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Yamareco

記録ID: 5327084
全員に公開
ハイキング
栗駒・早池峰

だから、沢は絶対に下るなとあれほど、、、 大森

2023年04月02日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
05:58
距離
7.4km
登り
551m
下り
554m
歩くペース
ゆっくり
1.31.4
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:58
休憩
0:01
合計
5:59
距離 7.4km 登り 554m 下り 554m
5:59
137
スタート地点
8:16
8:17
221
11:58
ゴール地点
天候 晴れ
気温: スタート2℃ -> 山頂7℃ -> 下山15℃
過去天気図(気象庁) 2023年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
その他周辺情報 電波状況:docomo 99% / au 100% / softbank 95%
https://chizroid.info/denpa/ex/map?tid=frx0uXkZ1r
思ったより良好な数字。
以前日記に書いた「大森」。古いリストは目指すのをやめたので登らなくても良い山だったんだけど、なんとなく、、。
2022年12月04日 14:05撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
12/4 14:05
以前日記に書いた「大森」。古いリストは目指すのをやめたので登らなくても良い山だったんだけど、なんとなく、、。
先人たちが挑んだ「沢」は通過し、
2023年04月02日 05:54撮影 by  NIKON D7500, NIKON CORPORATION
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4/2 5:54
先人たちが挑んだ「沢」は通過し、
林道奥の東ルートから登山開始します。自然の家が建ててくれたバイオトイレが完備されてた。
2023年04月02日 06:12撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
6
4/2 6:12
林道奥の東ルートから登山開始します。自然の家が建ててくれたバイオトイレが完備されてた。
しばらくはまだ歩きやすかった元作業道を進むけど、
2023年04月02日 06:16撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
1
4/2 6:16
しばらくはまだ歩きやすかった元作業道を進むけど、
徐々に厳しくなってきた。
2023年04月02日 06:24撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 6:24
徐々に厳しくなってきた。
さらに道が尾根から離れていきそうだったので、この辺りで意を決して斜面に取り付く。
2023年04月02日 06:30撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
1
4/2 6:30
さらに道が尾根から離れていきそうだったので、この辺りで意を決して斜面に取り付く。
しばらく歩きにくい道なき道をグイグイ登ると
2023年04月02日 06:34撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
1
4/2 6:34
しばらく歩きにくい道なき道をグイグイ登ると
ようやく枝尾根に乗った。
2023年04月02日 06:38撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 6:38
ようやく枝尾根に乗った。
やはり自然林のほうが遥かに歩きやすい。人工はダメだな。
2023年04月02日 06:41撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 6:41
やはり自然林のほうが遥かに歩きやすい。人工はダメだな。
386ピーク。
2023年04月02日 06:42撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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386ピーク。
あれがゴールの山頂かな。
2023年04月02日 06:43撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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あれがゴールの山頂かな。
癒されます。
2023年04月02日 06:45撮影 by  NIKON 1 S2, NIKON CORPORATION
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癒されます。
一面です。
2023年04月02日 06:45撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 6:45
一面です。
このあたりはしばらく歩きやすかったな。
2023年04月02日 06:58撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 6:58
このあたりはしばらく歩きやすかったな。
が、標高500m付近から笹薮になり、
2023年04月02日 07:03撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 7:03
が、標高500m付近から笹薮になり、
ぬぉ〜〜
2023年04月02日 07:11撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 7:11
ぬぉ〜〜
P509.34の三角点。小さめの四等標石。
2023年04月02日 07:12撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 7:12
P509.34の三角点。小さめの四等標石。
この笹の大海原は山頂まで続いた。
2023年04月02日 07:17撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 7:17
この笹の大海原は山頂まで続いた。
おー、人類の痕跡。
2023年04月02日 07:22撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 7:22
おー、人類の痕跡。
今日も藪漕ぎ用にヘルメット&ゴーグル装備です。帽子だと枝で脱げるというのが最大の理由だけど。
2023年04月02日 07:29撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 7:29
今日も藪漕ぎ用にヘルメット&ゴーグル装備です。帽子だと枝で脱げるというのが最大の理由だけど。
T字分岐。標識も何もない。
2023年04月02日 07:48撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 7:48
T字分岐。標識も何もない。
もうちょいかな。
2023年04月02日 07:49撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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もうちょいかな。
最後は少し急登。
2023年04月02日 07:55撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 7:55
最後は少し急登。
杉林の中に元登山道かと思われるような跡も。
2023年04月02日 07:58撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 7:58
杉林の中に元登山道かと思われるような跡も。
稜線に乗ればほどなく、
2023年04月02日 08:07撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 8:07
稜線に乗ればほどなく、
登頂。
2023年04月02日 08:09撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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登頂。
正直ヤブはそれほどでもなかったと思う。季節的にも恵まれたかな。
2023年04月02日 08:10撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 8:10
正直ヤブはそれほどでもなかったと思う。季節的にも恵まれたかな。
山頂の少し先に見晴らしが良い場所があったと家に帰ってから本で知った。残念。
2023年04月02日 08:18撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 8:18
山頂の少し先に見晴らしが良い場所があったと家に帰ってから本で知った。残念。
花山湖かすかに。
2023年04月02日 08:18撮影 by  NIKON 1 S2, NIKON CORPORATION
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花山湖かすかに。
下山します。
2023年04月02日 08:25撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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下山します。
2023年04月02日 08:33撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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順調なので周回コースで帰ることにしました。
2023年04月02日 08:35撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 8:35
順調なので周回コースで帰ることにしました。
今年初のカタクリさんは残念ながらお目覚め前。
2023年04月02日 09:01撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 9:01
今年初のカタクリさんは残念ながらお目覚め前。
2023年04月02日 09:05撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 9:05
少し小枝がうるさいところも多かったけど、
2023年04月02日 09:17撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 9:17
少し小枝がうるさいところも多かったけど、
全般的にこっちの沢ルートのほうが歩きやすかったかな。
2023年04月02日 09:28撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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全般的にこっちの沢ルートのほうが歩きやすかったかな。
小ピークを越える度に進路確認は必須。藪の下山は尾根間違いが一番怖い。
2023年04月02日 09:43撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 9:43
小ピークを越える度に進路確認は必須。藪の下山は尾根間違いが一番怖い。
さて、ここで一計を案じる。このままルート通りに行くと最後に急坂があるので、地形図でより安全に降りられそうなところを探すと、、、
2023年04月02日 09:43撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 9:43
さて、ここで一計を案じる。このままルート通りに行くと最後に急坂があるので、地形図でより安全に降りられそうなところを探すと、、、
あった。沢だけど地図を見る限り危険そうな箇所は無い。よし、こっちで降りようっと。
2023年04月02日 09:46撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 9:46
あった。沢だけど地図を見る限り危険そうな箇所は無い。よし、こっちで降りようっと。
と、ここで一気に歯車が狂いだす。思ったよりはるかに急斜面をグイグイ下る。スパイク無いと危険なほどで、途中で装着した。
2023年04月02日 10:01撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 10:01
と、ここで一気に歯車が狂いだす。思ったよりはるかに急斜面をグイグイ下る。スパイク無いと危険なほどで、途中で装着した。
よし、沢まで降りたぞ。予定通り斜度は緩い。後はこの沢を下って行けば無事ゴールのはず。
2023年04月02日 10:01撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 10:01
よし、沢まで降りたぞ。予定通り斜度は緩い。後はこの沢を下って行けば無事ゴールのはず。
あれ、沢の先が見えないな。そんなはずはないんだけどな。そんなはずは、、、
2023年04月02日 10:06撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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あれ、沢の先が見えないな。そんなはずはないんだけどな。そんなはずは、、、
、、、
2023年04月02日 10:15撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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、、、
死ぬ思いで降りた後。
2023年04月02日 10:26撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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死ぬ思いで降りた後。
さらにその先も崖。
2023年04月02日 10:27撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 10:27
さらにその先も崖。
谷底まで降りきった。またその先も滝。
2023年04月02日 11:42撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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4/2 11:42
谷底まで降りきった。またその先も滝。
進退窮まるとは、まさにこのことか、、。
2023年04月02日 11:43撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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進退窮まるとは、まさにこのことか、、。
1時間ほどの体力回復で、かろうじて対岸の崖を登り始める。
2023年04月02日 11:43撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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1時間ほどの体力回復で、かろうじて対岸の崖を登り始める。
下流はさらに大きい滝だった。
2023年04月02日 11:45撮影 by  NIKON 1 S2, NIKON CORPORATION
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下流はさらに大きい滝だった。
朝の作業道に無事合流。
2023年04月02日 11:46撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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朝の作業道に無事合流。
かろうじて生還。
2023年04月02日 11:56撮影 by  NIKON 1 J5, NIKON CORPORATION
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かろうじて生還。

感想

もちろん知らない知識ではなかった。かつて後輩たちに沢を下る危険性について自慢げに語ったこともあった。なのに今、自分の目の前で起きているこの状況は、危険性として語られるまさに「そのまんま」、、、

大森。宮城県北西部、栗駒山の前衛峰としてそびえるこの山は、かつて近くの国立花山青少年自然の家によって道が拓かれ主に中学生を中心に登られていたようだが、その後荒廃が進み、今ではすっかりヤブ山と化している。宮城県の分県登山ガイドでも2004年版で一度紹介されただけでその後の改訂版ですぐに選外となった。(その辺りの詳しいいきさつは以前日記に書きましたのでよかったらどうぞ。https://www.yamareco.com/modules/diary/184667-detail-286445)

先人たちのレコもわずか数件という状況だったけど、基本的には皆さん「沢③ルート」で登られる場合が多いようだった。けど先日入手した2004年版の分県ガイドではそれとは違う東側のルートのピストンが紹介されていたので、自分はそちらから登り、ピストンもしくは場合によっては沢③ルートへの周回下山と考えていた。ちなみに中学生たちは沢③ルートから登り、東ルートを下山するという周回を取られていたらしい。

まずは登山口より元作業道を進む。多少ヤブ化しているけどまだ歩きやすい。道が稜線から離れていきそうだったのでそこで進路を変え、稜線へと少し急な登りをヤブ漕ぎする。ツタが絡まり非常に歩き辛い。人類が切り拓いた土地がヤブ化した区間が一番厄介だ。徐々に枝尾根に乗ると樹林帯となり、ようやく歩きやすくなった。

386のピークからはしばらく登山道に近いくらいの快適な稜線だったけど、標高500mを越えたあたりから一面の笹薮となり、それが山頂まで続いた。基本は腰下程度なのでそこまで歩き辛くは無いが、微妙な負荷で足へのダメージは徐々に蓄積されていく。

最後の急登を登れば、無事山頂。正直ここまではそれほど難しいとも思わなかったし、体力的にも余裕はあったので下山は周回方向に進路を取ることにした。皆さん登られてた「沢③ルート」も見てみたかったというのもある。雪解け直後のためか道も引き続き歩きやすく、順調に下山を進めた。

ただこのルート、最後に難所が待っている。最後の最後にかなりの斜度の急坂があり、過去レコでも皆さんそこでかなり苦労をされていた。地形図でもかなり等高線が密集していたので、回避できるものなら回避したい。というわけで「もう少し安全に降りれるルートは無いかな」と少し手前で地形図とにらめっこし、等高線が緩そうなところを探すと、あった、この沢に降りて沢沿いを歩いて行けばすんなり降りられそうだぞ、しかも車を停めた地点近くにそのまま降りられる、地図で見る限り危険箇所はなさそうだ、大丈夫、道に迷ったときに沢を降りてはダメとは言うが、今は別に迷ってるわけではない、しっかり安全を確認した上で進むので大丈夫なはずだ、大丈夫、、、。

と、ここで運命の進路変更、沢へ降りていく決断をしました。沢までも地形図で見ると一見緩そうに見えたけど実際には想像をはるかに超えた急斜面で、えーここ降りるの、というくらいだったが、途中でチェーンスパイクを装備して何とか下り切る。沢に着いたら緩斜面で「良かった、これであとは安全に帰れるぞ」と安心して歩を進めていたところ、突然、沢の先が見えなくなった。いや、そんなことはない、地形図で確認したはず、そんなことは、、、

見事に断崖絶壁の上に出た。沢はその先で滝となっていたのだ。高さは5mくらい。小さい滝なので地形図には現れないんだろうけど、それでも人間が安全に降りられる高さではない。後で思えば引き返しも考慮すべきだったが、その時は全く思いつかなかった。

地形を眺め、何とかギリギリ降りられそうなところを探す。足元はチェーンスパイクなので多少の踏ん張りは効くが、もしズルッと行けばアウトなことは間違いない。必死に岩や草にしがみつきながら、10分くらいかけて死に物狂いで崖を降りた。ヘルメットを装着してたのがせめてもの救いだったかもしれない。

しかし安心したのも束の間、その先もまた3mほどの滝。そこも多少苦労しながら降りると大きい沢に合流して谷底へと降り立った。

それと同時に足が限界を超えた。いつもの足攣りだ。こうなると急激な登下降は絶対に無理。塩と芍薬甘草湯を服用してもしばらくは収まらず、30分くらい激痛に悶えながら体を休めると徐々に痙攣も収まってきた。ただ、塩の適量がいつも分からない。どのくらいが適量なんだろう。今回も少し摂り過ぎて若干アナフィラキシー的な症状が出た気もする。

さらに携帯を見ると電波は入っていた。これで最悪の事態は回避できることは保証された。安心感ハンパない。しっかりと休養を取ることにした。天候、気温が良かったのも不幸中の幸い。同じことが積雪期や雨の中で起こったらこうはいかなかっただろう。

さらに30分後、だいぶ足も回復したようで少し負荷をかけるくらいではピキッと行かなくなったので、ついに対岸の崖登りを開始する。崖登りの途中で再び足攣ったらシャレにならない。途中で振り返ると沢の先はさらに大きい滝になっていた。「沢を下ろう」と思ってしまった自分の愚かさが情けない。

崖の上まで登って、朝歩いた作業道に合流すると、何とかそこから無事下山となった。

反省点:ピッケルを持とう、、、違うか。

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コメント

大ベテランでもこのような苦境に陥るのだと、いろいろ本当に勉強になりました。特に、危機に陥ってゆくときの楽観思考の恐ろしさは身につまされました。心します。
2023/4/5 4:13
matubokeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。またお恥ずかしいレコで恐縮ですが。
家に帰って改めて考えるととても信じられないような考えを山では普通に起こすんですね。何でだろ。こんなこと言うのもアレですが、知識とか経験とか啓蒙活動だけではどーにもならない領域もあるような気がしてしまいます。明らかに怪しいことを正しいと信じ込んで実行してしまうその心理は、もしかしたら詐欺に合ってるときに近いのかもしれません。「登山心理学」のようなものが必要なのかも。まずは自分も心理学の本を図書館で借りて読もうと思います。
2023/4/5 8:02
なんとなんと!同じ日に、同じ藪山に、大先輩のへろぞーさんが、私たちの2時間前に同じ登りルートで歩かれていたとは、驚きです!駐車場に止めてあった車は、へろぞーさんたちのものだったのですね。

しかも場所や状況は違えど、下山の終盤でお互いに苦労していたとは、なんとも感慨深いです。
(もちろん「下山尾根を間違える」という私たちのような初歩的なミスはへろぞーさんならしないとは思います。)
それでも、私たちが当たり前に普段から「山行時の鉄則」として叩き込まれていることが、自然を前にすると脆くも崩れてしまうことの怖さは、自分の山行でも、へろぞーさんの記録をみても感じました。25000分の1の地図の1本の等高線の間に、様々なトラップが隠されているのだと改めて地図読みの難しさも実感しました。それと、自分にとって都合のよい情報のみを取捨選択して、「大丈夫であろう」と判断してしまう「正常化バイアス」も、危険が近づくほどしてしまうものですね。これは経験で克服できるのか、それとも性格に由来するのか、何とも難しい問題だと改めて思いました。

ちなみに、私も沢3の先人さんルートを把握しており、あの序盤(または最終盤)の急登は、忌避したいと考えていたので、仮に、へろぞーさんと同じルートを辿って下山した場合は、地図のみでルート選定していたことから、同じ行動をして、進退窮まった可能性が高いです。先人の皆さんが沢3から急登を強引に登っているのは、周囲の尾根からのアプローチが難しいことの証なのかもしれません。その辺りの見極めも、経験の乏しい私には難しいと思いました。
2023/4/5 10:41
何と!てくてくてくさん、こちらもビックリ。こんなマイナーな山でこんなことってあるんですねー。仰る通り、1台の山形ナンバーは自分のでした。隣の車は釣師の方だったようです。

そうなんですよね、なぜ「鉄則」が守れないのか。当たり前のことが出来なくなってしまうのか。これはもう「気を付ける」などの精神論では済まされず、もう少し科学的なアプローチが必要な気がしてきてます。以前テレビで「人は疲れるとYesと言いやすくなるので、、結婚を申し込むならフルマラソン完走直後が良い」などと冗談交じりに言ってましたが、疲れると冷静な思考が出来なくなるのは同じですね、きっと。

もしこの「正常化バイアス」に対する効果的な解決策を見出すことが出来れば、世の中の振り込め詐欺被害防止にも役立つ気がするので、何とか見出したい気もしますね。はー、また勉強か。終わりがない。
2023/4/5 18:03
思ったんだけど、ヤマレコの「3Dマップ」は意外と使えるかもですね。さすがに小さい滝までは見えなかったけど、今回通った沢に降りるまでの激下り区間や、沢を下った先にある落ち込みは確認できました。地形図よりも直感的に分かるし、山行中にも使えそうなので、そういうのがあるということだけでも知っとくと良いかもしれない。
2023/4/6 4:00
へろぞーさん、再度のコメント失礼します。

そうですね。自分のルートを3Dなどの立体画像でイメージして山行にのぞむと、今回のような登山道のない山の場合は、自分の行くルートがイメージできて有用ですね。

ちなみに、私の場合は、今回計画を立てるにあたって、「スーパー地形」というアプリを使用し、立体図面と25000分の1の地図を重ね合わせた図面を予め印刷し、それも25000分の地図と一緒と一緒に持参しました。それでも、さすがに尾根への取り付き部分のCG画像は曖昧ですね。

ただ、立体的なイメージをもって進むことは、進む尾根の選択等にもだいぶ威力を発揮するのではないかと思います。登山道のない稜線歩きをする場合はかなりオススメな方法だと思います。
2023/4/6 11:24
こんちは!自分は仕事で 3D CAD も触るんですが、会社で使ってる3Dマウス (3Dconnexion等) でGoogle Earth も操作できる!と知って、家でも購入し夜な夜なそれでいろんな山を 3D でグリグリさせて悦に入ってます (笑)。もちろん今回の大森もそれで何度も山のイメージを頭に叩き込んでからの挑戦でした。普通のマウスでもいいんだけどね、やっぱ3Dマウスだとグリグリ感がたまんないすね。

「スーパー地形」は名前は聞いたことがありますね。面白そうなので今度一度触ってみようと思います。また有用な情報があればいつでもお願いしますね!
2023/4/6 20:28
プロフィール画像
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