初!ジャンダルム&奥穂西穂縦走!


- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.2km
- 登り
- 2,480m
- 下り
- 1,453m
コースタイム
- 山行
- 5:20
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 5:50
天候 | 27日 快晴 穏やかな風 28日 快晴 ほぼ無風 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰りは、西穂高口からロープウェイで下山。鍋平間、鍋平新穂高間それぞれ30分に1本。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高〜白出沢分岐 林道。 白出沢口〜重太郎橋 一般的な登山道。 重太郎橋〜荷継沢 重太郎橋すぐの梯子から100m程度狭い崖道。 荷継沢〜穂高岳山荘 ひたすらガレた沢を登っていく。マーキングがわかりにくく、頻繁にプチ・ロストするが、登りは、迷うほどではない。ただし、下りは荷継沢付近注意。 穂高岳山荘〜奥穂高岳 山荘すぐの梯子と鎖場は、渋滞による落石注意。ここを越せば、一般的な登山道。 奥穂高岳〜西穂高岳 足場の余裕がない急登、急下り、トラバース、痩せ尾根が頻繁に登場します。落石注意ポイントも多数。高度感あります。今回は、快晴無風しかも気温も過ごし易い状態。僕は、天候が悪ければ、躊躇なく通過を見送ります。 どちらかといえば、奥穂→西穂のほうが、急下りが少ない分、歩きやすいと思う。 |
その他周辺情報 | 奥飛騨ガーデンホテル焼岳 500円で入浴 源泉かけ流し、混浴露天風呂もあり。 http://www.okuhida-gh.com/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
飲料
ヘッドランプ
予備電池
携帯
時計
タオル
ポール
|
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感想
今年5回目の北アルプス。登山経験は1年程度ですが、先日大キレットを走破することができたので、今まで全く思いもしなかった奥穂西穂縦走が、急に頭に思い浮かぶようになってきました。もう9月最終週、雪が降る前で、天気予報は良好。今年チャレンジするとしたら最後の機会になると思い決断。遂に、ジャンダルムに挑戦することにしました。
行程は、1泊2日で、奥穂→西穂。初日は、新穂高から穂高岳山荘まで登るものの、翌日は早朝から動けること(逆コースだと新穂高ロープウェイの営業を待って始動)、体力の無い自分には、難易度は増す?かもしれないが下りが比較的多い方が体力的に良いこと等を考慮して、このルートを選択した。
9月27日
新穂高近辺は、先日の連休の駐車禁止一斉取り締まりがあったせいか、路駐は少ない。3連休ほどではないが、夜明け前でも登山客は多い。本日は、白出沢コースで穂高岳山荘へ行く行程だが、健脚ルートといわれているので、夜明け前に出発する。2週間前にこの林道部分は通ったが、その時は緑一色の道だった。今は、広葉樹が色好きはじめている。季節の移り変わりは山に行くほど早い。
林道を一時間半程度歩くと、奥穂高岳登山口(白出沢コース)に着く。ここから歩きやすい樹林帯の中の登山道。晴天のなか、反対側の笠ヶ岳がばっちり見える。高度を上げるほど、紅葉は深くなっている。やっぱり来てよかったと思いながら、高度を重ねていく。
重太郎橋を通過し、梯子を上ると、崖沿いを歩く鎖道が登場。このルートの核心部。すれ違いができない崖道が100m程度続くので慎重に歩きます。するとまた、樹林帯に突入、高度を上げて、荷継沢に着きます。ここから、白出のコル(穂高岳山荘)まで、ガレた沢をひたすら標高数百メートル以上登っていきます。
穂高連邦の西側にある白出沢の大部分は、午前10時を回ってもほとんど日が差していません。気温が上がらないため、休みもそこそこに上を目指していきます。「アビナイヨ、あと1.30分」とペンキで表示された有名な指標を通過します。残り1時間半(90分)なのか130分なのかわかりませんが、僕は、快調に75分で山荘に到着しました。今日は調子がいいかも。
早速、山荘でチェックインした。午前中の山荘前の状態は、3連休の時と比べると閑散としているが、宿泊はやはり布団1枚に2人のよう。明日の奥穂〜ジャンダルム〜西穂の縦走に備え、ゆっくり過ごす。長野県側も色づいており、特に涸沢上部は紅葉が最盛期に入り始めていた。夕方、涸沢岳に登り、日没の北アルプスを堪能した。岐阜県側は雲海。標高3000mより上空は雲海の上。岐阜県から長野県に流れる滝雲に反射する太陽の光。ブロッケン現象が現れる。ただ、穂高の向こう(北アルプスの南側)に薄らと違った雲が見える。誰かが「御嶽の噴煙では?」と言っていた。そして山荘に戻るとテレビの前に人だかり。臨時ニュースが御嶽の噴火を伝えていた。
9月28日
夜明け前に山荘を出発。奥穂高岳の日の出をみて、縦走をする。360度展望できる好天気。その中で、御嶽山だけが、普段の山とは違っていた。噴煙は、上空数千mまで登り、それ以降は偏西風のせいだろうか、東側に向けて流れていた。御嶽山登山者の無事を祈りつつ、自分自身不注意で事故を起こさないよう決意(たぶん県警の山岳隊は御岳総動員だと思う)し、ジャンダルム方面へ向かう。
国内最難関の一般登山道と呼ばれている?本日通過するこのルートは、上級者のみ、経験者同伴、一歩間違えば死等、情報を集めれば集めるほど、不安になりましたが、行きたいと思う好奇心が勝り決行することにした。本格登山をして1年余り。経験数では初心者レベル。もっとも、安全に行けると思われる快晴かつ無風かつ適温状態の日を選んでのチャレンジ。迷ったら、引き返すつもりで歩み始めた。以降の記述は、そういった恵まれた条件の中で、油断せず、歩いた時の率直な感想です。
山頂からすぐ、いきなり核心中の核心の「馬の背」の細い尾根を通過する。体力・集中力もある時間帯だったせいか、割とすんなり通過。馬の背途中で写真撮影する余裕がある自分がいることに少々驚きながらのクリア。と言うより、馬の背まだかなあと思いつつ歩いていた内に終わっていたという感じ。3点支持の内、1点踏み外しても大丈夫なステップ位置を取る気持ちで進んだ。高度感さえ気にならなければ、むしろ楽しい岩場という印象。まだ、通過していない核心部もあるので感想を総括するのは早すぎるが。
「ロバの耳」。急激な登りと岐阜県側にトラバースする。これも楽しい岩登り。感覚的には、涸沢岳の北側、キレットの飛騨泣きくらいか。
そして「ジャンダルム」。一旦、長野県側をトラバースして、南側から頂上を登る。北側からアプローチする強者もいましたが。ガレ気味の壁(ほかの角度から見るよりなだらかな斜面)を登ると、天使が迎えてくれた。そう、ここが憧れのジャンダルム。奥穂山頂から出発して1時間弱。達成感を静かにかみしめるとともに、御嶽山の方向を見つつ、今後も事故なく油断せずに前に進むことを決めた。ジャンダルム山頂から縦走ルートへ戻るときに、「落石!」。十メートル程度上方、数メートル横の人が起因で発生した模様。このルートの一番の脅威は、これかもしれない。
以降、数々の「ピーク」と「コル」が続く。あえて、鎖があっても頼らず進んでいく。一歩一歩に緊張が強いられるというものの、3点支持、∈燭牢靄榲に使わなかったが保険、山側への重心荷重、ぢ湘仍骸圓箸竜離(落石対応)を考えれば、息をつくことはできる。緊張感を数時間続けることは不可能だが、気持ちにメリハリをつけながら、各要所をクリアしていく。
「天狗岳」「間ノ岳」「逆相スラブ」「西穂高岳」等続くが、全く休憩できるポイントがないわけではない。僕の感覚からいえば、奥穂西穂縦走数時間の内、上記4つすべてを駆使して登るのは4分の1以下か。い蓮比較的登山者が少なかったからかもしれないが。ただ、油断はしてはいけない。先日小屋で同室だった方が「核心部では意外と事故はない。皆、気を付けるから。だけど、思いもよらないところで事故って起こるもんだ。」とおっしゃっていた。また、先日このルートで滑落した人は、ザックに括り付けていた衣服が岩に引っ掛かったそうだ。それを考えると、ありえない場所で大事故はあり得る。僕も、登りに使ったポール2本がザックから突出しているし、ザックの結び目や靴ひもが岩に引っ掛かることもあり得る。今までの浅い経験でも、安心した頃に一見安全と呼ばれるところで、尻餅をついたりしている。「とにかく西穂までは。そして西穂をこえたら山荘までは」と言い聞かせ、また一方で適度に緊張をほぐすところも設けながら進んだ。そのように進むと、今まで経験のある登山道と比べて、このコースほど楽しいコースはない。まさに岩岩パラダイス。つらいのは、西穂に近づくにつれての体力が消耗していく中での登り返し。
そして、西穂高岳山頂。ようやく穂高岳山荘の弁当(朴葉すし)を開き食す。ふと、噴火する御嶽を見る。被災者の無事を祈りつつ、「自分がこの場所でけがをするようなことはどうやらなさそうだ」とほっとした。ピラミッドピーク、独標、丸山と進むにつれ、段々登山者の客層が変わっていく。そういえば、数年前、丸山まで来たことがあるが、軽装で、しかもフラフラで歩いた記憶がある。それがいま、最難関一般登山道をクリアし通過している。
西穂山荘に到着。500円のソフトが、キャンペーン中で300円。気温が上昇し、ハードルートを突っ切ってきた体をクールダウンした。さて、このたびの終着点は、標高2156mの西穂高口。下山はロープウェイでリッチに下ります。上高地に下りる方もいらっしゃるそうですが、たぶん僕は、下りでこけるだろうなあ。
こうして、僕のジャンダルム、奥穂西穂縦走の初体験が終わりました。もう一つ強調する留意点がありました。ヅ係と自分の体調がよくなければこのコースは行きません。それは、行ってきてからも変わらない僕の決めごとです。
コメント
この記録に関連する登山ルート

shin0609 さん、こんばんは。
素晴らしい2日間でしたね。
そして無事の縦走おめでとうございます。
この夏、トータルでかなりの縦走でしたね。
すごい!の1言です。
大きな山をひとつひとつ越えて行くお姿はほんと格好よすぎですよ〜
taktak6125さんコメントありがとうございます。taktak6125さん涸沢にいらっしゃったのですね。綺麗な写真を拝見しました。
僕の方は、今シーズンは、槍穂高縦走にこだわった年でした。家へ帰ったら、子供に「なんで勝手にジャンダルム行くの?!」と怒られました。といっても、さすがにこのコースは自分も初体験で子供は連れてはいけません。でも、次回の目標はできました。ジャンダルムでのヤッホーです。まだまだ、経験は浅いですが、さらにいろいろな山に登ってみたいと思います。
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