塩見岳、標高3040m付近で心筋梗塞発症、ヘリ救助要請
- GPS
- 13:44
- 距離
- 80.1km
- 登り
- 11,858m
- 下り
- 13,520m
コースタイム
- 山行
- 7:49
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 8:13
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
駐車場〜鳥倉登山口 舗装された林道 鳥倉登山口〜三伏峠 よく整備された道と言いたいが、所どこに危険箇所あり 木道、ステップ等があるが、崩落等に対し整備が追いついていない状態、自身で安全、危険かもの判断が必要 三伏峠〜塩見小屋 よく整備された登山道、塩見小屋手前は急坂 塩見小屋〜塩見岳 途中に鎖等ありだが、危険というほどではない |
写真
感想
最近Yahoo!News等で山での救助依頼のニュースをよく見ます
ケガ、道迷い、披露等原因が色々あるにも関わらずヤフコメには批判的な意見が盛りだくさん
読んでいると思わず目を背けたくなる意見も多い
自分も山に登るが、それなり準備して、救助依頼など縁ががないかと思ってたが
先日の塩見岳登山でまさかの救助依頼をすることになり
自分には関係ないと思っていても避けられないことがある
万が一の際に対面したら、どの様に対処したらのいいいのか
共有する事も重要な意味があると考え、レコとしてupすることにしました
●既病歴
慢性腎不全から人工透析を行っており、透析歴は10年を越えている
透析には1日おきの通院が必要で、毎月水金の夜間にクリニックに通う必要があるが、
今週は透析医の許可をもらって、水曜日の透析をお休みとして、今回の1泊2日の塩見岳山行を計画した
あと昨年夏位から心臓に不可を掛けると胸が苦しくなる症状から、診察を受け虚血性狭心症の診断を受け
今年頭に心臓カテーテルを受け、この点は解決したと思いこんでいた
●山行概略(会社休みは、火から木の3日間、全て単独)
8/28(月)に夜間透析、帰宅後、塩見岳鳥倉林道駐車場を目指す(途中で仮眠を含む)
8/29(火)朝方、車を駐車場に駐め、三伏峠を経由して塩見小屋を目指す CTで7Hほど
8/30(水)塩見小屋から塩見岳を目指し、ピストンの形で駐車場まで戻る CTで8Hほど
8/31(木)体調をみつつ、恵那山、御岳山、乗鞍、上高地散策、栂池公園、八方尾根等を考えており、下山後帰京
●8/30(水)行動概略
5:00 塩見小屋で朝食
5:30 塩見小屋を出発(小屋に一部荷物をデポ、ザックには雨具、ダウン、水1L、行動食、その他を入れた状態とした)
●アクシデント発生(おそらく6:50から7:00頃)
塩見岳山頂まであとちょい、丁度グループツアーの方々を抜いた際に急に胸が苦しくなりしゃがみ込んでしまった
これが始まりでした
●症状
胸に違和感あり、心筋梗塞は胸が苦しくなる言われるが、痛み等は感じられなかった
立ち上がると体感がフラフラし、塩見岳山頂まで標高差12m、水平距離でも100mを切っているので
取りあえず山頂を踏もうと思ったがとても歩ける状態では無かった
座って休んでいた状態で一度だけ意識を失う 意識を取り戻した後からは意識だけはハッキリしていた
他の3000m越の山を登った経験から、自分は3000mを越えると低酸素?から行動が鈍くなる傾向にあるが、
今回の症状は高山病とは全く違うことが実感していた
取りあえず様子見で、休んでいたが症状は変わらず
●通報(携帯ログから通報は8:44)
休んでいても状況は変わらず、一度塩見小屋まで戻るとしても、今の体幹状態からクサリ場は危険と判断せざるを得ない
救助要請しても3000m越まで救急車がこれる場所では無く、必然的にヘリ救助となること
本日午後からガスが出るとの予報が出ていたので、救助要請するとしたら早い時間につい通報する必要があること
多くの人に迷惑を掛けることになるが、これは自身の生命に関わる事例だと認識し消防に通報することにしました
●救助要請
塩見小屋からドコモ回線のみ繋がることは確認済
119番通報で「消防ですが?救急ですか?」を聞かれるが⇒現場所は3000m越であり、「山岳救助」であることを伝える
入山山について、入山口、だいたいどの辺ですか?⇒塩見岳、長野県側の鳥倉林道から入山、昨日は塩見小屋へ宿泊したこと
現在位置は山頂直下の3040m付近にいることを伝える、GPS座標等については聞かれませんでした
同行者は⇒単独行動中であることを伝える
回線はどのキャリヤ? アンテナは何本立っています? バッテリ残は?⇒
ドコモ、何本立っていたのか忘れたが、ばっちり通話ができる状態であること、バッテリ残は70%程度、
消防側からは、今の場所で受信状態が良いといことなので絶対に動かないことが指示されました
既病歴⇒上記の通りに透析患者であり、狭心症の病歴があることを回答
あなたの姿、リュックサイズ⇒僂離瀬Ε鵝▲哀譟爾離坤椒鵝▲螢絅奪は45Lサイズであることを回答
現場所の天候、状況⇒晴れ、風は草花が軽くなびく程度、樹林帯を抜けて岩稜ちたいであることを伝える
●通報後
通報消防署(ヘリ部隊だったかも?)、病院、塩見小屋から何度も電話連絡が入る
通報消防署からは、現着が10:20頃になることが伝えられる リュックはへりでは回収せずに現地デポになるとのこと
病院(静岡市内の病院、おそらく消防側から通報があったとと思える) 消防側にお話したとりの既病歴を再度伝える
また掛かりつけ医についても聞かれる
塩見小屋 リュックは小屋でデポすることになるので、風で飛ばされないように石で重しをするように指示、貴重品は必ず持ってとのこと
座って休んでいたら「遭難対策」の腕章をした方が登ってきてくれ
私の体調を一通り確認した後に、色々と指示を出して頂き、またヘリ収容まで一緒にいてくれました
単独行であったので、大変気持ちが落ち着くことができました
また山と高原地図を見た時に、その執筆者であるK氏であることが判明
すごい人に迷惑を掛けたのだな と改めて恐縮したりもしました
●ヘリ来襲
10:20頃にヘリがやってきました
ただし私のいる場所は特定出来なかった様で、ヘリは一度山頂付近から離れます⇒
地上にいる私からは簡単にヘリが視認できるのですが、その逆は難しいようで、地上側からカッパ等の布を大きくふる必要があったのかも
また鏡等を使う、カメラのフラッシュ等を使う等を使うことも思慮した方がいいのかも
また消防側から時に聞かれませんでしたが、GPS座標等を伝えたほうがよかったかも と今になって思います
以前に南鷹尾でレスキューのお手伝いしたときにも、現場書を伝えたにもかかわらず、一度へりは現場から離れて行ってしまったことから
地上では少々派手目にサインを送った方がよのかも
<https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-784909.html>
●へり収容
一度へりが離れた後、再度へりが寄ってきてくれました、K氏は布を大きくふって、私はフラッシュを発光させることによって
ヘリ側でも私たちを視認してくれました様です
私たちから30mほど離れた場所から隊員が一人ホイスト降下で降りてきて頂き、私たちと合流
簡単に私の健康状態をチェック、私もハーネスを装着、ヘリ収納する際には私を大きく包み込むような布をセットし
カラビナをセットしていきます 指示でなるべく体を丸めるようなカッコをして下さい下さいと指示を受けます
ヘリのピックアップの瞬間はと言うか吊されている時は、下側は全く見えず、恐怖感は全くありませんでした
ヘリの中では数カ所のカラビナは外されましたが、メインのカラビナはずっと接続されたまま
酸素供給、3点式の心電図、血圧等の確認が行われました
●救急車
ヘリ着陸後、救急車に乗らされて病院へ向かいます
車中で改めまして心電図を取り直したとこと、救急隊から「心筋梗塞」と病名の断定されました
●魚院
病院に到着後、再度心電図を取り、病名は「心筋梗塞」で確定
すぐさまに心臓カテーテルが行われ、症状を確認していきます
結果冠動脈3本中2本に狭窄が見られる、ただし血管は完全に詰まっていなので、心臓壊死は最低限になるのだろうとのこと
治療方針を数点出される 一番確実と思えるバイパス手術が最善と言われ 自分も納得し、オペをお願いする
●現状
本日の段階で退院済、歩行リハビリも順調、仕事とも復帰の目処が立っている(ほぼ在宅で仕事ができるので)
●まとめ
登山の準備は万全に
山岳保険の加入を強くお勧めします(本日の段階でヘリ救助の請求は来ていませんが)これに入っていますと心の安心度が大きいです
万が一、傷病、ケガ等で救助要請する場合には、決断したら早めに通報する
命に関わるような症例の場合、多くの人の迷惑が掛かるからと躊躇しては駄目です
自分の場合でも、もつと時間帯が遅くなったら(午後にガスがでるの予報がでていた)ヘリを飛ばすことが出来なくなり
結果病院収容が遅くなり、心筋梗塞がさらに進む可能性(心臓壊死が起こる可能性)、最悪死に繋がる可能性があったこと
Yahoo!コメントの意見は無視して(一部ブローガー崩れみたいな人がいます)
自分は心疾患に精通している訳ではありません(一部ウソを書いている可能性があります)
このような山行記録を上げてくださり感謝です。
早く復帰されるといいですね。
ヘリの軌跡は笑えます。(失礼)
早めの通報が良い結果に繋がってよかったです😊
今はゆっくり休んで下さい。
1日も早い復帰を切に願います😊
borav64mさんの以下の「日記」投稿をみて、この山行記録を読ませていただきました。
https://www.yamareco.com/modules/diary/93584-detail-310620
いや〜 大変でしたね。
でも無事にヘリで救助、すぐに病院で対応されていて、ご無事でなによりです。
また、このレコ自体、遭難(山中での体調不良)時に、どういう対応をしたら良いのか、非常に参考になるレコだと思います。私も参考になりました。
勇気あるレコのアップ、ありがとうございます。
実は私、10年ほど前に、雪山で遭難してヘリ救助された体験があり、ひとごととは思えませんでした。
(以下はその時のレコ)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-439403.html
※ なお、各自治体のヘリは、救急車と同じ扱いのようで、費用請求はないハズです。
(以前活動していた民間航空会社のヘリは有料でしたが、現在、民間で救助活動を行っているヘリ会社はないようです)
私の場合、それ以外の費用としては、山小屋の方に救助してもらったので、山小屋の方(=山岳救助隊の肩書あり)への費用請求(約13万円)がありました。それは山岳保険(jRO)で支払いしました。
・・・ご参考まで、、、
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