奥穂高岳ピストン
- GPS
- --:--
- 距離
- 23.5km
- 登り
- 1,676m
- 下り
- 1,561m
コースタイム
天候 | 快晴(日焼けが痛い・・・) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
例年よりは雪の量が少ないように思いました。 穂高岳山荘までは特に問題なし。 山荘から頂上へ1か所いやらしい雪壁アリ。 |
写真
感想
「今年のゴールデンウィークは何しようか?」「山へ行くとしたらどこへ行こうか?」と色々考えました。7日間休みがあったのですけど昨年・一昨年は立山へ、その前の3年間は北穂へ行ったんでGWの山はもういいかなと思うし特にこれと言って行きたい山などはなかったんですが、さりとて1週間ずっと家にいるのは苦痛なので、「やっぱどこかの山へ行こう」と山行を練り始めました。
そんな時、GW前に開いた山小屋のサイトを見ていると、やけに槍ヶ岳の雪の付き方が例年に比べると少ない・・・ 自分の技量でGWの槍ヶ岳に登れるとは思えなかったんですけど、「これなら夏と変わらないんではないか・・・?」と良いように解釈するようになりました。
また「せっかく高速代とガソリン代を負担して行って槍ヶ岳に行くだけなのもなぁ・・・」と思い、ダブルヘッダーで北穂にもまた登れればなとも考え、いわゆる弾丸登山、具体的には横尾をベースに両方を日帰りでピストンしようと計画しました。
4月30日の夕方に自宅を出て松本インターで降り、沢渡近くの道の駅で車中泊します。
翌1日の2時に起きて中の湯へ向かい、ココから真夜中に上高地へ入れる唯一の手段と言ってもよい自転車で釜トンネルに突入、真っ暗な4時ごろ上高地を通過、横尾に着いたのは5時半ごろでした。
ココで早朝にテント設営(笑)。北穂をピストンするのに不要な荷物はテントに放り込み、既に6時を過ぎていたので、まずは槍ヶ岳よりは短時間で戻って来れそうな涸沢〜北穂に向かいました。
横尾から先にも雪はあまりありません。過去の経験上、本谷橋でアイゼンとかスパッツを装着。夏道は使えませんからヒイヒイ言いながら雪面を直登します。
なんとか9時前に涸沢着。天気は快晴。涸沢ヒュッテのテラスでしばし北穂や奥穂の風景を目に焼き付け、今度は涸沢小屋まで行って前穂の風景を目に焼き付ようと向かいます。
が、ここで1つ思いつきました。
昨年と一昨年のGWは立山に行き、その前3年間のGWは北穂に行きました。奥穂へもその3年の初年度にチャレンジし、さらにその数週間後にもチャレンジしたのですが、結局穂高岳山荘から頂上へ向かう道がヤバそうということ断念しているんですけど、「今年の状態なら槍同様に行けるのではないか」と涸沢小屋に向かう途中で思いつき、そのまま左へ90度方向転換して北穂ではなく奥穂にルートを取りました(笑)。
涸沢小屋のソフトクリームは帰りの楽しみに置いておき、小豆沢に取り付きます。冬は直登となるのでキツイです・・・
なんとか12時ごろに穂高岳山荘に到着し、山荘から頂上へ向かう道の情報収集をします。降りて来た人数人に話を聞くと、「例年に比べれば雪は少ない」「ただ途中に2か所雪壁があってソコは厄介」「もう昼なので雪は緩んでいる」という情報でした。
5年前のGWは穂高岳山荘に来ることさえできず(雪崩の危険性があって県警からストップが出た)、その数週間後に再度来るも穂高岳山荘より先には進めませんでした。今回の機会を逃せば次はいつ来ることができるかわかりません。
多少危険でも行くしかないと決め、アイゼンとピッケルとヘルメット、あとはカメラだけ持って頂上へ向かうことにしました。
最初の岩壁のハシゴやクサリは夏道と同じです。これをクリアすると確かに雪壁がありました。下から見ていると下るのは難儀そうでしたが登りは普通に登れました。
ココをクリアするとあとは普通に頂上近くまで行けます。アイゼンなしでは来れませんけど、大半が夏道なので岩の上をアイゼンで歩くのが何となくイヤな感じです。
頂上近くにもう1つ雪壁がありますが、コチラは岩伝いに行けますので特段問題ありません。
そうこうしているうちに頂上が目前に迫ったまさにその時に悲劇が・・・
撮影してカメラをしまおうとしたらカメラを落としてしまい壊れてしまいました・・・
スペアのカメラを持ってきていたのですが山荘にデポしてきたので、この頂上から山荘までは写真がありません・・・
帰りもすんなり最初の雪壁のところまでは戻れましたが、やはり登りより下りが難儀しました・・・
頂上直下の雪壁は先ほど言ったように岩伝いに登り降りできるので問題ありませんが、ココの雪壁はそんなものはなく、かなり傾斜のある雪の壁を後ろ向きになってから、まずピッケルを突き刺して確保しつつ、足はアイゼンの爪先を雪壁にケリ込んでスタンスを確保していかざるを得ません。「もし滑るとどうなるんだろう・・・」と先を見ると、クマでも通り抜けてしまうようなデカい目の網というかロープのようなものが気休めに張ってありました・・・(笑)
ココは滑るとシャレになりません。慎重に後ろ向きになってピッケルを突き刺しつつアイゼンで雪壁を蹴りこみます。後ろ向きなので足元がよく見えない上に途中から傾斜がさらに増すので慎重に下り、岩場まで戻った時はホッとしました。
なんとか山荘まで戻ると、もう14時を過ぎていました。急いで下らねば明るいうちに横尾まで戻れません。
登っている時は「ココは下るのも怖そうだなぁ・・・」と思いましたけど、さっきの雪壁を経験した後だと何とも感じません。サクサクと下って15時20分ごろに涸沢まで戻り、時間がない中、涸沢小屋のソフトクリームを食べます(笑)。
ココのソフトクリームは濃厚でおいしいですよね。街中では珍しくない味かもしれませんが、こんな山の中で食べられるソフトクリームとしては最高の贅沢だと思います。
ソフトクリームもそこそこに、すぐ下山。大学1年の夏合宿で訪れた涸沢。ある意味、ココに来なければ今の登山趣味はなかったとも言え、本当はこの登山趣味の原点とも言える涸沢にもっと滞在したいところでしたが、時間が許してくれません。
どんどん登ってくる人の流れに逆らうように下り、17時半ごろ横尾に着きました。今日は2時に起きてますから疲れましたね・・・
横尾に戻ると朝よりかなりテントの数が増えていました。あと1時間もすれば暗くなるので急いでアルファ米で食事をとり、明日に備えて19時には寝ましたが、汗をかいたからなのか、水分をあまり取らなかったからか体調はあまり良くない感じで、ウトウトしてはすぐ起きる、またウトウトの繰り返しだったように思います。
【翌日に続く】
一泊二日で残雪期の槍穂ピストンとはさすがですね。
今年は融雪が早いものの奥穂のはしご上の雪壁にはしっかり雪があったようですね。
昨日のニュースで奥穂で二人の方が滑落して亡くなったと言ってましたが、やはりそこから滑落したのでしょうか。
お互いこれからも安全第一でいきましょう!
槍穂を2日でピストンはアラフィフおやじにはキツイっす!
一昨日の滑落は小豆沢のようです。
たぶん4日の雨が凍って5日の朝はツルツルだったんではないかと・・・
1日に小豆沢を登下降した時はなんてことのない雪だったので、その時々の天候によってかなり状況が変わるんでしょうね・・・
一歩間違えば自分がそうなってたかもしれないので、お互い気候や状況判断を間違わず山を楽しみましょう!
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