笠ヶ岳クリヤ谷【強烈な薮漕ぎ】
- GPS
- 13:47
- 距離
- 20.5km
- 登り
- 2,190m
- 下り
- 2,190m
コースタイム
- 山行
- 12:21
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 13:43
天候 | 曇り、霧雨、雲海の上突き抜ける |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
一般登山道か怪しいレベルの薮漕ぎ。下りでの利用はおすすめしないと小屋番の人が言っていた。 |
その他周辺情報 | 新穂高より乗鞍が好きなので、乗鞍までわざわざ移動して湯けむり館。 〆はらーめん寸八。 |
写真
感想
笠ヶ岳クリヤ谷
一般登山道のふりしてほぼVariationRouteなので安易に立ち入るべからず。
刈払い未実施のため笹薮は伸び放題。ルーファイ力は必須。
高波からキツい登山がしたいと要望があったので、体力的にも精神的にもとびっきりキツいのを用意した。ネタとしてあたためていた笠ヶ岳クリヤ谷コース!山をどうか嫌いにならないで欲しい、それだけが願いです。
事前にレポを読み漁りわかったこと
・3回の渡渉、そのあと濃いめの笹薮漕ぎ
・笹薮は朝露で濡れているのでカッパは必須
・すり足で歩くことで踏み跡を逃さない
・標高2000m付近の沢は詰めるとルートを見失う。薮の中の踏み跡を探す。
・ラスト200m程はガレ場、落石注意
・だれもオススメ大絶賛ルートと称さない悪名高き実質VR
本当にそうなのか自分の目で確かめたくなった。
23:50起床
0:15中野発
2:30新穂高着、中尾高原バス停のPに停めた。ほぼ満車。なお新穂高無料Pは昼間から満車。トイレはないので新穂高登山センターでトイレだけ借りた。
3:00すぎ、スタート。
槍見館の横の登山道から入る。いきなりスリッピーな岩が連続し先行きが不安だ。
標高1260 1度目の渡渉。前日の雨で渡れるか不安だったが暗闇の中でも入念に渡渉点を探し飛び石でいけた。
標高1300 2度目の渡渉は小さな小川なので問題なし。
時折軽い笹薮漕ぎがあった。すでにヘルメットとカッパの下は着用。
標高1470 錫杖岳へ分岐する場合は渡渉。笠へは少し手前にピンクテープ2回巻いた木があり、そこを右に行く。ちなみに渡渉前にテント1張りできるきれいなスペースがある。
このあとどっかで3度目の渡渉、詳細忘れた。申し訳ない。特に問題はなかった。
標高1550 笹がうるさい。全部刈りたい。
標高1750 引き続き笹がうるさい。全部刈りたい。ゴアテックスが敗北する。靴がグゥポグゥポしだす。帰りたい。
※グゥポグゥポとは靴の中に水が溜まって排水されずに気持ち悪い感触になること
標高1920 少し道をロストしたが3分ほどで復帰した。
ガスが上がってきて雲の中にいる状態になった。幸い風はなく低体温は免れた。ただでさえ笹が濡れていてカッパへダメージあるのに、さらにシトシト霧雨のせいで湿度の限界突破。カッパ2セット持ってくれば良かった。もと来た道を引き返すか迷った。でもまた薮漕ぎしながら何時間も下りていくのはキツい。雲を突き抜けて雲海になる予報だったので信じて登ることにする。
標高2020 噂の沢を詰めるとロストするところにきた。慎重に探すと右手に踏み跡があった。圧倒的初見殺しでしかない。事前情報のお陰で安心して薮に突撃した。道を見つけたときの嬉しさは半端ない。薮漕ぎはほぼ水泳だと悟った。平泳ぎの要領で笹をかきわけ足元の踏み跡を視認しつつ、濡れながら進む。うん、これはほぼ水泳。薮のなかを泳いでる…
ぐっちょり濡れた笹の葉が全身を撫でていく。高波から笠ヶ岳6Pとか言うパワーワードが発せられて一生笑っていた。
標高2350 濃い笹薮が薄くなって希望の光が差す。クリヤの頭を左手に巻きながら進むと、雷鳥岩が見えた。特殊な形をしているのですぐにソレだとわかった。この先折角稼いだ標高を少し下げながら笠ヶ岳に近づいていく。笹薮からシラビソ、ハイマツの藪こぎに変わる。この頃カッパの上を脱いで半袖で歩いたら見事に腕にハイマツの引っ掻き傷を負った。でも太陽が時折出ていて温かくズボンやTシャツは少しずつ乾き始めた。うれしい。
標高2500 笠ヶ岳が2897なので約400手前。ここまで来ると景色もかなり良くなってくる。さっきまでは雲の中で湿度エグかったのに、立ち止まって休むと風が気持ちよくて最高だった。それにしても誰一人として会わない。薮の中でfxxxを叫んで、薮を抜けたら最高ォーと叫んでうるさくしても誰にも怒られない。
標高2800 ガレ場になる。ペンキのマル印がここに来て多い。浮石も多いので落石注意しながら進んだ。触れる岩はヤスリの目ようにざらざらしていて怪我するには十分な殺傷能力を持ち合わせていた。でも幾重にも重なる岩を見ているとなんだか穂高を思い出してニヤついてしまった。どうやら俺は重症患者のようだ。
笠ヶ岳山頂 下から見ているとガスったりもしていたが、僕たちが着いたときは本当にギリギリ雲の上だった。青空が拝めたので文句なし。
開始から7h40minで着いた。山と高原地図では上り標準CT9.5h、なかなかハードだったがやり切った。高波とhigh-fiveをした。やっとたどり着けて目頭が熱くなった。
笠ヶ岳山荘でカッパを乾かしてラーメン食べて回復。弓折に行くと先週の小池新道をまた歩かなければならない。笠新道が近そうなので行ってみることにした。
笠新道 急登で定評のある?笠新道。ここを下っていく。杓子平あたりまでは景色が開けていて草紅葉見ながら下山したが、杓子平より下は樹林帯。しかも天気はずっとガスでメンタルがイカれそうだった。クリヤで十分疲弊した僕らに追い打ちをかける歩きにくい笠新道。うーん、クリヤに比べれば薮は無いし圧倒的に歩きやすいけど、岩がゴロゴロしてたりして歩きにくかった。ふかふかの土の上を歩きたかったがほぼ無い。
笠新道ピストンは普通にしんどそうと思った。
左俣林道→新穂高→中尾高原バス停
鬼の水平移動。コンクリがきっちーわ。ゴールしたときは達成感半端ない。また行くかと聞かれたら俺は圧倒的にNo。新たな挑戦者が右往左往し文句をたれ、それでも笠のピークにたどり着くドラマチックなレポを楽しみにしたい。
約14hコテコテ山行に着いてきてくれた高波ありがとう。
ゴアテックスが敗北し、目が死に、それでも闘志は消えずに、最後まで歩き切った。山を嫌いにならないでくれて良かった。ここは1人だと気が狂ってたと思う。いい限界突破。これを糧に新しい山にドンドン挑戦してください。
メシ(食うた分)
おにぎり2 320
ビスコ 40
安納芋羊羹 146
レモンわらび 130
小屋でラーメン 500
レッドブル 112
アミノバイタル赤 109
パチモンウイダー 100
合計1450kcal
水1.5担ぎ 0.75消費
上りでほぼ飲まなかった。渡渉点の水はうまい。
※行く人のためにささやかな情報
.下りは遭難リスクが高いです。(小屋番の方の情報)
.笹薮を掴んでトラバースするところが多い。長袖長ズボン、手袋必須。ワークマンの99円作業用ゴム手袋が大活躍した。
・どんなレインを着てもグチョるときはグチョる。寒がりの人は日帰りでも着替えはあった方がいい。
・お高い良い服で行くと破れたら絶望なので使い古した2軍ウエアで行くことをおすすめします。
※やってよかったこと(クリヤ行く人はこのくらいわかってるわ!ってツッコまれそうですが…)
・事前のリサーチ
・むやみに薮を突破しない。数歩歩いてなんか変だと思ったら確実に道だったところまで引き返す。めんどくさくてもきちんと地図を頻繁に確認する。無我夢中で登らず冷静でいることが重要。
異変の変化としてはやけに浮石が多い、苔が張り付いている、地面の感触が柔らかいなど。
・すり足歩行 足全体を上げてしまうと笹の下に踏み跡が隠れるし、笹の上は滑る。
・ヘルメット、手袋を全区間で着用
・山荘でラーメンを食べる
日本百 笠ヶ岳
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する