記録ID: 562782
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積雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖
南ア深南部縦走 奈良代山~黒沢山~中の尾根山~鶏冠山~池口岳
2014年11月22日(土) ~
2014年11月24日(月)
長野県
静岡県
体力度
6
1~2泊以上が適当
- GPS
- 21:25
- 距離
- 30.1km
- 登り
- 1,811m
- 下り
- 2,987m
コースタイム
1日目
- 山行
- 6:16
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 6:49
距離 7.2km
登り 696m
下り 256m
2日目
- 山行
- 5:58
- 休憩
- 2:54
- 合計
- 8:52
距離 7.7km
登り 919m
下り 563m
天候 | 晴れときどきガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
遠山郷(かぐらの湯)〜飯田 バス700円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●奈良代山〜シャウズ(栃生)山 奈良代林道終点近くに「シャウズ山」の標識あり。ここから踏跡は薄いが、赤テープがシャウズ山まである。藪は殆どなく、ハイキングコースレベル。シャウズ山直下のみ少し笹薮帯。しかし藪漕ぎはない。シャウズ山はテント泊可能。 ●シャウズ山〜黒沢山 1810m標高点辺りまでは稜線の北側を巻くように赤テープと踏跡がついている。ここまでは最近除草剤を巻いているようで、将来的には黒沢山まで除草剤が巻かれる模様か? 除草剤散布帯を過ぎると腰の高さ辺りまでの笹藪漕ぎが多くなってくるとともに、踏跡・テープも少なくなってくる。稜線が東向きから北向きに折れていく辺り(黒沢山直下)からかなりの急登で、更に笹藪漕ぎも非常にキツく笹を掴みながらの強引な登りになる。標高2050m辺りから黒沢山(2123m)までは傾斜も藪も緩めとなってくる。黒沢山まではテント泊できるような箇所はないが、黒沢山はテント泊可能(笹の上に張る)。 ●黒沢山〜黒山(2095m)〜2066m標高点 黒沢山からしばらくは痩せ尾根で笹薮もそこまで酷くはない(黒沢山までの急登の方が酷い)が、2062mピークを過ぎた辺りで黒山(2095m)の領域に入ってくると、本コース最大の笹薮ゾーンが待っている。基本的に頭の上まで硬い笹薮が繁っていると思ったほうがいい。先は全く見通せず、抵抗力も半端じゃない。できるだけショートカットして北向きの稜線に転換したい。黒山山頂は通らない方が無難。稜線が北向きに変わってからもコルまでは概ね同様の笹薮も繁り具合である。テントなどまともに張れるところはないが、ビバークできそうな笹薮も薄い箇所は何箇所かあった。黒山付近は赤テープほぼゼロ(つけても意味ない)。 ●2066m標高点〜2214mピーク〜中の尾根山 2066m標高点からの笹薮の登りが続くが、黒山付近に比べると圧倒的に楽。それでも膝〜腰くらいの笹はあるが。赤テープも時折見られる。鹿道も利用しやすい。 2214mピークからは中の尾根山への直登コースと合流し、赤テープが増えてくるが、しっかりした踏跡はないと思ったほうがよく、膝〜腰程度の笹薮漕ぎを強いられる。 中の尾根山は非常に広く、藪もない山頂で、テント泊には適している。山頂標識も量産されている。 ●中の尾根山〜ドーム(2251m)〜三又山 中の尾根山からの下りは色々な方向にテープがつけられていて分かりにくいような気もするが、方角をちゃんと確認した上でテープを終えば、中の尾根山とドームのコルまで導かれる。この間結構な急坂であるが、笹薮は膝下程度で漕ぐ必要はない。 コルは両側崖で、ドームまでの登りは西側が切れ落ちている岩稜帯の登りなので注意が必要だが、手がかりは多く、笹薮も薄いので容易。しかし、同行者は気を抜いていてコルの積雪で転倒していた。幸い落ちずには済んだが・・。 ドームからの下りは急な痩せ尾根だが、やはり手がかりが多く、危険を感じるところはなかった。三又山までは再び小笹の登り。三又山には一張程度ならテントを張れる(気がする)。 ●三又山〜鶏冠山南峰(2249m)〜鶏冠山北峰(2204m) 鶏冠山南峰の手前のピーク(2181m)まで全体的に膝下の笹歩きで非常に快適。こういうのを待っていたという感じでしょう。鶏冠山南峰手前の岩峰は東側へ巻きながら登るが、東側へ軽く巻いた辺りまでしか踏跡はなく、そこから上へは自己判断で登る。ただし、そのまま東の巻きを突き進むと急な沢にぶち当たるので手前で登る判断はできるはず。この間テントを張ろうと思えば張れる箇所は多い。 鶏冠山南峰の下りは雪がついていると非常に危険で、状況によってはここで撤退した方がよいでしょう。一部ロープもかけられていますが、そこよりも危険な箇所があります。具体的には手がかりが殆どない岩稜の急な下りに雪が薄くついている感じ。我々はここのみアイゼンを装着して、木の生えているところを繋いで通過しました。 鶏冠山北峰の登りは小笹で普通。 ●鶏冠山北峰〜小笹平〜池口岳南峰 小笹平までの下りは県境を忠実に下る(真北に下る)と笹が薄くてよい。最初北東向きに進みそうになるが、行ってもあまりいいことはないだろう。 小笹平は本当に小笹で、抵抗力はあまりない。この辺り樹林が殆どなく非常に展望がよい。池口岳の登りに差し掛かると樹林帯に入り、池口岳南峰直下は非常に急な登りを強いられる。具体的には木を掴んで無理やり登る感じ。 池口岳の水場入口は積雪のためか、上手く確認できず、僕だけは危険を犯して適当に水場に向かい、これを利用した。水場付近の沢を登り下りしてみたが、殆どが氷瀑化していて水は非常に汲みにくかった。池口岳南峰はテントが張れそう。 ●池口岳南峰〜池口岳北峰 先行者のトレースがあった。鶏冠山北峰〜池口岳南峰に関しても目印は少なめだったが、池口岳南峰〜北峰は目印も踏跡も濃く、迷うことはない。ただし、痩せ尾根ではあるので注意はしておこう。池口岳北峰も3張程度可能。 ●池口岳北峰〜ザラナギ平〜黒薙〜池口岳登山口〜かぐらの湯 標高1800m辺りまで積雪があり滑りやすかったが、踏跡明瞭、目印もたくさんあり、サクサクと下れた。ザラナギ平(ザラ薙の手前の平坦地帯)はテント泊適地で水場もあるようだ。因みに池口岳から登山口まではもはや小笹すらない。池口岳登山口〜かぐらの湯は全て車道を行ったが、1時間半程度だった。大島バス停まででよいなら1時間程度。 |
写真
感想
11/22-24は憧れの南アルプス深南部の西稜(黒沢山〜中ノ尾根山〜鶏冠山〜池口岳)を2泊3日で出来る限り縦走してきました。
前半の深い笹薮漕ぎには痺れましたが、縦走中は深南部らしい針葉樹林の森、立ち枯れ、笹原の楽園を存分に楽しめ、深南部の醍醐味をたっぷりと堪能することができました。
こういったところに来ると心が本当に安らぐ。僕の起源はここにあるような気がする。そんな山行でした。
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Evergreenさん、はじめまして
僕が興味ある山域で素晴らしい山行を重ねられている方なので僕は何度もEvergreenさんの記録を拝見していますので初めましてな感じはしませんが...(笑)
二泊三日で深南部の西稜のコアな部分を踏破なされましたね!
僕もここは部分的に歩いた箇所もありますので非常に興味深く拝見させてもらうと共に今後の為にも参考にさせて頂きたいとおもいます。
ただ一つだけ疑問がありまして、それが解けるまで10分くらい掛かりました
それは....僕は12月5日に中ノ尾根山を目指しましたが、雪が深く途中で敗退という結果になってしまいましたが、この記録の日付を見ると12月28日でつい最近の記録だと思っていましたので「あれ?あれから寒波が何度も来ていたけど深南部に雪が無い...急速に解けたのか?」などと真剣に考えましたが感想欄で謎が解けました
今後もEvergreenさんの記録は参考にさせて頂きたいと思います
kaikaireiさん
はじめまして。僕もkaikaireiさんの記録はたびたび拝見させていただいております。いいペースの日帰り記録が多いのでw
深南部はこれから精力的に取り組んでいき、主稜線と無間地獄、兵越峠〜中の尾根山〜合地山〜寸又峡くらいは近いうちに歩いてしまう予定です。
日付に関しては申し訳ありませんw 書いた日から7日間表示にしてくれるとありがたいんですけどね。中の尾根山大変でしたね。まさか一週間かそこらであんな状況になってしまうとは・・。
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