沖ノ源次郎沢
- GPS
- 08:39
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 844m
- 下り
- 837m
コースタイム
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 3:03
- 合計
- 8:38
天候 | 晴れ→ガス/雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・コンディション: 前日〜朝の雨で濡れ ・他パーティ: なし ・参考遡行図:「丹沢の谷200ルート」P.15,17 (2級) ・携帯電話: d/S/R駐車場電波無し, 沖ノ源次郎沢出合でアリ ・登山届: 滝沢園入口登山ポスト, Compass, 身内へ共有 ボルダリングをメインにやる2人を「マルチっぽい山遊びしようよ」と誘い出し、沢登り…だけど水のない初めて沢に連れ出すことに成功!沢装備無し、登攀装備があれば登れる沢ということでこちらに。2人は外岩経験は豊富で、外岩ボルダーでは2段を登れ、基本的なロープワークもできる、なので登攀は安心。山や沢特有の部分だけをCLとSLがバックアップする形での山行。 出だしの源次郎尾根道に乗るところで、CLが以前に水無川本谷を遡行する時に使った踏み跡に導かれてしまい、堰堤上まで行ってから引き返すトラブルあり。源次郎尾根道自体はかなりしっかりと踏まれている登山道だった。Co730に小さなケルンがありそこから谷側へ逸れる道が書策新道。書策新道も踏み跡ははっきりしていて迷うことはない。崩れている場所などにはロープなどがありそれなりに使われている道だと感じた。Co875で自然と水無川本谷の沢床に降りる。水無川本谷は水少なめ。ほぼ水に濡れずに10分ほど遡行すると沖ノ源次郎沢出合に着く。 前日から未明まで弱雨が続いた影響で岩肌はかなりウェット。特に1段目の20m棚はビショビショで、初心者2人のことを考えると、到着時点では敗退を検討していたが、気候が良い(無風、暖かい)ことや、2人共に登攀力◎アッセンダー登攀◎で、とりあえず登ってみて上に強固な支点さえ作れれば大丈夫だろうと、登ることにした。 1段目をCLがリード、2段目をSLがリードで登った。CL/SLはクライミングシューズも持っていたが、濡れていることもあり、そのまま沢靴(ラバーソール)で登った。1段目は左側を直登、残置ハーケン2箇所ほどでランニングし、太い立木で支点構築。2段目は左から取り付いて右にトラバースし凹角を登った。シングルロープだったのでロープが強く屈曲するため、カムでロープの流れを良くしながら。支点は立木と岩で取った。 濡れている状態だったためか、1段目の方が全員難しく感じたよう。登る選択は結果的に大正解で、全員が1段目を登り終わる頃には晴れ間で2段目はほとんど乾いていたこともあり、全員が非常に快適で楽しい登攀になった。CL/SLの体感グレードは1段目が-、2段目は掘 その後は小滝を登りつつゴーロを歩き、堰堤をいくつか越える。チムニー状7mは初沢メンバーにトップで登ってもらった。登攀スキルはCL/SLよりも余裕があるので安心して見ていられる。3段12m+6mはビショビショだったこともあり、CLのみが直登、3人は左岸を大きめに巻いた。少し高度感があり怖さを感じるメンバーがいたので、立木何本かでロープを張り、セルフを取ってもらいつつ沢床に復帰した。 Co1200ぐらいから右岸尾根に詰めて、源次郎尾根道に乗った。ちょうど乗ったところに眺望があり気持ちよい。そこからは顕著な踏み跡で花立山荘のすぐ上の登山道に飛び出した。尾根は風が強い+この辺りから雨が降り始めてきたため、山荘には入らず雨具を着て早々に下山とした。下山道はよく整備されており、天神尾根分岐から先は植林帯であることもあり雨風も気にならず、木の根が多めの道を辿って駐車場まで。時間的にギリギリヘッデンな下山となった。 |
その他周辺情報 | ラストコンビニ: セブンイレブン 秦野戸川店 登山ポスト: 滝沢園入口 下山後温泉: 湯花楽 秦野店 晩飯: 湘南名菜 桂花楼 |
写真
装備
個人装備 |
★靴(登山靴/沢靴/アプローチシューズ)
★クライミングシューズ
★防寒具(ダウン/手袋)
★雨具
★昼食
★行動食
★飲料
★ヘッドランプ
★モバイルバッテリー
★スマホ(兼GPS)
★ハーネス
★ヘルメット
★セルフビレイコード(PAS)
チョークバック
確保機(ビレイ器/ATC)
環付きカラビナ
スリング
アッセンダー
バイル
計画書
参考遡行図
地形図
サングラス
ナイフ
コンパス
笛
ファーストエイドキット/常備薬
保険証
時計
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共同装備 |
ロープ(8.9mm60m/ケブラー5.5mm20m)
クイックドローx8
カム(Z4#.3/.4/.5/.75)
ハーケンx4
アッセンダー(タイブロック/マイクロトラクション)
特小無線機x3
ツェルト
衛星SOS発信機(inReach Mini2)
|
備考 | ★は全員持参、それ以外は持ってる人は持ってくる装備 |
感想
去年に水無川本谷をやった時( https://yamare.co/4911907 )に、沖ノ源次郎沢の取り付きで登攀準備してるパーティの皆さんを横目に見つつ、「水流ないから別になぁ」と思ってたこちら。CL/SLだけでは行く気なかったけど、沢をやる気のないクライマーに沢登りを紹介するのにはちょうどいいな、と思いつき計画したらついてきてもらえた!
コンディションが悪く濡れていたお陰で良くも悪くも、沢の楽しいところも辛いところも上手く全部紹介できたと思う。計画時点では乾いた岩を登る岩遊びぐらいのノリだったが、コンディションのお陰で「沢登り」になったと思う。悪めの登山道からのアプローチ、本谷遡行で水流の岩場で遊びつつ、濡れた壁の登攀もがっつりできた上で、フリーで7mぐらいは登ったり、直登を諦めた結果危険に感じる巻きが必要になったり、最後も短くはあるが詰めもあり。そして長くてだるい下山路も。やらなかったことは懸垂下降ぐらい。
予報では南西の強風だったので谷の向き的に大丈夫だろうと考えて行ってみたのが大正解。快晴に異常な高い気温でポカポカ日和、登攀中は文字通りの沢日和になった。9月下旬ぐらいの暖かさ。シングルロープのアッセンダー登攀なので全員の待ち時間が多い登攀システムだったが、誰も寒さを感じたタイミングはなかったはず。
沢としての体感グレードは1級上ぐらい。詰めがそこまでの急登でなく短いこともあり。今回の濡れているコンディションでは全ての滝を直登すると確かに2級かもな、という感じだった。3段12m+6mを僕だけが独り寂しくフリーで登ったが、ここの最下段が一番しんどかった。濡れていて厳しく、ハンマーでA0してギリギリ登れた。全部登り終わったあと、巻きで苦労している3人のもとに降りてロープを張ったり忙しかったのもあるけどw
計画時間よりだいぶ遅れてしまい、ギリギリヘッデン下山になりはしたが、そもそも出発が遅かったりしたこともあるので、このパーティとしてはベストパフォーマンスだったと思う。みんな怪我もなく、翌日はクライミングジムに行ったりするメンバーもいるようで、楽しんでもらえたのは何より良かった。あとはうまいこと来夏に沢装備を買わせられれば……。
この後は、超絶寒気が入ってくるので、今年の沢は多分これが最後になるのかも?
とにかくポカポカ沢日和で楽しかった、お疲れ様でした!
ダイジェスト動画: https://x.com/yaklimber/status/1737073411611033775
初めての沖ノ源次郎沢。沢デビューの2人を連れてCLとサポートしながらの遡行。
スタート時から暖かくて12月とは思えない気温でしたが、沢デビューの2人には寒さ対策などの心配事が少なくてちょうど良かったです。
F1の20m棚は登り始めると下から見た感じよりもスタンスが小さく、角が丸くてすべすべな見た目&濡れていたのでけっこう緊張しました。足を置くときにあまり信用できなかったけど、乾いていたらもう少し登りやすかったのかな。
F2・20m棚は左~右へのトラバースは枯れ枝核心で、ちょうど顔の位置くらいに枝がバサバサ当たって鬱陶しかったです。この時期なので足元は落ち葉が積もっていましたが手足ともに岩がしっかりあるのでルートはわかりやすいです。右上の凹角もカムがハマりやすいしガバが豊富なので、全体通してF1よりも登りやすかったです。途中ハーケンがいくつか打ってありましたが潰れて使えないものも何個かありました。
棚を超えた先は苔の生えた良い雰囲気が続き、登れる岩場も出てきて面白かったです。途中ずっと近くで鹿の鳴き声が聞こえていましたが姿は見えずでした。警戒されてたかな。
デビューの2人は我々CL・SLよりもクライミング力がはるかにあるので登りでは不安なところはなく、2人とも「こえー!w」とか叫びながらも棚を楽しそうに登ってくれていたので良かったです。
その先の遡行も、苔むした滑る岩をマントル返したり、巻きで足場が崩れてちょっと怖い体験をしたり、少し詰めがしんどかったりなどなど沢の良いところをたくさん経験してもらえたと思います!
でも水が流れている沢はもっともっともっと楽しいので、またタイミングあればいつでもお誘いしたいと思いました。
最近はCLといつも2人で遡行してたので久しぶりの大人数楽しかったです!皆さんお疲れ様でした!
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