立山周辺、剱岳大脱走ルンゼ
- GPS
- 21:24
- 距離
- 28.1km
- 登り
- 3,569m
- 下り
- 3,669m
コースタイム
- 山行
- 3:02
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 4:18
- 山行
- 10:00
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 11:30
2日目はすべて反映されています。
天候 | 1日目快晴。2日目快晴午後よりやや風あり。3日目晴れやや雲あり。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス | 立山側より入山。 |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
感想
GW後に立山に行く話が出てから、3日あるならどうにかして剱に行けないかと考えた。体力も滑走力も抜群なこのパートナーとならいけると思った。
旅行支援を利用する関係もあり立山側から入山。夏山しか来たことがなかったのでとりあえずみんなが勧めてくれた山崎カールへ。一の越から上は完全に夏道が出ていた。登山者でにぎわう雄山山頂から少し降りて、広がる斜面を見下ろしながらいつものお手製サンドイッチをいただく。今日もおいしい。このハイク距離でこの斜面。テーマパークだ。上部は少し硬かったが、中間から下は地形も出ていて楽しいザラメだった。雷鳥荘にチェックインして少し昼寝し、17時頃からサンセットランに出かける。浄土山の途中まで行き、夕日をバックにすてきな動画を撮ることができた。
翌日、4時頃に雷鳥荘を出てテント場に滑り込む。すでに明るくなりつつあり日の長さを感じる。クトーを付け剱御前小舎へやや急な登りをこなす。さすがにこの時期だと朝方でもそこまでカチカチではない。乗り上げると剱岳が拝めた。この近さで見るのは9年ぶりか。大脱走はうーん…下部にクラックが見えるような気もする。緩んでたらさぞ楽しいだろう剱沢を滑り、平蔵谷入り口へ。平蔵谷にはすでに真ん中あたりにいる2名のスノーボーダーが見えた。朝食の代わりにもらった弁当を食べ、私もシートラにして谷の中へ。右岩壁の迫力がすごい。インディアンクーロワール入り口付近で妙な音がするので見上げると、壁から水飛沫が飛び散って多数の石が落ちてきた。カツンとつぼにいのピッケルにあたる。左に避けるよう言ったが、もっと声を張り上げてよかった。緊張感が増す。大脱走ルンゼはやはり出口付近にクラックが見えた。
クーロワール内に入ると斜度が増してくる。つぼにいはピッケル2本、私はウィペット2本で這いつくばって高度を上げていく。ピッケル持つのが2回目の人を連れてくる場所ではなかったし、彼のボードブーツは底が剥がれかけてテープでぐるぐるの状態だったが、着実に登っていた。源次郎尾根に乗り上げれは少し斜度が落ちるかと期待したが、むしろ斜度は増し、急な雪壁が続いた。山頂下100mくらいのところで先行のボーダー2名が後ろ向き横滑りで降りてくるのが見えた。重そうなスラフが落ちてくるので彼らがすぎるのを岩陰で待つ。あれを滑るのか、と思うとだいぶ弱気になった。なんとかして長次郎に抜けられるならそっちでいいや、と思った。先行者のステップは彼ら自身の滑り跡で消えた。雪は緩んではいたものの、幅広で柔らかくしかも壊れかけのブーツはスキーより登りにくそうで、必死に蹴り込んで足場を固めた。頼むから早く着いてくれと思った頃、山頂に乗り上げた。
長次郎方面も覗いたが壁の下がよく見えず降りるのは難しそうだった。来た道を滑るしかない。滑りはつぼにいが先行してくれた。出だしはノール気味で岩が出て狭い部分もあり、横滑りでこなした。高度を落としていくにつれ緊張感がほぐれる。ルンゼ手前の斜面は良いザラメでターンを楽しむ余裕が生まれた。インディアンクーロワールに戻るつもりだったが、分岐からは入れなさそうで結局大脱走ルンゼに入った。ルンゼ内は私が先行したが、下部のクラックはそこまで大きくなく簡単に越えられた。石だらけの平蔵谷を経て剱沢へ。安堵と同時に腹痛が来た。
へろへろになりながら、再び剱御前小舎。もっと遅くなることも想定していたが、日はまだ高く雷鳥沢は広大でおいしそうなザラメが続いている。剱にお別れをして滑り込む。素晴らしいご褒美だった。
登り返し、雷鳥荘へ到着。ビールで祝杯をあげた。
3日目はのんびり起きて、雪付きの良い国見岳へ。室堂ターミナル内を通過して雪の大谷あたりから取りつこうとしたら回り込むよう言われ、もどる。山頂へはあっという間だった。国見岳は白馬乗鞍を少し小さくしたような形で、横広で気持ちのいい山だった。
下について少しトラバースしてみくりが池などを取り巻く沢を1本滑り、登り返して帰ることにした。平日だが室堂はアジア系のツアーで溢れかえっていた。帰りにクーポンを使って、おすすめしてもらった魚津の小政寿司へ。たらふく食べて帰宅した。
剱岳はもっと強くなりたいと思わせてくれる素晴らしい山だった。今回ロープを持参していたが、結局使わなかった。出していたらもっと時間がかかったかもしれないが、出したほうがよかったかもしれないと思う場面はいくつかあった。その辺の判断と確保の仕方が今後の課題。パートナーの強さに助けられた。シーズン締めくくりに充実の3日間を過ごせて、大満足。来シーズンも良いシーズンになりますように。
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