記録ID: 6048572
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
三俣蓮華 黒部五郎から有峰口
2023年10月12日(木) ~
2023年10月14日(土)
体力度
10
2~3泊以上が適当
- GPS
- 32:24
- 距離
- 59.5km
- 登り
- 3,182m
- 下り
- 3,958m
コースタイム
1日目
- 山行
- 10:39
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 11:14
18:52
2日目
- 山行
- 12:15
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 12:40
17:07
3日目
- 山行
- 5:39
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 5:40
天候 | 晴れのち快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【1日目・新穂高温泉から黒部五郎小屋テント場まで】 夜行バスは平湯温泉バスターミナルに3時40分に着く。待合室は閉まっており、トイレしか開いていない。気温は5度、寒い。新穂高温泉行きのバスは7時だ。バスターミナルの建物の奥の方の喫煙所の裏、非常階段の下にコンクリートの床の空間があり、マットと寝袋で仮眠した。 新穂高温泉から一時間の林道歩きの後、小池新道の登山道に。前にも書いたが、ここは歩きやすいようにに石積みでステップが作ってあり、まさに「登山道の芸術品」だ。最高の登山道の一つだ。双六までの間で50人ぐらいとすれ違った。 今回のコースは秩父沢から黒部五郎小屋の先まで水場がない。水は2リットル持参し、秩父沢で1リットル追加してビバークに備えるつもりだった。だが、秩父沢には、水場でなく沢が2本あるだけだった。昨年に登った時は水場があって汲んだのだが。沢だと生水として飲めない。浄水器を持参すべきだったが忘れた。沢から少し行くと水場があるはずと思ったが、なかった。通り過ぎてかなり登ってから焦り出す。 結局、鏡平小屋で500ml100円で浄化した天水を蛇口から売っており、それを買った。意外とおいしい水だった。小屋は嫌いだとか言いながら、こういう時はありがたい。 しかも、水場がないと思っていた双六小屋には、無料の水場があった。去年は双六小屋が閉まった後の時期にこのコースを歩いたのだった。いろいろ勉強になります。 昨年のビバーク地点に16時前に着いた。まだ行ける。18時ぐらいまで明るいはず。三俣蓮華の向こう側にもビバークできる場所があるし、営業が終わっている黒部五郎小屋のテント場でも良い。 夕暮れ前に三俣蓮華岳。ガスが晴れて遠くが見えるようになった。誰もいない夕焼けの中で、薬師や雲ノ平や水晶岳などが見える絶景に。 登山の常識では、ご来光を見るために日の出前に歩くのは良いが、日没後に歩くのはダメ、みたいな話になっている。実は、疲れていなければ日没後に歩いても良いはず。近年はLED化でヘッドランプの性能がとても良い。夜でも十分安全に歩ける。日没後に歩くのを許容すると、素晴らしい夕暮れの中を歩ける。「4時までに小屋に着け」主義者くそくらえ。やっぱり小屋は嫌いだ。 数日前に降雪があり、丸山の手前から三俣蓮華の先まで、雪の上を数歩歩く場所が数回あったが、チェーンスパイクは全く不要だった。一応持参していたが。 黒部五郎小屋は片付けのために沢山の人がいた。許可をとり、無料でテント場に寝た。他にひと張り。意外。でもないか。日暮れ後に着いて日の出前に出発。自賛した水だけで過ごしたので水場の有無は不明。 最低気温マイナス3-4度ぐらい。ツェルト内は結露が凍結。ナンガ900DXで安眠できた。 【2日目・黒部五郎小屋から折立まで】 調子が良いので、朝の時点では薬師岳山荘まで行こうと思っていた。薬師岳山荘は営業終了しているが小屋の前の平地でビバークできるだろうと。3日目に薬師岳山頂でご来光を見た後に折立経由で有峰口まで下山する日程を考えた。だが、太郎平に着くころに足の平が痛くなり出し、この感じだと3日目の車道5時間歩行の時に、前回の白山縦走の時みたいに足が動かなくなると予測、薬師岳往復の5時間分を断念し、太郎平から折立に下山する日程に変えた。 3日目の午後に降雨の予報もあったし(この予報は外れた。3日目の夕方まで快晴だった)。 結果的に、もし薬師岳往復を含めていたら、有峰口に着いた時に足が動かなくなっていた可能性はある。 黒部五郎小屋から太郎平まで、素晴らしい景色が続く。ここを通るのは3回目だが、これまでは毎回ガスガスか降雨で、黒部五郎岳も肩まで行って通り過ぎ、登頂したことがなかった。これまでは三俣小屋もしくは折立からの歩きで、黒部五郎岳が遅い時間になってガスっていた。だが今回は快晴。全部見えた。 とくに白山がよく見えて感動した。白山は私の新たなお気に入りだ。以前は白山に関心がなかったので、遠くから見えても認識すらしていなかったが、今回は違う。飛騨盆地を挟んで反対側が白山なので近い。 黒部五郎のカールには水場が何箇所もあり、補給した。登山道の積雪はほとんどなかった。 太郎平から降りて折立に着いたのが17時。意外なことに、折立は携帯電話が通じるようになっていた。ドコモとAU。タクシーを呼んで1万3千円払ってその日のうちに帰宅もできたが、今回は有峰林道を歩くことが目的の一つだ。 折立キャンプ場が、熊の出没を理由に閉鎖されていることは知っていた。有峰ハウスまで歩いて泊まることもできた。折立キャンプ場に行ってみると、ぐるりと太陽光発電の電気柵が張られて立入禁止になっていた。熊よけのためでなく、人を入れないためだ。入るな馬鹿野郎みたいな立て札もある。お役人はすごいことするね。本末転倒。電気柵を熊よけとして使い、人間用の出入り口を設ければ安全にキャンプできるのに。 立て札には、電気柵の外側に張るのは最も危険だと、呪いの言葉も書いてある。だが、ここの芝生は素晴らしい。電気柵は熊も近寄らないはず。奥の方に丸テーブルがいくつかあり、そこは電気柵の外側だ。マットと寝袋を敷き、少し横になってみるととても快適。思わず寝入ってしまった。ツェルト不使用、ビバークでなく野宿。 【3日目・折立から有峰口】 午前3時すぎに目が覚めた。気温は2度ぐらい。露が降りて少し凍結している。ツェルトを張っても張らなくても寝袋の外皮は濡れるんだ(防水だけど)。近くの公衆トイレの中にベンチがあるので、そこまで移動して朝食に。お湯をわかしてアルファ米に入れるだけだが、具としてベーコンとチーズとしめじを入れるので、クマ対策としてトイレのベンチで作った。食事よりトイレの臭いが勝るのでクマも気づかないだろうと。一応、コワいお役人様方に敬意を表してみました。笑 有峰林道の歩行時間は約5時間だった。途中、有峰ハウスの前でトイレ休憩。そこにも芝生があり、そっちはキャンプ禁止でなかったので、前夜にここまでくれば良かったと。 車道は下りが続き、意外と快調に歩けた(この林道を歩いて登るのは格段につらいはず)。下りで使って正解。ただ、9時ごろになると日がさしてきて暑くなり、しんどくなった。この林道を歩くなら、折立を3時に出れば良かったかも。薬師岳を往復していたら、林道歩きが午後になり、もっともっとしんどかったはず。 今回は林道を歩いたが、これは1回で満足した。次回はタクシーを使おう。 同じ1万円を払うなら、小屋に泊まるのでなく、タクシーに乗る方が良い。私の場合、暖かい寝袋と適切なマットがあれば野宿でも小屋同様に安眠できる。しかし、舗装道を何時間も歩くのはつらく、タクシーの方がはるかに快適だ。 |
写真
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