寺ノ沢 左俣
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- GPS
- 10:56
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 710m
- 下り
- 718m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(am6:50時点で予定していた寺ノ沢駐車場は満車) |
コース状況/ 危険箇所等 |
参考遡行図: 「丹沢の谷 200 ルート」 P.278-279 (2級) ・水量: 平水 ・ヌメリ: 水流際などはヌメるが、乾いたところを歩く/登ることが多いので気にすることがほぼなかった ・岩の脆さ: 脆い箇所が多く、登るそばから崩れていくので、参考遡行図や過去の登攀記録などもあまり当てにならない ・ヒル: 一匹も見なかった。念の為、足に忌避剤もつけていた ・ミツマタ: 満開終わりぐらいだった 2023年の沢初めとしてパートナーと選んだ沢。20m大滝の登攀が主目的。 足慣らしも兼ねているので全体として距離や高度は短いが、冬の間の登攀力向上を鑑みて登攀系の沢をチョイス。水量の少なさから「冬でも登れる沢」として紹介されることが多いのも理由の一つ。 朝の駐車場以外で他のパーティや登山者に会うことはなかった。ただ、朝6:50時点で予定していた寺ノ沢駐車場は満車で、停めた東沢駐車場も残り数台しか停められない状況で、ハイカーや釣り人たちは多かったよう。 沢全体としては、登攀できない滝、堰堤、さらに倒木が多く、それらの巻きがとても多い。巻き道については15m滝以外はほぼ不明瞭/整備されておらず、地形的に大高巻きになる事も多く危険であり、沢に戻るために懸垂下降が必要になるところも多い。参考遡行図で2級がつけられている理由はこの辺りになりそう。 また、丹沢の特徴でもあるが、岩がとても脆いため、小滝などで危険を感じることが多かった。過去の記録で登られているラインもおそらく崩壊のため見つけられないことが多々あった。なお、20m大滝については岩がしっかりしており、ハーケンを打ちながら気持ち良く登れる。 車道から入渓までは数分、踏み跡もはっきりしており迷うことはなく、とても容易。最初に見える堰堤の上が入渓ポイントとなる。そこからいくつか堰堤を巻いていくとすぐにCo.430mの二俣。今回は左俣へ。ここから滝や大きな堰堤などが出てくるので、本格的な沢登りとなる。 以下は、苦労したところなどを下流から順に。 ■15m滝 Co.430mの二俣から堰堤を1つ超えるとすぐに見えてくる形の良い大きな直瀑。登攀は出来そうにない。バイルを取り出し、滝下から左岸の窪の泥斜面を登り、尾根に取りついてさらに登った。50mほど登ると横切るトラロープが見えるのでそこまで登り、トラロープ伝いに巻くと簡単に滝にある堰堤のさらに上に戻れる(最後は階段のような整備もされている)。1時間弱かかった。ちなみにこのトラロープへは二俣まで戻ると比較的楽な巻き道があったよう。 ■4m小滝(…と参考遡行図にはあるが5m強あると思う) 左岸にある取水塔を通過するとすぐに出てくる、くの字状5×8m滝の流芯を登った先にある小滝。参考遡行図では「左壁掘∪箸ぁ廚箸△襪里任修舛蕕ら取り付いてみたが、逆相かつ脆くてボロボロ岩がとれ、リスキーだったのでやめ。右壁から取り付いたが、こちらはホールドに乏しく、かつ途中の1mぐらいの大きな岩フレークが脆くて取れかけていたりととても難しいムーブが求められた。フリーで登ったあと、上から巻き道の検討などもしたが、巻きも危なそうだったので、ハーケンで支点を取り上からダイレクトビレイでフォローを確保して登ってもらった。 ■3段8×12m滝 Co.570mでの二俣(1:10)を右に行くとある滝。滝…なのだが、倒木で完全に渓相が崩壊しており、そのため渓内も登れそうになかった。そのため、左沢の小滝を1段を登り、そこから少しトラバースして高巻きとなった。懸垂下降にて上流から沢に復帰した。 ■20m大滝 参考遡行図や、様々な記録通り、気持ちよく水流左を登れる滝だった。岩もしっかりしている。グレード感は検1段目が17mほど。2段目が3mほど。1段目と2段目のテラスは広い。使った装備は、30mロープ、ハーケン3つ(BD=ナイフブレード#1、バガブー#3、アングル#2)、カム1つ(キャメロットZ4#0.75)。テラスからは左の土壁を登り2段目滝上へ。滝上左岸にある大きな木を支点にして後続へダイレクトビレイを行った。トータルで1時間強。 ■2段10m滝 連爆帯の最後、Co.740mで出てくる登攀はキビしそうな滝。「右ルンゼからリッジを巻く」と参考遡行図にはあるが、右ルンゼはかなりの急登で土も固く難しく感じたため、そのルンゼを構成する大きな岩ごと30mほど高巻きした。上流から懸垂下降にて登攀予定の隣の沢床に復帰(そこへの二俣が滝上にあり、そこもまとめて巻いたため)。 ■逆Y字状10m滝 とても綺麗な形をしている滝だが、まったく登れそうになかった。右岸から小さめに巻こうと試みたが、傾斜が強いこともあり、途中でメンバーが高所恐怖症になっため、巻き及び遡行はここまでにすることにして、懸垂下降にて少し降りてから、左の尾根筋から登山道を目指して詰めを開始した。 ■詰め 高所恐怖症のこともありコンティニュアスビレイにてロープ確保しつつ斜面を登った。予定していた詰めの尾根には乗れたが、時間もだいぶ遅くなっていたので、権現山山頂に向かう予定を中止し、そこから楽そうな斜面を選んでトラバースし、最短での登山道合流を目指した。狙う尾根は割とずっと見えているので気楽ではあった。 何度もある高巻き、懸垂下降、小滝での確保、大滝登攀…と盛りだくさんだったため、計画していたタイムを大きくオーバーしてしまったが、下山の足は早いメンバーだったため、ちょうど日没の時間ぐらいに登山道から車道に出ることができた。 戻ってくると、朝満車だった寺ノ沢駐車場にはもう車は1台もなく、停めていた南沢駐車場も我々の車を含めて2台しかいなかった。 |
その他周辺情報 | ラストコンビニ: ファミリーマート 山北町店 下山後温泉: 山北町営 さくらの湯 |
写真
装備
MYアイテム |
![]() 重量:1.31kg
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個人装備 |
グローブ
雨具
着替え
昼ご飯
行動食
非常食
ハイドレーション(水道水2L)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
スマホ(GPS)
時計
タオル
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
スリング
セルフビレイランヤード
参考遡行図
地形図
ハンマー/バイル
熊鈴
特小無線機
タワシ
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共同装備 |
ロープ(8mm30m=登攀用/8mm20m=懸垂下降+延長用)
クイックドロー(5本)
カム(#.3/#.4/#.5/#.75)
ハーケン(クロモリブレード2/アングル2/軟鉄1)
アッセンダー(タイブロック/シャント)
レスキューセット(プーリー2/マイクロトラクション)
ナイフ
ツェルト
ヒル忌避剤(ジョニー&塩)
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感想
2023年の沢初め!今年も頑張っていきましょう!ということで一発目は西丹沢のこちらへ。初めての西丹沢エリアでの沢登り。どなたの記録を見ても「巻きだらけ、堰堤だらけ、詰めしんどい、見どころない」と散々な渋い感じだったが、冬の間は外岩ボルダーやリード等をやる人間なので、登攀要素の強い沢として選んだ沢。20m大滝の登攀だけを楽しみに。
20m大滝については予想に違わず、リードをさせてもらいかなり楽しめた。下部、中間、上部、ときれいに3パートに分かれて核心があるように感じた。特にフリクションで登る中部はラバーソールでないとかなり厳しそう。
が、そこ以外については、なにか眺望がある訳でもなく、本当に辛い沢…逆に中級者が沢トレとして行く分にはとても良いかもしれない。落ち葉や踏み跡の様子から、あまり最近登られている様子もなかったので、自分のルーファイ力も磨かれそう。残置のハーケンや支点なども下部の小滝で1本見かけただけだった。
ただ、残念ながら、おそらく岩の脆さからどんどん滝のホールドがなくなっていて、その結果難しい高巻きが増えているのでは、と感じた。体感の難易度としては、2級上ぐらいでも良いと思った。初級者は中級者のリードがあってもかなり厳しくなるかもしれない。
沢の中であまり他のパーティに会うのが好きではないので、その点ではとても楽しい時間だった。沢の中にもミツマタの群生地が多く、匂いと共に綺麗な花景色が楽しめた。
と、まぁ、日帰りの沢で必要な技術の総合デパートが試されたといった感じで、沢初めの足慣らし、トレーニングとしては良かったかなと思うし、このパーティとしてはベストパフォーマンスだったかなと思います。
今年も沢やっていくぞー!おつかれさまでした!
2023年沢はじめ。
パートナーが20m滝を登りたいとのことで行ってきた西丹沢寺ノ沢左俣。
まず感想は、「沢はじめに地獄のような場所に来てしまった……」でした。
いや、去年沢デビューした&高所恐怖症持ちの自分にはハードル高すぎた。
このひどい遡行時間を見てもらえればわかると思いますが、巻きと詰めに時間かけすぎてしまいましたね。
傾斜がキツい(+足場が悪い、崩れやすい)ところが多くて高所恐怖症が発動して足引っ張ったのが大部分。根気よく付き合ってくれたパートナーに感謝。
沢はハッキリ言うと渓相は良くなく、全体的に地味です。倒木・流木が多い。沢筋を歩くよりも河原・岩場を歩いて進む箇所が多いし登れる滝は数個あるもののどれもだいたい流木がひっかかっている。
まあ、ほぼ濡れないのでこの時期に来られるのですが。
今年は暖かくなるのが早かったのでヒルの心配をしていましたが昨日の時点では1匹も出会わなかったので良かったです。
倒木流木に加えて岩が脆くて、滝や詰めの最中至る所で触るとボロボロ崩れていきました。「え!?このサイズが剥がれるの!?」っていう感じの大きな岩がたくさんグラグラ動きます。恐怖です。
浅めの滝壺には「最近落ちたのかな?」と思うような角の尖った岩が何個も落ちていたので、どんどん表情が変わって行く沢なんでしょうね。
メインの20m滝は綺麗なスラブで迫力がありました!
パートナーにリードで登ってもらって、後続でノーテンで行けたものの「ロープは張り気味で!」と涙目でお願い。20m滝は自分の技量では核心が3ヶ所。
・苔が多い真ん中あたりのハイステップ
・岩がたくさんカクカクしている真ん中越えて上部らへんの足が微妙に無いところ
・1段目の滝の落口に乗り込む時に少し大股気味に足を出さないといけなかったこと
そしてハーケン回収が緊張感ありました。良いスリルが味わえる滝でした。満足度高いです。個人的には滝グレードⅣは初めてだったので登れて嬉しい!!!いやーしかし怖かった。
散々足引っ張って下山はとっぷり日も暮れてしまいましたが、ラストの登山道がとても歩きやすい整備された道なのと満開のミツマタに癒されました。お腹いっぱいな一日でした。
パートナーには登山計画表作成、登山届け、車の運転、リードもろもろ……全部やってもらった!!本当にいつもありがとう!!!
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