【船形連峰】残雪の北泉ヶ岳〜泉ヶ岳縦走(水神コース〜北泉コース〜かもしかコース)
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- GPS
- 06:13
- 距離
- 11.1km
- 登り
- 939m
- 下り
- 935m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口からしばらくは雪がありませんが、途中から雪が出てきます。チェーンスパイクや軽アイゼンは必携かと思います。三叉路から北泉ヶ岳までは踏み抜き多数あり。三叉路から泉ヶ岳への鞍部は広くなっており、踏み跡を見失いがちなので注意。泉ヶ岳の南面も日当たりがよく踏み抜きが多くなっています。上部は傾斜の急な岩の道なので、くれぐれも足元注意です |
その他周辺情報 | 駐車場から県道を挟んで反対側にあるキャンプ場 泉ピークベースにて立ち寄り入浴(800円)。湯上がりには生ビール(600円)もいただきました。バスの時間を間違えて2時間待ちするハメになったので助かりました |
写真
感想
前日の磐梯山登山(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5294456.html) に続き、東北遠征2日目は宮城県仙台市にある日本300名山の一座、泉ヶ岳に登りました。早朝に仙台駅近くのビジネスホテルを出発。地下鉄南北線で泉中央駅へ。そこから市営バスに乗車し、終点の泉岳自然ふれあい館バス停で下車。泉ヶ岳のみではちょっと物足りなさそうだったので、北泉ヶ岳とセットでの周回登山としました。正直あまり期待していなかったのですが、二つのピークを繋いだことで登り応えがあり、想像以上に変化に富んだ残雪期の雪山歩きが楽しめました。
【水神コース〜北泉コース】
バス停からしばらくは舗装路歩きになります。カモシカコースや滑降コースの登山口を右に見送りながら沢沿いの道を進んでいくと、やがて水神コースの登山口へ。ここは北泉ヶ岳を目指す北泉コースや、さらにその先にある船形山への登山口でもあります。雪解けで泥っぽくなっている道を進んでいくと、途中から完全な雪道に変わります。しばらくはツボ足で進んでいましたが、泉ヶ岳との分岐がある水神でチェーンスパイクを装着し、北泉ヶ岳へ至る北泉コースに進路を取ります。すぐに徒渉点があり、徐々に傾斜がきつくなっていくなか、右手の谷間越しに泉ヶ岳を眺めつつ、あまり展望のない森の中で高度を上げていきます。標高900mと1000m前後の地点の急登がきつかったです。その先で傾斜は幾分緩やかになりますが、息が上がってきたので三叉路分岐で小休止とし、パンを囓って北泉ヶ岳への登りに備えました。
【三叉路〜北泉ヶ岳】
三叉路から先の道はそれほど急ではありませんが、展望のない雑木林の道をゆくため風景がずっと変わらず、体感的にはダラダラとした登りが続く印象です。ようやくたどり着いた山頂は北面から東面の展望に優れています。遠くに見える白い稜線は栗駒山でしょうか? ここで昼食休憩を取ることにして、バーナーを広げてインスタントラーメンを調理して食べました。まだまだ先は長いので、しっかり休息を取っていきました。
【三叉路〜くまざさ平〜泉ヶ岳】
山頂から三叉路分岐に向かって引き返します。登りに較べて降りはあっという間ですが、駆け下りようとすると踏み抜きも増えるので、スノーホールが隠れていることの多い大きな木などからは少し距離を取りつつ下ります。三叉路まで戻ると、今度は泉ヶ岳に向かって一度斜面を下っていきます。二つのピークの間は広々とした最低鞍部になっていて、踏み跡が薄くなっているところもあります。ところどころにある赤テープを頼りに泉ヶ岳に向かって進んでいくと、やがて道は緩やかな上り坂に変わっていきます。こちらもそれほどきつくはなかったのですが、ダラダラと長い登りが続くなという印象でした。それでも時折ふり返れば、先程登って来た北泉ヶ岳の山容を視界に捉えることができます。さらに高度を上げれば、北泉ヶ岳の稜線の向こうに雄大な船形連峰がその全容を現します。南西方面には二口山塊や蔵王連峰の姿を認めることもできます。やがて平坦地に出るのでしばらく歩き続けると、泉ヶ岳の山頂に到着です。こちらは南東方面の展望に優れ、この日は仙台平野を一望の下にすることができました。
【かもしかコース〜岡沼〜兎平】
下山にはかもしかコースを選択しました。展望に優れるという滑降コースと迷いましたが、展望がいい=日当たりがいい=踏み抜きも多いという連想が働いたためです。最初のうちは積雪が多く雪面を駆け下りていくことさえできましたが、すぐに雪が薄くなり、九十九折りのトラバースの道に変わります。斜面への雪の残り方が嫌らしく、滑落に注意が必要です。雪の下はゴロゴロとした岩の道なので、踏み抜きに寄る ねんざなどの危険性もあります。立ち木に掴まったり、トレッキングポールを駆使したりしつつ下っていくと、やがて登山道の雪は消えてなくなりました。この後も雪は出たり消えたりしますが、チェーンスパイクは外していくことにします。やがて傾斜が緩やかになると、湖沼のある開けた場所に飛び出します。ここが岡沼で、雪解けの今の時期や大雨の直後だけに出現する沼地だそうです。岡沼の先で一度森の中の登り返しがありますが、そこを通過してしまえば後は登山口まで下り一辺倒です。雪の残る兎平と呼ばれる草原地帯を抜けると、泉ヶ岳スキー場のゲレンデトップに飛び出します。
【泉ヶ岳スキー場〜IZUMI PEAK BASE(泉ピークベース)】
既に営業を終了したスキー場には雪はまったくなく、急傾斜の道をスピードが出すぎないようにジグザグに下っていきます。ゲレンデもまた展望がよく、仙台市街をハッキリと遠望できました。白亜の仙台観音さえ見えたように思います。やがて14時半過ぎに登山口に到着。あとは装備を片づけて、バスに乗って帰ればメデタシメデタシなのですが、ここで重大なミスをやらかしてしまいました。バスの乗り場と発車時刻を間違えて15:10のバスに乗り損ねてしまったのです。次のバスは約2時間後の17:05 ……これはタクシーでも呼ぶより仕方ないかと思いましたが、落ち着いてスマホで路線検索をかけると、次のバスでも今夜の宿である白石駅前のホテルには問題なくチェックインできそうだということが分かりました。さらにバス停のある駐車場から県道を挟んだ反対側に、温泉マークの着いた施設の看板があることに気がつきました。(これは日帰り入浴施設があるのでは?)とそちらに向かって歩き出すと、果たしてそこにはキャンプ場(泉ピークベース)に併設された温泉施設がありました。手持ちの山と高原地図には記載がありませんでしたが、それもそのはず、昨年の夏に開業したばかりの施設のようでした。受付を訪ねてみると日帰り利用も歓迎しているようで800円で入浴ができるとのこと。迷わず料金を払い、登山の汗を流していきました。さらに売店では600円で生ビールまで販売していたので、湯上がりにそちらも堪能していきました。こうしてゆっくりと休憩し、無事に17:05のバスに乗車し、帰路に着くことができたのでした。
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