富士山(御殿場ルート)/下りは宝永山・双子山経由
- GPS
- 17:27
- 距離
- 23.4km
- 登り
- 2,507m
- 下り
- 2,496m
コースタイム
- 山行
- 6:13
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 6:49
- 山行
- 8:17
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 9:43
天候 | はれ〜雷雨〜はれ 時々くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
富士山頂に向かって、広々とした斜面を延々と登る。 アリ地獄と言われる砂の斜面は苦行。一歩進んでも半分はずれて戻ってしまう。 |
その他周辺情報 | ■服装について 1日目 登山開始時は化繊の半袖Tシャツにアームカバー、首に日よけ兼汗拭きの手拭い。下はいつもの山パンツ。 中腹から薄手のウィンドブレーカーを追加し、状況に合わせて脱ぎ着しながら7合9勺まで。 2日目 未明の登山は化繊の長袖Tシャツに薄手のフリース、薄手のウィンドブレーカー、首には手拭い。下は山パンツの下にひざ丈タイツを着用し、山頂まで。 日の出を待つ間はレインコートを追加するが、もう少し暖かくしてもよかった。 ■持ち物について 上りの砂地はストックがあるとよい。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
元はと言えば、スキーの足腰トレーニングのためになるかと思って始めた山登り。
山登り自体の楽しさを思い出し、3月だったか、せっかくなら人生で一度はと思っていた富士山に登ってみたいと思い、でもほかの山とはかなり違うようなので、指南役が必要ではないかと、隊長に声をかけてみた。
隊長は信州の山での山小屋泊やテント泊も経験があり、どんな準備をしたらよいか、トレーニングは?荷物は?と色々教わって、私にしてはかなり準備をしっかりしたと思う。
それでも、富士山はやっぱりいろんな意味で、何もかもが特別だった。
1日目
朝8時半過ぎに、新御殿場5合目の登山口を出発。
とてもよい天気で、山頂までのコースがよく見える。これが、よいのかよくないのか、とにかく全部、まる見えなのだ。
広く見渡せる砂の斜面に、これから歩くルートが筋になって山頂へ伸びている。
遠っ!遠すぎるやろ。
実際、歩いても歩いても景色が変わらないので、同じ場所でただ足を動かしているだけのように感じる。
しかも、次郎坊から上の砂地の斜面は、まるで砂浜を斜面にしたような所で、一歩踏み出しても半分ぐらいずれ落ちる、アリ地獄であった。
隊長が持って来ていたストックを1本奪い、ずり落ちを軽減しながらどうにかこうにか登って行くが、ここで早くもかなり消耗してしまった。
山頂が見えたのもはじめのうちだけ。厚い雲ともやで辺り一面真っ白な中、歩を進めるが、私も隊長もどんどん無口になっていく。
あー苦しい。そういえば空気も薄いような...。
隊長はやせ我慢していたようだが、私は食べる酸素を補給。すぐ楽になるというわけではないが、きっとじんわり効いてくれるんだろう。
後半は、花も全く咲いていない岩ばかりの荒涼としたエリアを通過したかと思えば、溶岩が流れた形が生々しく残っている所や、巨岩の脇を通って行くような場所もあり、高度に応じて変化が見られた。
天候も目まぐるしく変化して、雷がゴロゴロ言い始めたときは、辺りに背の高いものが何もないので結構怖い思いもした。
カミナリ様、お願い!どうか落ちないで(祈)
いくつかの山小屋を通り過ぎ、足元の土が赤土になってきたところでようやく、お世話になる山小屋、赤岩八合館に到着。
もう、すっかり疲れ切っていたが、スタッフの方々がとても手際よく対応してくださり、とにかくとても安心できた。
汗を拭いて着替えてさっぱりしてから、隊長が持って来ていた焼酎を分けてもらって、ぷはー。
おいしいカレーもいただき、あとはとにかく早く寝て早朝の登山に備えなければ。
でも、前日も寝不足で疲労感も相当あるのになぜか眠れない。
目を閉じて、気持ちを落ち着けて、眠っているのと同じぐらい身体は休まっているはずだから大丈夫、と自分に言い聞かせる。
軽い頭痛もあったが、それもきっと大丈夫...
2日目
私たちの出発時間より早い人たちが次々に出かけて行くのを感じて、完全に目が覚める。
まだ少し頭が痛かったが、恐らく隊長ほどではなかったと思う。食べる酸素を補給し、隊長の酸素缶も借りてスーハーすると、ちょっとスッキリした。
2時半過ぎに出発。
なんでもないコースのはずだが、前日の疲れと寝不足と、まだ暗くて辺りの景色が見えないのとで、バランス感覚が働かない。
それでも月は明るく、見守られているような気持ちになりながら一歩一歩進んで行く。
そして、頭上の山の影が小さくなったな、と思った頃、少し白んだ空に鳥居が現れた。
おー。山頂だ。
麓まで見渡せる斜面に陣取り、重ね着を増やしてしばし待機。
東の方には芦ノ湖、南には伊豆半島が霞んではいるが見て取れる。雄大な景色を眺めながら、実感する。3月に思い立ち、5月には別件で訪れた河口湖から雄大な姿を仰いで心を固め、いくらかトレーニングをして、遂に、ここにいる。
私、なかなかやるなー。
とはいえ、隊長の誘導がなければトレーニングとか準備とかちゃんとできなかったに違いなく、実現できたのは隊長のお陰だ。
そんなこんな考えているうちに、ついに朝日が顔を出す。
ありがたい、ご来光。
おほー。思わずため息が漏れる。
ひとしきり堪能してから、剣ヶ峰を目指す。
まずは、浅間大社奥宮にお参りして、登頂のお礼と下山の安全を祈願。御朱印もいただいた。
その後、記念撮影の順番待ちに加わり、ようやく日本最高峰の剣ヶ峰に到達。
隊長は、トレイルステーションでもらった富士山の形になるハンドタオルを取り出して撮影を要求。満足そうな笑顔で写真に収まった。
お鉢巡りは、この疲れた身体には苦行のようであるが、やはりひと通りは回らねば。
でもそのお陰で、もう一つの富士山も見られたし、山のバッジも入手できた。
すでにクタクタだったが、山小屋に戻って朝食に温かいお味噌汁をいただき、人心地着いた。
下山コースは、宝永山から東周りに下って双子山分岐を通るルート。
宝永山周辺は深い砂地で、上りだったら相当苦労するだろうと思うが、下りだとこんなにもスイスイ行くのか。ずれ落ちるので、1歩踏み出すと1.5倍から2倍ぐらい進む。その上ふかふかの砂で受け止めてくれるので、ひざにも優しい。
景色も雄大だ。宝永火口は、富士山全体からすると存在感は小さく感じられてしまうが、実際にその場に立ってみると、お椀状の窪みは壮大で、写真にも到底収まらない。歩いていてもスケール感が半端なく、爽快だ。
しかし、いつしか足元のふかふかはなくなり、硬い地盤の上に砂利が敷かれたような斜面になる。砂利に何度も足を取られるが、踏ん張りが効かないので変に力が入ってしまう。
さらに下ると背の低い松が現れ、またたく間にカラマツの林に突入した。景色が変わり、久しぶりに鳥の声も聞こえて来たが、急な下りが延々と続き、ひざの休まるときがないのは苦痛この上ない。
今更ながら、富士山はその姿のとおり、ひたすら上り、ひたすら下る山なのだ。
どうにかこうにか双子山分岐に到着し、パノラマ写真に両峰を収める。隊長には、上塚、下塚それぞれシャッターを押してもらった。
私は双子なので、カタワレとは来年か再来年、一緒に来ようと話しているのだが...。今回と同じコースで登りたいかどうかは、自分でもまだわからない。
双子山を過ぎると、また広く見渡せるエリアに戻り、大石茶屋が見える。辛い下りだが、とにかく歩いていれば、確実に距離は縮まっていく。
とにかく耐えて耐えて、登山口のトレイルステーションまで帰って来た。
普段はあまり飲むことのないファンタグレープをがぶ飲み。むちゃくちゃおいしくて身体にしみ渡った。
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