雨乞岳周回
- GPS
- 06:26
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 890m
- 下り
- 875m
コースタイム
- 山行
- 5:26
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 6:12
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道。バリエーションルート数多く、注意。 |
その他周辺情報 | 湯の山温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
そろそろヤマビルも姿を消すことなので、鈴鹿の山に出かけることにした。どこにしようかと迷ったが、山頂部が笹原で眺めのいいという鈴鹿第二高峰、雨乞岳にだんだんと標的が絞られていった。第二高峰と言っても、鈴鹿の山はどんぐりの背比べ状態である。せいぜい数十メートルの差があるに過ぎない。自分たちが住んでいる瀬戸内周辺ではまだ紅葉らしい紅葉を目にしないのだが、鈴鹿の直近の山行記録を見ると、こちらではすでに紅葉が盛りという。この連休は文句なしの晴天が予想されていることだし、紅葉狩りへの期待も膨らむ。
少々出発が遅れ気味なので、駐車スペースを得られるかどうかという点は少々不安だ。あらかじめ調べておいたドライブルート検索によれば、新名神の甲賀土山ICから鈴鹿スカイラインを西からアプローチすることになっていたが、kinuasaの携帯のナビはもっと先まで高速で行くことを求めている。山のアプローチではここのところ携帯のナビに翻弄されてきた経緯があり、今回は予定ルートに準拠して進路をとる。ヘアピンが連続してトンネル近しとなったところで路駐の車が連なり出した。どうやら登山口近しだ。右手の満車となった駐車場を過ぎて一旦路駐のない部分の後、再び路駐が始まっている。これはトンネル出口横は満車に違いない。ウロウロしているうちに路駐不ペースもなくなりかねないので、じたばたせず、路駐の最後尾につける。我々の後ろには京都ナンバーの乗用車がすぐに続いた。実際、路駐の車の大半は名古屋方面のもので、トンネルを抜けてきたと思われるから、この場所より上にはスペースがないというわけであろう。
ヒルのシーズンは終わったはずではあるが、昼間25℃を越える高温が続いているから油断はできない。ヒルよけスプレーを念のため吹き付けての出発だ。登山口はトンネル西口前の橋のたもとである。ここには左方向に林道跡があるので、それを入るのかと思ったら、雨乞岳への道をさす看板は谷の右岸に沿って入ることを指示している。ヒノキの植林下につけられた道を進む。傾斜の緩い登りである。わりとすぐに温帯広葉樹林に変わり、さっそく見事な紅葉に気を良くする。道は山腹を巻いてつけられており、ゆるく登っていると思うとまた下るというような、微妙なアップダウンを繰り返している。左側は急傾斜でところどころで石ザレの小沢を横切っていく。滑落事故多発の注意看板がいくつも立っている。
うしろから次々にパーティーがやってきて終始、人声を聞く賑やかな山行である。相対的に若めの人が多いからか、全体にペースが速い。沢谷峠、というところと後で知ったが、そのわずか手前で右側(北側)に登っていく若者二人組が目に入った。登山口で先行していた単独の女性は左に進んでいった。ここはてっきり二又分岐と思い込み、自分たちは右だからと若者二人の方に入って急登をガンガン登り始めたのだが、GPSを見て誤りに気付く。その道は御在所へのバリエーションルートだったのだ。非常によく踏まれていて、引き込まれてしまったというわけ。すぐ後ろから来た若者4人組はそのまま登って行ったが、我々は鞍部まで戻る。鞍部の灌木にはテープマーキングがあり、「御在所」vs.「武平峠」の方向を指示していたのだった。結局ここは、「二又」ではなく「変わり三叉路」だったのだ。
以後、「雨乞岳→」の指導標に忠実に従って進む。なおも道は谷沿いを行き、紅葉に目を見張りながら、潤い豊かな温帯林の沢筋を進んでいく。気持ちよいところである。見事に黄葉したアワブキの下を源頭の雰囲気となった沢筋をゆけば、前方に稜線が見えてくる。緩やかな登りで鞍部に立つ。先行の2パーティーが七人山に寄り道している。それに引っ張られて我々も七人山に登っておく。冬に来たなら楽しかろう丸い山頂はブナに包まれているが、もうほとんど落葉して、正面の雨乞岳の立派な山容をのぞむことができる。ここで昼食とする。
腹ごしらえ出来たら、あの大きな雨乞岳を一気に登る。鞍部からは背の低い灌木となり、やがてそれも笹にとって代わる。展望が一気に開ける。左対面ににょきっと天を突いて立つ鎌ヶ岳、何とも印象的な山容をしている。背後には御在所岳がその全容を現わし、ロープウエイの山頂駅だろうか、右手のピーク上には建物が見えいている。
どこかで「身の丈のササ」と読んだが、実際には30−40センチの丈しかなく、単に登山道が溝状にくぼんでいるため、ササが高く感じるのである。しかもササの枝先はシカにかじられたと見えて枯れている。しんどい登りを喘ぎ登ると、多くの人がくつろぐ「東雨乞岳」のてっぺんが視界に入ってくる。確かにこの山頂からの眺めは見事である。360度、遮るものはない。ここから雨乞岳まで、距離があるように見えて「まだ随分あるな」と思ったが、いざ行ってみると起伏がわずかであっという間に雨乞岳山頂に到達した。こちらの山頂はやや狭く感じる。
休憩の後、先の東のピークに取って返し、そこから稜線を沢谷峠目指し進む。こちらのルートは登りのルートよりは静かな感じである。下り始めは笹原の中を行く。正面に鎌ヶ岳の勇姿を見ながら高度を下げていくと灌木林に入り、傾斜が増す。登りでエネルギーを使ったせいだろう、ちょっとした登り返しがこたえる。冬枯れの木々と共に、石楠花の常緑が目立つようになる。標高が下がるにつれて周囲は再び美しい紅葉に彩られる。林下にはイワカガミかイワウチワの群落がある。ふと見ると枯れ木の生え際に灰色のキノコがびっしりとついている。ヒラタケである。多くのハイカーが通る登山道わきに何と立派な!名古屋、大阪の都会の人には気味が悪いのかな。ありがたくいただいてリュックに収めるが、その重さがこたえる(帰宅早々、フライにして食べるとうまいうまい)。
長い尾根下りの末に、ぐっと近くなった鎌ヶ岳を目前に眺める地点にでる。ここから沢谷峠へは、ほんの一投足である。朝、間違えて御在所方向へ進んでしまった「変わり三叉路」をしっかり確認して、最後のトラバース道に入る。登りの元気な時には問題にならないろころだが、疲れた下山時、木の根に足を取られたり、石につまずいたりしてバランスを崩すと、谷に滑落する恐れがある。慎重に足を置きつつ、進む。やがて鈴鹿スカイラインの車やバイクの音が大きく聞こえるようになり、武平峠トンネル前に飛び出した。
紅葉に包まれ潤い溢れる谷筋を登り、見事な眺望に感嘆し、紅葉狩りについでにキノコ狩りまで楽しんだリッチな山行であった。
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