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Yamareco

記録ID: 5894979
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

鋸岳〜甲斐駒ヶ岳〜アサヨ峰

2023年09月01日(金) ~ 2023年09月02日(土)
 - 拍手
Takatsuki-Ki その他1人
体力度
9
2~3泊以上が適当
GPS
23:10
距離
29.0km
登り
3,903m
下り
2,784m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
10:54
休憩
2:26
合計
13:20
5:51
5:51
182
8:53
9:10
34
10:20
10:24
137
12:41
12:42
36
13:19
13:24
24
13:49
14:21
15
14:36
15:27
53
16:20
16:32
26
16:58
17:14
67
18:21
18:22
42
19:05
2日目
山行
8:14
休憩
1:17
合計
9:31
19:05
81
6:46
7:02
3
7:05
7:06
27
7:33
7:34
20
7:54
7:56
46
8:43
8:43
6
8:49
8:49
14
9:03
9:34
18
9:52
9:52
14
10:06
10:08
92
11:40
11:45
44
12:29
12:48
52
13:39
13:41
64
14:45
14:47
6
15:00
15:00
1
15:00
ゴール地点
天候 2日間ともに晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
1台は釜無川ゲート、1台は仙流荘
コース状況/
危険箇所等
・釜無川ゲート〜鋸岳
比較的わかりやすい
・鋸岳〜甲斐駒ヶ岳
核心部
・甲斐駒ヶ岳〜アサヨ峰〜北沢峠
明瞭

<電波>au
釜無川ゲート:あり
釜無川ゲート〜横岳峠:途中から全くなし
横岳峠〜鋸岳:標高をけっこう上げるまでなし
鋸岳:あり
鋸岳〜甲斐駒ヶ岳:意外とあり(大ギャップでは他の人のレコを検索して道を探しました)
甲斐駒ヶ岳:あったりなかったり
甲斐駒ヶ岳〜仙水峠:あったりなかったり
仙水峠:あり
仙水小屋:なし
仙水峠〜アサヨ峰:比較的あり
栗沢山〜北沢峠:標高下げるとなし
その他周辺情報 信州高遠温泉さくらの湯
予約できる山小屋
北沢峠 こもれび山荘
2023年09月01日 15:15撮影 by  DSC-WX500, SONY
2
9/1 15:15

感想

かねてから計画していた南アルプス真夏の大冒険。
最初は鋸岳から鳳凰山まで行こうと考えていましたが、さすがにその体力はないため、アサヨ峰まで行ってから北沢峠へ下山することにしました。

このルートの詳細が書かれているレコが少ないので、詳しく書いてみました!

【1日目 釜無川ゲート〜鋸岳〜六合目小屋】
釜無川ゲート手前の路肩に駐車します。平日の金曜日ということもあり、出発時は自分の車の他に2台のみでした。(車を回収した日曜日は6〜7台ほど停まっていました)

○釜無川ゲート〜旧造林小屋
ひたすら舗装されていない林道を歩きます。工事用車両も通るので注意です。トラックが通ると土埃がヤバイです(笑)
中川出合を越えたあたりからは林道が崩落しているところがいくつかあるため、迂回をしないといけません。基本的には林道が正規ルートなので、林道を歩くことを考えていれば特に迷うことはありません。崩落しているところでは、河原に降りるところがありますが、すぐに登って林道を歩くことで良いかと思います。
ひたすら長いので無心で歩きますが、崩落箇所が良いアクセントになっているとも感じます。今回は水や食料、シュラフを背負っているので、意外と重さがこたえました。

○旧造林小屋〜鋸岳
旧造林小屋を過ぎると大きな岩が転がっている河原に沿って歩きます。河原に出たり、河原を右に左に行ったり、森に入ったりしているので、道を見失いやすいです。しばらく登り、河原が二手に分かれる分かれ目を目指していくと富士川源流の看板があります。ここまで来ると道が明瞭になります。ここからは樹林帯に入り、ひたすら標高を上げていきます。横岳峠からは稜線ですが、ここからもひたすら標高を上げます。稜線からは向かいの仙丈ヶ岳を眺められるポイントもありテンションも上がります。鋸岳の姿を見れるようになるともうひと頑張りで山頂に到着します。
ここまでは目立った危険箇所もないため、釜無川ルートの鋸岳は体力勝負になるかと思います。
この日は晴天で鋸岳からの展望は最高でした。登りきると甲斐駒ヶ岳の堂々とした姿や、北岳、間ノ岳、仙丈ヶ岳、南アルプス北部の山々がお出迎え。その他も、八ヶ岳、中央アルプスから北アルプス、霧ヶ峰や美ヶ原の奥に頸城山塊まで遠望することができました。ここから先が核心部なのでしっかり休憩して気を引き締めて行きます。

○鋸岳〜第2高点
ここが核心部です。
鋸岳を過ぎるとすぐに小ギャップが現れます。まずは垂直な鎖を下ります。足をかけるところはしっかりあるので、慎重に進みます。下りきったところの足場が小さいので最後まで気を抜かずに。降りきったら目の前の長い鎖を登ります。こちらは鎖を使わなくても登れる程度です。登りきると稜線上の岩を少し歩いてから山梨側に岩を越えます。そこからすぐに鹿窓です。鹿窓を覗くと窓の形に切り取られた仙丈ヶ岳が見えます。ここでしか見れない仙丈ヶ岳の勇姿です。
そしてここから大ギャップの始まりです。大ギャップは崩落しているので特に注意が必要です。まずは長い長い鎖を下ります。鎖は上から下まで固定なしで1本なので、しっかり伸ばしておかないと、体重をかけたときに引っ掛かりが外れて落ちることがあるので注意です。また、小さい石も多く、鎖を動かすと自分に石が降り注いでくることも。ヘルメットがないと怖いところです。そんなところのため、2人以上の場合は、他の人が落石から完全に安全なところにいることを確認してから動くようにしてください。誤って大きめの石を落とすと、谷の下のほうで崩落した大きな音が響き渡ります。細心の注意で鎖を降りきると、ガレ場を見下ろして右手の草むらを進みます。草むらを九十九折で降りると、ガレ場に長いロープがかかっているのが見え、それを渡ります。ロープは高いところに浮いてかけられているように見えますが、体重をかければ地面に届くので問題ありません。ロープに沿って崖をトラバースしていくと鹿窓から続く谷の横にあるもうひとつの谷に行くことができます。ここからは目の前の森に向かって登りながら突入します。森に入れば滑落の恐怖からは解放されます。急登を登りきれば第2高点です。
鹿窓から第2高点の大ギャップでは、踏み跡が交錯していたりするため、慎重に辿る道を選んでください。上では正規のルートを書きましたが、ここでは道がわからなくなりしばらくウロウロしたり、道を観察していたりしました。下手に動きすぎると戻れなくなっても怖いので、絶対に道だというところに戻ったりしながらルートを探しました。ここで大きくタイムロスしてしまったため、六合目小屋に着くのが夜になってしまいました。

○第2高点〜六合目小屋
第2高点からは中ノ川乗越までガレ場を下ります。稜線上にもっと良い道があるようにも感じますが、目の前の少し谷になったガレ場を、下に見えている中ノ川乗越に向けて直進するのが正解です。大きな岩も動きやすいので横並びで降りていきました。浮石が多く、何度かサーフボードさながらに岩乗りをしながら下りました(笑)
ここから登り返しながら三ツ頭に向かい、小さなアップダウンを繰り返しながら六合目小屋を目指します。この区間は滑落の危険というよりも道がわかりにくいです。道がわかりにくいからこそ、誤った踏み跡が交錯しており、それがまた進む方向を惑わせます。基本的には稜線上を歩けば良いですが、トラバースする箇所も多いです。長野側は崖になっているため、トラバースは決まって山梨側にしています。トラバースしていて道がわかりにくくなったら稜線上を目指すという歩き方でも良いかと思います。八丁尾根分岐は、三ツ頭の頂上より少し北にあるので、稜線から外れるので注意が必要です。分岐に近づいたところで山梨側の踏み跡を辿ると、分岐の道標が出てきます。ここから三ツ頭に登り、六合目小屋に向かいます。
三ツ頭〜六合目小屋まではここまでと比べると歩きやすくなりますが、いきなり道がわかりにくくなるのはお決まりです。六合目小屋が近づいてくると、テントを張れるスペースの砂地が出てきます。そこを直進すると森に入り、ゆるやかに下るとほどなく六合目小屋です。砂地を少し右に降りていくと水場への道です。六合目小屋へのルートと水場へのルートの区別がつきにくいですが、水場へのルートはいきなり急下降しはじめるので、見分けがつくかと思います。
この第2高点〜六合目小屋はところどころ這松漕ぎになるとともに、ルートファインディングも必要なため、体力が徐々に奪われていきます。周囲をよく観察することとGPSを確認することで、確実に進んでいきました。途中で甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳の美しいアーベントロートも見れましたが、すぐに暗くなり、ヘッドライトを点灯しました。ヘッドライトだとさらに迷いやすくなりますが、これまでのナイトハイクの経験もあり、冷静にルートファインディングをして進むことができました。
六合目小屋に着くと夕食を食べ、着替えてからすぐに就寝しました。

○六合目小屋
今日の宿泊者は自分含めて小屋に4人、テントで1人でした。
石室は寒いかと思っていましたが、朝の時点で小屋内は14℃と快適な気温でした。臭いやゴミもなく綺麗でした。トイレはありません。


【2日目 六合目小屋〜甲斐駒ヶ岳〜アサヨ峰〜北沢峠】
持ってきた水を予想以上に消費してしまっていたため、仙水峠から少し降りた仙水小屋に寄ってからアサヨ峰に行くことに。六合目小屋の水場は確実に水が出ているかわからなかったためスルーしました。15時頃から発雷確率が上がっているため、時間と天気を見ながらの山行です。

○六合目小屋〜甲斐駒ヶ岳
昨日と比べるとものすごく歩きやすい道です。道だってわかることにすごく感動します。そして朝陽が山に当たりはじめ、モルゲンロートに包まれます。仙丈ヶ岳、中央アルプスが赤く染め上げられていき、甲府盆地には雲海と、絶景が広がり、テンションが上がります。特に難しいところもなく甲斐駒ヶ岳に到着します。といっても、鎖や少しばかりの這松漕ぎは出てきますが。
甲斐駒ヶ岳に登頂すると大展望が。鳳凰山越しの富士山、遠く白山まで見ることができました。ものすごく下って登るアサヨ峰までのルートも視認でき、ちょっとげんなりします。。

○甲斐駒ヶ岳〜仙水小屋〜アサヨ峰〜北沢峠
甲斐駒ヶ岳→仙水小屋→アサヨ峰はおおよそ800m下ってから650m登ります。ここからは一般登山道ということもあり、ものすごく歩きやすいです。一度下ってから駒津峰まで登り返し、一気に仙水峠まで下ります。急勾配ですがすごく歩きやすいです。もともとは仙水峠から栗沢山に行く予定でしたが、水の補充のために仙水小屋まで行きます。仙水小屋の前に水が引いてあり、豊富に流れています。これぞ南アルプスの天然水ということで、キンキンに冷えた水を補充し、アサヨ峰に向かいます。
まずは栗沢山に登りますが、途中で樹林帯を抜けてからは日差しに照らされて暑かったです。その暑さのせいか、途中でどうにも体が動かなくなってしまいましたが、木陰で10~15分ほど休み、水分を取ると、どうにか動けるようになり、ゆっくりしたペースで栗沢山に登頂しました。ここまで来ると雲がわいてきて、甲斐駒ヶ岳が隠れたりしていました。目指すアサヨ峰はもう目の前です。
栗沢山に荷物をデポし、水と貴重品、少しの食料だけ持って、アサヨ峰をピストンしました。身軽になったので、比較的ラクに歩くことができました。そして最後の目的のアサヨ峰に登頂し、少し休憩したら栗沢山に戻ります。
ここからはもう下山のみ。天気も大丈夫で、北沢峠の最終バスにも乗れる時間なので、余裕を持って歩きました。長衛小屋まで来て、さらに少し登れば北沢峠です。長衛小屋まで来たら終わった感もあり超元気でした(笑)
北沢峠ではCCレモンを買いましたが、体に染み渡る酸味でした。土曜日ということもありバスは増便されていたので待つことなく乗れました。仙流荘までバスに揺られながら寝てしまいあっという間に着きました(笑)

かねてから計画していたこの縦走。未踏だった鋸岳、甲斐駒ヶ岳、アサヨ峰の3座をコンプリートできたのでよかったです。
鋸岳〜甲斐駒ヶ岳は逆ルートということもあるのか、キツイルートでした。鋸岳から甲斐駒ヶ岳に向かうと全体的に登り調子のため、ルートの全体像を見渡すことができません。また、這松が標高の高いほうから低いほうへ枝を伸ばしているため、登りながら藪こぎになると這松の枝がすごくひっかかるため、そこも逆ルートといういわれなのかもと思いました。
このルートは初見ではとても迷いやすいので細心の注意を払って行ってください。2回目だとコースタイムをまいて行けそうです(笑)

夜は松本まで足を伸ばし、おいしい日本酒とご飯で打ち上げをしました!達成感がなんとも言えませんでした!!

P.S.釜無川ゲートに停めた車は日曜日の朝に回収しましたが、工事車両が通ることもあったためか、土埃を被ってしまい、10年ぶりに駐車場から出したような見るも無惨な姿になっていました…
これも今回の山行の勲章です(笑)

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