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Yamareco

記録ID: 6035844
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
石鎚山

雨の石鎚山で墓場を覗きに

2023年10月08日(日) ~ 2023年10月09日(月)
 - 拍手
Kumainkobe その他3人
体力度
7
1~2泊以上が適当
GPS
15:06
距離
21.3km
登り
2,900m
下り
2,869m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
2:10
休憩
1:15
合計
3:25
距離 7.6km 登り 1,542m 下り 538m
8:50
8:56
22
9:18
9:51
5
9:56
9:57
6
10:03
48
10:51
11:26
17
11:43
9
11:52
7
11:59
2日目
山行
6:12
休憩
5:45
合計
11:57
距離 13.7km 登り 1,358m 下り 2,331m
5:34
6
5:40
7
5:47
39
6:26
6:36
16
6:52
6:55
20
7:15
10
7:25
7:39
7
7:50
7:58
8
8:06
9:14
2
9:16
9:17
2
9:32
9:36
31
10:07
10:08
86
11:34
13:18
11
13:29
13:37
12
13:49
15:00
2
15:02
15:03
3
15:11
15:17
6
15:23
7
15:30
15:31
9
15:40
15:49
18
16:07
10
16:17
7
16:24
16:46
20
17:06
17:17
14
17:31
ゴール地点
天候 1日目:雨☔️
2日目:雨時々曇り、一時晴れ☀️
過去天気図(気象庁) 2023年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
ジャンボフェリー:神戸港→高松港
自家用車:香川県高松市→愛媛県西条市西之川
石鎚京屋観光旅館前の駐車場:500円/日
石鎚山ロープウェイ:往復2200円(モンベル割引で-100円)
リフト:片道350円、往復600円(現金のみ)
常住屋 白石旅館:素泊まり7,250円(税等込)
https://ishizuchikanko.com/shiraishi_joujusha/
コース状況/
危険箇所等
雨で岩場、木製階段、木橋、笹藪漕ぎ箇所などが滑りやすかった。「滑落=人生終了」という危険箇所が多い。岩場は三点支持を確実に。
その他周辺情報 石鎚山温泉(温泉旅館京屋)500円
https://ishizuchikyoya.com/onsen/
深夜のフェリーで神戸から四国高松へ。神戸の夜景は海上から見ても美しい。背後には六甲山の山並み。
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深夜のフェリーで神戸から四国高松へ。神戸の夜景は海上から見ても美しい。背後には六甲山の山並み。
高松から車で移動。西ノ川の石鎚山温泉前の駐車場からスタート。
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高松から車で移動。西ノ川の石鎚山温泉前の駐車場からスタート。
大天狗法起坊堂。法起坊は石鎚山に住んでいた天狗。
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大天狗法起坊堂。法起坊は石鎚山に住んでいた天狗。
石鎚教奥之院。修験道の開祖で石鎚山を開いた「役行者(えんのぎょうじゃ)」を中心として多くの像が並ぶ。役行者が死後、法起坊となり石鎚山に住み着いたとのこと。
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石鎚教奥之院。修験道の開祖で石鎚山を開いた「役行者(えんのぎょうじゃ)」を中心として多くの像が並ぶ。役行者が死後、法起坊となり石鎚山に住み着いたとのこと。
小雨が降るためロープウェイに乗る。山上成就駅まで7分。ほぼ満員だった。
5
小雨が降るためロープウェイに乗る。山上成就駅まで7分。ほぼ満員だった。
ロープウェイの山上成就駅から瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)が見渡せた。
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ロープウェイの山上成就駅から瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)が見渡せた。
ロープウェイから石鎚成就スキー場リフトに乗り継ぐ。四国でスキー場とは驚いた。
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ロープウェイから石鎚成就スキー場リフトに乗り継ぐ。四国でスキー場とは驚いた。
石鎚神社 中宮 成就社(標高1450m)。
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石鎚神社 中宮 成就社(標高1450m)。
成就社内の見返遥拝殿から石鎚山が見えたので山行決定。天気回復と安全登山を祈る。
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成就社内の見返遥拝殿から石鎚山が見えたので山行決定。天気回復と安全登山を祈る。
今夜の宿、白石旅館。不要な荷物をデポして、出発準備。
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今夜の宿、白石旅館。不要な荷物をデポして、出発準備。
雨の中、神門を通過し出発。石鎚山・弥山を目指す。
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雨の中、神門を通過し出発。石鎚山・弥山を目指す。
八丁坂を下ったところに逍遥の鳥居。頂上へ行けない場合は、ココから石鎚山を見ながら参るらしい。
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八丁坂を下ったところに逍遥の鳥居。頂上へ行けない場合は、ココから石鎚山を見ながら参るらしい。
そこから登り返す。丸太の階段は徐々に急になって行く。雨で足元が滑りやすい。
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そこから登り返す。丸太の階段は徐々に急になって行く。雨で足元が滑りやすい。
試しの鎖(74m)に到着。石鎚山にある4つの有名な鎖場のトップバッター。試しと言いながら、最長で中々の急傾斜。雨で鎖も足元も滑るため細心の注意を払って登る。
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試しの鎖(74m)に到着。石鎚山にある4つの有名な鎖場のトップバッター。試しと言いながら、最長で中々の急傾斜。雨で鎖も足元も滑るため細心の注意を払って登る。
登り切ると絶景。海(燧灘、ひうちなだ)まで見通せた。
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登り切ると絶景。海(燧灘、ひうちなだ)まで見通せた。
目指す石鎚山を望む会長。
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目指す石鎚山を望む会長。
しばし景色を堪能。風が強まってきた。
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しばし景色を堪能。風が強まってきた。
登った後は激下る。鎖は濡れて滑りやすく、また冷たくて手が悴む。
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登った後は激下る。鎖は濡れて滑りやすく、また冷たくて手が悴む。
一軒茶屋で力あめゆを頂く。暖かいものは最高のご馳走。ここで大雨となり、止む無く撤退と決断。
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一軒茶屋で力あめゆを頂く。暖かいものは最高のご馳走。ここで大雨となり、止む無く撤退と決断。
白石旅館に戻りネコに癒される。タマは有名な看板ネコらしい。
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白石旅館に戻りネコに癒される。タマは有名な看板ネコらしい。
部屋の様子。4人で大部屋を占有。昼間からやることもなく宴会。
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部屋の様子。4人で大部屋を占有。昼間からやることもなく宴会。
民芸品が飾られたレトロな食堂に場所を移して夕食。
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民芸品が飾られたレトロな食堂に場所を移して夕食。
翌朝5時半、雨風の中、天気予報を信じてスタート。
14
翌朝5時半、雨風の中、天気予報を信じてスタート。
前日登った試しの鎖はパス。巻道を行く。
7
前日登った試しの鎖はパス。巻道を行く。
霊山だけあって祠があちこちにある。雨が止んだ。
7
霊山だけあって祠があちこちにある。雨が止んだ。
そして夜明かし峠に差し掛かると、雲の切れ間から陽が差した。雲海が波打つ。
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そして夜明かし峠に差し掛かると、雲の切れ間から陽が差した。雲海が波打つ。
眺めている間に晴れ間が広がった。気分も晴れた。
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眺めている間に晴れ間が広がった。気分も晴れた。
一の鎖(33m)。試しの鎖より楽で拍子抜けした。
10
一の鎖(33m)。試しの鎖より楽で拍子抜けした。
全容を現した石鎚山。紅葉がちらほら。
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全容を現した石鎚山。紅葉がちらほら。
休憩所・公衆トイレ。新しく綺麗。休憩所は2階建てで数人は泊まれそうだ。近くにはテントが設営できそうな場所もあった。
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休憩所・公衆トイレ。新しく綺麗。休憩所は2階建てで数人は泊まれそうだ。近くにはテントが設営できそうな場所もあった。
遠くで滝雲が発生。雲が大きく畝って流れていた。
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遠くで滝雲が発生。雲が大きく畝って流れていた。
雲海とは良く言ったものだ。移り行く幻想的な光景をずっと眺めていたかった。
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雲海とは良く言ったものだ。移り行く幻想的な光景をずっと眺めていたかった。
二の鎖(65m)。濡れた岩が滑り厄介だった。鎖に頼り登り切った。
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二の鎖(65m)。濡れた岩が滑り厄介だった。鎖に頼り登り切った。
三の鎖(68m)。垂直に近い部分もあったが、 鎖にトライアングルのような足置き場があり助かった。
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三の鎖(68m)。垂直に近い部分もあったが、 鎖にトライアングルのような足置き場があり助かった。
三の鎖を登り切ると、目の前に石鎚神社 頂上社。
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三の鎖を登り切ると、目の前に石鎚神社 頂上社。
弥山(みせん、1,974m)登頂。頭頂の喜びも束の間。再び厚い雲の中に覆われた。
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弥山(みせん、1,974m)登頂。頭頂の喜びも束の間。再び厚い雲の中に覆われた。
弥山から見た天狗岳方面。天狗岳が微かに見える。ココからではなく、後に逆方向から登頂を目指す。
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弥山から見た天狗岳方面。天狗岳が微かに見える。ココからではなく、後に逆方向から登頂を目指す。
周辺は断崖絶壁。落ちたら即、人生終了。
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周辺は断崖絶壁。落ちたら即、人生終了。
頂上山荘。天気が悪いが、紅葉シーズンの連休のためか、そこそこの宿泊客。
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頂上山荘。天気が悪いが、紅葉シーズンの連休のためか、そこそこの宿泊客。
弥山山頂で軽食休憩。小雨が降り出した。
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弥山山頂で軽食休憩。小雨が降り出した。
一旦、整備された巻道を使って、二の鎖まで下る。左側通行で下り側には柵がなく巻道とて危険。
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一旦、整備された巻道を使って、二の鎖まで下る。左側通行で下り側には柵がなく巻道とて危険。
二の鎖下の休憩所から土小屋方面に下る。東陵分岐地点から直ぐに通行禁止の看板。自己責任で東陵に向かう。
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二の鎖下の休憩所から土小屋方面に下る。東陵分岐地点から直ぐに通行禁止の看板。自己責任で東陵に向かう。
笹藪漕ぎが続く。雨と笹露でズボンも靴もびっしょり。
8
笹藪漕ぎが続く。雨と笹露でズボンも靴もびっしょり。
矢筈岩が見えてきた。
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矢筈岩が見えてきた。
背丈まである笹藪の急登を進む。途中切れ落ちている箇所があるので気を抜けない。
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背丈まである笹藪の急登を進む。途中切れ落ちている箇所があるので気を抜けない。
巌の双門を連想させる。晴れていれば成就社が見えるとのこと。
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巌の双門を連想させる。晴れていれば成就社が見えるとのこと。
笹滝。笹を掴みながら急登を登る。
8
笹滝。笹を掴みながら急登を登る。
展望が開け、刺々しい南尖峰が現れた。ナイフリッジ状の岩稜「ゴジラの背」を進み、南尖峰に向かう。左手に巻道(かにの横ばい)がある。
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展望が開け、刺々しい南尖峰が現れた。ナイフリッジ状の岩稜「ゴジラの背」を進み、南尖峰に向かう。左手に巻道(かにの横ばい)がある。
そして南尖峰から墓場尾根まで下る。
7
そして南尖峰から墓場尾根まで下る。
まずはゴジラの背(岩稜頂点)を渡る。
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まずはゴジラの背(岩稜頂点)を渡る。
両側とも深く切り立っており、どちらに落ちても行き先は同じで、あの世。
25
両側とも深く切り立っており、どちらに落ちても行き先は同じで、あの世。
南尖峰頂上までは垂直に近い岩を登る。
21
南尖峰頂上までは垂直に近い岩を登る。
南尖峰(なんせんぽう、1982m)の頂点に立つ。天狗岳と同じ標高で、晴れていれば最高の眺望らしい。
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南尖峰(なんせんぽう、1982m)の頂点に立つ。天狗岳と同じ標高で、晴れていれば最高の眺望らしい。
恐竜の頭のような岩。目まで付いている。
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恐竜の頭のような岩。目まで付いている。
小雨の降る中、墓場尾根を目指し、急な岩尾根を下る。
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小雨の降る中、墓場尾根を目指し、急な岩尾根を下る。
大砲岩。周辺は柱状節理の特徴的な岩が立ち並ぶ。
15
大砲岩。周辺は柱状節理の特徴的な岩が立ち並ぶ。
アップダウンを繰り返しながら墓場尾根を目指す。
12
アップダウンを繰り返しながら墓場尾根を目指す。
ホテル墓場(ビバーク岩)と呼ばれる洞窟。確かにビバークには良さげ。
17
ホテル墓場(ビバーク岩)と呼ばれる洞窟。確かにビバークには良さげ。
前方に見えてきた墓場尾根。柱状節理の極み。急な斜面を細心の注意を払って下る。
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前方に見えてきた墓場尾根。柱状節理の極み。急な斜面を細心の注意を払って下る。
墓場尾根に到達、感無量。
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墓場尾根に到達、感無量。
墓場尾根から見上げた南尖峰。陽が差せば紅葉が映えるだろうに。
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墓場尾根から見上げた南尖峰。陽が差せば紅葉が映えるだろうに。
南尖峰に登り返した後、天狗岳を目指す。
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南尖峰に登り返した後、天狗岳を目指す。
天狗岳山頂(1982m)。石鎚山最高峰。
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天狗岳山頂(1982m)。石鎚山最高峰。
ラピュタの飛行石の上にて。下は断崖絶壁で脚が震えた。
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ラピュタの飛行石の上にて。下は断崖絶壁で脚が震えた。
天狗岳から弥山に向かうナイフリッジ状の岩綾。
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天狗岳から弥山に向かうナイフリッジ状の岩綾。
特に右側(北側)は断崖絶壁。落ちるなら左側へ。
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特に右側(北側)は断崖絶壁。落ちるなら左側へ。
弥山が見えてきた。
14
弥山が見えてきた。
弥山山頂、2回目。
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弥山山頂、2回目。
ここで遅めのランチ休憩。
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ここで遅めのランチ休憩。
写真を撮った返礼にと一枚。
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写真を撮った返礼にと一枚。
下山は成就ルートで一気に下る。無事に神門まで戻れたことに感謝。
11
下山は成就ルートで一気に下る。無事に神門まで戻れたことに感謝。
旅館にデポしていた荷物を引き取り、ロープウェイ乗り場に急ぐ。
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旅館にデポしていた荷物を引き取り、ロープウェイ乗り場に急ぐ。
味のある看板。曇り空に映える。
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味のある看板。曇り空に映える。
山上駅に飾られていた墓場尾根の写真(石鎚の表情供(‥膩写真集)。紅葉の名所だが、先端まで行く人は少ないと聞く。
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山上駅に飾られていた墓場尾根の写真(石鎚の表情供(‥膩写真集)。紅葉の名所だが、先端まで行く人は少ないと聞く。
ロープウェイで下山。その後は温泉で雨と汗を流し昇天。
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ロープウェイで下山。その後は温泉で雨と汗を流し昇天。
今回は危険箇所が多い山行だったが、全員無事に下山でき安堵した。感謝!
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今回は危険箇所が多い山行だったが、全員無事に下山でき安堵した。感謝!

感想

西日本最高峰と言われる四国の石鎚山に行ってきました。石鎚山は、​天狗岳(1,982m)、弥山(1,974m)、南尖峰(1,982m)の3座を合わせた連山で、日本七霊山の一つとして知られる山岳信仰の山です。今回も黒岩会のメンバーと一緒に(計4名)、一般の成就コースに加えて、東陵〜墓場尾根を巡るかなりハードな山行を、ほぼ雨という悪条件の中、踏破してきました。

関西からほぼ9時間かけて石鎚山の拠点である成就に到着。生憎の雨でしたが、成就社から石鎚山が見通せたので山行決行とし、旅館に不要な荷物を預けた後、雨の中を出発しました。初めは緩やかな下りから一転し八丁を過ぎ徐々に急になる山道は、丸太や板で良く整備されていました。しかし、雨で濡れ滑りやすく気を抜けませんでした。

最初の鎖場「試しの鎖(74m)」では、鎖も岩も濡れて滑り易く注意が必要でした。登り切った所からの景観は見事で、目指す石鎚山、振り返れば瀬戸内の海まで見通せました。そこから急降下、鎖は冷たく、しがみ付く手が悴みました。

試しの鎖から直ぐの所にあった一軒茶屋で休憩。「力あめゆ」の温もりと生姜の香りに癒されました。ところが雨は土砂降りに変わり到底止みそうもなかったので、残念ですがココで撤退を決意しました。巻道で急ぎ下山し、旅館に戻りました。

旅館の大部屋で昼から宴会。楽しい時間を過ごせました。山の中にも関わらず、お風呂も食事も楽しめるのは最高の贅沢でした。早めに就寝し、翌朝3時起床。雨は未だ降り続いていたので御来光を諦め、雨の様子を伺いました。5時を過ぎると小降りになってきたので、急ぎ準備して出発しました。

まだ暗い山道は泥濘み、小雨と霧でヘッデンは効かずメガネは曇り最悪な状況でした。前日登った試しの鎖をパスして巻道を進み、一軒茶屋に到着。ココから先は未踏の領域、雨も上がりました。夜明かし峠に達すると青空と太陽が顔を出し、眼前には大雲海が広がりました。遠くの山々には滝雲も観察できました。幻想的な光景に暫く足を留められました。気分上々です。

本格的な鎖場に入り、一の鎖(33m)、二の鎖(65m)、三の鎖(68m)と難易度は徐々に上がりました。いずれもまだ濡れていたので滑りましたが、鎖を頼りに腕力で身体を引き上げながら無事クリアできました。登り切る度にご褒美のような絶景が現れました。特に一の鎖を超えた辺りで石鎚3連山が眼前に広がった際には興奮しました。

三の鎖を上り切ると、石鎚神社 頂上社が現れました。弥山山頂です。立派な山小屋(頂上山荘)があり、宿泊者と思われる数名が山頂付近を散策していました。弥山からは隣の天狗岳とそこに連なる岩稜が見渡せる筈でしたが、雲の中に入ったためか天狗岳も霞んでいました。山頂では軽食休憩を取りました。暖かい食事とコーヒーで身体が温まりました。ところがまた小雨が降り出してきました。

弥山から天狗岳に直接向かわず、一旦、二の鎖まで下り、東陵コースで登り返し、天狗岳に向かう予定でした。二の鎖下の休憩所まではあっという間、その後さらに、土小屋方面に下りました。東陵分岐地点で小休憩していると、大分から来られた白装束の御一行が現れ、しばし談笑。弥山に向かう彼らとはそこでお別れし、東陵コースに向かうと、暫くの間、法螺貝の音で見送ってくれました。

東陵コースの入り口には通行禁止の看板があり、ココから先は覚悟を持って進むべき道と気が引き締まりました。前半は、背丈にまで達する笹藪地獄。途中急登もあり、笹や灌木を掴みながら登りました。藪漕ぎで身体がずぶ濡れになりました。矢筈岩を越え岩尾根に登り詰めると一気に展望が広がり、これから進むゴジラの背〜南尖峰〜墓場尾根まで見通せました。一見して厳しいルートであることが判りました。

両側とも切り立ったゴジラの背は、高度感がありスリリングで、どちらに落ちてもあの世行きは確定でした。続く南尖峰は、柱状節理の極みともいうトゲトゲの山頂が特徴的でした。頂上までの登りは険しく、身体のあらゆる部分を使って登り切りました。しかし本当の核心部は南尖峰から墓場尾根への下りでした。柱状節理の岩を下っては登り返し、灌木の多い茂る藪を抜け、墓場尾根へと向かいます。最後は滑る急な岩を全神経を集中させ登り切り、断崖絶壁の頂点に立つことができました。色付き始めた紅葉が美しく印象的でした。

その後、墓場尾根から南尖峰に登り返し、天狗岳に向かいました。山頂プレートを掲げて記念撮影。序でに近くにあったラピュタの飛行石の上でも記念撮影。あまりの高度感に正直脚が震えてました(笑)。弥山までの道のりも険しい道でしたが、距離が短くココまでの行程を考えると物足りない感がありました。

弥山山頂に戻ると、東陵分岐地点でお会いした白装束の御一行に再会し、またも法螺貝で出迎えてくれました。感謝です。山頂で遅めの昼食休憩を取りました。会長が焼きそば、シャウエッセンのチーズ載せ、卵入りラーメンをご馳走してくれました。彼のザック重量は15kgを越えていたと思われますが、厳しいコースを我々以上に楽々と越えて来た事に驚きで、まるで天狗のようです。休憩している間に雨が強くなってきたため、急ぎ下山、1時間少々で旅館に戻れました。預かっていただいていた荷物を引き取り、ロープウェイ駅へ向かいました。駅舎に飾られていた墓場尾根の紅葉写真が見事で、晴れた日に是非再訪したいと思いました。

石鎚山温泉で汗を流した後は、車で高松港に向かい深夜のフェリーで神戸に戻りました。帰宅は早朝になりましたが、急ぎ準備し仕事場へ。強行スケジュールでしたが不思議と眠気は感じませんでした。まだ興奮が冷め切らなかったようです。

憧れだった石鎚山に登れただけでなく、難関の東陵ルートを経て墓場尾根にまで到達でき感無量です。また危険箇所が多い山行でしたが、全員無事に下山でき安堵しました。同行したメンバーの皆様に感謝申し上げます。

以下備忘録です。
-------------------------------------------------
石鎚山(天狗岳、弥山、南尖峰)
【天狗岳(てんぐだけ、1982m) 】
・日本百名山、日本百霊山、花の百名山、新・花の百名山、新日本百名山、四国百名山、都道府県別最高峰、日本の山岳標高1003山、 愛媛県の山(分県登山ガイド)、 日本の山1000、 大阪周辺の山250、日本百霊峰、四国百山、愛媛ゆうゆう山歩き、魅力別で選ぶ日本新百名山、日本名山図絵、ふるさと百名山、気軽に登れる全国名山27選、登るとご利益がある山34、山渓花の百名山地図帳、白籏史朗の百一名山
・愛媛県西条市と久万高原町、高知県の境にある。
・石鎚山の最高峰
・日本七霊山の一つ
・展望良好
・紅葉の名所

【弥山(みせん、1974m) 】
・石鎚神社頂上社や山頂小屋がある。
・実質的な石鎚山山頂として大勢の人で賑わう。
・三角点なし。〜弥山の北西にあるピーク(1,920.63m)に三等三角点「石鎚山」があり、三角点山また北岳と呼ばれている。
・展望良好

【南尖峰(なんせんぽう、1982m) 】
・最高峰とされる天狗岳と標高が同じ。
・柱状節理
・展望良好

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コメント

雨の中あの断崖絶壁は写真を観ている私が脚が震えそうでした 晴れて乾いていれば難易度は下がるものの格段と難易度の上がった墓場 名前も洒落にならない気分で私の方がひやひやしていたのではないでしょうか あの世の文字が濃く見えました 晴れた日の安全ルートでいつか向かいたいです 墓場は行けずとも鎖は巻かずに挑戦してみたいなあ 御無事で何よりです おかえりなさいお疲れ様でした(^^)
2023/10/11 21:35
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1
99partさん、
お言葉ありがとうございます。

今回の山行は事前の天気予報が思わしくなかったので中止になるだろうと思っていました。鎖場、東陵コース、墓場尾根などは晴れていても危険な場所なのに、雨天決行と聞いてビビりました。

後には引けない状況で覚悟が決まったせいか、集中力は研ぎ澄まされ、最後まで途切れることはありませんでした。修験道の世界で言う修行の意味が少しだけ見えた気がしました。大願成就なりますでしょうか。

コメントありがとうございました。
Kumainkobe ฅʕᵔᴥᵔʔฅ
2023/10/11 21:49
こんばんは^_^
楽しそうな登山を頑張っておられて嬉しいです。
私ごとではありますが椎間板をやられて動くと激痛が走るためここのところ活動ができなくて辛かったのですが、ようやくよろよろと回復しつつあるので山歩きを再開しました。
その山歩きを公開した途端拍手をいただきありがとうございました。また、久しぶりにkumainkobeさんの山行きを見て元気をいただきました。これを励みにのんびりと自分のペースでやってまいります。
私如きが言うところではないですが引き続きkumainkobeさんもお身体大切に頑張ってください。
2023/10/14 19:05
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1
buraaruさん、こんばんは!

身体が本調子でない時は辛いですよね。
どうか無理せず復帰目指して下さい。

私も膝や腰に爆弾を抱えているので、ボチボチやってます。幸い身体だけは丈夫にできている様で続けられています。

山歩きと言っても様々なジャンルがあるようで、今後何を目指すのか目下試行錯誤中です。

コメントありがとうございました。
Kumainkobe ฅʕᵔᴥᵔʔฅ
2023/10/14 22:04
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