富士山山スキー(富士宮口)〜板納めで板流し、冷や汗〜
- GPS
- 10:13
- 距離
- 11.8km
- 登り
- 1,727m
- 下り
- 1,716m
コースタイム
- 山行
- 8:28
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 10:13
天候 | 晴れ(午前は時折強風、午後下部でガス) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(この日の富士山スカイライン「登り」ゲートの夜間閉鎖は解除されていました。) 駐車場:富士ノ宮口5合目の駐車場利用(無料) 富士山スカイライン http://www.fuji-tozan.com/05_access.html 午前5時半には上の駐車場は9割がた埋まっていました。 道路は凍結箇所はありませんでした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■富士登山における安全確保のためのガイドライン(平成27年3月改定)(PDF、469KB) http://www.fujisan-climb.jp/m3oati0000003p6f-att/guideline_jp_rev201503.pdf (抜粋)「夏山期間以外の時期は、充分な技術・経験・知識としっかりとした装備・計画を持った者の登山は妨げるものではないが、(中略)万全な準備をしない登山者の登山(スキー・スノーボードによる滑走を含む)は禁止する。」 ■登山届提出先→静岡県警 「しずおか電子申請サービス」を利用して、登山計画書を提出しました。 https://www.pref.shizuoka.jp/police/kurashi/sangaku/net-tozankeikaku.html ※提出の翌日、静岡県警から電話があり、積雪期富士登山の経験や装備、計画などを確認されました。 ■当日の状況 ・登りでは、夏道を使う人、雪渓を登行する人とそれぞれ。 話では9合まで夏道で行けたようです。 私は雪渓を兼用靴+アイゼンで登行しました。 (最初、シール登行を試みましたが、クトーを忘れたため、早々に諦める。) ・朝方は気温が低く雪面固かったが徐々に緩む。 ・時折強風。突風に1-2mほど持って行かれたことも。斜面にピックを刺し、這いつくばって 耐えていたら、砂礫交じりのザラメ雪が横っ面に打ち付けてきて超痛い。 耳の穴にまで雪が入る。orz ・駐車場から雪渓末端までと、頂上までに2箇所で雪がなく夏道を歩く。 ・山頂から剣ヶ峰までは雪は繋がっていた。 ・富士宮側斜面の滑走は、上部雪渓の上端、標高約3650mから可能。 ・途中3か所で雪が切れ、スキーを外す。 ・下部に行くにつれ、砂礫と小石が多くなるので板が痛むこと必至。 私は6合5勺からさらに標高差で100mほど下った、2670m付近まで滑って終了としました。 ・落石を2回目撃。見てはいないが「ラーク!」の声も2回ほど聞く。 ・下山時、滑落者を目撃(15mぐらいゆるゆる滑ったのち停止して無事)。 |
その他周辺情報 | コンビニは陸上自衛隊滝ヶ原駐屯地下のセブンイレブン御殿場滝ヶ原店が最後。 |
予約できる山小屋 |
八合目池田館
|
写真
装備
個人装備 |
スキー(K2 backup 160cm C82)・ストック(ウィペット1)・シール
ヘルメット
カメラ(2)
水筒・テルモス
ヘッドランプ(1)
予備電池
地図(2)
コンパス(1)
笛(1)
筆記具(2)
ライター・ファイヤースターター
ナイフ(1)
ティッシュ(1)
携帯電話(1)
フリース上着(1)
ダウンジャケット(1)
サングラス
ビーニー・ネックウォーマー
予備手袋(インナーも)
アイゼン(1)
ピッケル(1)
工具・ワックス(1)
食料・非常食
日焼け止め(1)
保険証・医薬品
スリング・カラビナ
GPS(1)
ツェルト(1)
無線機(1)
発煙筒(1)
|
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備考 | 反省 ・板を流した。(後述) ・強風の際は、顔面保護のためにもフードをかぶっていた方が良い。 ・夏道をアルミアイゼンで歩いて摩耗させた。 ・スピードアップのため、さらに装備厳選して軽量化すべき。 ・高度順応のため五合目で前夜泊した方が良いかも。 |
感想
今回、雪渓から雪渓への移動で一旦スキーを脱いだ際、
不注意でスキーを流してしまうという、あわや事故に繋がりかねない失態を犯してしまいました。
近くにいた方はさぞかし肝を冷やした事と思います。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。
下記にて自分なりに当日の状況の検証と反省を行いたいと思います。
【状況】
・上部雪渓末端から下部雪渓へ移動する際、
実際に雪切れしている部分からは20-30m程の距離があったが、雪は先細りで砂礫や小石が多いので少し手前でスキー(ブレーキなし、リーシュのみ)を脱ぎ、リーシュを外し、雪面上に板のみが置かれた状態に。アンカーは取らなかった。
・当初は安定していたが、誤って板を触ってしまい、スキー先端がフォールラインに向き、2本とも雪面上を滑り出した。
・そのまま加速し、1本は数m流れ左に逸れ砂礫に突っ込み停止、もう1本はさらに流れて雪切れしている箇所をも越え砂礫の斜面に突っ込んで停止した。
自分は当初、「あー、あー」と情けない声を出すぐらいで何もできず、たまたま近くにいたスキーヤーが
下方に向かって「ラーク!」と叫んでくれたのを聞いて、やっと我に返り「ラーク!」と声を出す体たらくでした。
【原因】
・人為的ミスが重なった。
板を脱ぐ前に、フォールラインに対しきっちり横向きに停止していなかった事に加え、
ブレーキがないビンディングなのに、板を横向きにする、裏返す、ストック等でアンカーを取る等本来施すべき必要な処置を怠った。
また、直接的な原因ではないが、下山を急ぐ気持ちや、雪渓末端に辿り着いた安心感による油断や、疲労による注意力、判断力の低下があったのかもしれない。
【反省】
下方には登山者が数名いましたが、スキーは逸れてくれて結果的には誰にも怪我をさせず、また流れた距離も比較的短かったので、スキーの回収も容易にすみ本当に幸運でした。
しかしそれは、ただ単に運が良かっただけ、それだけです。
もしも、雪渓上部で板を履く時に流していたら、スキーはもっと長い距離を流れ、もっともっと加速していた事でしょう。
そんな状態で誰かに衝突していたら、と思うと背筋が寒くなる思いがします。
また、今回は残雪期で、雪の状態も良く、ツボ足でも歩けるコンディションでしたが、条件によっては、雪山でスキーを失って徒歩で下山という事態に陥ることは、確実に遭難に近づく事になります。
たまたま偶然の重なり方によって救われただけ、ということを肝に銘じ、
二度と同じ轍を踏むことのないよう、今後の山行に今回の経験を生かしていきたいと思っています。
大事に至らず良かったですね。
私もかつて、ストッパーがない「ジルブレッタ」という締め具を使用していた頃、飯縄山でリーシュを外した際に傾斜の読みを見誤り、沢筋へ流してしまいました。
幸い新雪に突っ込んで100m程の下降で無事回収し事なきを得ました。
この時期の富士山の場合(私も昨春滑りました)は、登山者・BCも多く、読んでいてリスクの大きさに改めて気づかされました。
koodoo さんの、真摯な検証(状況・原因・反省)に「拍手」です。
※それにしても雪が少ないですね。
peak315さん、暖かいコメントありがとうございます。
後から考えれば考えるほど、リスクの大きさに愕然とします 。
とんだ板納めになりましたが、本当に運が良かったと思います。
富士山スカイラインから見た、雪の少なさにはビックリしましたが、
さすがスケールの大きい山なのであれでも結構滑れました。
これからもお互い安全で良き山行を 。
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