますが、あまりアテになりません。
特に「大京谷ノクビレ」では大岩の越え方が分からず、踏み跡も広範囲に広がっていてウロウロしました。(よく探すと大岩の南側にルートがあります)
自分の感覚では、岩を乗り越えるのはかなり危険で、方向を合わせて巻き気味に突破しようにも傾斜が急で困難です。2016年には死亡事故(滑落死)もあった場所なので、正しいルート以外を通るのは止めた方が良いと思います。
「大京谷ノクビレ」を通過した後も、ウトウの頭(1588m)までの区間は、傾斜が急で道もかなり不明瞭だったのでペースが上がらず、遅れは更に拡大しました。こんなペースでは、とても日没に間に合わないので、ビバークを覚悟しました。
しかし、ウトウの頭を過ぎたら、尾根が広がって傾斜が緩やかになり、一気に歩きやすくなりました。ビバークはしたくないので、脚が攣りそうになりながらペースを上げ、最後はヘッデン点けて何とか下山しました。
ツェルトなどビバークの用意があったとはいえ、シュラフやテントマットは無いので、快適とは程遠い状態です。こんな寒い時期に山中で一晩を過ごさずに済んで本当に良かったです。
なお、ウトウの頭には、善知鳥(ウトウ)が描かれた陶器と木製の山頂標識があり、一見の価値があります。
以前は、この辺りにこんな派手な鳥が生息しているのかと思ってましたが、善知鳥(ウトウ)は海鳥で、山奥にいる鳥ではありません。そもそも北海道や東北の太平洋側で見られる鳥なので、関東は生息域ですらありません。なぜこの山がウトウの頭と呼ばれているかは、諸説ありますが、個人的には、あまりしっくりくる説はありませんでした。
今回は、余裕のない計画の上に未踏峰を踏みに行くなど欲張ってしまったので、ギリギリの山行になってしまいましたが、やはりタワ尾根を甘く見ていたのが原因です。
10年ほど前には、このタワ尾根がトレランのコースだったこともあり、バリルートとは言っても、大したことないだろうという先入観がありました。実際、道迷いがなければ、注意を要する区間は長くないですが、気が焦って強引に突破しようとすると危険です。やはり未踏ルートを歩く時は、時間と安全に余裕を持った計画を立てることが大事だと改めて思いました。
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