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Yamareco

記録ID: 5789857
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
富士・御坂

富士山(御殿場ルート)/下りは宝永山・双子山経由

2023年08月03日(木) ~ 2023年08月04日(金)
 - 拍手
abena その他1人
体力度
6
1~2泊以上が適当
GPS
17:27
距離
23.4km
登り
2,507m
下り
2,496m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
6:13
休憩
0:36
合計
6:49
2日目
山行
8:17
休憩
1:26
合計
9:43
3:00
3:02
67
4:09
4:09
46
4:55
4:56
6
5:02
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11
5:13
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3
5:16
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37
5:53
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5
6:02
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10
6:12
6:13
5
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9
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8
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3
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5
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5
6:58
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5
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32
7:37
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11
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20
9:45
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7
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9:53
25
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9
10:28
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5
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11:01
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19
11:21
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11:40
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11
11:52
11:52
30
12:22
12:22
7
12:29
12:32
3
12:35
ゴール地点
天候 はれ〜雷雨〜はれ 時々くもり
過去天気図(気象庁) 2023年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
富士山頂に向かって、広々とした斜面を延々と登る。
アリ地獄と言われる砂の斜面は苦行。一歩進んでも半分はずれて戻ってしまう。
その他周辺情報 ■服装について
1日目
登山開始時は化繊の半袖Tシャツにアームカバー、首に日よけ兼汗拭きの手拭い。下はいつもの山パンツ。
中腹から薄手のウィンドブレーカーを追加し、状況に合わせて脱ぎ着しながら7合9勺まで。
2日目
未明の登山は化繊の長袖Tシャツに薄手のフリース、薄手のウィンドブレーカー、首には手拭い。下は山パンツの下にひざ丈タイツを着用し、山頂まで。
日の出を待つ間はレインコートを追加するが、もう少し暖かくしてもよかった。
■持ち物について
上りの砂地はストックがあるとよい。
予約できる山小屋
御殿場口新六合目・半蔵坊
御殿場口七合四勺・わらじ館
ここから登り始めます。
ドキドキとワクワクが入り混じった、不思議な気持ち。
2023年08月03日 08:27撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 8:27
ここから登り始めます。
ドキドキとワクワクが入り混じった、不思議な気持ち。
出発前のトレイルステーションで。
富士山の形になるハンドタオルをいただきました。詳しくは、山頂で(笑)
2023年08月03日 08:31撮影 by  iPhone 13, Apple
8/3 8:31
出発前のトレイルステーションで。
富士山の形になるハンドタオルをいただきました。詳しくは、山頂で(笑)
鳥居前で。スタッフの方からアリ地獄という言葉を聞いてうっすらと不安も覚えつつ、写真ではまだ余裕の笑顔。
2023年08月03日 08:37撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 8:37
鳥居前で。スタッフの方からアリ地獄という言葉を聞いてうっすらと不安も覚えつつ、写真ではまだ余裕の笑顔。
このコース、初めから全貌が見えているのだが、うーん、果てしなく遠い。
あの頂上に、本当にたどり着けるんだろうか...
2023年08月03日 08:43撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 8:43
このコース、初めから全貌が見えているのだが、うーん、果てしなく遠い。
あの頂上に、本当にたどり着けるんだろうか...
すでに森林限界を超えるエリアで、見かける植物はほぼイタドリとオンタデ。広大な斜面に、パッチワーク状にまとまってたくさんの花を咲かせています。
2023年08月03日 08:50撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
8/3 8:50
すでに森林限界を超えるエリアで、見かける植物はほぼイタドリとオンタデ。広大な斜面に、パッチワーク状にまとまってたくさんの花を咲かせています。
所々に見かける、これはオニノゲシか?
そっと触っただけで、葉先の鋭いトゲが指に突き刺さる。イッター(泣)
2023年08月03日 09:31撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 9:31
所々に見かける、これはオニノゲシか?
そっと触っただけで、葉先の鋭いトゲが指に突き刺さる。イッター(泣)
2,000メートル地点を通過。先はまだまだ長い。
2023年08月03日 10:12撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
8/3 10:12
2,000メートル地点を通過。先はまだまだ長い。
次郎坊を過ぎたところからのアリ地獄。
急斜面の砂浜を歩いて行く感じで、一向に前に進めない。この辺りでは花も見えず、荒涼とした空気の中、ひたすらこの苦行に耐える。
2023年08月03日 11:12撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 11:12
次郎坊を過ぎたところからのアリ地獄。
急斜面の砂浜を歩いて行く感じで、一向に前に進めない。この辺りでは花も見えず、荒涼とした空気の中、ひたすらこの苦行に耐える。
コースに交差しながら走るキャタピラ式の運搬車。私たちがお世話になる山小屋の物資も、こうやって運ばれているのだろうか。
2023年08月03日 12:25撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 12:25
コースに交差しながら走るキャタピラ式の運搬車。私たちがお世話になる山小屋の物資も、こうやって運ばれているのだろうか。
わー。小屋が!
でもここは半蔵坊。まだ新六合目の序盤。
2023年08月03日 12:37撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 12:37
わー。小屋が!
でもここは半蔵坊。まだ新六合目の序盤。
大きな岩がめだってきた。割れ目からは花が。
2023年08月03日 13:41撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 13:41
大きな岩がめだってきた。割れ目からは花が。
雲の晴れ間に双子山(二ツ塚)を見下ろす。登り始めに見上げていた山があんなに小さく見える。景色が変わらないコースだが、こうした変化が励みになる。もうちょっとがんばろう...!
2023年08月03日 14:07撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 14:07
雲の晴れ間に双子山(二ツ塚)を見下ろす。登り始めに見上げていた山があんなに小さく見える。景色が変わらないコースだが、こうした変化が励みになる。もうちょっとがんばろう...!
軽い浮石がごろごろ。斜度は大したことないはずだが、酸欠気味なのと疲労のため、ふらふらだ。
2023年08月03日 14:55撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 14:55
軽い浮石がごろごろ。斜度は大したことないはずだが、酸欠気味なのと疲労のため、ふらふらだ。
ひはー。遂に到着。
2023年08月03日 15:29撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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8/3 15:29
ひはー。遂に到着。
赤岩八合館。次々に到着する登山客に、スタッフがテキパキと親切に対応してくれる。必要なものやことが提供され、ホッとする。
この後、激しい雷雨に見舞われ、後から到着した人たちはずぶ濡れ状態。怖かっただろうと想像する。
2023年08月03日 15:30撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 15:30
赤岩八合館。次々に到着する登山客に、スタッフがテキパキと親切に対応してくれる。必要なものやことが提供され、ホッとする。
この後、激しい雷雨に見舞われ、後から到着した人たちはずぶ濡れ状態。怖かっただろうと想像する。
あらためて双子山を見下ろす。
2023年08月03日 17:31撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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8/3 17:31
あらためて双子山を見下ろす。
雨上がりだが、麓の一部は雲で覆われている。
芦ノ湖ははっきりと見て取れる。
2023年08月03日 17:33撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
8/3 17:33
雨上がりだが、麓の一部は雲で覆われている。
芦ノ湖ははっきりと見て取れる。
具材たっぷりの、赤岩八合館のカレー。
疲れた身体を癒してくれる。
2023年08月03日 17:40撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/3 17:40
具材たっぷりの、赤岩八合館のカレー。
疲れた身体を癒してくれる。
翌朝未明、2時40分頃に出発。
もちろん、辺りは真っ暗。むっちゃ寒い。
空気の薄さを感じ、ゆっくり登るが、足腰の疲労に寝不足もあり、苦しい。
2023年08月04日 03:04撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 3:04
翌朝未明、2時40分頃に出発。
もちろん、辺りは真っ暗。むっちゃ寒い。
空気の薄さを感じ、ゆっくり登るが、足腰の疲労に寝不足もあり、苦しい。
少し白んできた空に、鳥居が...!
遂に、山頂到着!
2023年08月04日 04:08撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 4:08
少し白んできた空に、鳥居が...!
遂に、山頂到着!
芦ノ湖の向こうの東の空に、日の出の気配が。
2023年08月04日 04:25撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 4:25
芦ノ湖の向こうの東の空に、日の出の気配が。
おっ。かなり明るくなってきた。
でもまだもう少し。
2023年08月04日 04:34撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 4:34
おっ。かなり明るくなってきた。
でもまだもう少し。
その隙に、甘いものを補給。
気圧が低く、袋がパンパンに膨らんでいます。
2023年08月04日 04:40撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
8/4 4:40
その隙に、甘いものを補給。
気圧が低く、袋がパンパンに膨らんでいます。
ご来光。
ここまで無事に来させていただき、ありがとうございます。
2023年08月04日 04:47撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
8/4 4:47
ご来光。
ここまで無事に来させていただき、ありがとうございます。
みんな、どんなことを思いながらご来光を拝しているのだろうか。
2023年08月04日 04:55撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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8/4 4:55
みんな、どんなことを思いながらご来光を拝しているのだろうか。
南の空には月が。
赤茶けた土の景色、別世界に来たような気持ちにもなる。
2023年08月04日 05:15撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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8/4 5:15
南の空には月が。
赤茶けた土の景色、別世界に来たような気持ちにもなる。
念願の初登頂。
隊長のお陰で達成できました。
2023年08月04日 05:52撮影 by  iPhone 13, Apple
8/4 5:52
念願の初登頂。
隊長のお陰で達成できました。
登山口のトレイルステーションでいただいたハンドタオルを手に、もう一度パチリ。
嬉しそうな隊長。
2023年08月04日 05:54撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 5:54
登山口のトレイルステーションでいただいたハンドタオルを手に、もう一度パチリ。
嬉しそうな隊長。
西の空、いや麓に、もう一つの富士山が出現。
なんと美しい...
2023年08月04日 06:04撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
8/4 6:04
西の空、いや麓に、もう一つの富士山が出現。
なんと美しい...
でも、むっちゃ眩しかったですね。
2023年08月04日 06:05撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 6:05
でも、むっちゃ眩しかったですね。
お鉢巡り。
2023年08月04日 06:48撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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8/4 6:48
お鉢巡り。
山小屋に戻って、朝食をいただきます。
温かいお味噌汁で幸せな気持ちになります。
出発までのひととき。
2023年08月04日 08:00撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 8:00
山小屋に戻って、朝食をいただきます。
温かいお味噌汁で幸せな気持ちになります。
出発までのひととき。
下りは回り道。宝永山からくるっとまわって、双子山の間を双子の私に通らせてやろうという(多分)隊長のアイデア。
一筋続く、宝永山までの馬の背。
この道は、登っているのか、下っているのか。
2023年08月04日 09:37撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 9:37
下りは回り道。宝永山からくるっとまわって、双子山の間を双子の私に通らせてやろうという(多分)隊長のアイデア。
一筋続く、宝永山までの馬の背。
この道は、登っているのか、下っているのか。
深い砂のコースを滑るように下りた所で、宝永山を振り返る。
反対向きに登って行く人たちは、本当に大変そうだった。
2023年08月04日 10:43撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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8/4 10:43
深い砂のコースを滑るように下りた所で、宝永山を振り返る。
反対向きに登って行く人たちは、本当に大変そうだった。
突如、緑が現れたと思ったら、あっという間にカラマツの林の中に。
歩きにくい下りのコースを、ひたすら下りて行く。ひざまわりがガクガクだ。
2023年08月04日 11:03撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 11:03
突如、緑が現れたと思ったら、あっという間にカラマツの林の中に。
歩きにくい下りのコースを、ひたすら下りて行く。ひざまわりがガクガクだ。
おー。双子山の分岐に到着。
左側が上塚、右が下塚。
2023年08月04日 11:58撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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8/4 11:58
おー。双子山の分岐に到着。
左側が上塚、右が下塚。
上塚と。
2023年08月04日 11:59撮影 by  iPhone 13, Apple
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8/4 11:59
上塚と。
下塚と。
2023年08月04日 11:59撮影 by  iPhone 13, Apple
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8/4 11:59
下塚と。
辛い下りも終盤。大石茶屋が見えてきた。
2023年08月04日 12:20撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 12:20
辛い下りも終盤。大石茶屋が見えてきた。
登り口の鳥居に帰って来ました。
お疲れさまでした!
2023年08月04日 12:29撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
8/4 12:29
登り口の鳥居に帰って来ました。
お疲れさまでした!

感想

元はと言えば、スキーの足腰トレーニングのためになるかと思って始めた山登り。
山登り自体の楽しさを思い出し、3月だったか、せっかくなら人生で一度はと思っていた富士山に登ってみたいと思い、でもほかの山とはかなり違うようなので、指南役が必要ではないかと、隊長に声をかけてみた。
隊長は信州の山での山小屋泊やテント泊も経験があり、どんな準備をしたらよいか、トレーニングは?荷物は?と色々教わって、私にしてはかなり準備をしっかりしたと思う。
それでも、富士山はやっぱりいろんな意味で、何もかもが特別だった。

1日目
朝8時半過ぎに、新御殿場5合目の登山口を出発。
とてもよい天気で、山頂までのコースがよく見える。これが、よいのかよくないのか、とにかく全部、まる見えなのだ。
広く見渡せる砂の斜面に、これから歩くルートが筋になって山頂へ伸びている。
遠っ!遠すぎるやろ。
実際、歩いても歩いても景色が変わらないので、同じ場所でただ足を動かしているだけのように感じる。
しかも、次郎坊から上の砂地の斜面は、まるで砂浜を斜面にしたような所で、一歩踏み出しても半分ぐらいずれ落ちる、アリ地獄であった。
隊長が持って来ていたストックを1本奪い、ずり落ちを軽減しながらどうにかこうにか登って行くが、ここで早くもかなり消耗してしまった。

山頂が見えたのもはじめのうちだけ。厚い雲ともやで辺り一面真っ白な中、歩を進めるが、私も隊長もどんどん無口になっていく。
あー苦しい。そういえば空気も薄いような...。
隊長はやせ我慢していたようだが、私は食べる酸素を補給。すぐ楽になるというわけではないが、きっとじんわり効いてくれるんだろう。

後半は、花も全く咲いていない岩ばかりの荒涼としたエリアを通過したかと思えば、溶岩が流れた形が生々しく残っている所や、巨岩の脇を通って行くような場所もあり、高度に応じて変化が見られた。
天候も目まぐるしく変化して、雷がゴロゴロ言い始めたときは、辺りに背の高いものが何もないので結構怖い思いもした。
カミナリ様、お願い!どうか落ちないで(祈)

いくつかの山小屋を通り過ぎ、足元の土が赤土になってきたところでようやく、お世話になる山小屋、赤岩八合館に到着。
もう、すっかり疲れ切っていたが、スタッフの方々がとても手際よく対応してくださり、とにかくとても安心できた。
汗を拭いて着替えてさっぱりしてから、隊長が持って来ていた焼酎を分けてもらって、ぷはー。
おいしいカレーもいただき、あとはとにかく早く寝て早朝の登山に備えなければ。

でも、前日も寝不足で疲労感も相当あるのになぜか眠れない。
目を閉じて、気持ちを落ち着けて、眠っているのと同じぐらい身体は休まっているはずだから大丈夫、と自分に言い聞かせる。
軽い頭痛もあったが、それもきっと大丈夫...

2日目
私たちの出発時間より早い人たちが次々に出かけて行くのを感じて、完全に目が覚める。
まだ少し頭が痛かったが、恐らく隊長ほどではなかったと思う。食べる酸素を補給し、隊長の酸素缶も借りてスーハーすると、ちょっとスッキリした。

2時半過ぎに出発。
なんでもないコースのはずだが、前日の疲れと寝不足と、まだ暗くて辺りの景色が見えないのとで、バランス感覚が働かない。
それでも月は明るく、見守られているような気持ちになりながら一歩一歩進んで行く。

そして、頭上の山の影が小さくなったな、と思った頃、少し白んだ空に鳥居が現れた。
おー。山頂だ。
麓まで見渡せる斜面に陣取り、重ね着を増やしてしばし待機。

東の方には芦ノ湖、南には伊豆半島が霞んではいるが見て取れる。雄大な景色を眺めながら、実感する。3月に思い立ち、5月には別件で訪れた河口湖から雄大な姿を仰いで心を固め、いくらかトレーニングをして、遂に、ここにいる。
私、なかなかやるなー。
とはいえ、隊長の誘導がなければトレーニングとか準備とかちゃんとできなかったに違いなく、実現できたのは隊長のお陰だ。
そんなこんな考えているうちに、ついに朝日が顔を出す。
ありがたい、ご来光。
おほー。思わずため息が漏れる。

ひとしきり堪能してから、剣ヶ峰を目指す。
まずは、浅間大社奥宮にお参りして、登頂のお礼と下山の安全を祈願。御朱印もいただいた。
その後、記念撮影の順番待ちに加わり、ようやく日本最高峰の剣ヶ峰に到達。
隊長は、トレイルステーションでもらった富士山の形になるハンドタオルを取り出して撮影を要求。満足そうな笑顔で写真に収まった。

お鉢巡りは、この疲れた身体には苦行のようであるが、やはりひと通りは回らねば。
でもそのお陰で、もう一つの富士山も見られたし、山のバッジも入手できた。

すでにクタクタだったが、山小屋に戻って朝食に温かいお味噌汁をいただき、人心地着いた。

下山コースは、宝永山から東周りに下って双子山分岐を通るルート。
宝永山周辺は深い砂地で、上りだったら相当苦労するだろうと思うが、下りだとこんなにもスイスイ行くのか。ずれ落ちるので、1歩踏み出すと1.5倍から2倍ぐらい進む。その上ふかふかの砂で受け止めてくれるので、ひざにも優しい。
景色も雄大だ。宝永火口は、富士山全体からすると存在感は小さく感じられてしまうが、実際にその場に立ってみると、お椀状の窪みは壮大で、写真にも到底収まらない。歩いていてもスケール感が半端なく、爽快だ。

しかし、いつしか足元のふかふかはなくなり、硬い地盤の上に砂利が敷かれたような斜面になる。砂利に何度も足を取られるが、踏ん張りが効かないので変に力が入ってしまう。

さらに下ると背の低い松が現れ、またたく間にカラマツの林に突入した。景色が変わり、久しぶりに鳥の声も聞こえて来たが、急な下りが延々と続き、ひざの休まるときがないのは苦痛この上ない。
今更ながら、富士山はその姿のとおり、ひたすら上り、ひたすら下る山なのだ。

どうにかこうにか双子山分岐に到着し、パノラマ写真に両峰を収める。隊長には、上塚、下塚それぞれシャッターを押してもらった。
私は双子なので、カタワレとは来年か再来年、一緒に来ようと話しているのだが...。今回と同じコースで登りたいかどうかは、自分でもまだわからない。

双子山を過ぎると、また広く見渡せるエリアに戻り、大石茶屋が見える。辛い下りだが、とにかく歩いていれば、確実に距離は縮まっていく。
とにかく耐えて耐えて、登山口のトレイルステーションまで帰って来た。

普段はあまり飲むことのないファンタグレープをがぶ飲み。むちゃくちゃおいしくて身体にしみ渡った。

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コメント

良く頑張りました。💯
2023/8/13 23:35
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