復帰の最初は乗鞍岳 稜線はこの時期一級の雪山だった
- GPS
- 07:35
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 1,694m
- 下り
- 1,683m
コースタイム
07:05 カモシカリフト上(ツアー入口)
07:40 標識(標高2130m付近) 〜 07:45
08:45 位ヶ原山荘分岐 〜 08:50
10:00 肩の小屋口 〜 10:15
12:10 朝日岳
12:35 剣ヶ峰山頂 〜 12:40
13:05 大日岳(奥の院)
13:30 剣ヶ峰山頂 〜 13:40
14:00 朝日岳
14:25 肩の小屋口 〜 14:50
15:15 位ヶ原山荘分岐
15:40 標識(標高2130m付近)
16:00 カモシカリフト上(ツアー入口) 〜 16:10
16:45 休暇村乗鞍高原
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
快晴で気温が高かったので 肩の小屋口 の先までクラストしているところはありませんでした。 朝日岳の北斜面はテカテカにクラストしていました。アイゼンがよく効いて登りは楽ですが、下降は緊張します。アイゼン歩行技術が不十分な人はとても歩けるルートではありません。 大日岳(奥の院)へ向かう剣ヶ峰の下降は夏ルートが他にあるのかペンキのマーク一つ無く露岩を下っていきます。岩登りの心得が無いとチョット危険です。 ※ルートは、スマホの地図ロイドGPSデータですが、時間は出鱈目です。コースのみ参照して下さい。 |
写真
感想
年初に釜トンの中で氷の上を歩いて転倒し左手首を負傷して1ヶ月半、接骨院に毎日通院しようやく2日に1回の通院になりました。
日常生活にはなんの不都合もないまでに回復して山へ行く気力は充分、あとは天気を待つだけでした。
50年近く山は楽しませてもらっていますが、実は私、3000mの山は半分も登っていませんでした。
日本百高山とかはとても登る気力はありませんが、せめて冥土の土産話に3000m峰は全部登っておこうと2年前に南アを登りました。
今回の乗鞍もその3000m峰の一環です。
自分の決めたルールは、3000mを越えているピーク(名前がある、或いは標高点があるピーク)は全部なので今回の乗鞍山も剣ヶ峰だけでなくその先にある大日岳=奥の院にもお参りしてくるのが目的です。
前夜、休暇村乗鞍高原の少し下の無料駐車場で車中泊し、夜明け前にヘッドランプを点けてスノーシューを履いて、スノーキャットの邪魔にならないようにスキー場を上がっていきます。
先行者は2名。
スキー場の最上部=スキーツアーコースの入口に到着するとすっかり明るくなっている。
この先、位ヶ原までのチビラッセルを覚悟していたけれど、有り難いことに幾筋かのトレースや滑走跡がある。
先行者2名は休憩して居られるので一人先へ行くことにする。
このコースは、右側に 銑Δ良玄韻ある。
登りでは10分から15分でその標識を通過していく。
ト嵒玄韻寮茲捻手に吊り尾根と岳沢が見えるようになる。
位ヶ原山荘への分岐の案内板(2380m付近)を過ぎて、だだっ広い位ヶ原を 肩の小屋口 のトイレを目指して歩いていく。
今日はこの辺りの雪面はクラストしていない。暖かくて風がないからだろう。
肩の小屋口から肩の小屋に向けてトレースが続いている。
ここからは higaerisazen さんのコース取りで、meta_boman さん推奨の朝日岳と蚕玉岳のコルに上がる蚕玉沢を登る予定でいたが、蚕玉沢には人が入った跡はない。
深くはなさそうとは言えここから蚕玉沢に一人で全部ラッセル入れる気力はなく、肩の小屋へ向かうトレースを少し登っていってから、蚕玉沢の右手の起伏へ向かって登り始めた。
振り返ると自分が今付けた踏み跡が一直線に伸びている。気持ちが良いものだ。
起伏に乗り切る辺りはクラストしている。
スノーシューのクランポンを蹴りこんでの登りになる。
手はストックのままだ。
状況的には一番中途半端な状態になっている。
蚕玉沢をラッセルするのならさっさと左手に向きを変えるべきだし、右手の肩の小屋から朝日岳への稜線側にクラストした斜面を求めるのなら早々にアイゼンピッケルに履き替えるべきだ。
さあどっちにしようと迷いながら何故か背中側の槍穂高の写真を撮っている。
出した結論は、安全な蚕玉沢ではなく、楽そうなクラストした斜面を行くことにして、アイゼンをザックから出した。
その時、乾いた手袋など防寒具の入ったスタッフザックが風に煽られ蚕玉沢側へと転がり落ちていった。
幸い数十メートル先の雪で止まったので、急いでアイゼンピッケルスタイルになって取りに降りた。
気を抜いていると山では良くないことしか起こらない。
気を引き締め直して朝日岳経由で剣ヶ峰まで登った。
剣ヶ峰の山頂は大きな祠があって東側の風下は無風状態で落ち着けるので有り難い。
でも私はここが目的地ではない、もう一つ先の大日岳=奥の院も3010m以上の標高なのでそこまで行く。
わずかに3〜400m程先なのでザックは置いていく。
山頂から大日岳へのコルへの下降は岩がゴツゴツしたところで径らしき物はない。
径がないならないで構わないと、西面から南面へ回り込むように下っていった。
一箇所だけ三点支持で通過した岩がある。
岩に慣れていない人は通らない方が良さそうなルートだった。
奥の院では、長い間山を楽しませてもらっていることへの感謝と今日の無事の下山を祈っただけで主峰剣ヶ峰に戻ってきた。
下山時も蚕玉岳と朝日岳のコルから蚕玉沢を覗き込んでみた。
誰も入った形跡はない。
このままアイゼンで突っ込めば、フクラハギからヒザまで潜っての下降になりそうだ。
やっぱり止めた。
往路と同じ朝日岳から北側へアイゼン効かせて下ることにする。
ツルッピカにクラストした斜面の下降は慎重にならざるを得ない。
その時小走りに近い速さで下降する人が居た。
腰を低くし、膝を出し、足は雪面にフラットに叩き込みながら下っていかれる。
ピッケルの構え方を見ただけでもこういう雪面になれている人だと分かる。
でも、私は今日はそのスピードでは歩かない。
一応にクラストしているように見える氷でも2〜3cm下が這い松ならそこは空洞で体重を掛けた瞬間踏み抜いて転倒するのは必定だ。
(乗鞍の稜線に這い松があるのかどうか知らないが・・・)
出発直前に ainakaren さんが日記「滑落停止の悪夢」で書かれていた『滑落停止の前に滑落防止、その前に転倒防止、更に状況認識があり、そのためには技術と知識の習熟が必要だ』という大先輩のアドバイスを思い出しながら慎重に歩いた。
肩の小屋への途中からは、自分の往路のルートを見つけ、肩の小屋口へと下っていった。
そこからそのままアイゼンでスキー場へ戻った方が楽なのだろうけれど、この doppelganger 2WAY エクストラスノーシュー SW-27 の下降の実力を知りたいので肩の小屋口でアイゼンからスノーシューに履き替えた。
スキー場ゲレンデのトップまで降りてきた。
ここでまた偶然朝のお二人と一緒になった。
さてここからカモシカゲレンデの斜面をスノーシューで降りられるのだろうか?
さすがにまっすぐ下を向くのは怖かったが、アイゼン無しのツボ足で下降された人の足跡通りには降りてこられた。
ワカンと同じだけの下降力があると思う。
良いスノーシューに出会えたものだと、嬉しくなりながらスキー客がみんな降りてしまったゲレンデを休暇村まで降りてきて今日の山行を無事に終えることが出来た。
【3000m峰】
冥土への土産話にと改めて登り始めた3000mの峰々、残すところもあと2つ、
立山と富士山だけになりました。
で、この2つも登ることが出来たなら、土産話も完成したので、その話しを聞かせてあげに冥土へ行くか、と送り込まれたらイヤだなと気付きました(笑)。
と言うことで、あとはどちらか一方にだけ登って他方は登らず、永遠に土産話は完結しないことにしました(笑)。
meta_bomanと申します。
冥土への土産話にと改めて登り始めた3000mの峰々・・・のお話大変興味深く拝見させてもらいました。
それを思うと自分も奥ノ院にいかなかった調査不足に後悔しています。
積雪期しか歩くことを許されない朝日岳、奥ノ院、高天ヶ原・・・など
機会をみてお邪魔してみたいと思います。
貴重な奥ノ院へのレコもありがとうございました。
あと2つのうち最後の1つどのようにされるかも楽しみにレコを拝見させていただきます
自分も3000mは全て訪問したいと願っていましてとりこぼさないようにプランを考えてみたいと思います。
meta_boman さん、コメントありがとうございます。
今回、乗鞍へ行く時は meta_boman さんのレコを何度か読み返して参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
今回無事に登れて、さああと2座、と思った時に、フト冥土への土産話は完結させてはまずいだろう、と気付きました
なので立山か富士山か、いつ頃?どこから?全然プランが無く今後ゆっくり考えてみたいと思っています。
これからも参考になるレコよろしくお願いします。
ありがとうございました
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