カムイエクウチカウシ山《日本三百名山》
- GPS
- 13:09
- 距離
- 33.1km
- 登り
- 1,609m
- 下り
- 1,605m
コースタイム
- 山行
- 11:54
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 13:09
天候 | 晴れ一時ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
|
写真
感想
十勝の中札内村から日高の静内を結ぶ予定の道道111号線、2車線の立派な道が山中に続く砂防ダムの横を通過するためトンネルと覆道が連続する。ほぼ直線的で知らず知らずに時速100/hが出てしまう道だ。その道道が突然途切れゲートに行き当たった。駐車スペースには10台余りの車、カムイエクウチカウシ山の登山口だ。しかし持参した2000年版昭文社登山地図の登山口とは少し違う。カーナビの現在位置からすると本来の登山口の6匱蠢阿里茲Δ澄ただでも厳しいカムエク日帰りピストンができるかどうかの瀬戸際になった。テントは持ってきていないしチェルト泊はごめんだ。でも行くしかない!
車中泊して周りが白みだした4:43ヘッドライトを点けて歩き始めた。未舗装となった道道に踏み出した。まだまだしっかりした道で2箇所に覆道も備わっていた。従来の登山口と思しき辺りにあるゲートを越えて暫く行くと七ノ沢出合に到った。歩き始めて1時間6分掛った。ここで沢靴に履き替えて6厖召蠅梁歩きに入った。七ノ沢を渡り札内川本流を遡行すると、赤テープが右岸左岸に巻かれ最小限の渡渉で行けるように印されているが、折角沢靴を履いたので、水は気にせず浅瀬を選んで進んだ。増水もなく深くても膝くらいの水深なので楽しい沢歩きができた。
八ノ沢出合までの3.6劼魄娚阿覆曚描瓩着いてしまったようだ。しかし地図の確認を怠ってしまい痛恨のミスを犯した。何んと八ノ沢出合を通り過ぎ札内川本流を遡行し続けてしまった。 ???と思い確認するとどうも札内川本流も逸れてキネンベツ沢に入ってしまっているようだ。やってしまった! 昨日神威山荘でここの話をすると地元のベテランが八ノ沢には人が多く入り熊は出ないだろうが、九ノ沢によく出ているという話を思い出し、心穏やかならず急いで引き返した。
1時間近いロスの末、正しく八ノ沢に入った。出合の森の中には数張りのテントがあり、朝からカムエクに行っているのだろうすべて無人のようだ。カムイエクウチカウシ山、なんと北海道的な響きなのだろう。アイヌ語で「熊がころげ落ちる山」と言う意味があるそうだ。長い山名なのでので「カムエク」と通称する。山深い日高の中でも第1級の山だ。
八ノ沢はカムエクから直線的に伸びる沢で本流との分岐から500mも入ると蛇行はなくなり直線的な川となった。やがて正面にカムエクの雄姿が存在感を持って迫り、遥か彼方に大きな標高差を持って聳えている。気持ちよい沢歩きを1時間も続けると標高999mの三股に達した。雪渓の残骸が大きく残り、融け切らないうちに新たな雪が覆い隠してしまうのだろう。ここは文字通り三つの沢が合流する。そのいずれもが滝である。真ん中の滝を進むが、本格的沢屋でないと直登はできない。右側の巻道に入るがこれも相当厳しい。等高線はそれまでと打って変わった詰まりようでこれがカールまで続いた。
夫婦連れの登山者が下りてきた。カールで幕営したとのことで、「もう沢靴は要らないか?」と聞くと巻道が多いがカールまでは要るという。この後にも単独行の2人が下山してきた。一人はきっちりとヘルメットを被っていた。この辺りから上は紅葉真っ盛り。天候不順だったせいか鮮やかさは少し劣るが、山肌を染める紅葉は素晴らしい。花も余り期待していなかったが、結構綺麗で楽しませてくれた。少し傾斜が緩く水流も少なくなり再び本流の沢に入った。そして伏流し音が途絶えると静けさに包まれた。やがて八ノ沢カールに乗り上がり渡渉を終えた。
八ノ沢カール(標高1,550m)と言えば、あの痛ましい福岡大学ワンゲル部の羆遭難事件に触れない訳にはいかない。カールには遭難碑が3名の霊を慰めている。昭和45年7月、数日前から出没ししていた羆に襲われて犠牲になった。人間のザックには餌があることを学習した羆に執拗に襲撃された結果で、予測不可能な点もあるが教訓として一旦羆が触った物は彼らの物、取り返すことなど考えてはいけないということだ。
そんな悲しい過去のあるカールを過ぎ稜線へと斜面を這い上がった。カムエク反対側のピラミッド峰(1,853m)の鋭鋒が素晴らしい。立ち寄りたいと密かに目論んでいたが、林道歩き往復12劼硫短擦汎惨岼磴い1時間ロスしたことにより行く時間はなくなってしまった。カールから先を行く小父さんが遠目に見え隠れしていたが、その距離は縮んだ。しかし山頂までに追いつくことはないだろう。稜線に這い上がってもまだ標高差280mもある。這松帯に突入して歩き難くなった。枝が脛を襲い沢山の青痣ができた。
這松苦闘の末ようやくカムイエクウチカウシ山(1,980m)山頂に達した。さっきの小父さんが待っていた。昨日八ノ沢出合でテントを張り今日もそこで泊まるそうだ。山頂には1等三角点「札内岳」があり360°の展望が得られた。三角点名の“札内岳”は主稜線を北に進んだ所にある山で其処には3等三角点「札内岳」がある。今日は雲ひとつなく、見通しも最高で幌尻岳、ペテガリ岳、神威岳、そして大雪の山々も望むことができた。遠く十勝の平野部が見える他、人工物は一切なく奥深い日高の山々の中心に居ることを実感させられた。
長距離縦走する以外来た道を戻るしかなく山頂に16分滞在して下り始めた。明るいうちにゲートまで帰るには少しピッチを上げて歩かなければならない。八ノ沢カールで沢靴に履き替え長い沢下り。滝道のトラバースは通ってきたところなのに案外覚えてなくて、うっかりしているとルートを見失いそうになる。三股まで下りて来ると危険地帯は終了しホッとした。
八ノ沢から札内川に入り七ノ沢出合に辿り着いたのは16:43、登山靴に履き替え6.1劼亮崙擦鮃眤歩行で行ってもゲートに帰着する頃には真っ暗になってしまうだろう。この時期の日の入りは17:33だ。日高の山中で日が暮れると心細いものだ。熊さんの活動時間に入ってしまった。
ピッチを上げ57分で6.1劼鯤發漸くゲートに到着、久しぶりに良く歩いたものだ。疲れてこの後、支笏湖まで200キロも運転する気力はない。明日予定していた樽前・恵庭は止めて、まだしも近い十勝岳にしようかと思案しているとラジオの天気予報で、明日は気圧の谷の通過で全道的に曇りのち雨、早いところでは午前中から雨になるらしい。これを聞いてあっさり翌日の登山を諦め、そのままゲート前の駐車場で車中泊することにした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する