36.薬師岳 「降れば土砂降り」
- GPS
- 32:00
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 1,178m
- 下り
- 1,734m
コースタイム
8月17日(五日目):太郎平小屋−五光岩ベンチ−三角点−折立
天候 | 四日目:曇りのち雨 五日目:曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年08月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
○登山道は全体的に整備されているかと思います。 ○折立8時発のバスに間に合うためには、4時に太郎平小屋(テント場)を出発しなければならないです。三角点に着くまでには空が明るくなるので、太郎坂の降り坂は安心です。 ○こんな長期縦走は滅多にないことだと思います。その機会を与えてくれた会社にも感謝ですし、まがいなりにもトレーニングを積んだ僕の肉体にも感謝と素直に思えた今回の縦走でした。まとまった休みがあればまたやりたいよね。 |
写真
感想
第36座 降れば土砂降り
黒岳からの続き・・・・
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-55902.html
8月16日、この日は不覚にも寝過ごしてしまい、出発したのが6時だった。最初は平坦な木道が続き、これが延々と続くので、いつになったら登りが始まるのかと思った。靴ずれの痛みもあったが、取りあえず9時5分に太郎平小屋に着いた。この登りを登り切ったことを踏まえ、大丈夫と判断した僕は、予定通り薬師岳に登ることにした。空は晴天で、小屋周辺には登山者の姿が少なく、数人の小屋のスタッフがベランダの上で車座になって、つかの間の休息を楽しんでいる様子だった。僕は食べられる時に食べておこうと、昼食のラーメンを作って食べ、アタックザックに必要最低限の装備を詰め込んで、ザックをベンチに立てかけておいて、薬師岳に向かって出発した。
靴ずれの痛みはあるものの、登山自体には支障はなかった。沢に沿って登っていくと、岩がゴロゴロした登山道を登っていくうちに、薬師平という平坦なところに着いた。ここは草原が広がっており、ベンチもあったので、僕はここで休憩した。ベンチのすぐ横には2〜3メートルの高さの大きなケルンがあって、このケルンが愛知大学山岳部遭難の弔うためのケルンであった。太郎坂の入口に慰霊の塔が建っていることは、すでに触れたが、ここにも大きなケルンが積まれているということは、事故当時は相当ショッキングな遭難事故だったのだなぁ〜と感じずにはいられなかった。
薬師平を過ぎて、しばらく登ると稜線に出た。稜線を登っていくと、薬師平小屋に着いた。スタッフは休んでいるのか姿がなく、山小屋の主人らしき初老の男性が倉庫の壁を茶色いペンキで塗っている最中だった。ここからあと一時間で山頂だ。休憩も早めに切り上げ再び僕は登り始めた。ここまで来ると樹木はハイマツがわずかに生えているのみで、白い岩と砂礫の登山道の先に何か建物らしき物体があった。あれが山頂だと思って、登って近くまで来て見ると、それは三角形の形をした岩と岩の間にコンクリートで固められたケルンであった。すぐ近くに道標があったので読んでみると、山頂まであと30分ということだった。
気を取り直して、山頂を目指して北へ向かった。前方に祠らしき建物が見えた。間違いない。あれが山頂だと思って歩き出した。13時に山頂に到着。山頂には誰もいなかったし、周囲は雲に隠れて何も見えなかったので、記念撮影をして、甘納豆とドライフルーツを食べて、早々に山頂を後にした。薬師岳小屋の手前でぽつぽつと雨が降り始めた。ウソ〜、朝晴れていたのに! と思い、急いで薬師岳小屋でレインウェアのズボンとスパッツは既に着ていたので、ザックからジャケットを着て、ザックカバーをザックにかぶせ、再び下山を始めた。心配なのが太郎平小屋にデポしたザックのことであった。天気がいいからとザックカバーをかぶせずにデポしたのだ。降りれば降りるほど雨はひどくなり、土砂降りの中、太郎平小屋を目指して急いで下山した。
15時10分に太郎平小屋に着いたが、デポした場所に僕のザックがなかった。盗まれたのか? と思ったが、小屋の軒下を見ると確かに僕のザックはあった。通りがかりの登山者か、小屋のスタッフか分からないが、気を利かしてザックを軒下に置いてくれたらしい。ほっとした僕はレインウェアを脱いで、宿泊の手続きをした。丁度この時は団体の中高年のパーティーが到着したばかりで、玄関は混雑していた。スタッフに寝る場所を教えてもらってから、乾燥室からハンガー二本を確保して、一本はレインウェアやザックカバーを、もう一本はアンダーシャツとトレッキングタイツを洗濯ばさみで固定して乾燥室の奥のほうに吊るしておいた。あとはパッキングをし直したり、汗をボディシートで拭いたりした。
それらのことを全て終わってから、はじめてビールが飲めるのである。黒部五郎岳、黒岳、薬師岳と無事に登ることが出来たお祝いに、一杯千円もする生ビールを飲んだ。このビールを飲みながら、無事に登ることが出来てホッと一息だった。昨年の斜里岳で倍以上の時間をかけて登山した時のことを考えると、確実に体力が進歩したと思った。ただ、テント泊縦走を考えたらまだまだ体力不足だと思う。メタボな体型は相変わらずだし、この自信に浮かれてはいけないなと思う。
8月17日、3時50分に太郎平小屋を出発した。この時間で出発しないと8時出発の折立から有峰口駅へいくバスに間に合わないからなのだ。三角点まで二時間はかかるが、そこまで着くのに明るくなればという計算で、頭にヘットライトを点灯して下山した。太郎平小屋から三角点まではよく整備されているので、暗くても石畳を踏みしめて歩けば迷いようがなかった。三角点に着いた時には明るくなっていたので、ここからは急がずに降りていけば良かった。こうして僕は6時10分に折立に着いた。水場で頭を洗い、着替えやパッキングをし直して、8時出発のバスに乗り込んだ。このバスには数人しか乗っておらず、ゆとりを持って乗ることが出来た。バスが走っている間、熟睡したのはいうまでもないことであった。
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