聖岳〜光岳(芝沢ゲート周回)
- GPS
- 23:49
- 距離
- 48.7km
- 登り
- 4,498m
- 下り
- 4,503m
コースタイム
- 山行
- 8:50
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 10:11
- 山行
- 11:56
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 13:30
天候 | ・8/10 雨のち晴れ ・8/11 晴れ ・台風の影響で、初日は風が強かった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・国道152号線より、上村小学校脇から林道に入り、下栗の里を経由して芝沢ゲートへ。約20km、1時間。 ・途中、通行止めが多く、迂回させられるが、南アルプス方面の立て看板が出ているので、それに従うと良い。 ・道幅が狭く、すれ違い困難。ダート道もあり、落石も多い。 ⚫︎駐車場 ・芝沢ゲートに約25台。 ・仮設WC・登山ポストあり。 ・初日は平日でかなり空きがあったが、下山日は山の日で路肩に車が溢れていた。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
⚫︎芝沢ゲート〜易老渡 ・芝沢ゲート寄りの林道で、崩落箇所あり。 ・両側にテープと車両が停まっているので目印に。 ・高巻き迂回路が整備されており、降り口は2箇所ある。 ⚫︎ 易老度〜聖光小屋〜西沢渡 ・土砂押し出しと落石の多い林道。 ・かつら沢橋は崩壊しており、仮設の木板と梯子で渡る。 ⚫︎西沢渡 ・荷重150kgまでの手動ロープウェイで対岸に渡る。 ・この日は水量がそこそこあり、飛び石での渡渉は厳しそうだった。 ⚫︎西沢渡〜聖岳 ・急登が続く。 ・滑落防止用にロープの張ってある所が数箇所。 ・小聖岳から山頂直下までは、ガレの縁の痩せた尾根や、ガレ・ザレた斜面をジグザグに歩く。 ⚫︎聖岳〜光岳 ・各ピークまでのアップダウンを繰り返す縦走路。 ・特筆すべき危険箇所はないが、部分的にガレ場や痩せた岩尾根がある。 ⚫︎易老岳〜易老渡 ・急坂。 ・痩せ尾根、倒木、根っこ、ザレなど足を取られやすい。 |
その他周辺情報 | ⚫︎聖光小屋 ・キャンプ場併設 ・水洗WCあり ⚫︎聖平小屋 ・14:00までランチ営業 ・水場2ヶ所あり ・WCはテント場の奥 ⚫︎茶臼小屋 ・寄らなかったので不明 ⚫︎光岳小屋 ・ランチはなく、売店営業 ・水場が遠く、小屋から往復20分。 ・途中の静高平は水が出ていたが、枯れていることも多い模様。 |
写真
感想
⚫︎行程
以前より計画していた南アルプス深南部の聖光テント泊縦走。
歩行距離は、約49km。
累積標高は、約4,500m。
公共交通機関ではアクセスが難しい上に、アプローチも長い。
この周回は3日間で行程組む方が多いと思いますが、台風6号・7号の合間に出来た貴重な好天期間、かつこの時期には珍しく雷のリスクがほぼなかったので、2日間で歩き切る計画としました。
いつも通り、37Lのザックはいっぱいに。
軽量化しないとなんですが、譲れないもの、リスクヘッジ等、諸々あって、なかなかこれ以上削れないのが課題です。
⚫︎Day 1
登山前日の21時頃、芝沢ゲート入り。
国道152号から迂回路に誘導されます。
道が狭く、運転に気を遣いました。
駐車場は2割弱。
のちに増えていきました。
車で仮眠するも、蒸し暑かったので1時間置きに目が覚める。
日付が変わる頃に少し気温が下がり、寝やすくなった。
初日は3時起床、4時ヘッデンで林道をスタート。
夜半に降った雨は上がってました。
ゲートから15分ほど?で崩落箇所があり、進行方向右手斜面の高巻きを迂回する。
西沢渡では、3名の先行者が例の手動式ロープウェイに取り掛かってらっしゃいました。
渡渉するには水量がやや多く、私自身も引っ張って戴きました。
余計な仕事を増やしてしまった上に、写真まで撮って戴きありがとうございました。
西沢渡から本格的な登り開始。
聖岳まで標高差2,000m弱の急登が続き、一気に汗が噴き出ますが、ルートが西沢・東沢に挟まれた尾根筋で、両沢からのひんやりした風が強かったため、樹林帯にしては心地良かった。
順調に高度を稼ぎ、薊畑で一部荷物をデポ。
上河内岳・茶臼岳方面は、稜線にガスがかかっていた。
目指す聖岳方面も、雲の流れは早くすぐガスるが、登っていくうちに雲が減り、姿を表した。
小聖岳までは、明瞭な尾根筋。
森林限界を越えると、一気に視界が広がった。
山容の大きさと岩ゴツゴツの猛々しさに圧倒される。
小聖岳から前聖岳までは、ガレた痩せ尾根と急斜面。
遠目にはルートが見えなかっが、明瞭な九十九折りのトレースが付いている。
何人かとすれ違ったが、前聖岳・奥聖岳にいる間は終始貸切だった。
到着した時は、残念ながら鈍色だったが、程なくガスが取れ、360°の南アルプス大パノラマに感動。
特に、正面の赤石岳の山壊の深さと、雲の上から時折頭を出す富士山が印象的だった。
奥聖岳までピストンし、あとは聖平小屋まで下るだけ。
ペースもそこそこで、時間的には、少し余裕があった。
明日の長い行程を考えると、茶臼小屋まで行くことも考えたが、雷雨はなさそうなものの、到着が遅くなるので、聖予定通り平でテントを張った。
⚫︎Day 2
雲一つない快晴。
午前中はガスも上がって来ない予想。
何とか光岳まで保ってほしいので、4:30にスタート。
聖平小屋から南岳までの登りが朝から堪えるが、登山道は明瞭で、ザレた斜面を除けば登りやすい。
稜線に乗ると、正面に富士山が見えた。
先は長いので、美しい台形のシルエットを横目に、上河内岳を目指す。
途中で雷鳥の親子?に遭遇。
上河内岳分岐から縦走路を外れ、山頂までは15分ほど。
山頂から聖岳の裾野がより深く見えるので、時間ロスにはなるが是非登って欲しいです。
ここからは稜線を長めに下って、茶臼岳、希望峰、易老岳、光岳へと、大小のアップダウンをそれぞれ登り返す。
途中の仁田岳・イザルガ岳にも寄っておく。
2日目は森林限界より上にいる時間が長く、眺望は文句なしのルートですが、この区間の変化に富んだ景観が素晴らしかった。
幾つものピークを繋いで光岳へ伸びる稜線の曲線美、所々露出している奇岩群、朝日を浴びて輝くダケカンバ帯斜面の深緑、樹林帯に刺し込む光と影のコントラスト、枯れ沢のゴーロと苔の雰囲気、森林限界を抜けて青空へ突き上げる開放的な登山道、静高平の水音と苔の瑞々しさ、草原を突っ切る木道などなど、数え出したらキリがなく、一つの山域でこれだけたくさんの表情が詰まっていることに感動しました。
素晴らしい稜線歩きだった分、光岳山頂、光石の印象は少し薄れてしまいましたが、易老度から上がって来られる方にとっては、樹林帯の急登を抜けて一気に表情が変わるので、光岳単体でも楽しめると思います。
特に、イザルガ岳の360°のパノラマと、光岳山頂から光石までは、片道10分ずつくらいなので、ぜひ足を伸ばしてみてください。
光岳小屋は、ランチ営業されてませんでしたが、非常に感じのいい小屋で、山頂・光石往復時のザックデポも快諾でした。
前日に聖岳から来られた方々も、続々と到着されて、何名かの方々とお話し、泊まれない代わりにバッジとカップ麺を戴き、少し休んで下山開始。
ここから三吉平まで伸びる下りと、易老岳までの登り返しが長く感じた。
エネルギー補給が上手くいかず、ペースも落としてしまい、易老岳に戻ってきたのはPM3:00前。
陽のあるうちに下山出来そう。
まずは易老度まで、急坂を無心で下る。
所々痩せ尾根や木の根、倒木、ザレた部分があり、テント泊装備での下山は膝に堪える。
とにかく無心で下り、橋を渡ってから5kmの林道歩き。
易老岳で最後と思っていた登り返しは、林道崩落箇所の高巻き迂回が残っていたことに苦笑し、PM6:00過ぎに芝沢ゲート着。
明るいうちに下山できて良かった。
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