甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根〜八丁尾根周回)
- GPS
- 15:42
- 距離
- 28.0km
- 登り
- 3,274m
- 下り
- 3,314m
コースタイム
- 山行
- 8:40
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 9:34
- 山行
- 7:00
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 7:30
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
七丈小屋までは危険無し ・七丈小屋〜甲斐駒ヶ岳=鎖場多数、雪と凍結箇所に危険あり ・甲斐駒ヶ岳〜八丁尾根分岐=不明瞭箇所多数、雪と凍結箇所多数、道迷いに注意 ・八丁尾根〜日向山=不明瞭箇所多数、踏み跡、印少なく道迷いの危険あり ・日向山〜駐車場は明瞭危険無し |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
南アルプス甲斐駒ヶ岳を考えていると面白そうな周回ルートを見つけました。
しかし調べるうちに不安要素がたくさんあり、数日前から不安で仕方ない、でも挑戦したいと葛藤がせめぎ合い。
前日は広く大雨。もしや雪が積もっているのでは?と心配になり前日夕方に七丈小屋に電話して状況を伺うもわからないと鼻で笑われ大した情報を得られず。
当日のなかなか無い晴天予報に背中を押され意を決し決行。
不安要素は、
①テント泊装備で日没までにテン場に着けるか(水場が無いので重くなる)
②甲斐駒ヶ岳〜先の不明瞭箇所の道迷い、垂直の鎖場
③幕営予定地のホラー的不安
④大岩山付近の長い鎖場
⑤雪
実際は、七丈小屋まではアスレチック的な箇所が複数あったものの重い荷物を背負っている割にはサクサク登れたようです。
七丈小屋から先、垂直の鎖場が数カ所あり、足をかけるところに雪が残っていて凍結しており、かなり緊張を強いられました。そして山頂付近は雪が多く、危険と隣り合わせの歩行を強いられます。
山頂から幕営地までの稜線は非常に分かりにくい。基本的にケルンを頼りに進む。おかしいと思ったら引き返せば必ず他に道がある。この二つを頭に、ゆっくりゆっくり。雪と凍結が酷く、よりゆっくり慎重に。
六合石室小屋を覗いてみる。
何だかゾクゾクし、ここで一晩明かすのは無理だと思いテント場を目指す。その付近で体制を崩し重い荷物に体を持っていかれ転倒するもハイマツに引っ掛かり命拾い。
テント場に着くと何と一人先客がいる!これまでのルートあまり人に合わなかったので、こんなに人がいることにありがたさを感じたことはない。お陰で一晩ホラー的不安にビクビクせずに過ごせた。
また、道迷いや雪の不安を共有出来、心がほぐれた。本当に感謝。
2日目、先ずは八丁尾根分岐まで。
しかし道が不明瞭で2回も道迷い。
とにかくおかしいと思ったら自信の持てるところまで戻ることが大事。必ず他に道がある。道迷いのおかげで三ツ頭に辿り着けなかった。烏帽子山付近の道迷いはなかなかルート復帰できず、このままではまずいと思い無理やり藪こぎをしハイマツを掻き分け乗り越えて何とかルート復帰。烏帽子山山頂は素晴らしかったが、そこからまた道がない。岩を乗り越えたら道があった。わかりにくい。
その後大岩山付近までの樹林帯も印が少なく迷いやすい。大岩山の鎖場はよく整備され心配なく登れた。
不明瞭箇所や人があまり通ってないルートは多くの危険があることを身を持って感じた。難しい鎖場よりも印の少ないルートのほうが怖い。鎖場は人の手が入っているから安心感がある。人の手が入ってないところは何かあっても誰も助けてくれない。道迷いほど恐ろしいものはない。
山頂から鋸岳分岐までの稜線歩きは絶景でしあわせな時間に違いないが、それよりも道迷い、滑落の不安が大きく、どっぷり浸かることは出来なかった。が、自分なりに最大限楽しんだ。
幸せと不幸は常に隣り合わせ。
明るい光は常に真っ黒な影を落としている。完全に満たされた状況は無い。
暗い所にいるからこそ明るさがよく分かる。明るい景色に気づいているなら、どんなに暗い所にいてもその状況を楽しんだ者勝ちだなと思いました。
人が普通にいることがどんなに幸せなことか、そんな事を甲斐駒ヶ岳が教えてくれたような気がした山行でした。
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